ISが台頭するきっかけになった白騎士事件。
この事件が世界のあり方と少年の運命を大きく変えてしまう・・。
牢獄
ここに少年がいた。
名を織斑一夏。
ブリュンヒルデ・織斑千冬の弟である。
「くそ!どいつもこいつも・・!何で俺がこんな目に合わないといけないんだ!?俺が何をしたんだ?」
悪態をつく一夏。
一夏は世界を変えた張本人の姉が嫌いだった。
どこに行っても自分を見てもらえず世界最強の姉の弟だからできて当然という考えと過度の期待に嫌気が刺していた。
「あなたならできるでしょう?千冬様の弟なんだから。」
「千冬様にできてあなたができない訳がないよね?」
「あなたはあの千冬様の弟でしょう?どうしてできないの?」
さらに姉が何をしているかは知らずあまり家にも帰って来なかった。
たまに帰って来るが話をしたことはあまりない。
(どいつもこいつも俺自身を見ようとしない・・!俺は千冬姉じゃない!織斑一夏という一個人だ!)
考えにふけっているとそんなドアを開ける音が聞こえてきた。
扉を見るとそこにいたのは白の鎧を纏った黄色の複眼、袖が赤の仮面ライダーエターナル・レッドフレアとマスカレード数人だった。
「何で俺を誘拐した!?」
「答える義理はねえな!拐ってこいとしか聞かされてなくてなぁ!おい!」
マスカレードが一夏に触れようとした瞬間・・。
ドアを破って青い何かが侵入、エターナルとマスカレードに体当たりした。
オーラが晴れるとそこにいたのは青を基調としたライダー・・。
「何だテメェ!」
「仮面ライダーメテオ・・。お前の運命はあたしが決める・・!」
メテオと名乗るライダーはエターナルを手で銃の形を作って撃った後、左腕のメテオギャラクシーの真ん中のレバーを引く。
(ジュピター・レディ!)
待機音が鳴り、認証部分に左人指し指を置く。
(OK、ジュピター!)
メテオの右手に木星を象ったエネルギー拳が装着。
「そんなこけおどし!」
「はぁぁ!」
襲いかかるエターナルにカウンターでパワータイプのライダーパンチ・ジュピターハンマーを当て、エターナルの変身が解除される。
メテオはもう一度認証部分に指を乗せ解除。
呆然とする一夏の前に導かれるようにロストドライバーとエターナルメモリが転がる。
ドライバーとメモリを拾い、メモリに目を向ける一夏。
するとエターナルメモリから鼓動を感じた。
(こいつ・・。俺を待っていた・・?)
「そいつを返しやがれ!おい!奪い返せ!」
女性の命令を受けたマスカレードが一夏に襲いかかる。
ギャラクシーが間に合わないと判断したメテオは一夏にロストドライバーを装着するように言う。
「(ギャラクシーが間に合わない!一か八か!)ドライバーを装着してメモリを起動して!」
一夏はメテオの言う通りロストドライバーを装着してメモリを起動。
(エターナル!)
「変身!」
(エターナル!)
メモリを差し込んで展開。
一夏はエターナルRFに変身。
襲ってきたマスカレードを払いのける。
「わかるぞ、こいつの力はこれじゃない・・!」
「あぁ!?」
だが一夏にはわかっていた。
これがエターナルの本当の力ではないと。
「違う・・!エターナル!お前は俺を待っていたのだろう!だったらお前の本当の姿を俺に見せてくれ!」
一夏の呼び掛けに答えたのか波動を再び纏って腕とアンクレットが赤の炎から青く燃える炎に変わり、胸、左腿、右腕、背中に合計24のマキシマムスロットが設けられたベルト・コンバットベルトが装着され、あらゆる攻撃を無効果にするエターナルローブを纏った姿になる。
「何だその姿!俺の時はそんな姿にならなかったのにどうしてだ!?」
「エターナルは織斑くんを選んだ。お前が変身していたのは所詮紛い物。」
メテオの言葉に続くようにエターナルは言う。
「そう、エターナルは正真正銘俺の物になった。俺が変身した青の炎を宿したこの姿が真のエターナルだ!」
叫びと共に纏っていた波動が晴れる。
これがエターナルの本当の姿・仮面ライダーエターナル・ブルーフレア。
「さあ、何を出してくれる?」
エターナルが指を鳴らすと手にUのメモリが現れる。
エターナルはそれを腰のスロットに装填。
(ユニコーン・マキシマムドライブ!)
エターナルの右手に渦のエネルギーが纏われる。
「おらぁ!」
その拳でマスカレード数体を殴り爆散する。
「くそ!テメェは必ず殺す!覚えていろ!」
女性は牢獄から出ていく。
それを見届けた後二人も変身を解く。
「ストラトス・・!」
「まさかエターナルをあそこまで使いこなすなんて。織斑くんのセンスはすごいわ。」
メテオの正体は同じクラスの女子・ロックオン・ストラトスだった・・。
(綺麗だ・・。)
月光に照らされたロックオンはそのスタイルも相まって美しさを引き出していた。
「さぁ、脱出しましょう。」
「あ、ああ。」
その後ロックオンと共に脱出した一夏。
入れ違いでモンデグロッソの決勝を放棄して助けに来た千冬が来るが既にもぬけの殻だった。
「一夏、一体どこに・・。」
その後ロックオンの祖国のアイルランドで過ごす事になった一夏。
「旅費とかは・・。」
「いいのいいの。気にしないで。」
「なら、遠慮なく・・。」
誘拐されて神経が張り詰めていたのが切れたのか一夏はすぐに眠り久しぶりにゆったりと過ごした。
ロックオンの実家の会社で今まで起動すらしなかったIS・ダブルオーを一夏は見ていた。
一夏がロックオンの実家がどんな所か見たいということで連れてきたのだ。
「触っていいですか?」
「構わないよ。ケガにだけ気をつけてね。」
整備士の許可を貰い一夏がダブルオーに触れた瞬間、一夏の頭のなかにデータが流れ込んできた。
そしてダブルオーが一夏に装着。
「ウソ・・?」
「今まで起動すらしなかったのに・・。」
今まで起動しなかったダブルオーが起動したことと起動したのが男であることに所員たちは大混乱。
一夏はダブルオーが自分に馴染む感じがした。
(こいつも俺を待っていたのか・・?)
アイルランド政府にこの事を話すとこの事実を発表しないとの通達があった。
一夏は不思議に思い話を聞くと・・。
「私たちは人間を売るような真似はしない。少なくとも我がアイルランド政府は君の味方だ。」
しかもそれを言ったのは大統領。
一夏は話しを聞いて涙を流した。
「よかったな。一夏。」
「はい・・!リンクスさん!」
ロックオンの会社の人たちは他国の自分を家族のように暖かく接してくれたしISの協定についても細やかに教えてくれた。
「何から何までお世話になりました。大事なISまで貰ってしまって。」
「気にしなくていいよ。それは君が持つべき物だ。」
「またいつでも来なさい。君なら大歓迎だ。」
「はい!ありがとうございます!」
その後日本へ帰国、学校の合間を縫ってロックオンとの訓練に励む。
「一夏!その調子!」
「おう!」
一夏がISを起動できることを知った親友の五反田弾も協力者となり一夏とロックオンをサポート。
そんな感じで時が過ぎ、ある日の事。
一夏はロックオンを呼び出した。
教室
誰もいない教室で一夏を待っているロックオン。
「何かしら、一夏。」
そこに一夏が入ってくる。
「悪い、待たせた。」
「どうしたの?何の用であたしを呼び出したの?」
一夏は軽く深呼吸をした後ロックオンに切り出す。
「ロックオン、俺はお前が好きだ。付き合ってくれ!」
ロックオンはその言葉を聞き、涙を流し一夏に抱きついた。
「あたしも一夏が好き・・!抱きしめて・・!ずっと離さないで・・!」
「ロックオン・・もちろんだ。俺がお前を守る。」
「あたしも一夏を守る。もう一人はイヤ・・!だから離さないで・・!」
「ああ。」
二人は顔を近づけキスを交わした。
「一夏に教えるね。これを知ってるのは会社の人たちと大統領だけ。ロックオン・ストラトスはコードネームみたいなもの。あたしの本当の名前は・・。」
ロックオンの本当の名前を知った一夏は改めてロックオンを守ることを決意。
誰にも知られず交際を始めた二人。
進路を決める時期になりロックオンはIS学園、一夏は愛越学園を受験する事になった。
「そっか。一夏くん愛越学園っていうところを受験するんだ。」
「ティア、一応卒業したらうちに来るって言ってたわ。」
「ふ~ん、その時が来たら結婚だね♪」
「も、もう・・///」
日本の家で親友兼整備士でIS学園受験のために来日したティアナとケルディムの調整しながら話をしていると・・。
世界初!ISを起動した男!織斑一夏!
とニュースで流れた。
ニュースを見た二人は思わずずっこけた・・とだけ記しておく。
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世界を変えた白騎士事件・・。
男性が見下され女性が優遇される世の中に変わった。
少年・織斑一夏は運命に導かれるように仮面ライダーの力とISを手にする。
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