No.392661 魔法戦記リリカルなのは聖伝 ~SDガンダム・マイソロジー~龍牙さん 2012-03-16 21:21:14 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:3363 閲覧ユーザー数:3326 |
-高き空の上にて蘇りし翼の元、聖なる獣従えし英雄現われる-
―作られし獣従えし翼の名を持つ英雄と、炎の獣従えし神の名を持つ英雄、彼の翼の上にて王と戦わん―
―無限の欲望、雷光の獣従えし自由の名を持つ英雄と、時の獣従えし運命の名を持つ英雄によってその欲望を砕かれる―
―翼地に落ちし時、英雄を従えし王その姿を現し、法の真実を曝し、法の塔を砕かんと動き出す―
―だが、英雄達を従えし王も善にあらず―
―絶望と共に英雄と聖なる獣達による世の破壊は始まる、それは戦いに有らず、破壊である―
―王の軍勢、その全てが英雄なり、聖なる獣の力を分け与えられし英雄に魔導の力は通用せず―
―だが、希望を失う事有らず、法の塔の崩壊と共に王と戦う英雄も現る―
―月の獣従えし始まりの英雄、全ての英雄達と戦わん―
―だが、忘れてはいけない、聖なる獣は統べからず法の塔とそれに組みする者に絶望を運ぶ―
ある日、聖王教会において『カリム・グラシアス』は自身の能力によって現れた予言に疑問を持った。後に機動六課の部隊長である『八神はやて』他の者達にも知らされるのだが、多くの者がその予言の意味に頭を捻った。
それから程なくして、その予言の意味を理解する。
『聖王のゆりかご』内、エース・オブ・エース『高町なのは』は窮地に立たされていた。聖王となった娘『ヴィヴィオ』に圧倒されて。
そんな時、二つの人影が彼女達の間に立った。彼らこそ予言に有った『翼』と『神』の名を持つ英雄。
「計算通りだな。寸分の狂いも無い。…パーフェクトだ」
パソコンと接続したバイザーを付けた茶色の髪の青年はそれを外し、隣に立つ赤い髪の青年へと視線を向ける。
「だが、オレの計算よりも2秒程到着が早くなった。お前の力を正確に測りきれて居なかった様だな」
「へっ、オレが簡単に測れるかよ!」
「あなたたちは…?」
なのはの言葉に気付き、二人の青年は笑みを浮かべる。
「マイシス親衛隊隊長、『天津(あまつ) 翼(つばさ)』」
「同じく、マイシス空戦部隊隊長、『神野(じんの) 焔(ほむら)』!」
『マ、マイシス、なんですか、それは!?』
突然の乱入者に『クアットロ』は驚愕を露にするが、二人は更に言葉を続けて行く。
「もう一つの名は…」
「またの名を…!」
別の場所…
『ジェイル・スカリエッティ』等に捕らえられた『フェイト・T・ハラオウン』の前にも、二人の青年が現われる。
「ふっ、完璧過ぎる。ああ、私こそ神が生み出した唯一無二の一万年に一度の大天才」
「はぁ…何故、拙者がこいつと組まされなければならないのでござる?」
自分によっているナルシスト気味の金髪の青年と、そんな青年に対して頭を抱えながら古風なしゃべり方をする黒髪の青年。
「貴方達は…どうしてここに?」
「私はマイシス陸戦部隊隊長『光羽(みつは) 雷斗(らいと)』」
「拙者は『時野(ときの) 龍也(りゅうや)』…マイシス空戦部隊の副隊長」
ゆりかごにあらわれた二人と同じく驚愕する一同を尻目に二人は言葉を続けて行く。
「「またの名を!!!」」
『ユナイト!!!』
二つの場所でそんな声が響いた時、四人の姿は鋼の英雄の物へと変わっていた。
「『ウイングガンダムゼロ』」
『天津 翼』…作られし獣従えし翼の名を持つ英雄『ウイングカンダムゼロカスタム』。
「『ゴッドガンダム』!!!」
『神野 焔』…炎の獣従えし神の名を持つ英雄『ゴッドガンダム』。
「『ストライクフリーダムガンダム』!!!」
『光羽 雷斗』…雷光の獣従えし自由の名を持つ英雄『ストライクフリーダムガンダム』。
「『デスティニーガンダム』!!!」
『時野 龍也』…時の獣従えし運命の名を持つ英雄『デスティニーガンダム』。
ゆりかごにあらわれた二人の英雄は僅か二人でその戦いを制圧し、スカリエッティのアジトではスカリエッティ等を無力化し、その姿を消す。
そして、全ての戦いが終わった時、英雄達を従えし“王”がその姿を現した。
戦いの余韻も残るミッドチルダの上空に映し出される立体映像。その中で多くの者にその姿と力を見せつけた四人を含めた五人の青年達が片膝を着き、頭を垂れる。
『…この次元世界のみなさん、はじめまして。私は『マイシス』総帥『エイロス』。先ずは、この度の戦いで犠牲になった全ての命に対し、心から冥福を祈らせて頂きます』
その言葉に従うように総帥に従う五人も黙祷を捧げる。
『さて、私は皆さんに重大な事実を告げなければ行けません。死後の冥福さえも受ける権利の無い…罪深き罪人達の事を…』
マイシス総帥を名乗る者から告げられるのは今回の事件を始めとして、管理局の裏が行っていた違法行為の数々とそれに関わった者達の情報と確かな証拠。
『今回の事件の原因は、全ては管理局の上層部が行った罪の一部』
ウイングが告げる。
『あんた達の中には今回の事件で、家族を、恋人を、友人を失った奴も居るはずだ!』
ゴッドが訴える。
『命を玩ぶ、鬼畜としか言えぬ行為の数々…とても、人に出来る事ではないでしょう』
フリーダムが淡々と告げる。
『管理局の旗の元に立つ全ての者よ…己が背負う名は決して誇りではない! 恥と知るが良い! 失った友に、恋人に、家族に対して…恥じる心が有れば、潔く腹を切れ!』
デスティニーが言葉によって切り捨てる。
『オレ等マイシスにこそ、真なる正義がある』
高らかと叫ぶのは最後の一人…マイシス海戦部隊隊長『クロスボーンガンダム』
『…私達マイシスはここに、時空管理局からの全次元世界の開放を宣言します』
総帥と名乗った人物の宣言と共に五人の英雄達は雄叫びを上げ、マイシスの名を称える無数の叫びが立体映像の中より木霊する。
第97管理外世界『地球』
高町なのは、八神はやての故郷にもマイシスの演説…その映像は届いていた。
「…なるほど、マイシスが動くのはミッドか」
コンビニのお握りを飲み込み、青年は皇帝を睨みつける。
『ユナイト!』
純白の姿を持つ始まりの英雄へと姿を変え、その青年『月宮(つきみや) 時也(ときや)』は高らかに己の力の名を叫ぶ。
「来い、聖獣(マイソロジー)・ハーディア!!! 戦いの場所は…あそこだ!!!」
始まりの英雄『ガンダム』となった青年は人型の異形の存在と共にミッドチルダへと旅立って行く。
…今ここに物語の幕は開く…。
未だJS事件の傷痕も癒えぬミッドチルダへと侵略を開始したマイシス。
空中を制圧するマイシス空戦部隊『ムラサメ』の大群と、地上を進軍するマイシス陸戦部隊『ザク』の一団。両軍は管理局の魔導師や騎士を圧倒し、進軍する。
「この分では、隊長達の出番は無さそうだな」
「おっと、油断はよくないな…どうやら、敵の主力のお出ましの様だ」
空中を進軍するムラサメの大群を打ち落とす(目を廻しながら墜落するムラサメにぶつかって地上部隊のザクにも被害が出ている)桜色の光を避け、空戦部隊の隊員『ムラサメ(黄)』は陸戦部隊隊員『ザク(角付き)』と通信を交わす。
「彼女達は隊長方の得物だ、我々は露払いと行こうか」
「その通りだ」
空中に現われたマイシス幹部…マイシス特務部隊…そして、親衛隊隊長ウイングゼロと空戦部隊隊長ゴッドガンダム、空戦部隊副隊長デスティニーガンダム、陸戦部隊隊長ストライクフリーダム…ここに始めてマイシスの軍の四軍の内三つを束ねる将がその姿を見せた。
そんな幹部達に一礼し、ムラサメ(黄)は別の戦場へと飛び去って行く。
ここに機動六課とマイシス…かつてのJS事件の時には協力した者達の戦いの幕が切って落とされる。
「あの時は協力してくれたのに、どうして!?」
「残念ながら、砲撃はこっちも得意でね」
ツインバスターライフルを構え、なのはと砲撃戦・空中戦を演じるウイングゼロ。
「信念無き剣で拙者は切れんぞ、烈火の将!」
烈火の将『シグナム』と剣を結ぶデスティニー。
「残念ながら、その程度のスピードでは私を捕らえる事は出来ませんよ」
2丁のライフルを武器にフェイトと高速戦闘を行うストライクフリーダム。
「ぶち抜けぇぇぇぇえ!!!」
「教えてやるよ…オレの拳に砕けないモノは無いって事をな!!!」
鉄槌の騎士『ヴィータ』とハンマーと拳をぶつけ合うゴッド。
だが、マイシスの英雄は彼等だけではない。地、海、空、そして、親衛隊の長の立場を与えられた最強の英雄達に率いられし者達も、また英雄達。
「あははははは…最高だね、もっと踊ってよ!!!」
フィン・ファンネルを操り変幻自在な攻撃でライトニング分隊のフォワード、『エリオ・モンディオル』と『キャロ・ル・ルシエ』の二人と戦うのは管理局によって生み出された人造魔導師の生き残りにして、マイシス空戦部隊の一人になった少年の姿を変えた『νガンダム』。
「うーん、歌は良い…この演奏が貴女達への『鎮魂歌(レクイエム)』ですよ」
ギターを弾きながらスターズ分隊フォワード、『スバル・ナカジマ』と『ティアナ・ランスター』の二人を翻弄する、マイシス陸戦部隊副隊長『インフィニットジャスティスガンダム』。
「さて、そろそろ終わりにして差し上げましょうか…」
「見せてやろう、拙者の奥義を…」
「こいつで終わりにしてやるよ!」
戦う相手から距離を取り、ストライクフリーダム、デスティニー、ゴッドは己に与えられし、力を叫ぶ。
「「「バインド!!!」」」
自身の姿が漆黒に染まり上がり、ストライクフリーダムの翼が、デスティニーの体が、ゴッドの右腕が異形の物へと変わる。
「な、なんだ…その姿は?」
今まで以上の力と、今まで本気も出していなかった敵の底知れぬ力に驚愕を露にする機動六課の隊長陣を他所に…
「これで、終わりです!」
「貫けぇ!!!」
「バインド一刀流!!!」
トドメの一撃を放とうとした瞬間、何者かに弾き飛ばされ、異形のパーツが元に戻ると同時に漆黒の色彩も砕け散る。
「あれは…?」
「…なるほど…現われたようですね…“あの御方”が」
なのはと戦いながらその戦場に現われた者へと視線を向けるウイングゼロ。彼の視線の先に有るのは…。
「わ、私達のバインドを…」
「く、食らったのか!?」
「お、御主…何者でござるか!?」
自身のバインドを奪われた三人。彼等は現われた白き戦士へと向かって叫ぶ。
「…オレは『ガンダム』!!! お前達マイシスを止める者だ! 覚えおけ!!!」
現われたガンダム…。
「私達の…味方なの?」
「まさか、あの人が予言にあった…」
敵と同じ力を持った新たな乱入者に呆然とする者達…。そして、彼がカリムの予言に有った“王と戦う英雄”であると言う考えへと至る。
そして、異形の右腕を持った漆黒のバインドガンダムから、ゴッド、ストライクフリーダムのパーツを持った『シャドウフレアモード』…そして、デスティニーのパーツを持った形態へと姿を変える。
ガンダムに『ハーディア』のパーツを奪われたゴッド等が“本来”の聖獣(マイソロジー)の力を持ったバインドを呼び出そうとした瞬間、出される撤退命令。それにより、時空管理局は始めてマイシスより勝利を得る事に成功したのだ。
そんな時、ガンダムへと掛けられる拘束魔法(バインド)。
「クロノ君!」
なのはがそれを使った相手…『クロノ・ハラオウン』へと抗議の声を上げる。
「時空管理局だ、君がマイシスと戦うと言うのなら、こちらの指示に従ってもらおうか」
バインドガンダムは翼を広げ力任せに拘束を破壊し、
「オレはオレの意思で、マイシスと戦う…。そして」
頭部へと触れるバインドガンダム…それと同時に最後まで元のままだった頭部が異形の物へと形を変える。
「“彼女”の願いと共に…お前達、管理局を潰す!!!」
全てがガンダムの印象を残さぬ姿となった時、黒い影がガンダムから弾き出され、漆黒の人型の異形がその姿を現す。
「来れ、聖獣(マイソロジー)・ハーディア!!!」
それが、鋼の英雄達の魂を受け継ぐ英雄達の物語の始まりを告げる。
「エクリプス…クライドォォォォォォォオ!!!」
今、鋼の英雄達の激闘が始まる。
「どうして…どうして、時也さんと戦わなきゃ、行けないんですか!?」
「…スバルちゃん…。悪いけど…君が管理局(そこ)に居る以上…オレは君の敵である事に変わりない」
マイシスとの戦いの中で何度も救われ、また英雄の力を得た星の名を持つ少女と始まりの英雄の少年…。互いの仲間が戦う中、分かり合ってきた二人の悲しき戦いの幕が開く。
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神候補である星の加護を持った聖なる獣達に宿った鋼鉄の戦士達の力を受け継いだ戦士達と魔法の物語。あるSDガンダム物とリリカルなのはのクロスした小説です。自サイトで連載している小説です。修正を加えていますけど基本的に内容は変わりません。