拝啓、真鍋 和様...........あ!因に〝真鍋〟ってのは〝和〟の名字ね。
真鍋 和様......お元気ですか?
和「お元気です......てゆうか目の前にいるじゃない」
推「................」
................お元気ですか?俺は元気です。
学校が始まって2週間.........俺はいま、非常に悩んでおります。
和「わかったから。早く用件を言いなさい」
推「ちょ、もうちょっとだけ待って!すぐ終わらすから!」
和「はぁ〜」
えっ?何を迷っているかって?それを聞いちゃお仕舞よ!!
和「そうね。お仕舞ね。ならもう自分の教室に帰りなさい」
推「すいません!!悪かった!俺が悪かったから!話を聞いて!!」
和「.......あなた作者にそっくりね」
唯「ねぇねぇすーくん。私にも和ちゃんみたいに手紙風に話してよ」
和「唯.....空気読みなさい」
推「全く......仕方ねぇな」
和「推もOKしない!!用件はどうしたの!!」
拝啓、妹(唯)よ。....元気?......あっそう、元気ならいいや。
和「あ〜あ。始まった」
唯「私だけ、口調が荒い!!」
推「チッチッチッ。馬鹿言っちゃいけない......唯よ。
それは親近感と言う奴だ。お前だからこそこんな口調なんだよ。
そう。〝唯限定〟なんだ!!喜びはしても落ち込む所じゃないんだぞ、ここは」
唯「〝私限定〟.......最高だよすーくん!!」
推「うむ。喜べ喜べ、我が妹よ」
和「はぁ〜.....この兄妹は...」
唯「じゃあ続きを、すーくん!!」
推「えぇ〜.......だるいしやだ!!」
唯「えぇぇぇぇ!!!」
推「安心しろ唯。これも唯限定だ!!」
唯「そっか!私限定だね、すーくん!!」
推「その通り.........っと、冗談はさておき、
唯「冗談!!orz」
推「...........................唯限定(ボソッ」
唯「!!!続けていいよ、すーくん!!」
推「あ、あぁ」
推「(自分限定ならなんでも良いんだな......)」
和「(忙しい兄妹ね......)」
推「何部に入ろうか悩んでんだ」
和「ずいぶんと唐突ね........って!貴方も部活まだ決めてなかったの!?
...........それに、あれだけ引っ張っておいてそれだけ?.......はぁ〜」
推「それだけって酷いな〜、これでも結構悩んでんだが。
ん?......そういえば〝貴方も〟ってことは俺の他にも.........あぁ、唯か」
唯「なんで分かったのすーくん!!」
推「なんでって、そりゃあお前......(いかにも『私です!』って顔してたろ今)」
唯「はっ!!これは、きっと兄妹の絆、いや〝愛〟!!愛の成せる技だねすーくん!!」
推「........うん。もうめんどいし、なんでもいいや」
あの騒ぎの後、和に中学時代は何部か?と聞かれ、部活はやってなかったと言うと、
部活やってないだけで〝ニート〟と言う衝撃的な言葉を頂いてしまった俺は、
現在自分のクラスへ戻る為、廊下を歩いている。
?「澪〜!!」
?「律?」
前方から歩いて来ていた黒髪ロングの娘の、
更に奥からカチューシャをした、でこ娘(略して、で娘)が走って来た。
律(仮)「クラブ見学行こうぜ!!」
澪(仮)「クラブ見学?」
律(仮)「軽音部だよ。軽音部!!」
その前方の2人からそんな会話が聞こえて来た。
へぇ〜軽音部なんてあんのか?この学校。
俺もギターは一応出来るし..........保留だな(入部するか)。
候補、最終手段として置いておこう.......。
何より和にニート呼ばわりされるのはなんか嫌だ.....凄く嫌だ。
さらに話を聞いて行くと......別に立ち聞きじゃないよ!!歩いてるからね!!
どうやら、律(仮)は澪(仮)を軽音部に一緒に入部しようと誘いに来たようだが、
澪(仮)は文芸部へ入部希望らしく、入部届けを律(仮)に見せる。
その、澪(仮)の入部届けを、数秒眺めた律(仮)はその入部届けを手に取り....
律(仮)「びりっ」
破った〜!!!
澪(仮)「あぁぁぁ!!なにすんだよ律!!」
どうやら澪(仮)にも予想外だったようだ.......ご愁傷様です。
澪(仮)の絶叫も空しく、そのまま律(仮)にどこかへ連れ去られてしまった。
........本当に、ご愁傷様です。
そして、漸く俺は自分のクラス1組へと帰還。
自分の席はと座り、この学校の部活動名が書かれた紙を眺める。
因に、俺の席は一番窓際の一番後......の前だ。
......惜しいもうちょっとで寝易い席だったのに。
実は俺、授業中ずっと寝てるんだ!!(キランッ
?「あ!おかえり平沢君。良いアドバイスは貰えた?」
悩んでいた俺に話しかけてくる女子。
初日に変わった出会いをした、特徴的な眉毛の娘。
そう〝眉ちゃん〟だ!!(本名は〝琴吹 紬〟さんというらしい)
偶然隣の席になり、仲良くなったのだ。
推「いや。全然。軽く流された感じだったなぁ」
琴吹「そう。それは残念ねだったわね」
因に、琴吹さんには友達(和)に部活について相談してくると言ってある。
.......あの時は、なんだか親に行き先を伝えて出かける子供の気分だった。
........あれだな。なんて言うんだけ.......そう〝童心に返る〟だな(違います)。
推「琴吹さんは合唱部だっけ?」
琴吹「えぇ。今日見学に行こうかと思うの」
推「そっか。楽しい部活だといいな」
琴吹「えぇ!!」
満面の笑みで返事をする琴吹さん.......よっぽど楽しみなんだな。
そして、その日は終了。
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琴吹「私、軽音部に入ってみたの〜」
推「ふ〜ん」
次の日の昼食の時間。
おっとり口調でそう言って来た琴吹さんに、
俺は、購買で買って来た牛乳をストローで飲みながら軽く返す。
あ、因に俺は琴吹さんと食事中......まぁ、いつもの事だ。
なんでも、琴吹さんは、いままで〝おうらん〟なる学院へ通っていたらしく。
普通に生活がしたいが為、実家の在るこの街に来たとかで、
この辺では、まだ友達が出来ていないらしい。
即ち、俺と同じくこの学校に友達が居ない人。
と言う事で一緒に昼食を、と誘ったのが切っ掛けだった。
琴吹さん曰く、俺は最初の〝お友達〟と言う事で軽く了承してくれた。
しかし〝桜◯学院〟ねぇ〜......何か聞いた事あるよなぁ〜。
あれだろ?高等部の第三音楽室に暇人達が集まってる学校だろ?
しかし実在したとは.............................。
作者の野郎、学校名考えるのが面倒くさいからって、他所から引っ張って来たか。
しかし、琴吹さんや.......君はやはり〝お嬢様〟だったか。
初めて合った時に、感じた徒ならぬ気配はそのせかい!?
それに今だって、俺に男子の殺気と女子の視線が、ガンガン当たって来てるもん。
なんだか女子の視線は熱を帯びてる様な気もするが.........気の所為だな?
..........人気者だな琴吹さん。
俺なんかと飯食ってないで、友達でも作って来なさい。
君ならすぐ出来る筈だから。........俺?俺はいいよ1人で飯食ってるから。
.......おっといかん、話し込んでしまったな.......って、あれ?
推「軽音部?......合唱部じゃなかったの?」(今更ですね)
琴吹「えぇ。
滅多に出会えないとっても楽しくて愉快な人達の仲間になりたかったの!!」
推「(珍獣って事!!)へ、へぇ〜......って事はいたんだ、珍j.....愉快な人達が」
琴吹「えぇ。とても面白い人達よ......これから楽しくなりそうだわ」
推「.........さいですか」
軽音部.....珍獣もとい楽しく愉快な人達....ねぇ〜。
残念な事に、俺の脳内検索に引っかかる人が2名いるのだが.....。
昨日であった2人....澪(仮)&で娘(律(仮))だ。
昨日、あのまま入部していたとしたら.........その可能性は高い、かな?
琴吹「でも、今月中に後2人入部しないと廃部になっちゃうの........平沢君!!」
推「ひゃい!!」
琴吹さんは、俯いて〝シュン〟となったと思った、
いきなり顔を上げ俺の両手を自分の両手で握ってきた。
俺とした事が、思わず声が裏返っちまったぜ....しかも.......痛い!...握力どんだけ!?
琴吹「そこで!!平沢君に軽音部に入部して貰いたいの!!」
推「はぁ....?」
琴吹「自己紹介の時言っていたじゃない?趣味でギターを少々って」
推「....よく覚えてんなぁ、そんな事」
琴吹「私、クラスの皆の顔と名前と趣味・特技覚えてるの!!
最初の自己紹介の時に言ってたもの!!」
推「そら凄い.......で?俺に軽音部だっけ?」
琴吹「えぇ!!平沢君が入部してくれたら、より楽しくなるかな?と思って!
..............あ!でも迷惑だったら別に.....」
握っていた俺の手を放し、もう一度〝シュン〟となる琴吹さん。
やめて!!あらぬ誤解が生まれるよ!!男子の殺気か強まったよ!!
推「一応、軽音部は考えていたんだよ」
琴吹「え?」
推「そうだな.....じゃあ後1人入部したら俺も軽音部に入部しようかな」
琴吹「!!!待ってて、すぐにもう1人集めてみせるから」
推「あ、あぁ......待ってるよ」
両手を胸の前で合わせて意気込む琴吹さんに、
そのテンションについていけず、少し気圧されてしまった。
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