私設研究所、ドローア研究室・・・
悪のマッドサイエンティスト、ドローア教授によって設立された
悪の研究者たちの総本山である。
法の目を掻い潜って、科学者たちが日夜怪しげな研究を繰り返すこの施設。
その一角で、そんな雰囲気に不釣合いなのか、むしろ似つかわしいのか・・・
妙にハイテンションな嬌声が部屋の中に響き渡っていた。
「ヒャッハァ!!じいちゃん最高だぜ!!こんなスゲェの作れるなんてよ!!」
嬉々として叫んでいるネコ型ロボット、タイニーの腕には大きめの手甲が嵌められており、
その手甲の先端からは極大のレーザー光が現われてビリビリと空を鳴らしていた。
さらにレーザー光を勢い良く振り回す彼の目の前には、
バラバラ壊されてしまった作業用ロボットがいくつも無残に転がっていたのである・・・
その状況を見れば、彼がこのロボット達に対して何をしたのかは一目瞭然だった。
そしてはしゃぐタイニーの後方にはその結果を満足そうに見届ける、白頭の老人が居た。
その老人こそがドローア研究室の主、ドローア教授その人だった。
「なかなかの威力ぢゃろう?ワシの開発したレーザ-ブレード手甲、気に入ってくれたかな?」
「もちろん!!これならアイツもみじん切りにしてやれるぜ!!さすが人類史上最高の科学者って言うだけの事はあるな!!」
「そうぢゃろう、そうぢゃろう!!ワシが開発したのだから当たり前ぢゃあ!!」
二人揃って有頂天になって高笑い。
その姿は端から見れば、実によく似ていた。
狂気の科学者と狂気の快楽者
類は友を呼ぶというのか、ある意味出会うべくして出会った二人は、自らの狂気に狂う。
今日も今日とて、狂乱に叫(きょう)し興(きょう)じ狂喜する。
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小説機能初利用、テスト投降も兼ねてK-9のちょっとした小文を書いてみました。