学園地下

ここで学園を襲撃してきたアンノウンの解析が行われていた。

千冬の前には残骸となったアンノウンがあった。

麻耶が資料を抱えて入ってくる。

「解析の結果、このアンノウンは無人でした。さらにコアは無登録のものが使われてました。」

「・・そうか。」

真耶の報告に千冬は返事を返す。

さらに麻耶は委員会からの指令を言う。

「それとIS委員会から乱入してきた仮面ライダーの拘束を言い渡して来ました。」

「老人どもめ・・。」

委員会からの指令に千冬は嫌な顔をした。

恐らく拘束して戦力にするかライダーシステムの解析を行うのだろう。

ラビットハッチ

ここでもデータをコピーしたドレインのメモリ解析が行われていた。

解析中、自由に過ごす一夏、ロックオン、簪、本音、鈴がいた。

解析が終わり、ティアナは全員を集める。

「解析が終わったよ。あのISは無人だった。」

「ちょっと待ってよ!ISは人が乗らないと「動かない?」・・。」

鈴が否定の声を上げるがロックオンがそれを遮る。

「確かにテキストにはISは人が乗らないと動かないと書いてあるわ。さらに国や企業でもスタンドアローンは完成してない・・。」

「確かに・・。私の家は暗部だけどそんな話は聞いてない・・。」

ロックオンの見解に簪が言った。

ロックオンはさらに話を続ける。

「それはあくまで国や企業の話。だけど個人なら（・・・・）どう?」

「・・まさか?」

鈴は何かに気づき、顔を上げる。

ロックオンは頷いて話を続ける。

「襲撃させた犯人は篠ノ乃束。ほぼ間違いないわ。」

「じゃあ、使われていたコアは～?」

本音のその質問に一夏が答える。

「無登録だろうな。篠ノ乃束は467しか作らないと言ったがあの女がおとなしく公言を守ると思うか?他人に興味を持たず、姉や箒、俺にしか興味を持たない女が。」

「・・・。」

一夏の言葉に鈴は黙る。

「目的は・・?」

簪の疑問に一夏はさらに話を続ける。

「目的は俺だろうな。強くなったかどうかを確かめるためだけにあれを送り込んだ。しかも周囲を巻き込んで。おそらくだが篠ノ乃束の元には無登録のコアがあるはず。そしてその内の一つの使い道はわかっている。」

「それは・・。」

「・・妹である篠ノ乃箒の専用機（・・・・・・・・）に使うはずだ。しかも最先端技術を搭載したISを・・。」

そういった一夏の目には悲しみがあった。

暗い話は終わりとばかりに本音があるものをテーブルに置く。

「ティア～、ストりゃん～。これできたよ～。」

本音はそのあるものにカメラスイッチを差し込みスイッチをオンにすると起動して動き回る。

「本音ちゃんすごい♪」

「あら、可愛いわ。」

「この子の名前は～バガミール～♪」

「へー。スゴイじゃない。」

しかもバガミールの目から撮影している映像がアストロスイッチカバンに届いている。

これは本音制作のフードロイド・バガミール。

フォーゼになっても使い道があまりなく、置いていったカメラ、シザース、フラッシュの三種を有効活用しようということで制作。

「そういえばシャルも近い内に転校するって言ってたわね。」

「そうか、弾たちを除けば仮面ライダー部がまた勢揃いってことか。」

「あとマグネットだけど、遺品の中に拡張パーツがあることを忘れてたわ。」

「で、それを取り付けたのがこれ♪」

ティアナが出して来たのはマグネットスイッチの付いた携帯電話。

「NSマグフォン。フォーゼ・マグネットステイツへのステイツチェンジを果たすためのアイテムよ。」

「あとはテストをしないと。その為には・・。」

同じ頃、学園内である生徒が憎悪を燃やしていた。

「何が世界初の男の操者よ・・!男なんて女に媚びていればいいのよ!」

「織斑一夏が憎いか・・?ならこのスイッチを授けよう。」

「え・・?」

サソリの姿をした怪人が現れスイッチを生徒に渡す。

おそるおそるスイッチを押すと生徒は怪人に変わる。

「あはは、これさえあれば・・!」

「星に願いを・・。」

生徒が上機嫌で去っていったのを見届けた後、サソリの怪人・スコーピオンは先程渡したスイッチとは別のスイッチを押して人間に戻る。

「ふふ・・。ここには選民思想がある生徒が多くていい環境ですね。・・そういう意味では世界を変えた織斑千冬と篠ノ乃束には感謝しなくてはいけませんね・・。」

そこにいたのは妖しげな笑みを浮かべる真耶だった・・。

「確かに彼女らが白騎士事件を起こして今の世界がどういう状況下にあるのかあまり知らないのは大きいですね。まあ篠ノ乃束はこれを知ったところで他人がどうなろうと知らない顔をするでしょうが。今の世の中は男は女を妬み、女は男を見下す。だから私たちも動きやすい。」

そこにもう一人現れる。

簪によく似た水色の髪をしたスタイルのいい生徒だ。

「同志リブラ。いや、ここでは更織さんと呼んだ方がいいですか?」

「いえいえ、ここに私たちだけしかいません。お好きなように呼んで下さい♪」

「では更織さんと呼ばせてもらいますね。二人の仮面ライダーですがどうしますか?」

その生徒・更織楯無はバッと扇子を広げるとそこには『育成途中』の文字が書かれていた。

「今育ててるゾディアーツ・ドラゴンに動いてもらおうかと考えてます。彼女を使ってエターナルとメテオが誰かを探らせます。」

「では先程の生徒もそれに使って下さい。」

「了解です♪」

楯無が新たに扇子を広げるとそこには『作戦開始♪』と書かれていた。

翌日・正門前

男子の制服を着た金髪の外国人が立っていた。

「ふぅ、疲れた。だけどロックオンや一夏たちはここにいる。最近新しく二人入ったみたいだけど楽しみだね。」

シャルル・デュノアは校舎を見つめて言った。

仲間との再会を胸に学園内に入る。

しばらく歩くと悲鳴が聞こえてきた。

「キャー!」

「男なんて女にひれ伏してればいいのよ!織斑一夏ぁ!どこにいる!?ひれ伏してやるわ!」

目線を向けるとそこにはハウンドゾディアーツがいた。

「早速ゾディアーツがお出ましだね。・・あそこらへんがいいかな?」

シャルルは人目のつかない場所へ向かいフォーゼドライバーを装着、トランスイッチをオンにする。

3・・2・・1・・

「変身!」

レバーを入れるとシャルルの体が煙に包まれ、フォーゼへと変身。

「よし、行くよ。」

IS学園に新たなるライダー・フォーゼが降臨。

エターナル、メテオとの共闘も近い。