No.391958

転生者殺しの龍 第1話

転生者よ、覚悟するがいい。この世界に貴様らの居場所などない。貴様らに許された居場所はどこにもない。おとなしく我が力の前にひれ伏し、消滅せよ!!

2012-03-15 18:14:20 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:8543   閲覧ユーザー数:8400

「ふぅ・・・この世界に転生してから、既に12年か・・・」

 

どうも、龍崎龍馬改め『高町龍馬』だ。俺がこの世界に転生してから早12年が経った。この世界がどういう世界なのか、俺は知らない。だが、俺の3歳下の妹である『高町なのは』が何かしら関わってくることは理解できた。何故って?それは至極簡単だ。転生者共がなのはに近づいてくるからだ。まるでアリの巣コロリだ。もちろん、なのはが毒餌顆粒で俺がその毒そのものである。ただ、その毒は近づいただけで効く猛毒だが。まあ、それは置いておいてだ。そのおかげで転生者狩りがスムーズに行える。それに基本的に連中は力に溺れた馬鹿でしかないから非常に相手をしやすい。だが、数だけいるから面倒極まりない。『龍』に戻って世界ごと破壊すれば全て片が付くがそれでは本末転倒だ。地道に狩るか

 

「なのはー!!いい加減に起きろー!!遅刻するぞー!!」

「にゃあああぁぁぁぁ!!今起きるのー!!」

 

全く、なのはは・・・。最近、なのはは良く寝坊する。夜遅くまで起きてパソコンで『MHF』でリア友+俺とやっているのが原因だ(てかMHあったことに驚いた)。俺はいつも10時ごろになったら寝るように言うんだが、あいつら強情張って寝ようとしない。最初の頃は部屋に行ってまで寝かせてたんだが、最近は諦めた。なのはが遅刻しようと、俺には関係ないし。

 

「全く、素直に寝ればいいものを・・・」

「さっさとお兄ちゃんに追いつくためにはこれぐらいやらないとだめなの。」

「まあ、追いつくのはかなり先だろうがな。」

 

俺は寝なくても生きていけるから基本的にいつも徹夜している。そのおかげでHRは既に900だ。試練のバルカンは炎妃剣【渇愛】で悶死させた。いや、あれは何度やっても爽快だ。因みになのは達はHR300。まだまだだね

 

「むぅ・・・寝なくてもいいお兄ちゃんが恨めしい。」

「知らんがな。あ、もうそろそろ出ないとバス間に合わんな。んじゃ行くか。」

「にゃっ!?もうそんな時間!?」

「父さん、母さん。行ってくる。」

「いってらっしゃい~。」

「龍馬、気を付けてな。」

「そっちこそ、四六時中イチャイチャしないこと。お客の前では絶対にしないこと。唯でさえ砂糖吐きそうなんだから。」

 

家の両親、結婚して既に12年以上経っているんだが未だに新婚気分全開。正直言って勘弁願いたい。何度砂糖吐きそうになったことか・・・

 

「お兄ちゃん、待ってー!!」

「ダッシュだなのは。」

 

――タッタッタッ、ズルッ――

 

「へぶっ!!」

 

・・・なのはが転んだ。地面には段差など微塵もない。完全にアスファルトで舗装されている。しかし、なのはは転んだ。途轍もない運動音痴である

 

「全く・・・そらなのは。背負ってやるから。」

「うぅ・・・」

 

背負った鞄を前に回し、なのはを背負う。基本的に最近の朝はこんな感じである。もう最初から背負った方が早いんじゃないか?

 

「しっかし、どうしてこうもなのはは運動ができないんだか・・・」

「そんなことなのはに聞かれてもわからないの。神様に聞いてほしいの。」

 

神よりも『管理者』の方が確実性は高いだろうな・・・

 

「ま、んなことはどうでもいいか。」

「そうなの。どうでもいいことなの。」

「ところで話は変わるが、今日は何狩るんだ?」

「うーん・・・エスピナス亜種。」

「メガフレアに焼かれる気か。そうかそうか。」

「ヘビィボウガンで遠距離から撃つからモーマンタイ。」

「排熱噴射機構か。浪漫砲こと竜撃砲を超える究極の浪漫。」

「戦いは火力なの!!超速射なんて火力不足もいい所なの。」

「超速射なめんなよ。超速射で貫通弾叩き込んだらあっと言う間に蜂の巣だ。」

「ハンマー使いのくせに何言ってるの。」

「たまにはライトも使う。超速射効率部屋でやる時だけだが。」

 

おっと、そうこうしてるうちにバス停到着だ

 

「なのは、もうそろそろ降りろ。バス来るぞ。」

「面倒だからこのままでいいの。バスの中で降りるの。」

「さいですか・・・」

 

どれだけの間さらし者かと思ったが、案外バスは直ぐに来た

 

「おっす、アリサ、すずか。」

「おはよう龍馬。ってなのは、また背負われてんの?」

「おはよう龍馬君。なのはちゃん、もうそろそろ降りよ?」

「なのは、降りろい。」

「うんしょっと。おはよう、アリサちゃん、すずかちゃん。」

 

4人で最後尾の席を占領して座る。元々5人掛けだがカバンを置いて占領

 

「さて、今日は何を狩るの?」

「なのははエスピナス亜種を所望してたぞ。」

「あいつの紅玉がないの。」

「あれ?なのはちゃん、エスピナス亜種の紅玉なんて使う物あった?」

「すずか、アレよ。なのはの玉コレクションよ。」

「あー・・・」

 

なのはの趣味でもある『玉コレクション』。なのはのボックスの中を覗くとありとあらゆる紅玉や宝玉などがある一角に並べられている。しかも、手に入っていない玉の所を空けておくほど。なのは曰く「そのエリアは聖域。だから絶対に自動整理はしないの。」だそうだ

 

「まあ、後々大量に消費することになるから貯めておくのも手だがな。」

「そうなの。私はその為にとってあるの。」

「全く・・・まあいいわ。残りは帰りにしましょう。」

「そうだね。でも、龍馬君はともかく、私たちは戦略を立てておかないと3オチする可能性大だから授業中にでもしようか。」

「そうね。ハットトリックかますのだけは勘弁よね。」

「いや、授業位しっかり受けろよ。」

「そういうあんたはいつもノートに絵描いてるじゃない。」

「俺はいいんだ。俺は。」

「どんな理屈よ・・・」

 

とまあ、そんな話をしてるうちにバスは学校に到着。俺たちは一度別れ、それぞれの教室に向かった

 

……

………

…………

 

俺達は現在、屋上にいる

 

「と、言うわけで昼休みだ。」

「何がどういうわけなのよ!!」

「気にするな。」

 

キングクリムゾン。過程を飛ばし結果だけを持ってくる。てなわけで午前中の授業内容の描写は無しだ。面倒だし、俺はずっと絵を描いてたし

 

「で、アンタはまた絵でも描いてたんでしょ?」

「正解。今回書いたのはこいつだ。」

 

何処からともなくA4用紙を出す

 

「なに・・・これ・・・?」

「ええと、『EqualDragonWeapon』・・・?」

「お兄ちゃん、なんなのこれ?」

竜機兵(イコール・ドラゴン・ウェポン)。モンハンの世界の歴史上最大の負の遺産だ。森の中で発見された遺跡(古代の格納庫)から発見された、竜大戦時代の兵器。発見された遺跡内部にて、一体の竜機兵を作成するのに、成人ドラゴン30頭あまりの素材を必要とされたと記されていた。その能力はまさに竜(龍)に匹敵するもので、筋力、耐久力、火力のどれをとっても規格外の強さであったという。竜大戦時に造竜技術は頂点を極め、それと同時にドラゴンの捕獲業者(ハンターの祖先)による乱獲も激しさの一途を辿った。この時代をきっかけに、人類はドラゴンとの大戦争に突入し、そのまま両者滅亡寸前まで至った。まさしく人間側の負の遺産だ。それとまだ描いた絵はあるぞ。」

 

更に1枚、A4用紙を取り出す

 

「これは・・・?」

「そいつはアルバトリオン。MH3、MH3rd、MH3Gに出てくる古龍だ。お前達はMHFしかやらないから知らなくても仕方ないな。」

「なんでこれを描いたの?」

「いやな、この二つ全く関係なさそうに見えて実は関連してるんだ。」

「え?」

「このアルバトリオンは特徴として、属性が不安定なんだ。」

「属性が?」

「ああ。実際にプレイすればわかるんだが、属性がコロコロ変わる。火、雷、氷、龍と水を除く全ての属性に変わるんだ。そしてもう一つの特徴が、こいつの見た目だ。」

「見た目?」

「この絵を見ればわかるが、これまでのモンスターをツギハギしたような外見をしている。ディアブロスのような牙、リオレウスの耳、古龍種にしては大きすぎる飛竜種のような翼、尻尾にある謎の鰭、全身逆鱗、ラギアクルスのような太い首。それに動きもだ。キリンの雷落とし、クシャルダオラのようなホバリング、ナナ・テスカトリのような突進、アカムトルムのような溶岩吹き上げ、ベリオロスのような竜巻発生ブレス。そしてさっきも言ったように不安定な複数の属性。これで自然発生しましたとは信じがたい。その結果、こいつにはある仮説が立てられた。」

「それは・・・?」

「『アルバトリオンは、古代文明によって作られた竜機兵(イコール・ドラゴン・ウェポン)なのではないか』だ。」

 

・・・完全に3人が聞き入っている。まあ、俺が今話してることは公式設定とは全く関係ない仮説なんだがな。だが、信憑性はそれなりだ。もし、MHの世界に行けたなら、俺は真っ先にこの仮説を解明したい

 

「さっき言った通り、竜機兵(イコール・ドラゴン・ウェポン)を作成するには成人ドラゴン30頭分の素材を必要とした。そして、アルバトリオンが複数の竜(龍)をつぎ足して作られた人造の竜だとすれば、その異様な外見能力にも説明がつく。」

「・・・でも、突然変異って可能性もあるんじゃない?」

「いや、それはないだろう。」

「え?」

「アルバトリオンが突然変異とはいえ自然発生した生物だとしても、絶対条件として全身逆鱗はまずありえない。」

「どうして?」

「なら逆に聞くが、魚の鱗は尾から頭に向けて生えてるか?」

「・・・生えてないわ。」

「その通り。一般的な生物は、空気や水の抵抗が大きくならないように鱗は頭から尾に向けて生える。この一般的な生物という括りには飛竜種や海竜種、魚竜種、獣竜種、牙竜種、古龍種も含まれる。それ故に、アルバトリオンは全身逆鱗という力学的な生物の基本を無視した不自然な生物だと言えるわけだ。そして、結果として『アルバトリオンは、古代文明によって作られた竜機兵(イコール・ドラゴン・ウェポン)なのではないか』という仮説に信憑性を与えたというわけだ。」

 

随分と長々話したな。昼休みも後3分とない。そろそろ教室に戻るとしよう

 

「とまあ、長々と話したがこれでおしまいだ。チャイムも後数分で鳴る。教室に戻らないとどやされるぞ。」

「うわっ、もうそんな時間?じゃあ、他の話は帰りに聞くわ。」

「そうしてくれ。それまでには話を煮詰めておく。」

 

そう言って荷物を片付け、屋上から出る。さて、帰りはどの話をしようか。ミラボレアスの話でもするか?だが、ミラボの話をするとなると、竜大戦時代のことも話さないといけないから、相当長くなるな・・・頑張るか

 

……

………

…………

 

キングクリム(ry

 

……

………

…………

 

間になんか変なの入ったが気にしないでくれ。さて、学校は終り、俺たちは徒歩での帰路についた。長い話をするにはバスでは時間が足りない。だから歩くことにした

 

「さて、昼休みの続きでもしようか。」

「そうね。で、次はどんな話?」

「昼休みに話した内容とそれなりに関係のある話だ。」

 

そこで一息入れ、話し始める

 

「昼に話した竜機兵(イコール・ドラゴン・ウェポン)については覚えてるな?」

「うん。覚えてるよ。」

「あの時見せた絵も覚えてるな?」

「ええ。」

「なら僥倖。あの絵に描かれていた通り、竜機兵(イコール・ドラゴン・ウェポン)は非常に巨大だ。サイズとしてはジエン・モーランの1,7倍と言った所だろう。しかしだ、あの絵の竜機兵(イコール・ドラゴン・ウェポン)は朽ち果てていた。左腕はもげ、皮膚の下の肉も露出していた。これは何故だが分かるか?」

「・・・モンスターにやられた?」

「その通り。かつて竜大戦時代、人間側の兵器だった竜機兵(イコール・ドラゴン・ウェポン)は敵対するモンスター達と激闘を繰り広げた。だが、巨大すぎる竜機兵(イコール・ドラゴン・ウェポン)の前にアカムトルム、ウカムルバス、砂岳竜、鳥竜種の祖先であるイグルエイビス、飛竜種の祖先であるワイバーンレックス、ワイバーンオリジン、そして以前は翼があり、最も多く人間に殺戮されたラオシャンロンでは成す術もなかった。」

 

ラオシャンロンを超える巨体を持つジエン・モーランをさらに超える竜機兵(イコール・ドラゴン・ウェポン)の前に、鳥竜種や飛竜種、ラオシャンロンは無力だった

 

「しかし、現に竜機兵(イコール・ドラゴン・ウェポン)は破壊され、朽ち果てている。これは何故か?簡単だ。竜機兵(イコール・ドラゴン・ウェポン)をも破壊する力を持つ龍がいたからだ。その龍の名はミラボレアス。古語で運命の戦争の名を持つ最凶最悪の古龍。」

「ミラボレアス・・・」

「ミラボレアスは竜機兵(イコール・ドラゴン・ウェポン)を次々に破壊し、優勢であった人間側を悉く追い詰めた。その結果、一つの国と文明が滅び、竜大戦が終結した。そして、その滅びた国の名はシュレイド王国。その跡地として、シュレイド城がある。」

「ああ!!ミラボと戦う専用ステージ!!」

 

ふぅ、少し疲れた。少し休憩しよう

 

「少し休憩させてもらう。流石に歩きながらでは疲れる。」

 

そう言って視線をアリサ達から離した、その瞬間

 

――・・か・・・・ま・・・・・――

 

「ん?」

「え?」

「なに?」

「声・・・?」

 

――だ・か・・えま・か・・・――

 

「助けを呼ぶ声・・・?」

「お兄ちゃんも聞こえたの?」

「私も聞こえたわ。」

「私も。」

 

どうやら俺たち全員が聞こえたらしい。なんなんだ・・・?

 

――だれか、聞こえますか・・・――

 

「取りあえず、一度返事をしてみる。」

 

――聞こえるぞ。どうした?――

――あ、良かった。繋がった・・・――

 

頭の中で聞こえる声が安堵の物に変わる

 

――お願いです。助けてください!!――

――助けて?・・・誰かに追われているのか?――

――いえ、そうではありません。ですが、助けが必要なんです!!――

 

「・・・なのは、聞こえていたな?」

「うん。」

「助けを求められたとなれば、行かないわけにはいかん。アリサ、すずか。お前たちもだろ?」

「当然よ!!」

「助けを求めてるのに無視したら、かわいそうだもの。」

 

満場一致。取りあえずこの声の主の所まで行くか

 

――わかった。まずそちらに向かう。場所はどこだ?――

――いま、イメージを送ります――

 

そう言われた直後、頭に風景が浮かんだ。・・・あそこか。ここから100mも離れてないな

 

「行くぞ!!」

 

なのはを背負い、俺たちは走り出した

 

……

………

…………

 

「ここらへんだな・・・」

 

走り出して十数秒、俺達は目的地に着いた。しかし、そこに人影はない

 

「おかしいな・・・確かにここで合っているはずなんだが・・・」

 

――ここです!!あなたの足元です!!――

 

頭の中に声が響き、その声の通りに下を向く。そこには一匹のフェレットが倒れていた

 

「フェレット・・・なのか?」

 

ひょいっと、フェレットを拾い上げる。首には高価そうな紅い玉の付いた首飾りに近い物をかけている。飼い主がいるのか?だが、何かおかしい。どうもこいつからは獣臭さを感じない

 

「ああ、よかった・・・助けてくれてありがとうございます。」

 

衝撃だった。行き成りフェレットが喋り始めた

 

「・・・最近のフェレットは人の言語を理解するのか?それとも、こいつだけ特別なのか・・・」

「あ、いえ、違います。僕は「待て。こんな所で立ち話もどうかと思う。それに、君から血の匂いがする。どこか怪我をしているな?」・・・はい。」

「それなら一度家に戻ってから話をしよう。お前たちもそれでいいだろ?」

「うん。」

「問題ないわ。」

「私も。」

「というわけだ。一度家に行くぞ。」

「は、はい。何から何までありがとうございます。」

「気にするな。」

 

そうして、俺達は一時家・・・高町家に向かった

 


 
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