No.39442

無題

華詩さん

甘い世界の二人

2008-11-03 21:48:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:468   閲覧ユーザー数:433

 

「こうなったこと後悔してない。」

 

腕の中で囁かれた声はどことなく不安げな、でも何かを確信したような強い響きの声。

 

その問いに、答えるかわりに強く抱きしめた。

 

後悔はしてない。求めていたことが実現したから、

 

手に入れた温もり、今までは感じ取ることができなかった

 

二人が一人になった温もり

 

「黙ってちゃ、わからないよ。」

 

すこし拗ねたような声が、腕の中からする。

 

「あれ、いまのじゃ答えになんない。」

 

「ならない。何のために言葉があるの?」

 

腕を少し動かし体をこちらに向かせて目を合わせた。

 

「してないよ。するぐらいなら最初からしない。」

 

何か言おうとした彼女の口をふさぎ、また一つなる。

 

つながりに多くの言葉はいらない。

 

 

…………………………………………………………………………………………………………………………………

 

「こうなったこと、後悔してない。」

 

腕の中に包まれながら言った。

 

答えはなんとなくわかってる。

 

でも不安。間違いなく、負担だから。

 

そしたらギュッて強く抱きしめられた。

 

無言の答え。でも、十分だった。

 

けど声も欲しい、もっと実感したい。

 

「黙ってちゃ、わかんないよ。」

 

わかってるのに、天の邪鬼だな。

 

ちょと困ったような空気を感じる。

 

「あれ、いまのじゃ答えになんない。」

 

ちょっと困ったような照れた声で言われた。

 

「ならない。何のために言葉があるの?」

 

と言ったら、向かい合うように抱きなおされて目と目が合った。

 

「してないよ。するぐらいなら最初っからしない。」

 

それに対しての返事は彼の口に吸い込まれた。

 

『幸せでいても良いんだよ』って、彼の気持ちが流れこんでくる。


 
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