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仮面ライダーOOO(オーズ) -the originalstorys-~異世界戦記~   第1話  夢とメダルと復活

火野映司がオーズとして戦っていた世界とは違う、“異世界”・・・

かつての王、『ラルフステール・インボーグ』によって、オーズとして見出された現代の『強念者』氷乃蓮矢・・・


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2012-03-15 23:52:36 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:800   閲覧ユーザー数:797

 

どこからか、声が聞こえる…

 

-力を求めよ-

 

「ん…」

 

「彼」は、朦朧とする意識の中、その声を聞く…

-選ばれし者よ-

 

「う…く…」

 

声の主が…近づいてくる…「彼」は…段々と意識を取り戻していく…

-我が力を受け入れ、求めるのだ-

 

「やめろ…くるな…やめてくれ…」

青年は、振り払おうと、腕を振るう。が、『それ』は、ゆっくりと「彼」の腕をつかむ…

 

-我が力を求めよ!-

 

「やめろぉぉぉ!!」

 

「彼」は『それ』に殴りかかる…

 

 

そのとき、「彼」は我に返る…

 

ここは彼の部屋…拳は空を切り、「彼」はベッドから転げ落ちる。

 

 

「!?…うわあああ!!」

 

 

 

しばらくして「彼」は腰をおさえながら起き上がり、時計を見る…

 

 

AM4:30…起きるには早い時間だ…

 

しかし、「彼」は、先程の夢で、下着まで汗だくになっている…

 

 

「一体何だったんだ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼」は、シャワーを浴び、仕事先の制服に着替える。

 

 

「彼」の名は氷乃 蓮矢(ひのれんや)(24)、大企業『幸神コーポレーション』に勤める会社員である。

業績は人並みよりも頭一つ出ている、比較的優秀な社員である。

 

 

蓮矢は、毎朝弁当を作ったついでに朝食も作る。そして、いつものようにコーヒーを啜っていると、突然携帯が鳴る。

 

同僚の伍塔(ごとう) 颯斗(はやと)からだ。

 

蓮矢「もしもし?」

 

颯斗「氷乃か、今日出来るだけ早く来れないか?」

 

蓮矢「颯斗…なにかあったのか?」

 

颯斗「いや…いつもの時間でも問題はないんだが…お前も、古代のオーパーツの調査の護衛の話は聞いているか?」

 

蓮矢「ああ…それで…なにか?」

 

颯斗「その前に…俺とお前で…前の隊長たちの墓参りに行きたくてな…」

颯斗と蓮矢は、それぞれ幸神コーポレーションの特殊戦闘チーム『ライドベンダー隊』の隊長と副隊長をしている。

 

元々隊長と副隊長はそれぞれ別にいたが、武装集団襲撃の際に殉職。他の隊員も、怪我をして戦うことができなくなり、結果的に、軽傷ですんだ2人が、職を引き継いだ。

現在は、人員も増え、2人を含めて50人が所属している。

 

 

蓮矢「俺は構わないけど…てか…颯斗今どこにいるの?」

 

颯斗「俺は…墓にいるが…」

 

蓮矢「マジっすか…」

 

 

 

 

 

・・

・・・

・・・・

 

 

 

 

 

 

墓参りを済ませた2人は、蓮矢の車で会社へ向かった。

 

普段は、走って会社まで行く颯斗だが、墓からとなると流石に遠いので、乗せてもらった。

 

 

会社についた2人は、隊の控え室で防護服に着替えていた。

 

 

やがて、隊員たちが集結し、護衛の開始時間となる。

 

 

 

颯斗「よし、みんな行くぞ。」

 

「「「「はい!!」」」」

 

 

 

 

・・

・・・

・・・・

 

 

 

 

 

 

 

蓮矢「会長、おはようございます。」

 

幸神「ええ、おはよう。」

 

 

そして、調査団の代表でもあった幸神コーポレーションの経営会長、『幸神 由理子』(こうがみ ゆりこ)が到着する。

 

 

幸神「伍塔くん、状況は?」

颯斗「はい、総員配置につきました。」

 

 

由理子「そう…いよいよね…、800年前のことが…また一つ解明される…素晴らしいわッ!!」

 

目の前で大声を出され、颯斗は思わず目を瞑る。

幸神がここまで興奮するのも無理はない。

 

 

彼女はこれまで、調査団とともに、この研究に携わり、800年前のある国の情勢と『セルメダル』という、記録に残っているものを解明している。

 

今回の調査で何を究明できるか…それは幸神や調査団だけでもなく、颯斗や蓮矢もやはり胸を踊らせていた。

 

 

 

 

 

引率で、颯斗がついていく。

 

 

 

 

 

 

 

(………)

 

 

やはり、胸騒ぎがする…蓮矢がそう感じた…その時だった…

 

 

――ドカァァァァン!!――

 

 

背後で建物が爆発し、蓮矢は思わず伏せる…

 

 

蓮矢は体を起こし、振り返る…

 

 

 

 

そこにあったのは、建物ではなく、もはや瓦礫だった。

 

 

 

蓮矢「………」

 

あまりの出来事に絶句する蓮矢…

 

蓮矢「…颯斗…颯斗!ハヤトォォォォ!」

 

しかし、何時までも呆然としているほど弱くはない。

 

 

すぐさま親友、颯斗の救出へ向かった。

 

 

 

 

・・

・・・

・・・・

 

 

 

 

『くう…やはり止められなんだか…』

 

『それ』は視界を確かめながら呟く。

 

『なんとか止めなければな…くそ…我も実体があれば…む…?』

 

『それ』は足元?に倒れている1人の男を見つけた。

 

『ぬう…こうなれば…すまぬな…借りるぞ!!』

『それ』はその男に飛び込んだ。

 

 

 

 

そこに立ち上がったのは、もはや倒れていた男とは言い難かった。

 

服はそのまま、ではあるが、目は銀色になり、髪も腰まで伸びて、かつ茶色くなっている…。

 

さらに男は足下に転がっているメダルを5枚と、それを入れるような窪みのある装飾品を見つける。

 

『ふふっ…我は運がいいようだな……ほう…どうやら我が手を煩わせることはなさそうだな…』

 

男は不適に笑うと、何かを見つけたかのように歩き出した…

 

 

 

 

 

男のいるほど近い場所で、一つの影が動きだしていた。

その影は、クワガタムシのような頭、カマキリを模したような胴体、そして、バッタに似た脚部をそれぞれ持った、いわゆる人外だった

『ハアァ…ここは…俺は…!…そうか…ククク…ならば…奴を殺さねば…クククククク…』

 

その人外は、自分の身体から一枚、銀色のメダル…『セルメダル』を取り出すとそれを目の前に投げる…

 

すると、メダルがミイラのような化け物に変わった…

 

『奴を探せ…できるなら…殺せ!!』

 

 

人外の声に応えるかのように、化け物は、外へと向かっていった…。

 

 

 

・・

・・・

・・・・

 

 

 

蓮矢は、建物があった『はず』の場所に、近づいたが、いくまでの過程が惨い。

 

建物の付近を張っていたライドベンダー隊の隊員は全滅。

 

ただ、死んでいるだけの者もいれば、腕や脚、首などの身体の一部が無かったり、腰から下、あるいは上が無い者、さらには、既に人としての原型を留めていない者もあった……。

 

蓮矢は、そのたびに自らの無力さを嘆いていた。"自分に、こいつらを救える力があったら"

 

蓮矢は、そんな自責の念にかられながら、親友の生存を信じ、辛うじて保っていた入り口から内部に入った。

 

 

蓮矢「うう゛っ…!」

 

蓮矢を迎えたのは、上半身の至る所が焼けただれ、下半身が瓦礫の下敷きとなっている女性の死体だった。

 

蓮矢は、思わず目を背ける。

 

 

その時だった―――!

 

『コアアアア!!』

 

蓮矢「!…うおっ!?』

ミイラのような化け物が襲いかかってきた。

蓮矢は、間一髪これをかわす。が、こいつがいる限り、中を進むなど不可能。

 

 

蓮矢は、再度身構えるミイラに向けて発砲する。

ミイラは仰け反り、2発目を喰らって倒れ込む。が、その傷から出ているのは、血液ではなくメダルだった。

 

蓮矢「これは…セルメダル!」

 

蓮矢は、一枚を拾い上げて驚愕する。

 

 

しかし、その隙を見逃してくれる訳もなく…

 

『グオオオオ!!』

 

蓮矢「うわっ!?」

 

蓮矢は入り口の付近まで突き飛ばされた。

 

防護服を着ていたため、目立った外傷は無かったが、ミイラの爪痕と至る所に刺さっている瓦礫の破片で、すっかりダメになっていた。

 

蓮矢はロックを解除して防護服を脱ぎ捨て、薄い格好になると、外に出た。

 

 

蓮矢「くっ…何をやってんだ俺は…!」

 

蓮矢は自分の無力さに更に憤(いきどお)る…

力が欲しい…

 

しかし、そう簡単に逃がしてくれる筈もなく、ミイラに追いつかれてしまった。

 

ミイラが手を振り上げる…

蓮矢は死を覚悟した…

己の無力さを嘆きながら…

 

~~力が…!!~~

 

 

その時だった…

 

 

『ガアッ!?』

 

ミイラが、なにかに突き飛ばされた。

 

 

蓮矢は左を向く…

 

 

そこには…

 

『「見つけたぞ…」』

 

伍塔颯斗とおぼしき、男がいた…

 

蓮矢「…颯斗…なのか?」

 

『「ハヤト?この男の名前か?ならば…当たらずとも遠からずだ…」』

 

蓮矢「どういう意味だ?お前は颯斗なのか!?」

 

 

『「我が名はラルフステール・インボーグ…この世の王だった者だ…今はこの男の身体を借りている。」』

 

蓮矢「何を勝手なことを…颯斗を返せ!!」

 

ラルフ『「ほう…よいのか? 我が離れれば、この男は10分もしない内に死ぬ…」』

 

蓮矢「何…?」

 

ラルフ『「それでもいいというのなら、離れるが?」』

 

蓮矢「くっ… そのままいてくれ…ッ!」

 

蓮矢は不本意そうに 言い放つ。

 

(フッ…容易いな…)

 

ラルフはそう思いながらほくそ笑んだ。

 

 

その時、背後では、ミイラが悶えていた…

 

 

そして、ぐちゃぐちゃと気持ちの悪い音をたてながら『それ』は、蜘蛛のような化け物に変わった…

 

『グオオオオオオオオ!!』

 

蓮矢「なんなんだコイツ!」

 

ラルフ『「ほう…成長型虫類…ウヴァのヤミーか…」』

 

蓮矢「ヤミー?ウヴァ?」

 

ラルフ『「ヤミーはこういう化け物の総称、ウヴァはコイツを生み出したグリードと言う化け物の一人だ。」』

 

蓮矢「こうなったら……どうするんだ?」

 

ラルフ『「フフフ…少しじっとしていろ…」』

 

ラルフゆっくりと蓮矢に近づく…

蓮矢「何をする気だ?」

ラルフは、懐からなにかを取り出す…

 

そして、クモヤミーを再び衝撃波で吹き飛ばしながらそれを蓮矢の腹部にあてる…

 

するとそれは、蓮矢の腹に巻き付く…

 

蓮矢「これは…」

 

更にラルフは、シルバーのホルダーから三枚の色の付いたメダルを取り出す。

 

赤・黄色・緑…美しく色彩の施された、セルメダルとは違うメダル…

 

 

ラルフはそれを蓮矢に手渡す。

 

ラルフ『「赤・黄色・緑の順に右から入れろ。」』

 

蓮矢は、言われるがままにメダルを入れる。

 

三枚目を入れたところで、セット部分が左下に傾く。

 

ラルフ『「右腰のスキャナーでスキャンしろ…それで『変身』だ…」』

 

 

蓮矢「変身か…なんだか『仮面ライダー』みたいだな。」

 

『仮面ライダー』

 

 

それは蓮矢が大ファンであるヒーローだった。

 

 

ラルフ『我が力を求めよ…』

 

蓮矢「!!」

 

 

その時のラルフの声は、まさに夢の『それ』だった…

 

しかし、蓮矢に迷っている暇は無かった

 

 

 

 

オースキャナーから、待機音が鳴り響く…

 

 

 

蓮矢は、メダルをスキャンした…!

 

 

蓮矢「変身!!」

 

 

『タカ!トラ!バッタ!タ・ト・バ!タトバ!タトバ♪』

 

 

 

現れたのはタカの頭部、トラの腕と胴体、バッタの脚部を持つ戦士、

『オーズ タトバコンボ』…

 

 

OOOタトバ「ああ…」

 

蓮矢は、あまりの出来事に収拾がつかない。

 

その時、衝撃波がクリティカルヒットして、しばらく起き上がれなかったクモヤミーが立ち上がり、オーズに襲い掛かる。OOOタトバ「!…でりゃあっ!!」

 

オーズは、向かってくるクモヤミーの腹にパンチをぶち込む。

 

クモヤミー『ガバアッ!?』

 

クモヤミーは、後方に吹き飛ぶ。

 

OOOタトバ「この力は…!」

 

ラルフ『「それが、オーズたる者の力だ。」』

 

OOOタトバは、更にトラクローを展開、起き上がり様のクモヤミーに斬撃を加える。

 

クモヤミーは、セルメダルを放出しながら苦しむ。

OOOタトバは、クモヤミーを上に突き上げ、蹴りを入れる。

クモヤミーは再び吹き飛ぶ。

 

 

ラルフ『「トドメにはもう一度スキャンだ!」』

 

蓮矢「分かった!」

 

再度のスキャン…!

 

 

『スキャニングチャージ!』

 

OOOタトバ「てあッ!!」

 

OOOタトバは高く舞い上がる…そして、下にはタカ・トラ・バッタのオーロラ…

 

 

OOOタトバ「でりゃああああああああ!!」

 

 

―タトバキック―

 

それはクモヤミーに直撃する…

 

クモヤミー『グオオオオオオオオ……』

 

長い断末魔と共にクモヤミーは爆散し、無数のセルメダルになる。

 

 

 

ラルフ(思った通り…)

 

 

 

 

 

 

 

・・

・・・

・・・・

 

 

蓮矢「颯斗は大丈夫なんだろうな?」

 

ラルフ『「案ずるな…我が憑いている限り、死ぬことは無かろうて…」

 

 

自信に満ちた顔でラルフは言う。

 

ラルフ「それより、お前はどうするつもりだ?今のところ、オーズとして戦えるのはお前か我くらいだ。しかし、戦うとなれば、この男にも危険は及ぶがな…フフフ…」

 

蓮矢「貴様ァ!!」

 

蓮矢はラルフにつかみかかる、しかし、身体は颯斗のもの、不用意には殴れない。

 

 

その時…

 

 

「氷乃く~ん!伍塔く~ん!」

 

蓮矢「幸神会長!?ご無事だったんですか?」

 

幸神「私は不死身よ?死ぬわけ無いじゃない!」

 

この惨事のあとでもブレない…流石は会長だ…

 

蓮矢はそう思いながら、いつしかラルフへの怒りも静まっていた…

 

 

 

ラルフ(この体ならば…うまくいきそうだな…フフフフ…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

to be Contiued

 

・・

・・・

・・・・

 

 

 

次回

 

 

幸神「そんなことが……素晴らしいわッ!」

蓮ラル「『「は?」』」

 

 

蓮矢「それは?」

 

幸神「コードネーム『メダジャリバー』!オーズの新しい武器よ!」

 

 

 

ラルフ『「獣種…カザリのヤミーか…」』

 

 

 

蓮矢「変身!!」

 

『タカ!ゴリラ!タコ!』

 

 

 

 

次回 獣と亜種と新兵器

 

 
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