No.392125

第五話 鬼神の伝説と、別れと誓い

急展開にワロタwww

2012-03-15 22:12:09 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4102   閲覧ユーザー数:3940

良くも悪くも無く、普通の幸せを実感しながら、早六年……あ、キンクリし過ぎだって?気にしないの♪

 

 

まぁ、そんな冗談も言ってられないんだけどね……。

特にこれと言って、知りたかったわけじゃない……。

俺としては、お父さんの仕事なんて、興味がなかった。

ただ、一族の家業を継いだ、程度にしか聞いてい適ったので、会社の社長かなんかでもしてるのだろう……そう思っていた。

 

 

「貴方……」

 

 

「あぁ、私としても、信じたくはなかったよ……」

 

 

「アニスは、やっぱり」

 

 

「あぁ……アリス……」

 

 

「……貴方……どうします?」

 

 

……さて、このシリアスな空気……どうしたら良いのやら……。

どうも、アニスです。

ちょっと寝る前にホットミルクを飲んで寝たので、少ししてから尿意に襲われたのでトイレに起きたら……こんな話に遭遇してしまいました……。

 

 

「こういう時……やはり我が子を守る手だけが一つや二つだけ……というのが……情けなくて、申し訳が立たないよ……」

 

 

「仕方ないわ……それほど、貴方が切羽詰まってるんですから……」

 

 

「……どうして……我が子が……我が子が……禁忌の子だとわ……」

 

 

禁忌の子?何だよ……それ……。

 

 

「少なくとも、後一~二年は大丈夫だと思っていた」

 

 

「でも、もう明日攻めてきそうな空気がありますね……」

 

 

「一応、隠蔽の魔法を使ってのだが……もう、無理か……だから、私の命に代えても、あの子と、君は守り抜く」

 

 

「何で……そこまでして」

 

 

「……何、私は十分幸せだ……君と恋仲になれて……アニスと言う……私とお前の、両方の血を受けてくれた子供が出来て……そして、その両方を、胸を張って守れる今の自分に……私はもう、何もいらない……」

 

 

「いらない……何て……悲しい事……言わないで……!」

 

 

「……アリス……明日、全てを話そう……」

 

 

「えぇ……分かってるわ……あの子が……鬼神の子と言う事を……」

 

 

鬼神の……子?

何だよそれ……鬼神の子って……。

 

 

「もはや、一刻の猶予もない……私の仲間も、もう騒ぎ立てている。鬼神の子が復活した……と。私は、今まで一緒に戦ってきた仲間と、殺し合うのが怖い……見ろ、今だって、考えただけで手が震える……。確かに、私は何百何千と、人間を殺してきた……それでも、犯罪者を裁くことに、何も感じなかった」

 

 

人間を闇討ち?それが仕事?……何なんだよ……一体全体……どうなってんだよ……クロイツベル家ってのは……!?

 

 

「だが、我が子がその対象になるとわ……思いもよらなかった……」

 

 

「貴方……」

 

 

なぁ……どういう事だよ……お父さん、お母さん……。

俺が、

鬼神の子?俺は、殺されるべき対象なのか?

 

 

「……私……決めたわ……貴方と共に、戦います」

 

 

「それは駄目だ……君には、アニスに着いていてもらいたい。戦闘は私に任せて、アニスと一緒に逃げてくれ!」

 

 

「私には……やはりどちらも選べないの。クラウド……アニス……どちらを取るべきか。私は……あの子を、幸せにしたい、貴方と一緒に。だから、共に戦いましょう……そして、生きて……アニスと一緒に、幸せに暮らしましょう……?」

 

 

「お前……まさか……」

 

 

「えぇ、あの子だけでも逃がします。そして、私達が勝って、自分たちの足で……あの子を迎えに行きましょう……?」

 

 

「……転移させる場所は決まっているのか?」

 

 

「第97管理外世界、地球。ここは魔法文化も無く、管理局も手が出せないし、ほとんど知らない地よ……」

 

 

「……分かった……あの子には辛い思いをさせてしまうな……」

 

 

「えぇ……そうね……」

 

 

………何なんだよ……何なんだよ、その話は……。

鬼神の子?戦う?……どうして……そんな話をしてるんだよ……。

俺はフラフラしながら、自分の部屋に戻り、そのまま……眠りについてしまった……。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

次の日の朝……何故か今日の空気は、いつもと違っていた……。

アンク以外の使用人は皆居なく……この部屋には、俺とお父さんとお母さん……そしてアンクのみとなっている。

 

 

「……お父さん……話とは何でしょうか?」

 

 

「……あぁ、何だ……その……な……」

 

 

煮え切らないお父さん……それを見て泣きだしそうになっているお母さん……。

俺は、不意に、昨日の事を口にする。

 

 

「……鬼神の子……」

 

 

「!……アニス……」

 

 

「昨日、二人で話してたよね?俺が鬼神の子だって……」

 

 

「……聞いていたのか……」

 

 

「盗み聞きするつもりはなかったんです……たまたま、トイレに起きて、部屋に戻ろうとした時に……偶然……」

 

 

俺の話を聞き、お父さんは神妙な顔をするが……すぐに観念したような顔になる。

 

 

「すまない……アニス……」

 

 

「何故、謝るんです?」

 

 

「自分の息子を救う手だてが、もう一つしか思いつかなくて……本当にすまない!」

 

 

「貴方……」

 

 

「……それより、話してくれますか?何故、僕が鬼神の子と呼ばれなくちゃいけないのか……」

 

 

「あぁ……説明しよう……いきなり、そんな事を言われても……理解できないだろう……」

 

 

そう言うや否や……すぐに、お父さんは鬼神の子について、語りだした……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベルカ時代……まだクロイツベル一族が、そんなに栄えていない時代の時の話……。

斬魄刀を使う我ら一族の中に、アイリスと言う、クロイツベル一族の天才が居た……。

彼はクロイツベル家の中でも異質の存在で、僅か一年未満で始解を習得、そして翌年で斬魄刀を屈服させ、二年で卍解に至った者だった……。

そして、そんな彼には、更なる異質があったのだ……

 

 

 

 

 

そう、彼は斬魄刀を複数所持する者だったのだ……。

確かに、二本使える物は、10年に2~3人、居るか居ないかの話だったのだが……。

彼はその数30以上の斬魄刀が使えたのだ……。

 

 

 

 

 

 

そして、そのものの戦い方は……狂気に満ちていた……。

ある者はばらばらに、殺して解して晒して並べてあり……ある者は、氷漬けにされ、ある者は、火達磨になり……ある者は、雷に撃たれ……ある者は、毒で殺され……まるで、自分の斬魄刀の能力を試したいが為に、剣を振るっている存在だった……。

 

 

 

 

 

 

そして、ある事件が起きた……。

彼は何を思ったのか……他のクロイツベル一族の者の斬魄刀を奪い取り、契約権を奪ったのだ……それも、斬魄刀の能力で……。

 

 

 

 

 

そして彼は、裕に60本は超える斬魄刀と契約を結び……狂気に飲み込まれた……。

その者は、鬼神と言われ……彼を殺すのに……クロイツベル一族が総力を挙げて……倒したのだと言う……。

 

 

 

 

 

だが最後に、鬼神は死に際にこう言い放った……。

 

 

「いつの日か……俺と同じ……複数斬魄刀を所持出来る……子が……生まれるだろう……ククク……それは、俺の生まれ変わりだと思……え……」っと

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「そして、お前が生まれたわけだ、アニス……」

 

 

……そう言う事だったのか……だが、確かに俺は、お父さんとの斬魄刀の訓練で、二本試したが……何故、俺が他にも所持しているってのが分かったんだ?

 

 

「でも、お父さん……俺は斬魄刀を二本しか使ってませんよ?」

 

 

「……アニスが、時々結界を貼って、斬魄刀を開放してるのは知っている……。斬魄刀を解放したら、多かれ少なかれ、使用者の魔力の質が変わるんだ……だがアニスは……その移り変わりが凄く激しく……斬魄刀解放時の魔力量が、いつも違ってたりしたのが分かった……」

 

 

……そう……だったのか……。

……調子に乗った……俺の落ち度だ……。

 

 

「だけど……他の人に知られるような事はしていないんだけど……」

 

 

「クロイツベル一族の中には、予言が出来る斬魄刀所持者が居る。仕事で集まる時に……取集が掛けられたんだ……そして……疑われたのが私だ……ここ九年間の中で、クロイツベルの一族で生まれた子供が、お前しかいなかったからだ……」

 

 

「……………………」

 

 

もう、何も考えられなくなった………。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

お前を転移させるのは……明後日……。

魔力がまだ十分に溜まっていないから、もう少し時間が掛かる……。

それまでに、荷物の整理をしておきなさい……。

 

 

そう言われて、家族会議的な物は終わった……。

 

 

「……どうするんだ、お前」

 

 

「……出来るなら、一緒に戦いたい……」

 

 

「……死ぬかもしれないんだぞ」

 

 

「それでもだよ。大事な家族見捨てて、俺だけ一人おめおめと逃げられる訳がない……」

 

 

「お前を狙ってくる連中だぞ?お前が前に出てしまえば、たちまちそいつらの格好の的になるだけだ……たぶん、お前の親父も、母も、他の奴に足止めされて終わりだ」

 

 

「……なら……どうすれば良いんだよ!!それしか他に手がないんだ!!!俺に、もうそれ以外に考えられないんだ!!」

 

 

「……はぁ……」

 

 

アンクはため息をつきながら、俺の頭を撫でる……。

 

 

「少し落ち着け……」

 

 

「……アンク……」

 

 

「お前が逃げれば、後はあの二人が安心してその場から離脱出来るだろう。それ位の腕はある筈だ……俺が何で、お前の親父に、お前を守ってくれって言われたと思ってんだ……」

 

 

「アンク……」

 

 

少し落ち着きを取り戻した俺。

取り敢えず、荷物は言われたとおり整理しとこう……そう思ってベッドから立った瞬間!

 

 

ドガァァァァァン!!

 

 

何処からか爆発音が聞こえた……。

 

 

「アンク!」

 

 

「あぁ!」

 

 

俺とアンクは、急いで部屋から出た……。

 

 

ゴァァ!ドガァ!

 

移動する度に、爆発音が激しくなる……。

もう……攻めてきたのか?

 

 

こんなタイミングで……攻めてこなくても……。

何で……このタイミングなんだよ!!

 

 

俺は音がより一層激しく聞こえる部屋のドアを思いきり蹴破る。

 

 

「お父さん!お母さん!」

 

 

そこには、何人かの敵と対峙してるお父さんとお母さんの姿が目に映った……。

相手は黒い服に身を包み、顔を見えないように隠してある……。

 

 

「アニス!何故来たんだ!?」

 

 

「いきなり爆発音が聞こえたから!」

 

 

「早く貴方は逃げなさい!!」

 

 

「ほぅ……こいつが、鬼神の子か……」

 

 

一人の黒服の男が、俺を見るなり、襲い掛かってくる。

ヤバい、反応が遅れっ……。

 

 

ガキン!!

 

 

「クッ!」

 

 

「アンク!」

 

 

「はぁ!!」

 

 

バキッ!!

 

 

アンクは右手だけどグリード化して、敵の攻撃を受け止める。

だが、そこは斬魄刀……幾ら異形の腕と言えど、受け止めただけでダメージを与えられる力はある。

 

 

「アンク君!早くアニスを連れて逃げるんだ!!」

 

 

「私達がここを抑えてる内に!」

 

 

二人がそう言い放つが……お母さんの結界が、その一瞬の隙に破られる……。

 

 

「きゃあ!」

 

 

「アリス!」

 

 

「お母さん!」

 

 

「……飛ばせ、飛び魚」

 

 

シュン!!

 

敵が斬魄刀を開放して、お母さんを斬った瞬間……お母さんの姿がいきなり消えた……。

 

 

「そん……な……」

 

 

「アリス!グァッ!」

 

 

バキッ!ドガァッ!

 

そして、お父さんもお母さんが消えたことで隙が生じ、蹴り飛ばされる。

 

 

「貴方方は殺しませんよ?貴方達はクロイツベル一族の中でも、優秀な部類に入りますから……ただ飛ばすだけにします……」

 

 

ザシュッ!シュン!!

 

 

そして……お父さんも斬られ……飛ばされた…………。

 

 

「お父……さん……?……お母さん……?」

 

 

その瞬間、俺は崩れ落ちた……。

俺が……俺が……出て来たせいだ……俺のせいで……お父さんとお母さんは……。

 

 

「安心すると良い、君の両親は、安全な所に飛ばしました……まぁ、今から死ぬ君には、関係ない事だと思いますけどね?」

 

 

「お父さん……お母さん……」

 

 

バキッ!!

 

 

「アニス!逃げるぞ!!」

 

 

アンクが俺に近づいてくる敵を殴り飛ばして、俺の所に近寄る。

………アンク………。

 

 

 

「化け物は化け物を呼ぶ……ですか……良くこんな化け物と一緒に住めましたね、あの人達は……殺れ……」

 

 

男の言葉で、何十と言う黒づくめの男達が俺とアンクを囲む……。

 

 

「ちぃっ……囲まれたか……おいアニス!早く立て!!」

 

 

「…………せ……」

 

 

「どうしたアニス!早く立て!」

 

 

「………えせ……か……せ………俺の……お父さんと………お母さんを…………返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

 

 

俺は斬魄刀を取り出して、構える……。

 

 

「ふん、始解しか出来ない餓鬼が、意気がるなよ……」

 

 

「……霜天に坐せ……氷輪丸!!」

 

 

ゴォォォォォォォ!!!

 

 

俺は氷輪丸を開放して、魔力を高める。

俺の後ろには氷と水で出来た龍が現れ、黒づくめの男達を驚愕させる。だが、中にも余裕だと言わんばかりに、斬魄刀を構える者も居る。

 

 

「ほぅ、氷雪系最強の斬魄刀……美しい……僅か九歳で、その完成度……流石は鬼神の子だ……やはり、君は危険な存在だ!」

 

 

「だ……まれ……黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!卍解!!!」

 

 

「何!?」

 

 

今まで貯めていた魔力を、全て氷輪丸に送り、開放する。

もう……俺は……止まれずにはいられなかった……。

 

 

「大紅蓮氷輪丸!!」

 

 

俺は完璧な死覇装を来て、背中に氷の翼が生え、尻尾も生える。

そして、体から放出されている魔力は、全て冷気に変わり、白く煙となって出ている……。

後ろには十二枚の花弁が出ている。

 

 

「そんな……何で……九歳の……ガキ如きが……卍解を……」

 

 

「………群鳥氷柱……」

 

 

俺は敵に向けて、大量の氷柱を放つ……氷輪丸、しかも卍解の状態の攻撃をかわしたり、相殺したりする術も無く、ほとんどの者が、巨大な氷柱によって絶命した。

 

 

「う……そだろ……そんな……馬鹿な……」

 

 

いや、一人だけいた……斬った物を何処にでも飛ばす能力でもあるのだろう……お父さんとお母さんと飛ばした張本人は……所々血が噴き出ていた。

 

 

「……………」

 

 

「ま、待ってくれ!止めてくれ!」

 

 

「……黙れ……竜霰架」

 

 

ザシュ!ピキピキ!!

 

 

「うぁぁ!凍る!嫌だ!!嫌だぁぁぁ!!」

 

 

ピキピキ……。

 

 

男は完全に氷に成り果てた……俺はその氷を殴り砕く……。

それを終えた瞬間、卍解は解けて、俺は倒れこんだ……。

 

 

「アニス!」

 

 

「アン……ク……」

 

 

「しっかりしろ!ただの魔力切れだ!」

 

 

「……アン……ク……お父……さんと……お母……さんが……」

 

 

「あの二人は生きてる!あの男が言っただろ!!」

 

 

「……なら……探さないと……」

 

 

俺はそう呟き、魔力切れで動かない体を、無理やり動かす……。

だが、指一本とも、動こうとしない……言う事を聞かない……。

 

 

「今はまだ駄目だ!お前は既に、狙われる存在だ!ここに居ては、満足に動けない!ここは一回、身を隠すべきだ!」

 

 

「……でも……そうしたら……お父さんと……お母さんが……あいつらに……何をされるか……」

 

 

「あいつらなら大丈夫だ!約束したんだろ!?生きて、元気で、また再開するって!転移させる時点で、あの二人は言ってただろ!!」

 

 

「……アンクゥ……」

 

 

俺は、自分の愚かさ、不甲斐なさのせいで涙した……。

悔しい……自分のせいで……両親を危険な目に晒してしまったことに……。

 

 

「……アニス……」

 

 

アンクは俺の名前を呼びながら、俺をギュッと抱きしめる……。

強く、強く……俺が潰れるんじゃないかと思うほど、強く……。

 

 

「……安心しろ……俺が……お前を守る……。そして、お前の両親も、見つけ出してやる……」

 

 

「……アンク……」

 

 

「俺はお前のパートナーだ!!何があっても、守ってやる!!だから、俺の手を掴め!!お前は、ここで終わるべき人間じゃないだろ!!アニス!!」

 

 

「……そうだね……」

 

 

俺は……覚悟を決めた……。

必ず、お父さんとお母さんを見つけ出してみせる……絶対に……。

 

 

「……お願い……アンク……俺を……連れて逃げて……計画通り……に……」

 

 

「分かった……行くぞ……」

 

 

そう言って、アンクは俺を抱きかかえ、お父さんとお母さんが考えた計画を実行することにした……。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「ここか……」

 

 

「……うん……」

 

 

地下室……ここにはお父さんの所有物であふれかえっている。

その一つに、転移装置が置いてある……俺とアンクはその中に入り、スイッチを押す。

だが、まだ魔力が十分に溜まってないのだろう……起動しない……。

 

 

「やっぱり………駄目……か……」

 

 

「……アニス、これって、他者の魔力を込めれる事って出来るのか?」

 

 

「……分からない……やった事……ないし……聞いた事も……無いから……」

 

 

「……だったら、試してみる価値はありそうだな」

 

 

数秒悩んでから、すぐにアンクは口を開く。

そして出た答えが、とりあえず魔力を装置に流すと言う事だった……。

 

 

「ハァッ!」

 

 

アンクは完全グリード化をし、魔力を転移装置に思いきり流す……。

……すげぇ……これがアンクの全力か……。

 

 

「グッ!まだか!」

 

 

「……もう……少し……」

 

 

ゲージがもう少しで満タンになる……後50……40……30……20……10………。

 

 

「よし……溜まった!」

 

 

「クッ!ハァ、ハァ……俺も、魔力切れ起こしそうだ……」

 

 

そう言って、アンクはすぐに人間の状態に戻る。

まぁ、一日二日掛けて魔力を貯める必要がある装置だしね……アンクは頑張った……。

 

 

「もう設定はしてあるんだな?」

 

 

「……うん……大丈夫だよ……」

 

 

「それじゃあ、今度こそ……」

 

 

アンクは装置のスイッチを押す。

魔力が十分になったので、さっきと変わって、中の明かりがつく。そして、装置が作動した……。

 

 

《転移を開始します……場所は、第97管理外世界。ただちに転移します……》

 

 

機械音が鳴る響く……。

あぁ……意識が……瞼が重くなってきた……。

 

 

 

その瞬間……俺とアンクは、姿を消した……。


 
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