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スーパーヒーロー大集合! グミの大冒険! #9 スーパーボーカロイドファイターX(後編)

enarinさん

○ボーカロイド小説シリーズ第6作目の”スーパーヒーロー大集合! グミの大冒険!“シリーズの第9話です。
☆ちょっと変わった、RPG風冒険小説です!
○今回はGUMIを筆頭とした“ボカロ達”が、色々なヒーローに変身して戦います。
○ゲームをプレイしている感じで、お読みいただけると有り難いです。

2012-03-16 15:16:21 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:544   閲覧ユーザー数:544

(多目的闘技場・TVゲーム『スーパーボーカロイドファイターX』)

 

髭のリングアナウンサー:それでは第6試合を始めます! このRoundは外人さん対決です! 1プレイヤーはJIMさん!! 2プレイヤーはローラさん!!

 

 JIMとローラはそれぞれ椅子に座り、ハンドルタグを挿入することで各キャラを作った。画面の左にアニキ的にガタイの良い本人そっくりの“巡音JIM”がJIMの分身として、右には本人そっくりの“ローラ・ブルー”がローラの分身として表示された。双方、試合が始まるまで、レバーとかボタンの感触を確認していた。どうやらお互い“対戦格闘ゲーム”は初めてらしい。

 

JIM:Well・・・・・I see. That’s all right !(えーっと、なるほど。問題無しだ)

ローラ:No Problem !(問題無し!)

 

髭のリングアナウンサー:Then, it begins. Round 6, Ready・・・Fight !(それでは始めます! ラウンド6、レディーーーーファイト!)

 

 Round 6が始まった。

 

 JIMは手早くレバーとボタン操作をした!

 

JIM:Go! Go! Go! “Aniki Clinch” ! (いけー! “アニキ・クリンチ”!)

 

 巡音JIMは駆け足でローラ・ブルーに近づいていき、クリンチの姿勢をとった!

 

ローラ:Octopus !. Don't approach !.Guard !(蛸! 近づくな! ガードよ!)

 

 どうやらローラは本人的にも受け付けなかったらしく、ガードしてやり過ごす事にした。巡音JIMのクリンチ攻撃はローラ・ブルーのガードに弾かれ、解除された。二人は近接攻撃が当たる位置にいた。

 

 二人は同時にレバーとボタンでコマンドを入力して近接技を繰り出した!

 

巡音JIM:“Rising Dragon” !!(昇竜!!)

ローラ・ブルー:”Lola Uppercut” !!(ローラ・アッパーカット!!)

 

 二人は交差するように斜め上にアッパーカットを繰り出した! 双方の攻撃がぶつかったため、二人とも空中の交差地点から後ろに弾かれて地上に落下した!

 

 巡音JIMのHP70/100、ローラ・ブルーのHP75/100

 

 なんと、ローラ・ブルーの方が攻撃力が高かった!

 

JIM:No・・・. There's many a slip between the cup and the lip.(なんと・・・。油断は禁物か)

ローラ:Well, it’s a slim margin.(うーん、僅差ねぇ)

 

 お互い“探りを入れている”感じだった。しかし、大業を繰り出し、さらに両方ヒットした関係で、この1回で体が輝きだした! 超必殺技のチャンスである。

 

JIM:It’s a chance ! Super Favorite Work ! “Tako Jim” !!(チャンス! 超必殺技“タコJIM”!!)

 

 JIMはレバーとボタン操作で、超必殺技である“タコJIM”を繰り出した! ミクの技と似ており、大量の“タコ型JIM頭部”が左から押し寄せてきて、ローラ・ブルーに襲いかかってきた!

 

ローラ:Guard.(ガード)

 

 しかし、ローラは瞬時に見切って、ガードしてしまった。勿論タコJIMの攻撃による“HP削り”、ガードペナルティはあった。その結果・・・、

 

 巡音JIMのHP70/100、ローラ・ブルーのHP5/100

 

JIM:God damn ! (しまった!)

 

 ローラ・ブルーは超必殺技を喰らったため、スペシャル攻撃ゲージが最大になっていた。

 

ローラ:Go to HELL !!! Lola Genocide Rain !!(地獄へ堕ちろ! ローラ・ジェノサイドレイン!)

 

 ローラは巡音JIMが当惑してガードしていないのを確認した上で、コマンドを入力し超必殺技を繰り出した。技は画面全体に広がる鮮血の雨を降らすことであり、ガードしていない巡音JIMのHPを削っていった。そして・・・、

 

 巡音JIMのHP0/100、ローラ・ブルーのHP5/100

 

髭のリングアナウンサー:なんと! 技とダメージ値とHPの読み合戦の勝者はローラさんだった! Lola Win !!

 

ローラ:Practice is insufficient・・・.(修行が足りないわ)

 

観客:Oh !!

 

 両名はハンドルタグを抜き取り、しょんぼりしながらJIMが帰って来た。

 

JIM:I am sorry・・・

ルカ:Don’t mind !

JIM:Thanks・・・

海斗:これでまたまたイーブンか。ハラハラさせてくれる・・・。次はルカ君か

ルカ:相手は戦隊のリーダーね。昨日一緒に飲んだけど、勝負は勝負よ。絶対勝ちます!

 

アル:レオン大丈夫か? 昨日飲んだんだろ?

レオン:勝負は勝負だ。それに残り3戦。そろそろアドバンテージを取りたい。全力で行く!

髭のリングアナウンサー:では第7試合を始めます! 1プレイヤーはルカさん!! 2プレイヤーはレオンさん!!

 

レオン:ルカさん、手加減無しということで

ルカ:望むところです

 

 二人は軽く挨拶した後、両名椅子に座り、同じく各キャラを作った。画面の左にルカそのものの姿である“巡音ルカ”がルカの分身として、右には本人そっくりの“レオン・レッド”がレオンの分身として表示された。二人とも臨戦態勢である。

 

女性観客:レオンさーん! レッドの名に賭けて、頑張って!!

男性観客:ルカ姐さん! ひねり潰してやって下さい!

 

髭のリングアナウンサー:それでは始めます! ラウンド7、レディーーーーーーーファイト!

 

 Round 7が始まった。

 

 二人は休むことなく、レバーとボタンを操作し、技を繰り出していった。

 

巡音ルカ:チェインウィップ!

レオン・レッド:レッドキャノン!

 

 巡音ルカは鎖の鞭を振りかざし、レオン・レッドは飛び道具の火の玉を投げつけてきた! お互い避けることなく、そして確実に攻撃を当ててきた。

 

 バシ! バシ!

 

 巡音ルカのHP80/100、レオン・レッドのHP85/100

 

巡音ルカ:オクトパスバズーカ!

レオン・レッド:レッドソード!

 

 巡音ルカはたこルカの塊を投げつけ、レオン・レッドは大きな炎の剣を振り下ろした! またもやお互いに避けずに確実に攻撃を当ててきた。

 

 バシ! バシ!

 

 巡音ルカのHP65/100、レオン・レッドのHP60/100

 

ミク:凄いミク・・・・

GAKU:探り無し、ガード無しのガチンコ勝負だ・・・

 

巡音ルカ:オオマサンマグロソード!

レオン・レッド:レッドビーム!

 

 巡音ルカは大きなマグロの剣を振りかざし、レオン・レッドは額から赤いビームを撃ってきた! もうお互いガードする気は全くなかった。同じくお互いに避けなかったので確実に攻撃はヒットした。

 

 バシ! バシ!

 

 巡音ルカのHP30/100、レオン・レッドのHP30/100

 

海斗:両名、体が光っている。これが最後の攻撃になるか

GUMI:お互いにミス無しだから・・・あれ? これって引き分けないんだよね。どうなるのかな?

 

ルカ:これでファイナル!

レオン:それはこちらも同じ!

 

 二人は複雑なレバーとボタン操作でコマンドを同時に入力した!

 

巡音ルカ:トエトの一撃!!

レオン・レッド:スーパーシャイン!!

 

 巡音ルカはレオン・レッドのすぐ横に、猫の帽子をかぶった女の子を出現させ、素手で軽くツッコミを入れさせた。レオン・レッドは画面全体が輝く技を繰り出した! またもやお互いに攻撃がヒットし、双方、後方へ吹き飛んだ

 

 バタン!・・・・・・・・バタン!

 

 巡音ルカのHP0/100、レオン・レッドのHP0/100

 

GUMI:え!? だって“引き分け”ないんでしょ!?

髭のリングアナウンサー:大丈夫です。ダメージ補正の他に、2つ目の補正がかかります。

 

 HP0なのに、立ち上がったキャラクターが1名いた。巡音ルカである。

 

GAKU:どういうことだ?

髭のリングアナウンサー:2つ目の補正、それは“最後の攻撃でダメージを喰らって、先に地面に着地した方が負けになるんです。相撲とかと同じですね。この勝負の場合、レオンさんの方が、トエトの軽い攻撃を喰らってのけぞって倒れただけなので、HP0で先に地面に倒れてしまったのです。だから、この勝負! ルカさんの勝ちです!

 

観客:おーーーーーーー!!!!!

 

 両名はハンドルタグを抜き取り、握手して、それぞれ帰って来た。

 

ルカ:さすが戦隊のリーダー。強かったわ。でも勝ったけどね

海斗:ご苦労さん。さて、これであと1つ勝てば、先に5勝して、こっちの勝ちだな。リーチ状態で次は私か

GUMI:相手はミリアムさんだけど、頑張って下さい!

海斗:勝負は勝負だ。これでも社長だよ、私は

 

レオン:ミリアム・・・・・。正直一番不安なんだが。本当に大丈夫か?

ミリアム:とにかく頑張ってみる

髭のリングアナウンサー:ではKNC側が勝てば勝負が決まる第8試合を始めます! 1プレイヤーは海斗さん!! 2プレイヤーはミリアムさん!!

 

海斗:ミリアムさん、不本意ながら、本気で行きますよ

ミリアム:やむを得ません。私も“立場”がありますから

海斗:(“立場“??)

 

 両名共に椅子に座り、ハンドルタグの挿入により、各キャラを作った。画面の左には白いコートに青いマフラーをなびかせ、アイスを持った青年の姿“工藤海斗”が海斗の分身として登場した。しかし問題は右のキャラだった。ミリアムの分身であるはずなのに、なぜか“老人”の姿のキャラクターが立っていた。しかも名前が“???”になっている。

 

観客:?

髭のリングアナウンサー:あの~、ミリアムさん? そのハンドルタグ、間違ってませんか?

ミリアム:・・・これでいいのよ。必ずしも“今いる自分と同じ姿”ってわけじゃないでしょ? MEIKOさんは人形だし、GAKUさんは侍だし。あ、でも名前が“???”じゃあ紛らわしいから“ミリアム・ブラック”って呼んでいいわ

髭のリングアナウンサー:はぁ、まぁそうですが・・・。わかりました。続行します。それでは始めます! ラウンド8、レディーーーーーーーファイト!

 

ネル:老人ねぇ。なんかあの老人の形、どっかで見たような・・・・

ハク:姿の外形だけなんだけど、どこかでお会いした事がある人に似ているのよね・・・・

テト:( ̄へ ̄|||)

 

 Round 8が始まった。

 

***

 

ミリアム:ごめん! どうしても勝たなきゃ行けないの!

 

 ミリアムは素早くコマンドを入力した。

 

ミリアム・ブラック:フリーザーストーム!

 

 ミリアム・ブラックは、波のような吹雪を巻き起こして海斗にぶつけてきた。海斗は避けようとしなかったので、ヒットしてしまった。しかし・・・

 

 工藤海斗のHP95/100、ミリアム・ブラックのHP100/100

 

ミリアム:!!

 

海斗:申し訳ない。私のキャラは“冷気属性”だから、そんな攻撃なんともないんだよ。ガードしてガードペナルティを受けるまでもない。しかし、貴方も“冷気属性”なんだね。まいったな、こっちも冷気攻撃が得意なんだよね。ということは答えは1つしかないな

 

 海斗はレバーでコマンド入力せず、ノーマルのパンチ&キックに攻撃を切り替えた。

 

海斗:殴り合い、蹴り合いしかないな

ミリアム:・・・・やむを得ません。私もそうします

 

 二人のキャラは、ボクシングやキックボクシングのような、必殺技ゲージがほとんど貯まらない、単なる殴り合いにする事にした。

 

 バキ! ドカ! ズガ! ボカ!

 

 二人のHPは少しずつだが減ってはいた。しかし、なんとも地味な戦いになってしまった。

 

ネル:なーーーーんか、副将戦なのに、つまらない戦いだなぁ

ハク:ルカさんの時と凄く違いますね

 

 ジャジャジャジャーーーーーン!!!!

 

 その刹那、ネルの携帯が鳴り響いた。

 

ネル:なんだよ、こんな時に・・・はい、御前様っすね、なにか?

御前:ばっかもーーーーん!! 黙って試合を見ておらんか! そもそも、オマエは負けただろう!

 

 ガチャン!

 

 電話は切れた。

 

ネル:げ!!!! ご、御前様! どこで見ているんだ?

 

 キョロキョロ

 

ハク:本当に正体不明よね。私たちと一緒にはカレー食べなかったし、いつもシルエットと声だけだし。そういえばカレーの時、御前様にカレー持っていったの、誰だったっけ?

テト:・・・・・・・・!!

テト:━━━━━━∑(゚д゚lll)━━━━━━

ネル:どしたの? テト?

 

 テトは何かに気づいたようだった。

 

 工藤海斗のHP5/100、ミリアム・ブラックのHP5/100

 

海斗:はぁはぁはぁ・・・・疲れた・・・・

ミリアム:はぁはぁ・・・・あ、あと一撃くらいかな

海斗:それでも殴るしかない! 行くぞ!

 

 工藤海斗は無防備にミリアム・ブラックに近づいていった。しかしミリアムはそれほど一本気ではなかった。

 

ミリアム:ごめん! フリーザーストーム!

海斗:!!!!!

 

 パキ!

 

 工藤海斗は無防備でガードしていなかった。一番最初の攻撃がヒットすればHPを5減らせる事をミリアムは覚えていたのだった。

 

 工藤海斗のHP0/100、ミリアム・ブラックのHP5/100

 

髭のリングアナウンサー:おっと! 海斗さん、これは不注意だった! したたかに勝ったのは、2プレイヤーのミリアムさん!!

 

ミリアム:ごめん・・・・・ごめーーーーん!

 

 なんとミリアムはハンドルタグを外して、駆け足で会場の外に出ていってしまった!

 

 プルプルプル ブーーーーーン!

 

プリマ博士:あ!!!! あの音は! 私のプロペラ機!!!! こらぁ!!!

レオン:あっちゃー、やっぱこの勝負は酷だったか。プリマ博士、彼女、たぶん秘密基地に帰っちゃったんだと思いますよ、あの乗り物、そこしか帰れないから。すいませんけど、帰りはうちの戦闘機の方で頑張って下さい

プリマ博士:げっ・・・・・あれぇ・・・・作っておいて何だけど、死ぬのよね・・・・

 

観客:?

 

 海斗もハンドルタグをはずして帰って来た。

 

海斗:すまぬ。負けてしまった。油断した・・・。しかし最終戦までもつれ込んでしまうとは。最後はGUMI君か

GUMI:絶対勝ちます!

海斗:相手は理系の博士だ。理論では勝てないと思った方がいい。正直いいアドバイスが見つからないのだが・・・

GAKU:いや、あの博士、自分の乗り物を乗っていかれて、精神的にも動揺しているはず。電撃作戦なんてどうかな。速攻で連続攻撃を仕掛けるとか

GUMI:うん、やってみる!

髭のリングアナウンサー:では最終戦を始めます! 1プレイヤーはGUMIさん!! 2プレイヤーはプリマさん!!

 

GUMI:これで最後ですね。全力で行きますよ!

プリマ博士:望むところです。かかってきなさい!!

 

 GUMIとプリマ博士は、おもむろに椅子に座り、ハンドルタグを差して最後の対決を託す各キャラを作った。画面の左にはヒロインチックなあのメグロイドXがGUMIの分身として、右には本人そっくりの博士姿の女性“プリマ博士”が、プリマ博士の分身として表示された。

 

女性観客:きゃーーーーー最後よ! 頑張って!!

男性観客:うぉおおお萌えて・・・・燃えてきたぜ!!

 

髭のリングアナウンサー:それでは最終戦、始めます! ファイナルラウンド、レディーーーーーーーファイト!

 

 ついに最終戦が始まった!

GUMI:電撃作戦!

 

 GUMIは手早くコマンドを入力して技を繰り出した!

 

メグロイドX:グミロケットパーーーンチ!

 

 それは直線的に飛ぶロケットパンチだった。

 

プリマ博士:リフレクト

 

 プリマ博士はなんと防御壁を作り出し、ロケットパンチを跳ね返して、逆にメグロイドXを襲わせたのだった。

 

 カキーーーン!

 

GUMI:うわ!。回避回避!

 

 シュン!

 

 

 メグロイドXはなんとか弱ジャンプして回避し、事なきを得た。

 

GUMI:ぐむむ・・・。でもずっとこれを使われたら、ゲームに成らないわね。正直“最強キャラ”過ぎる“わよ。

プリマ博士:さーて、どうですかねぇ、ふふふ。これはどう?

 

 プリマ博士は素早くコマンドを入力した。

 

プリマ博士:ファイアーボール!

 

 ボァ!

 

 プリマ博士は指先に火球を作り、メグロイドXに飛ばしてきた!

 

GUMI:くっ! ちゃんと攻撃も出来る! 回避!

 

 ボボボボ・・・

 

 火球は空中ジャンプで回避したメグロイドXの後方に流れていき、消えてしまった。

 

プリマ博士:さーて、どうします? 反射も攻撃もできるわよ?

GUMI:・・・・ゲームバランスが取られたゲームなら、こんな偏った戦力だけのはずがないわ

プリマ博士:何を言っているの?

GUMI:問題は極端にバランスを欠いている“リフレクト”。飛び道具が一切効かないばかりか跳ね返されてしまう

プリマ博士:そうよ、やるだけ無駄。しかもゲージ制じゃなく、コマンド技

GUMI:おそらく“直接物理攻撃”ならリフレクトされずに効果あると思うけど、今度は飛び道具で打ち落とされる

プリマ博士:そう、攻守バランスがいいわけね

GUMI:なら、取る手段は1つ。メグロイドXのリアルな技でも最高ランクの技がこのゲームにも組み込まれていることが大前提だけど、貴方のリフレクトが入っているんだもの、ゲームバランス的に間違いなく入っているはず

プリマ博士:はぁ?

 

GUMI:ボタン長押しで意図的にスペシャル攻撃ゲージを貯める事が出来て、そしてそれを、飛び道具で打ち落とされない“スーパーアーマー”扱いの“溜め一撃”だけに使う。メグロイドX最高技“ゴッドハンド”よ!!

 

GUMIはレバーをプリマ博士の方向とは逆に固定し、完全ガードにし、ガードペナルティを覚悟で、ボタンを押しっぱなしにし、スペシャル攻撃ゲージを溜め始めた! メグロイドXの体が輝き出す!

 

プリマ博士:な! ガードで削る! ファイアーボール連発!!!!

GUMI:やはり“直接打撃”ができなかったか!

 

 プリマ博士のキャラはゲームバランスを取るため、普通に打撃する基本技を一切持っていない特殊キャラだったのだ。攻撃するには、ある程度離れて、コマンド技のファイアーボールを撃つしかなかったのだ!

 

プリマ博士キャラ:ファイアーボール!・・・・・・・・・・ファイアーボール!・・・・・・・・・

 

 コマンド技であり、メグロイドXに当たらないと次が撃てないため、連発とは言っても、かなり間隔を開けた連発になってしまっていた。それでもメグロイドXのHPはガードしていても、ゲージを溜めているために防御が落ちており、確実に当たっている関係で徐々に減って行った。

 

 メグロイドXのHP10/100、プリマ博士のHP100/100

 

 もう後2発くらいしかファイアーボールを喰らえない状態になった、その瞬間! メグロイドXの体がもの凄い光と共に輝きだした!

 

GUMI:完成! うんじゃま、行くぞ~! メグロイドX最終奥義! “ゴッドハンド”!!!!!!!

 

 GUMIは4つ目の光っているボタンを押した後、レバーからもボタンからも手を離してしまった。まさに“最終”なのである。

 

プリマ博士:ファイアーボール!

GUMI:スーパーアーマーだからダメージを喰らっても打ち落とせないわ!

 

 メグロイドXのHP5/100、プリマ博士のHP100/100

 

プリマ博士:ま、間に合わない! ガ、ガ、ガ、ガード!!!

GUMI:“ガード不可”技よ!

 

 メグロイドXの突きだした拳がプリマ博士のキャラの腹部にぶつかった瞬間!、画面全体に反射ボールのようにキャラが吹き飛び、最後に画面中央で止まり、プリマ博士のキャラは粉みじんに吹き飛んでしまった!

 

GUMI:一撃必殺の最終奥義なのよ。これ

 メグロイドXのHP5/100、プリマ博士のHP0/100

 

髭のリングアナウンサー:おおおおおおおおおお!!!!!!! 遂に! 遂に! 勝負が付きました! この最終試合の勝者がGUMIさんと決まった事で、KNC側5勝、戦隊側4勝となり、この勝負、KNC側の勝ちとなりました! おめでとう!

 

観客:パチパチパチパチ!!!!

 

 戦隊側は不在のミリアム以外の全員がKNC側に歩いて行った。

 

 レオンは代表者として、ルカや海斗と握手した。

 

レオン:完敗です。このゲームはかなりの精度で“自分のヒーローヒロインキャラ”をトレースしてました。ここの砕石場でリアルに貴方達と戦っても、同じ結果になっていたでしょうね。まさにTVゲームで良かったと思ってます

アル、プリマ博士:私たちは粉みじんだったしね

GUMI、GAKU:ゲームの事とはいえ、すいませんでした

アル:いやいや、勝負とはこういう物だよ。私だって包丁投げつけましたし

プリマ博士:私も卑怯な攻撃ばかりだったですしね

 

レオン:まぁミリアムは基地に戻っちゃったみたいですが、とにかく負けた以上、戦隊側はあなた達の仲間となり、私たちの秘密基地に案内致します

ルカ:いいんですか?

レオン:ミリアムの勝負の時、御前様がここを見ている感じの電話がネルの携帯電話にかかりました。おかしいんですよ、これ。“来ているはずがない”んです。そして、“見られるはずがない”んです。御前様は秘密基地の特定箇所を動こうとしませんし、誰かの盗聴情報を教えて貰う事で、初めて知ることが出来るんです

海斗:なるほど

プリマ博士:いつもは私が情報を入手して御前様に伝えてました

レオン:あの勝負の時間、基地には誰もいませんでした。つまり、あの電話はかかってくるはずがないものなんですよ

海斗:・・・その真実を暴くために、自ら反逆者になるわけですか

プリマ博士:それだけではないです。スナイパーウェアの事も、お互いに情報交換が必要だと思ってます

ルカ:それは絶対に必要です。我が社の製品を改竄している疑いがありますから

 

海斗:その秘密基地ってのは、陸路で行ける所なんですか?

プリマ博士:はい。ここからそれほど遠くないです。途中から森の中や山道に入っていきますから、出来るだけオフローダー系でお願いします

海斗:わかりました。髭の方、この街のレンタカー店と繋がりますか?

髭のリングアナウンサー:は、はい。すぐに

 

 髭のリングアナウンサーはアドレス帳を開き、携帯電話で電話をした。

 

髭のリングアナウンサー:はい、そうです、すぐに闘技場に来て下さい。レンタカーを手配したいそうです。はい、お願いします

 

 ピッ

 

髭のリングアナウンサー:すぐに到着します

 

海斗:どうも。えっと、ここの17人全員が乗れる大型のオフローダー車を手配します。プリマ博士、道案内、お願いします

プリマ博士:了解です。まぁこれで、“秘密”でもなんでもなくなりますけどね

 

 こうして数分後にレンタカー店の店員が来て、交渉し、大型のオフローダー車2台(1台8人乗り。ミクが小さいのでこれ2台でOKだった)をレンタルし、すぐに出発した。

(キノコネット・秘密基地・入り口付近・夕方)

 

プリマ博士:ここです

海斗:やっと到着か

GUMI:あたた・・・さすがに山道はきつかったよ。ガッタンガッタンで。お尻痛かったなぁ

 

ネル:あー、懐かしいな~。古巣だよ

ハク:しかし、乗り込むメンバーがこんなに多くなりましたね。17人

テト:( ̄□ ̄;)

プリマ博士:そうね、テトさん。あのプロペラ機、私のよ。ということは、逃げ出したミリアムはやっぱりここに戻ってきていたのね

海斗:ミリアムさんは勝ったのに、逃げてきて・・・どーもよく解らん

レオン:それより、御前様に会いに行きましょう

 

(秘密基地・御前の間・夕方)

 

 シーン

 

レオン:帰宅の労いも無し・・・。挨拶も連絡もない・・・・。ますます怪しいな

 

 レオンは御前の幕の前まで行った。

 

レオン:はい、失礼しますよ

 

 レオンは幕を上げた。そこには・・・・

 

プリマ博士:そ・・・・そんなことが・・・・・

 

 そこには老人の等身大可動フィギュア、音声発生装置、集音装置、映像取り込み装置が取り付けられていた。

 

ネル:なるほどね。御前ってのは“架空の人物”だったって事か

ハク:そして、接することが出来たのは、カレーを御前に持っていった、つまり“自分で食べるため”に持っていった、あの人物だけって事ね

テト:(゚Д゚≡゚Д゚)?

 

レオン:この部屋の周りに隠れているんだろ!? 出てこい!!

 

 ドアの影から、女性が一人出てきた。同時に老人が動き、声を発した。

 

御前:やっぱりわかっちゃったのね

 

レオン:どういうことだ? ミリアム!!

 

***

 

ナレーター(妖精ミク):戦隊との決着がつき、そして御前の正体が暴かれたミク! さぁどうなるミク! 次回こうご期待!

 

(続く)

 

CAST

 

GUMI(勇気めぐみ) & メグロイドX:GUMI

GAKU(神威学歩) & 剣神ガクポ:神威がくぽ

妖精ミク & ナレーター:初音ミク

MEIKO(咲音メイコ) & ぷりちーどーる・め~こ(め~こ人形):MEIKO

 

RIN:鏡音リン

LEN:鏡音レン

 

LUKA(巡音ルカ):巡音ルカ

JIM(巡音JIM):巡音JIM

 

ネル:亞北ネル

ハク:弱音ハク

テト:重音テト

 

社長(工藤海斗):KAITO

 

プリマ博士:Prima

 

レオン・レッド:LEON

ローラ・ブルー:LOLA

アン・ピンク:Sweet・Ann

アル・イエロー:BIG・AL

ミリアム・ブラック(御前):MIRIAM

 

髭のリングアナウンサー、店員、観客:エキストラの皆さん


 
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