No.393348 IS〈インフィニット・ストラトス〉 転生者は・・・ISさん 2012-03-17 22:18:52 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:8712 閲覧ユーザー数:8278 |
「そうよ、中国代表候補生、凰鈴音。今日は宣戦布告にきたってわけ」
一夏の方を見て、ふっと笑みを見せた鈴。
「何格好付けてるんだ? すげえ似合わないぞ」
はあ、まった余計なことを。
「んなっ……!? 何てこと言うのよ、アンタは!」
さて、俺は席に戻るか。鈴の背後に鬼が見えたからな。
「おい」
「なによ!?」
バシンッ!
織斑先生の一撃。
うん、今日も良い快音だ。
「もうSHRの時間だ。教室に戻れ」
「ち、千冬さん……」
「織斑先生と呼べ。さっさと戻れ、そして入り口を塞ぐな。邪魔だ」
圧倒的な力、これこそが織斑先生!
……はあ。なんでこんな馬鹿なこと考えてんだろ。
「す、すみません……」
織斑先生にビビッてそこからどいた鈴。
「また後で来るからね! 逃げないでよ、一夏!」
そんな台詞を残して、ダッシュで帰ってった。
それでも、転入生が一夏と知り合いとなれば質問攻めにされるわけで。
箒とセシリアを先頭に、クラスの女子が一夏に詰め寄る。……織斑先生が居るのにな。
バシンッ、バシンッ、バシンッ、バシンッ!
「席に着け馬鹿ども」
あーあ、一夏のせいで出席簿アタックの餌食となった女子が多数…
俺はだから席に戻ったんだよ。
授業中、集中してなかった(出来なかった)箒とセシリアが何度も出席簿の餌食になったのは余談だ。
◆
時間は飛んで昼休み
一夏たち? 知らないけど? 今も一緒に居ないし。理由は―――
「それで、用事ってなあに?」
楯無と一緒に居るから。
呼び出したの俺だけど。ちなみに場所は生徒会室だ。
「変な想像しないでくれよ? 普通の話だから」
「あら、残念」
「期待してたのかよ」
「少しね」
「本題だ……楯無はクラス代表とかやってるのか?」
「ううん、私は生徒会長だけ。でもどうして?」
「ならよかった、これが本題。今日の放課後、ISの訓練に付き合ってくれないか?」
「必要なの? 私に引き分けてるのに」
「それは楯無がこっちのことを知らなかったからだろ? 単純な技量じゃ楯無のほうが上だからだよ」
「まあ、今日は仕事無いし、いいわよ。で、どこで?」
「放課後、第三アリーナでよろしく」
「わかったわ……もう、拓神から呼び出されるなんて、告白されるのかと思ったんだけど」
「昨日の話から、時間経ってないだろ」
「そうね。で、付き合う報酬は?」
「……必要なのか?」
「できるのなら、君の心が欲しいな」
「俺の心どんだけ安いんだ……。俺と一緒に居られるってのだけじゃダメ?」
「そんなの、いつもじゃない」
「……無許可だけどな」
「ま、冗談よ。じゃあまた放課後ね♪」
ちくせう、コイツに振り回されるのは絶対なのか?
◇
また時間は飛んで放課後、第三アリーナ。
ガキッ、ガキャンッ!
金属のぶつかり合う音。
発生源は俺と楯無。
理由は、模擬戦をやろうという楯無の提案から。
一応言っておくが、俺の装備している機体はアストレアTYPE-F2だ。
「おわっ!」
「ほら、どうしたの?」
楯無のランスのひと薙ぎをシールドでガード。
でも、そのまま弾き飛ばされる。
体勢を崩されたが、その体勢のまま左手のビームライフルを撃つ。
でもその関係上、狙いが雑なので当たるわけもなく牽制程度。それでもその間に体勢を整えて再度接近。
遠距離からの射撃では、楯無の機体―――
「このっ!」
接近した勢いのまま右腕のプロトGNソードを横に振る。
それはランスで弾かれ、そのランスは俺に向かってきた。
それをシールドを斜めに構え、受け止めるのではなく受け流す。
その後、楯無に蹴りを入れて一度離れた。
「もう、女の子を蹴るなんて酷いなあ」
「模擬戦だから、なりふり構ってられないんだよ」
プロトGNソードの刀身を折り畳む。グリップも収納してハードポイントだけで保持させて、ビームサーベルを引き抜く。
左手も、シールドとビームライフルを収納。腰からビームサーベルを引き抜いた。
「行くぞっ!」
「来なさい。おねーさんが受け止めてあげる」
「まだそんな軽口を言う余裕あるのかよ……っ!」
楯無にビームサーベルの二刀流で切りかかる。
だが両方とも逸らされる、あるいは弾かれて決定打が入れられない。
だったら―――
――ティエリア! 右足ハードポイントにGNミサイルユミット!
――了解!
セシリア戦でピストルのホルスターを展開したハードポイントにミサイルユニットを装備する、それと同時に発射。
それに一瞬驚いた顔をした楯無は、ランスで俺のビームサーベルを弾いてすぐさま“後ろ向き”の
「さすが……だなっ!」
全く、あの状況から回避とか。
俺も、向かってきた楯無に両手のビームサーベルを構えて向かっていく。
「褒めてもらっちゃった♪」
そして、楽しげな楯無の声が――
―――俺の"後ろから"聞こえた。
っ! まさかっ!?
そのまさかは的中。目の前の楯無は水になって崩壊、直後には背中に重い衝撃が走る。
「あぐっ!」
「同じ手に二度も引っかかっちゃダメだぞ?」
吹き飛ばされた俺に対する突きの連発。そして―――
―――S・E残量0―――
◆
「負けたぁ……」
ヒュー、と自然落下中。もちろんISは装備したまま。
ギリギリで浮くようにして、着地する。
「あは♪ 私の勝ち」
ISを解除すると、同じくISを解除した楯無が近寄ってきた。
「どうやって見分けろって言うんだよ、あれ」
「見分けられたら困るもの。でも、冷静に考えれば対処は可能よ」
「じゃあ今回は俺のミス……か?」
「そうね、あの爆煙のおかげ。あんな至近距離でミサイル撃ってきたのは驚いたけど」
「避けることは予想済みだよ」
「あら、以心伝心のようでおねーさん嬉しいな♪」
はあ……疲れた。
「それで? どうだった、俺は」
「んー、動きが雑だね。まだ機体に少し振り回されてる。あとは、冷静に状況を見て行動することくらい。後者は経験あるのみだけど」
「そうか。なら、また付き合ってもらえないか?」
「いいよ、。拓神のためならね♪」
じゃあね、と言い残して楯無はアリーナから出て行った。
さて、この後どうするか。ん? あれは……。
アリーナの出入り口には、楯無と入れ替わるように一夏たちが来ていた。
「ま、問題に巻き込まれたくは無いな」
どうせまた楯無は俺の部屋に居座ってるんだろうな、と思いつつ一夏たちと軽い会話だけをして俺もアリーナから出ることにした。
◆
「なあ楯無、お前何をした?」
「? 何って……引越し?」
なぜ疑問系だ。
「今日から私、ここに住むから」
「今更な気もしないでもないが……つーか既に荷解き終わってんのかよ…」
部屋を見回すと、今まで無かった物が色々と置いてある。
「てか、なぜ引越し?」
「善は急げっていうでしょう?」
「俺にとっては善じゃないんだが……」
もはや抵抗する気が起きない。
流石に荷解きまでされると……原作の一夏がどれだけ振り回されたのか、こんなにも早く実感することになるとは。
「これで毎日君に迫れるね♪」
「迫るな!」
本当止めてくれ、無理だ。多分持って一週間くらいで理性が切れる。
「……七割は冗談よ」
「残りの三割は!?」
「じゃ、改めてよろしくね♪」
本当に残りの三割はなんなんだ!
ああ、これで残った平穏の全てが壊されたよコンチクショウ。
本日の報告
IS操縦技能↑
楯無からの好感度↑
平穏↓
……現実逃避だ。このくらいさせてくれ。
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第15話『中国の代表候補生』