前回のあらすじ
豫州寿春から徐州に着いた一刀一行
そこで彼らを新野から追いついてきた蓮華と、豫州で世話になった魯粛に出会ったのであった。
魯粛は蓮華と一刀たちを自分の屋敷に案内するけど……
<<一刀たちが来た道>>
雛里SIDE
街で騒ぎを起こした私たちと孫権さんたちは、偶然そこを通っていた魯粛さんのおかげで無事に事故を回避して、その上魯粛さんの屋敷に案内されました。
「魯粛さま…その姿は…」
以前豫州での事件で会っていた麋竺さん(本物)が孫権さんと一緒に転んだせいで汚れている魯粛さんのことを見て驚きました。
「風呂を沸かしてください、麋竺さん。それと、お食事も豪華に準備させてください。今日は大事な方々が来てくださいました」
「畏まりました」
麋竺さんが立ち去って、孫権さんは申し訳ない顔で魯粛さんを見ました。
「深月…あの、私は」
「お話は後にしましょう。今は取り敢えず寛いでください。鳳統ちゃんたちも」
「は、はい」
「部屋を用意させますから、取り敢えずは皆でお風呂に入りましょう」
汚れている孫権さんや魯粛さんはともかく、私たちもですか?
確かにお湯に浸かったのがいつだったか覚えていないぐらいではありますけど……
「雛里ちゃんたちは行って来てくれ。僕はこの馬車をどっかに置かなきゃダメだし」
「あ、それなら外でうちの人たちに処理させましたから、北郷さんもお風呂に入ってきてください。ちゃんと男女分かれてますので」
「あ、ありがとうございます」
「それじゃあ、こちらです」
まぁ、取り敢えず少し休んでから話合うことにしましょう。
孫権さんのことも、そして、魯粛さんにも以前の礼をちゃんと言わなきゃダメですから……
カポーン
「ふぅ……」
久しぶりにお湯に浸かって気持ちいいでしゅ……。
「…ほかほか」
倉ちゃんも久しぶりの風呂でくつろいでいるようです。
「はぁ…お湯に浸かるなんて久しぶりだわ」
そして、孫権さんも……
とは言え、どうして孫権さんはここに居るのでしょう。しかも見た様子周泰さんや甘寧、呂蒙さんが一緒なわけでもないようですし…
その時魯粛さんが風呂場に入って来ました。
「蓮華さま、お湯はいかがですか」
「気持ちいいわ。ありがとう、深月」
「それは良かったです」
魯粛さんは以前と変わらぬ笑顔でそう言った。
孫権さんに付いて聞きたいことも沢山あるはずなのに…
「鳳統ちゃん」
「あわわ、はい」
「豫州の状況なのですが、阿片に中毒された人たちへの薬の配りと蜂蜜の回収が順調に進んでいます。もう直に、豫州も元の姿を取り戻すでしょう」
「あわわ、こんなに早くですか?」
一ヶ月の間で全てを片付けるなんて、すごいです。
一体どれだけの人力が入ったのでしょうか。
「はい、鳳統ちゃんが気になっているだろうと思って先に言っておくのです」
「あわわ…魯粛さん、本当にありがとうございます」
「…詳しい話は後ほどにしましょう。今はまずここで十分寛いでください」
魯粛さんは微笑みながら言いました。
ほんとに、諸葛均さんには何から何まで感謝するばかりです。
あぁ…でもなんかこうしていると他のことはどうでも良くなって来ちゃいます……。
あれ?なんでしょう。この嫌な予感は……
何かとても大事なことを忘れてい……
「あら、そういえば諸葛均ちゃんが見当たりませんね…」
「うん?」
「はっ!」
真理ちゃーーん!!!
一刀SIDE
ふぅ……
やっぱお風呂は良いな…
旅の途中では川で洗うのがやっとだからな。日本人としては辛かったよ。
「にしても…」
久しぶりだな。一人でこんな広い所に居るのは…
まぁ、たまにはこういうのも良いか。
「はぁ……」
いいな…
「あ、あの、せ、背中流しまちょうか」
「へ?」
聞きなれたその声、だけど聞こえてはならないその声が聞こえて、僕は後ろを振り向いた。
そしてそこに居たのは、
タオル一枚だけで前を隠している真理ちゃんの姿だった。
「ま、まままままm!?」
「てわわ、お、おちちゅいてください」
「落ち着いて居られるか!」
寧ろ真理ちゃん来る前に僕この世界に来て一番か二番目に落ち着いてたよ!
「女湯は向こうだぞ!?」
「てわわ!そ、そうなんでしゅけどね」
真理ちゃんはモジモジしていた。
不味い、今僕も体に着けてないぞ?
「ほ、ほら、一人だけだと背中とかちゃんと洗えませんから、私が流してさし上げようと思いまして」
「いや、たしかにそうだけど、色々不味いだろ」
「や、やっぱり駄目ですか?」
「え?」
「来たのが雛里お姉さんだったら、きっと喜んでくれたのに…私じゃ駄目ですか?」
「だ、あ?」
もう何が何だか分からない。
「真理ちゃーん!!!」
「てわわ!」
「ここで何してるんでしゅか!」
その時に、雛里ちゃんが男湯に突入してきました。
「てわわ!ち、ちがいましゅ、雛里お姉さん、これは北郷さんが私に来て欲しいって」
「言ってない!言ってない!って、雛里ちゃん?!」
ってこっちは何も着けてないよ?!
「へ?…………あわわーーー!!!!」
「へぶしっ!」
「見ないで!見ないでくだしゃあああああい!!!」
僕は雛里ちゃんが横にあった木で造られた風呂場の桶を投げたものが顔に直撃してそのままお湯に倒れた。
「てわわ!やめてください、雛里お姉さん、北郷さんがー!」
「あわわー!!あわわー!!」
蓮華SIDE
「な、なんか横が騒がしいわね」
鳳士元がいきなり出て行ったと思ったけど……ま、まさか!
「倉ちゃん、痒い所はありませんか」
「……ない」
なんであの二人は悠長にしていられるの?
一刀SIDE
「なんか、僕がお湯で気絶していたらしいけど、まぁ、良く覚えていないので、僕の頭や顔などに痛みを感じていることは不問にするとしよう」
「はい……」
「ごめんなさい…」
目が覚めた時には僕は部屋の寝床に居て、隣でなんか雛里ちゃんと真理ちゃんが正座してたのでこういう話を交わした。
本当はほぼ覚えてるんだが、なんか雛里ちゃんも真理ちゃんも凄く申し訳なさそうな顔だったので、怒るにも怒れなかったのもある。
「取り敢えず、アレだ。魯粛さんに礼を言いに行こう。それから、蓮華のこともあるし」
「「………」」
僕はそう言って寝床から起きた。
「行こう。倉はどこ?」
「今頃ご飯食べてるだろうと思います」
「二人は?」
「私たちはもう食べました」
「そう…まぁ、一食抜いても死にはしない」
「本当にごめんなさい、一刀さん」
「良いって。ほら、行こう」
僕は二人と一緒に魯粛さんが居る場所へ向かった。
・・・
・・
・
魯粛さんの執務室に行くと、すでに蓮華と倉が僕たちを待っていた。
「北郷さん、もう大丈夫ですか?」
「一刀」
「もう大丈夫です。お騒がせしてすみません」
そう言って僕は残った三つの椅子のうち中央に座って、雛里ちゃんと真理ちゃんがその両側に座った。
「それではさっきまだ一刀さんが来てない時に蓮華さまと倉ちゃんと話し合ったことを整理しましょう
自分の執務室の机の前に座っている魯粛さんが、いつかと変わらない笑みでそう言った。
「まず豫州の現状ですが、ほぼ復興作業も終わっています。阿片中毒にかかっていた人々ももう大分元通りになって、豫州の経済活動は以前のような様子を取り戻しつつあり
ます」
「そうですか。ありがとうございます。こちらのわがままだったにもかかわらず、そこまで力を入れてくださって…」
「正直な話、私がしたことはあまりありません。冥琳…周瑜が素早く状況を整備して、的確な指示をしたおかげで、こちらも十分な援助をすることが出来たものですから。孫
呉の方々は、今でも豫州で頑張ってくださっています。私はこちらの仕事もあって先に戻っていますが……」
「そうですか…」
孫策たちも頑張ってくれてるようだ……
「でも、だとすると蓮華は…」
「あ、あの私は…」
「蓮華さまの話では、どうやら蓮華さまは豫州の状況を知らずこちらに来られたようです」
「へ?魯粛さんが連れてきたとかではないのですか?」
僕はてっきり孫策が蓮華の修行のために魯粛の所に行かせた、とかだと思ったのだけど…
「わ、私実は、豫州で姉さまが呼ぶ前に…というか、あなたから手紙をもらった直後にこっちに来たというか…」
「え?なんで?」
「そ、それは……その…」
「蓮華も私たちと一緒に旅したいって」
蓮華がモジモジしてると、倉が言った。
「え?」
「め、迷惑にならないなら!……だけど…」
「……」
ちょっと整えよ。
豫州で孫策が蓮華を呼ぶ前に徐州に向かっていたということは、
当然のごとく甘寧や周泰、呂蒙にもここに居るって話してないってことになる。
「…甘寧たちには言った?」
「…一応、手紙は書いたから、もう私がここに居るってここに居るってことは分かってる……と思うわ」
「新野からここまで一人で来たのか?」
「ええ…」
……新野から徐州まで一人で来るなどと…危険にも程がある。
仮にも孫呉の姫様だぞ?
今頃孫家の皆も心配しているはずだ。
「…魯粛さん、取り敢えず、孫策に蓮華がここに居るってことを伝えてくれませんか」
「もう手紙は出しました。ですが、蓮華さまご本人が、帰ることを所望していません」
「いや、本人が望むか否かの問題じゃないでしょ」
「っ」
僕は頭が痛くなってきた。
蓮華ってこんな無責任なキャラだったっけ。
こういうのは孫策専門だろ。
「一刀」
そんな時、蓮華が僕に言った。
でも、
「蓮華、僕はお前のこと連れていけないよ」
「っ」
「第一、孫家でお前を連れに来るだろう。孫策ならともかく、他の奴らが僕が蓮華を連れて行くのを認めるはずがない」
「そ、それなら私がなんとか説得するから…」
「しかも、お前はいつか孫呉の王になる人だ。こんな所で僕なんかと旅してる暇はないはずだぞ」
「それは……一刀は私が一緒に行ったら迷惑なの?」
「そういう問題ではない」
僕は魯粛さんからも何か言って欲しくて魯粛さんの方を見た。
「北郷さん、私からもあなたの方々に蓮華さまの同行を許可していただけるようお願いしたいです」
「へっ」
「魯粛さん?!」
これには僕だけじゃなく雛里ちゃんもびっくりだ。
「私は、以前は孫呉のために尽くしていたつもりですが、それはあくまで蓮華さまの母親である文台さまの人の出来を見てのものでした。ですが、長女の雪蓮さまは、私が仕
えたいと思うような主ではありませんでした。あなたが言う通り、本当に蓮華が孫呉の王になる時が来るのであれば、私は蓮華さまが雪蓮さまとは離れた所で王としての修行
を積んだ方が良いかと思っています。それは北郷さん、として鳳統ちゃんも同意してくれると思います」
「それは…」
確かに今の蓮華が孫策の近くに居たら、孫策のやり方に染まってしまうかもしれない。
それは僕としてもあまり良いとは思わない。
でも、だからと言って……
「魯粛さん、でも、そんなことなら、魯粛さんが蓮華さまのことを引き受けても宜しいのでは?」
雛里ちゃんがそう言ったが、魯粛さんは首を左右に振った。
「私は今や商人。蓮華さまに教えられるものは限られますし、それに私は、孫家から蓮華さまを守ることもできません。雪蓮さまが蓮華さまを返して欲しいと言ったら、私は
それに応じる他ありません」
「それは……」
「ですが、お二人と一緒に行くとすれば、雪蓮さまも簡単には蓮華さまを連れてくることはできません。最も……」
魯粛さんはそこで話を止めて少し考えるような顔をした。
「雪蓮さまなら、蓮華さまが北郷さんと一緒に居ると言ったら快く蓮華さまを渡すかもしれませんね」
「あわわ」
「どういうことですか?」
いや、幾ら孫策でもそこまで無責任では……ない……はず。
「あの、僕と孫策、凄く仲悪いのですが…」
「そうでしょうか。雪蓮さまはそう思われていない様子でしたが……」
「いや、流石にあの孫策でもそこまで…」
「……」
「…はしないという確信はないけど」
いや、待って…寧ろ虎と呼ばれた孫堅の娘だということを考えると……
「あ、これやばい」
「か、一刀が嫌だと言うなら私は無理を言って付いて行くとまで言えないけど、でも、一刀だって私と約束したことだってあるじゃない」
「っ」
「約束?どういうことですか、一刀さん」
そういえば…あの時……
「一刀が言ったわよね。姉さまとのことがうまく解決して私が孫呉に戻れるようになったら私と一緒に孫呉に居てくれるって」
「一刀さん、ちょっとこっち来てください」
「北郷さん、ちょっと宜しいでしょうか」
「…家族会議を要求する」
さ、三人とも以前になく怖いぞ?
「魯粛さん、孫権さん、すみません。少し私たちだけで話しあわせて頂けないでしょうか」
雛里ちゃんが左腕を掴み、
「やっぱ四人で意見を合わせないとまず話が進みませんので」
真理ちゃんが右腕を掴み、
「……浮気疑惑あり」
倉から首筋を捕まれ、
「え、ちょ?何これ?待ってって、そういうんじゃないから、誤解だから」
「あわわ、言い訳がゆっくり聞きます」
徐州に来てからなんか皆いままでと様子が全く違うし。
なんか最初の嫌な予感があたった気が……
「早く行く」
「ちょっ、いぎなり首引っ張んないで、締める。息…!」
あ…
蓮華SIDE
「…行っちゃったわ」
やっぱり、皆私が突然来たせいで警戒してるわね。
特に鳳士元と二人は……
明命と思春でも居てくれたら……
「っ!」
そう思った私は頭を振った。
ここまでも一人で来たんだもの。
最後まで私一人の力で自分の思った道を行かないと…
「どうやら、蓮華さまは私が以前お会いしたよりも変わられたようです」
「…深月?」
深月は微笑みながらそう言った。
深月とは以前から面識はあまりない。
孫家の姫ということで、真名は交わしているものの、話しあう機会もあまりなかった。
そんな彼女がどうしてここまで私のことを……
「蓮華さまには判りませんね。文台さまの頃、孫家の裏では早々と後継者争いみたいなものが起こっていたのです」
「え?」
なにそれ、聞いてない。
というより、孫家は代々一番年上が座を受け継ぐのが伝統でしょう?
「確かに筋通りなら雪蓮さまが受け継ぐべきです。ですが、文台さまは蓮華さまに孫家の長の座を継がせるつもりでいらっしゃったようです」
「そんな…でも、いつもお母さまはお姉さまと一緒に居たわ」
「それは武将としての雪蓮さまの力を認めておられたからでしょう。雪蓮さまは孫家の血を強く受け継いだお方でしたからね」
「なら、尚更姉さまが今の立場に居るのが正しいじゃない。どうして私なんかを…」
「小器速成、大器晩成」
「!!」
「…意味は分かりますね」
「深月……あなた」
「私だけではありません。百合も、二張の一人の張紘さまもそう思っておられました」
「……」
私は開けた口を閉じることができなかった。
私が知らない間に、そんなことが……
そして、驚きのあまりに何も言えなかった私の頭から不然とこう思った。
「お母さまが早く亡くなられて良かったわ」
「?」
「お母さまが早く亡くなられたおかげで、成長した私とお姉さまに家門の長の座を継がせようとするあなたたちの戦いの中で崩れる孫家の見ないで済んだのだから」
「!……蓮華さま…」
「だまりなさい」
「……」
「あなたが言ったこと、聞かなかったことにしてあげるわ。もう二度とそんなこと口に出さないでちょうだい」
やっと新しい地を得て新しく始めようとする姉さまと孫呉を、私とあなた達の手で壊すわけにはいかない。
「私は王になんてならないわ」
「蓮華さま……申し訳ありません。私はそういうつもりで言ったわけではなく」
「孫呉の宿願を!!」
「!」
「あなた達の権力争いの中で失ってしまってたまるものか!」
この時私は思った。
私が消えて良かったと。
そして、なんとしてでも一刀と一緒に、ここを去らなければならないと。
それが、私が孫呉と姉さまに出来る唯一の貢献だと…
(つづく)
蛇の足
気絶した一刀を部屋に運んだ後起きる間のこと
雛里「なんてことするの?私びっくりしちゃってあわわって言うのも忘れちゃってたよ?」
真理「てわわ、雛里お姉さんは心配になりませんか?」
雛里「何が」
真理「孫権さんですよ、あの人絶対これから北郷さんのこと付いてくるつもりじゃないですか」
雛里「あわわ…やっぱりそうかな」
真理「そうに決まってましゅ!そして以前孫策さんみたいに、その体で北郷さんをメロメロにして自分の虜にするつもりなんです!」
雛里「あわわ……そんな…でも一刀さんに限ってはそんなことは…」
真理「以前孫策さんと接吻して気絶した前科があるんです。ないとはっきりとは言えないんでしゅ!」
雛里「あわわ…で、でも、それって真理ちゃんが裸で一刀さんがいる男湯に入ったのと関係ないでしょ」
真理「てわわ、それはしょの……」
雛里「…」
真理「と、とにかく、これから孫権さんが私たちと一緒に居ることになると、今までみたいに一刀さんが雛里お姉さんばかりかまってあげるとは限れません。だから、そうな
る前に誘惑しておこうと…」
雛里「…真理ちゃん」
真理「は、はひっ!」
雛里「私、一刀さんのこと諦めるつもりはないからね」
真理「……」
雛里「それが例え孫権さんでも、真理ちゃんでもそんなつもりはないからね…」
真理「……」
雛里「孫権さんが強力な相手だからって焦ったのは分かるけど、限度というものがあるよ。それに一刀さんは、ああいうのあまり好きな人でもないし」
真理「そ、それは……」
雛里「孫策さんの時のことで真理ちゃんが孫権さんを警戒するのも分かるけど、アレは孫策さんが一刀さんのこと良く分からないから言っただけだと、私は思ってるよ」
雛里「一刀さんはあんな肉体的な誘惑に乗るような人じゃないよ」
雛里「他の男の人なら知らないけど、一刀さんは…少なくとも一刀さんはあんなのに引っかかるはずがない人だよ」
真理「……あ」
雛里「私が言ってる意味、分かる?」
真理「……北郷さんは、その人の外見を見て人を判断する人じゃありません」
真理「そういうことが出来るような人じゃありません」
真理「自分自身がまず姿を一度変えた人ですから」
雛里「うん、だから、一刀さんは人を内側だけを見る人だよ」
雛里「外見なんて一刀さんに大事じゃない。私たちが一刀さんが完全に別人と変わったことを見てもその変わった体と関係なく同じように一刀さんに接したように、一刀さん
だって人の表の姿がどうであるかは気にしない。そういう人だよ、一刀さんは」
真理「…ごめんなさい、雛里お姉さん」
雛里「……」
真理「でも、だからと言って私は、諦めるつもりはありませんから」
雛里「…」
真理「私だって、北郷さんのこと好きです。だから、孫権さんという新しい恋敵まで現れた以上、私ももうモジモジしません」
雛里「…分かったよ」
真理「……」
雛里「でも、真理ちゃん」
真理「はい」
雛里「私は朱里ちゃんのことが大好きだったよ。だから、その妹の真理ちゃんとも仲良くしたいよ」
雛里「恋に関しては別だけど、それだけは分かっていて欲しいよ」
真理「……はい」
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君主が国を想う気持ちと、臣下が国を想う気持ちが違うものであるなら、それはとても悲しいことであるでしょう。
それとは関係なく、今まで隠れていた女の子たちの戦いも、やがて水面上に上がってくる。
この物語、一体どうなるものか。