真・恋姫✝無双~御使いの転生~張任伝 第四章天下飛翔/第六話
第六話/争いの前夜宴
「全く、司金は困った事をしてくれましたね…駿君?」
藤は駿を正座させ、上から見下ろしながらそう言った。
「は、はい!! 藤さんごめんなさい!!!」
「解ればよろしい」
「解せぬ」
「まぁまぁ、甘寧殿。 うちの大将も体調は戻ったのですから良いではないですか。」
しかめっ面の思春を宥める兎范。
「「どうしてこうなった」」
もはや呆れ顔の土呂と亀甲縛りを受けている司金と顔を真っ赤にする軍師達。
「俺が一番言いたいよ…」
そう言いながら正装姿の一刀が溜息交じりに言う。
「さて、資材についてだが。 探索部隊の報告から4里(この小説では、中国で定義されてる、1里=500mとして扱います)程先に建材となり得る木々が多い密林があるようなんだ。」
「そこで、駿と司金、智民、木偶の4人に木材を確保してきて欲しい。残りは此処に待機して貰う」
「「「御意!!」」」
「邢道栄(ケイドウエイ)。劉焉軍が巫県に城塞を築いたって本当なの?」
「間違いありません。 どうやら主将の張任は病に倒れたようです。 今なら奇襲は出来ると思いますがどうでしょうか?」
「金旋(キンセン)殿、どう致しますか?」
大柄の髭を蓄えた男がそう言い、それを聞いた少女は玉座に座る白髪の男に敬った様に伺う。
「邢道栄殿には、三千の兵と楼船六艘を用意させる。用意が出来次第、巫県に奇襲を行ってくだされ」
「御意!!」
「劉賢殿には一万の兵と船を大量に用意させよう。その後、邢道栄殿を援護してくだされ」
「承知いたしました」
大男と少女はその場を後にした。
「そうだな…私は他の太守達に書状を送ります。 交趾のあの人は無理でしょうけど……劉度殿は内政に集中してくだされ。」
「了解です。 しかし、降伏した方が身の為では?」
「仮にも私達は漢より任させられた領地を守る太守ですぞ? 我等の上は漢です。 彼らは漢の所領を奪う逆賊です。 ここは戦い、敗れた際は覚悟を決め自害でも致します。」
「……(堅物ですな…まぁ良い。 負ければ盟主である貴様を売れば…フフフ、私の太守としての地位は安泰だ) そうでしたな…では失礼」
「えぇ、頼みましたよ」
金旋は劉度の邪悪な笑みに気付かず、各太守へ送る書状を書く為に玉座の間を後にした。
「邢道栄、私は父上が金旋殿を盾に己が地位の安泰を得ようとしていると思うの…私どうしたら良いのかな?」
「雀(スズメ)様、私はあの方に仕えているのではなく貴方に仕える身です。 もし、御父上に対し謀叛を起こすならば私があの方を殺します。」
「そ、そう……金旋殿は良い人よ、恐らくあの人が死ねば荊南の民が悲しむわ。」
「そうでございましょうな…」
「だから、もし父上が不穏な動きをした時は… 「私が討ちましょう」 !?……うん、お願いね?」
「承知、では私は支度がありますのでこれで」
邢道栄は劉賢に対し一礼し、足早に練兵所へ向かった。
「長江は広い~な、大きいぃなぁ~♪」
二人の男が湖に釣竿を垂らしていたが、坊主頭の男が突然歌いだした。
「下手糞」
「ちょ!? 鮑隆(ホウリュウ)酷くねぇか?」
鮑隆と呼ばれ虎の毛皮であろう服を着た男は一向に表情を変えず竿だけを眺めている。
「陳応(チンオウ)は歌が下手、これ常識。後、ここ長江じゃない。」
「うがぁ!!!」
「はぁ…此処にいたか……。」
陳応と呼ばれた坊主頭の男が鮑隆に飛び掛ろうとした時、女性が溜息交じりに近付く。
「お、姉御!! 一緒にどうっすか?」
「どうもこうもあんたねぇ……陳応、兵の準備を早急にしな。鮑隆は公安の港の整備を頼んだよ? 韓玄は動かないだろうしね」
「劉焉と戦?」
「そうだよ。 金旋の旦那が愚太守野郎の娘を先鋒に勝ち込みに行くのさ」
「おぉ!!! おっしゃ!! 気合いが入るぜ!!!」
「御意、すぐ行く」
竿を放り投げ走っていく陳応、竿をその場に置き、姉御と呼ばれた女性に対して一礼をしてから走っていくアワb…ではなく、鮑隆。
「全く、陳応は子供のままだねぇ…」
呟きながら彼女は陳応が放り投げた竿の先に広がる湖を見た。
「さて…私も執務室に帰らないといけないからね、糞爺共の話し相手は癪に障るけどね。」
そう言いながら二本の釣竿と何も入ってない小さな籠を抱え、乗ってきた馬に乗り城へ帰った。
同時刻
此処、長紗では金旋の書状が届きその対応で軍議が開かれていた。
「どうするんだい?」
「韓玄の姉さん! それを決定する為に俺は貴女に聞いているんだよ!!」
艶やかな赤髪を手で梳きながら興味なさそうにしている女性とその女性に必死に食い下がる赤いバンダナを額に巻き付けている青年。
「ふあぁ…丁奉(テイホウ)は騒がしいよ、今から準備してもたぶん間に合わないって思うな。」
「け、けどうよう!!!」
「杜預(ドヨ)ちゃんや、何か策はあるのかい?」
「う~ん、初戦は負ける事は確定しているの。 問題は負けかたかな? 敵は船がないから攻めて来ないだけだから…「そうか!! 先鋒が乗ってきた船が無傷ならそれを…」使ってたぶん武陵まで来ると思うな。 その後は済し崩し的に…かな?」
「ふむ…守備を固める準備期間はどれくらい必要になるかい?」
「大丈夫だよ、近くの公安港はたぶん趙範…さん、が守ってくれると思うから…先鋒が出発したのが、使者が来る二日前だから…最低限でなら今居る兵隊さん達で大丈夫なの」
「そうかい、じゃあこれで解散だね。 妾は髪の手入れをせねばならぬゆえ…」
そう言いながら韓玄と呼ばれた女性は奥へと消えて行く、それに伴って武官文官達はそそくさと玉座の間を後にした。それでも、丁奉と杜預の二人はこの場に残っていた。
「納得いかねぇ!! 俺は此処の為に意見出して来たんだぞ!!」
丁奉はそう言いながら地面をガシガシ踏みつけた。
「どうせ何言ったって無駄なんだから劉焉に気に入られるようにした方が良いって思うな。」
「竹姫(チクキ)はそうするのか?」
「うん。 大将の張任って色白の美系の青年って聞いたの!! はぁ…張任様……速くあなたにお会いしたいの…」
目をハートの形にさせ恍惚とした顔をする彼女、
「……此処にいても大将軍は夢のまた夢だなぁ…おい! 俺も張任の仲間にさせてもらえるかな?」
「う~ん、その出世欲さえ上手く隠せば良いんじゃないかな? 用兵術は良いんだし」
「うっしゃ!! 竹姫!! 俺とお前の手勢だけでこの長沙取っちまおうぜ?」
「……面白そうなの!! 張任様も褒めてくれるよね!! じゃあ…丁奉は南門のこの部分を…」
二人はしばらく離反の為の策を話し合った。その後、それぞれ兵を秘密裏に集め来るべく張任の為に息を潜める事にした。
あとがき!!!
あの四太守で…うち二人が爺、うち二人が大人の女性に変身するってどうゆう事なの…な作者です!!!
各個撃破予定ですが…ゑぇい!! いいからドーピングだ!!(短縮)
スピード速めていきたいと思ってる亀ですよ…はい。
真名安直だったかな? 破竹の勢いの人だし…良いよね?
丁奉閣下を見るとスターリンを思い浮かべますが…残念ながらスターリンについては調べた事ないまま作ってしまったからこうなった。 反省はしている、後悔は(ry
因みにアワビ達の主君のCVは個人的には○ンダムのシー○様、と独自解釈してしまう作者であった。
軽く現在の情勢を言いましょう。 その方が途中から来た方は理解してもらえると思いますし、長い付き合いの方は補完出来ると思います。
しかし、そんな物はいらねぇ!! 一種のネタバレじゃないか?って思う方はスルーしていただいて構いません。
まず、江東は小覇王様が半ば統一、一部の人間が今も抵抗している情勢です。まだ活写はしていませんが中原は華琳様、陶謙、といった人物がそれぞれの領地を守っております。そこに…ゲフンゲフン
河北はほぼ劉備・公孫讃の領地となり比較的安定していますが…さて、万里の長城と言えば理解していただけます。
王都洛陽はもはや正史の反董卓連合時の董卓による遷都以上の惨状、長安は彼らの所為で荒れ果てていますが、張繍が辛うじて都市としての機能を維持させています。
漢中はお米の教祖様が元気になれぇぇ!!っと叫びながら信者達を治療しています。そのついでにある事もしていますがね…
涼州は馬超対韓遂!!
作者は翆を応援しているぞ!!!(ゑ?
益州、荊州はご覧のとおりです。 黄祖が死に、仲間が死に前を向き、新たに決意を固める一刀君。そしてビッチの秋桜が一刀君をロックお(ryザシュ!!!
……あれ? 俺何しているんだろうか…
あ!!! 占めの一言忘れてた!!! それでは皆さん
アディオス!! @@ノシ
追伸、一作目から御贔屓にして下さる方、途中から見て気に入っていただき最初から見直してるよ!!って方なら薄々感づいていると思いまずが、この張任ルートと+残り5ルートで「御使いの転生」として扱っていこうと思います。その為、前にメールで頂いた際、司馬鴺ルートや鞠義ルートと同時進行してくれないか?と要望が数件あったのですが、一つのルートが終わったら次のルートに進む方向でしていこうと思います。ご了承ください。
本来、本編が思いつかない場合なら短編や一発物でその場しのg…ゲフンゲンをしているわけですが、此処で皆さんにお聞きしたい事があります。
本編投稿して、投稿できない場合は短編物で場繋ぎするこのままのスタイルで投稿はしていこうと思うのですが、新シリーズを出すべきか出さざるべきかです。そこでこの後その新シリーズのハンドアウト的なものを投稿しようと思います。そちらの方でアンケートも行おうと思うのでよろしければ回答して頂けるとかなり助かります。
以上、作者からでした。
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前回の誤字かなり恥ずかしかった(赤面)。 やっぱ、期間を開けてしまっただけ名前を間違える可能性が大きくて悩んでいる作者です。
今度こそは誤字しないために修正に二日掛けたんだ…我に抜かりない!! と思いたいです(´・ω・`)