No.392150

IS《インフィニット・ストラトス》 駆け抜ける光 第一話~入学したのはいいけど……男二人ってどうよ?

移動作業はけっこう疲れ増ますなwww 
ちなみにタイトルは変えていこうと思います。

2012-03-15 22:28:30 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3609   閲覧ユーザー数:3507

「ふう……やっと着いた」

 

 今日はIS学園の入学式だ。IS――インフィニット・ストラトス――は今までの兵器を超えたものなのだが、女性にしか装備できないというものだ。

 そのせいで、今の世の中は『女尊男卑』。女性が優位に立っていて、男性が女性に対して戦争を起こしても、三日も持たないと言われている。ISは今までの兵器を超えている――故に意味をなさない。ISを装備した女性に男性が勝つのは不可能である。

 

「来たのはいいけど……ここって女の子しかいないんだよな。でも夏兄(なつにぃ)もここに入学してるって言ってたし、同じクラスになるといいなぁ」

 

 ISは女性しか動かせないんだけど、夏兄と僕はひょんなことからISを起動させたんだ。僕のISは待機状態で、首に掛けてある白いT字型ののアクセサリーになってる。

 遠くから女性が走って来ている。黒髪にスーツ、タイトスカートを履いていて、走りにくそうだったがそんな素振りは全く見えない。

 

「すまない、遅れたか」

「ううん、大丈夫だよ。さっき来たばかりだから」

 

 この女性は織斑千冬(おりむらちふゆ)さん。僕に暖かみを教えてくれた人でもあり、僕の母親なんだ。血は繋がっていないけど、本当の家族のように接してくれた恩人だよ。

 

「さて、ちょっと急いで行かないと間に合わないから、早歩きでいくぞ」

 

 そう言うとお母さんは歩き始めて僕も後を追う。

 

「そういえばさ、学園内じゃそう呼んだらいいの?」

「織斑先生だ……」

 

 やっぱりそうか~、結構抵抗があるけど困らせたくないし……

 

「分かりました。織斑先生」

 

 ……違和感あり過ぎだよ……。でも我慢だ。

 

「光輝も高校生か。あの時からずいぶん経ったが、私は母親になれたか?」

「もちろんだよ! そのおかげで僕はこうして生きているんだから……そんなこと言わないでよ……」

「す、すまん。にしても女みたいな容姿はずっと変わらないな」

 

 っ~~~! 恥ずかしいなぁ! 声に出したいけどなぜか出ない……

 

「可愛い奴め。すぐに赤くなるな、相変わらず」

 

 うぅ~……気にしてることを……

 ともまぁ、そんなことを話しながら僕達は会場に向かった。

 

 

 

 

 ――恥ずかしいなぁ/// 隣が夏兄で良かったけど、どうして2人とも真ん中なんだよ……後ろの視線が辛い……

 

 入学式も終わり、クラスでSHR(ショートホームルーム)中。女性副担任こと山田真耶(やまだまや)先生によって行われている。

 身長はやや低め(僕と変わらないかな)で、服のサイズが合ってないのか、だぼっとして本人が小さく見えてしまう。かけてる黒縁の眼鏡も大きめなのか、若干ずれてる。こんな先生で大丈夫なのかな……。

 

「織斑一夏(おりむらいちか)くんっ」

「は、はいっ!?」

 

 夏兄も同じことを考えてたのか呼ばれて、驚いている。仕方ないと思うよ。だって僕達以外全員女子なんだもん……。

 

「あっ、あの、お、大声だしちゃってごめんなさい。お、怒ってる? 怒ってるかな? ゴメンね、ゴメンね! でもね、あのね、自己紹介、『あ』から始まって今『お』の織斑くんなんだよね。あ、二人いるけど『い』と『こ』じゃ、君の方が早いんだよね。自己紹介してくれるかな? だ、ダメかな?」

 

 気がつくと山田先生は夏兄にぺこぺこと頭を下げていた。あんまり頭を何度も下げるので、サイズの合ってない眼鏡がずり落ちそうになっている。こう見ていると、この先生が本当に年上か疑ってしまうよ……

 夏兄は山田先生にうわずった返事をして、勢いよく立ち上がった。

 

「えー……えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

 さすがだよ夏兄! ふと周りの女子の様子を見る。『もっと色々喋ってよ』的な視線と『これで終わりじゃないよね?」的な空気は何なんだ……。こんな女子だらけの場所で紹介しろって言われても夏兄の反応が正しいよ。

 

「以上です」

 がたたっ。思わずずっこける女子が数名いた。夏兄、頑張ったね……この空気の中、よく自己紹介したね。

パアンッ! 夏兄がいきなり叩かれた! 誰だよ!? ってお母さん……。

 

「げぇっ、関羽!?」

 

 パアンッまた叩かれてる。お母さん、それぐらいにしないと夏兄が……。あぁ、若干引いてる女子が数名いるよ。

 

「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」

 

 トーンの低めの声。でもその声も聞きなれている。さっきの入学式前の時とは覇気が違うし、これがお母さんの教師モードか。

 

「諸君、私が織斑千冬だ。君達新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聴き、よく理解しろ。良ければ返事をしろ! 良くなくても返事をしろ!」

 

「はいっ!」

 

 クラス全員の女子が返事をしたらこんなにも響くのか……軽く耳が痛い。

 

「よし、次! 織斑光輝!」

「はっはい!」

 

 いきなり呼ばれ立ち上がる僕。うぅ、人前なのはやっぱり恥ずかしいなぁ/// で、でも、夏兄だって頑張ったんだから僕だって……!

 

「お、織斑光輝です。えっと、よ、よきゅ、言われるんですが、こんな容姿でも、一応、お、男なんで……ま、まちがわにゃいで下さい。よろしくお願いしましゅ……」

 

 うわあぁぁぁ! 噛みまくりだぁぁぁ! よきゅってなんだよ……はぁ~。

 こうして恥ずかしい自己紹介を終え、僕のIS学園での生活が始まったんだ。


 
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