No.381883

真・恋姫†無双 武と知の2人の御遣い伝 第46話

黒山羊さん

禁酒生活4日目の黒山羊です。
あーあーーあぁぁーーぁぁあーービールが飲みたい。

最後になりますが、
現在私は2本長編作品を書いています。

続きを表示

2012-02-22 21:52:37 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:2971   閲覧ユーザー数:2576

この物語は真・恋姫†無双という外史に、

CRISIS CORE FINAL FANTASYⅦのジェネシス・ラプソードスが来たという設定です。

作者である私、黒山羊が原作を何度もやりなおし、登場人物を原作通りにしたつもりです。

ですが、解釈が幾らでも可能であるように、登場人物が皆様のご期待にそえるかどうかはわかりません。

まあ、CCFF7が分からなくても楽しめるように書いたつもりです。

また、作者は関西人なので、気をつけているつもりですが、セリフが関西弁臭くなってしまうかもしれません。

あらかじめご了承ください。

読者の皆様が楽しめたら幸いです。

 

 

 

 

視点: 蓮華

 

姉さまに言われて、私は姉さまと共に先頭に立っていた。隣には怨敵曹操も居る。

何故、姉さまと曹操が此処、樊城の南門前に立っているのかと言うと、軍議の結果、関羽が逃走に使う門は、西門か南門と推測したからだ。北門と東門は悪路、当初は西門も封鎖する予定だったが、呂布が独断専行した為、私達が此処に集結したのだ。

 

過去に魏の者に姉さまが殺されかけたという事が会った所為で、私は曹操を憎んでいる。

正直、姉さまの隣に曹操が居ることに腹が立つが、この戦いで我ら呉が曹操を利用していると思えば、まだ我慢できる。

曹操の所の張遼が勝手に飛び出したのを放っておいたのは、張遼の武が関羽由来だからということらしい。

だが、今目の前に関羽がいるということは、張遼は関羽に敗れたのだろう。

 

その時だった。後ろから数度の轟音が鳴り響き、その後、赤い何かがこちらに向かって跳んできた。

その点は次第に人型となり、私達の前に降り立った。そして、その男は立ち上がり、こちらを向きながら、名乗った。

 

「ソルジャー・クラス1st。ジェネシス、推参。」

 

思春と明命の報告にあった通りだった。

返り血に染まったような赤い外套に、血を吸い染まったような赤い剣、風になびく大地を思わせる茶髪。

背はとても高く、只者らしからぬ空気を纏った男。武の御遣い、ジェネシス・ラプソードスがそこに居た。

 

だが、名乗った直後にその男は体を崩し、膝をつく。

そう、男は背後から射撃を受けたのだ。私達呉と内通していた糜芳の射撃だった。傍らには同じ内通者の士仁が居た。

真正面に立っている私からは、武の御遣いを背後から襲った矢が何処に矢が刺さったのかは見えないが、剣を手放し、膝を着いたということは決定打だったのだろう。このまま武の御遣いは崩れ落ちて、地面に倒れるだろう。

 

武の御遣いが倒れた後は、関羽達を下し、樊城を呉の手中に収め、魏に注意を払いながら、成都に侵攻。

蜀を滅ぼし、魏との戦いが待っている。魏を倒せば、孫呉の宿願だった、孫呉による天下統一だ。

私はその時、そんな先の未来を思い描いていた。

 

だが、武の御遣いは一向に倒れない。

まるで、時が止まったみたいに、男は地面に膝を着いた状態で止まっている。だが、時間は確かに流れている。

風が私の髪を撫でているし、砂が舞い上がるのは時間が流れている証拠なのだ。

もしや、この男死んでいないのだろうか?だとすれば、首を切り落とさなければならない。

ここで、蜀の脅威である関羽か武の御遣いを倒し、樊城を呉の手中に収める。それが、この戦いの動機だからだ。

私は剣を持つ。足を踏み出そうとした。孫呉の王族として。いつまでも姉さまの後ろを歩いているだけの私と決別する為に。

 

 

 

 

そう、突然だった。突然、この場の空気が変わった。

冬の風で微かに寒かっただけのこの戦場が、まるで全てが氷りつく極寒の世界へと変貌したのだ。

このような寒さを私は知らない。だから、表現する言葉を私は持ち合わせていない。

どうして、ここまで、寒いのだ?天気は変わっていないし、風が冷たくなったわけでも、強くなったわけでもない。

ならば、どうして此処まで冷たくて寒い。ならば、どうして私はこんなに足が震えている。

 

「そうか。」

 

武の御遣いは立ち上がりながら、そう言った。

武の御遣いの声は透き通った声だったが、まるで、全てを切り裂くような声でもあった。

そして、武の御遣いは頭をゆっくり上げると、私と目があった。

その目は澄んだとても綺麗な空色をしていたが、私は今の彼の纏う空気の所為でその色が恐怖の対象となってしまう。

あぁ、なるほど。どうやら、私はこの目の前の武の御遣いの殺気に恐怖し、体が震えているようだ。

だから、殺気を寒さと勘違いしてしまったのだろう。

 

そんな恐怖を感じながら、此処から逃げ出さなかったのは、私自身に孫呉の王族としての責務があるからか、ただ単純に男の纏う空気に恐怖し絶望し逃げ出す気力もなくなってしまったのか、どちらかは分からない。

ただ、本心の一部に逃げ出したいという衝動が会ったのは事実だ。

 

「『君よ 因果なり

  夢も誇りも すでに失い

  女神ひく弓より すでに矢は放たれて』

矢を放ったのは貴様らだが、全てと決別し、最も憎む者に戦いを挑む。まさに、LOVELESSそのものだな。」

 

武の御遣いがそう言いきった次の瞬間、糜芳と士仁が矢を放った。

だが、武の御遣いは、今度は体をズラし、糜芳の放った矢を掴み取り、体を右回りに回転し、士仁の放った矢を掴み取った。

私は我が目を疑った。何処から飛んでくるのか視認していないにも関わらず、矢を掴んだのだ。

姉さまだったなら、視認していなくても、殺気から何処に矢が飛んでくるのか推測し、防御することは出来るが、掴むことはできない。なのに、この男は連続で、後者に至っては回転しながら、それをやってのけてしまったのだ。

そして、掴み取った2本の矢を手放す。

 

「条件反射で心臓や髄の位置をズラせたが、血管までズラすまでには至らなかったか。俺も衰えたもんだな。」

 

そう言いながら、武の御遣いは右手を背中に回し、少し唸ると、背中に刺さっていた矢を抜き取り、捨てた。

矢の刺さった場所からは血が出ているが、手当てしないという事はこの男にとっては大したことのない出血量なのだろう。

そして、武の御遣いは蜀軍の中に居る糜芳と士仁の方を振り向き、迷うことなく歩きだした。

あり得ない話だが、矢の飛んできた方向から糜芳と士仁の居場所を特定したとしか考えられない。

 

蜀の兵達は武の御遣いの為に道を開けて行く。

一方の糜芳と士仁は武の御遣いの殺気に当てられてか、完全に動けず、その顔は絶望の色に染まっていた。

 

士仁と糜芳に近づいた武の御遣いは最初に士仁の頭を掴んだ。士仁は成されるがままだった。

そして、何かが軋む音と士仁の悲鳴が辺りに響き渡る。私は何事かと思ったが、士仁が自分の頭を掴んでいる武の御遣いの腕を握る動作を見て、士仁の頭を掴む手に力を入れていると判断した。

そして、どうするのかと思った次の瞬間だった。

 

士仁の頭が砕け散った。

あまりにも一瞬のことで士仁も命乞いをする間もなく、断末魔を上げることなく、脳漿と血を一帯に撒き散らし、口より下の士仁だった物が地面へと倒れた。惨たらしい死に方に私は吐き気を催す。だが、武の御遣いから私は目が離せない。

予想外のことが起き過ぎている。少しでも気を抜けば殺されるかもしれなかったからだ。

 

「次は貴様だ。コイツのように楽に死ねると希望を抱くなよ。」

 

呉との内通者のもう一人の糜芳の方を武の御遣いは見た。

糜芳は正気に戻ったのか、持っていた弓を捨て、腰の剣を抜き、武の御遣いへと向け、斬りかかった。

 

「ふん、剣で俺に挑むか。ならば、剣で死ぬがいい。 マジックソード」

 

 

 

 

武の御遣いは左手を空へと翳した。ただ、そう、手を空へと翳しただけだった。

武の御遣いの背後が鮮血の赤色をした煙のようなモノが現れた。

『もしや、この男、気を使う武人なのか』と考えたが、次の瞬間、その考えは事実にかすりもしない物だったと思い知らされた。

赤い空間から、赤く光る十字の形をした剣が出てきた。一本や二本では無く、無数とも呼べるだけの量だった。

これは気による武術では無い。私は気を使う訳では無い為、詳しくは知らないが、これは武術では無い。

そう、武の御遣いは立っているだけだったのだ。こんなモノを武術と言うはずがない。

武術出ないとすれば何か。私はある言葉を思い出した。そう『妖術』だ。

 

妖術によって作られた無数の剣が目に止まらぬ速さで、糜芳を襲う。

糜芳だけではなく、周りに居た蜀の兵達も巻き沿いを喰らっている。私は驚きを隠せなかった。裏切り者が許せないのは分からなくもない。だが、何故周りの味方まで殺す必要があるのだ。それが私の驚いた理由だった。

 

「うおおおおぉぉぉぉ!!!」

 

唸り声と共に関羽が武の御遣いへと突撃した。

武の御遣いは向く方向を変え、背後の赤い煙から糜芳へ飛ばしていた妖術で出来た剣を持ち、関羽の攻撃を防いだ。

 

「乱心か!ジェネシス殿!」

 

「乱心か、お前からすればそう見えるのかもしれないが、俺からすれば、先に乱心したのは、貴様等だ。

俺は二度と誰にも何もかも奪われたりはしない。お前たちが俺の命を奪おうとするのなら、お前達を滅ぼそう。」

 

武の御遣いはそう言うと、体を回転させ、関羽の懐に入り込み、関羽を蹴り飛ばした。

動きは単調だったが、とても素早い。

いつの間にか、武の御遣いの手からは妖術で出来た剣が消えていた。

その異様な光景に魏、呉、蜀の全ての将が身を構えた。

 

「全員斬り伏せるのは面倒だ。間引かせてもらおう。」

 

武の御遣いは冷たく透き通った声で言うと、真上に跳躍した。

何か攻撃が来ると踏んだ私は武器を手に空を見上げる。だが、武の御遣いを見失ってしまった。

思春から驚異的な脚力を持っているとは聞かされていた為、視認できないほど高く跳躍したのかと思ったが、跳んだにしては、中々、武の御遣いが降りて来ないと私は不審に思い、私は周りを探すが、居ない。

何処かの軍の中に飛び込んだのなら、そこから悲鳴が聞こえるはずだが、そう言ったものは全く聞こえて来ない。

 

「『復習にとりつかれたるわが魂

  苦悩の末に たどりつきたる願望は

  わが救済と

  君の安らかなる眠り』」

 

その声は樊城の城壁の上の方から突如聞こえてきた。

此処からとても離れているのに、確かに聞こえたことに私は何の疑問も持てなかった。

これは夢だと自己完結したため、私は思考することを放棄したからだ。

思考を放棄した理由は私が目にした異形が原因だった。

 

そう、まさに、異形。人間だと思っていた者は異形という言葉が相応しい姿をしていたのだ。

獣のように大きな牙や爪を持っている訳でも、虫のように腕は何対もあるわけでもない。

私たち人間と同じで、一対の腕に一対の脚、服も着ている。ただ、鴉のような漆黒の大きな翼をその異形は広げていた。

 

「うそ。」

 

私の口からはそんなありきたりな言葉しか発せられなかった。

私は我が目を疑った。翼のある人や妖が居るなんて見たことも、聞いた事すらない。だから、これは夢。絶対にあり得ない。

そう、自分に私は言い聞かせ、瞬きを数度行い、目を擦った。それでも、夢は覚めない。

おかしい。何で夢が覚めないの、お願い、一刀、私を起こして。

私は皆がどうなっているのか気になり周りを見る。その場に居た姉さまも思春も明命も冥琳でさえも唖然としていた。

どこかで、何か音が聞こえたが、誰かが得物を手放し、地面に落ちた音なのだろう。

 

そして、燃える樊城を背後に城壁の上に着地すると、異形は私達を見下すように、見下ろしていた。

背後の炎も赤いせいで、赤い服を着た異形を普通なら視認しにくいのかもしれないが、存在感が圧倒的で、闇よりも黒いそれのせいで、私にはその異形がよく目に映った。

 

 

 

 

「『詠唱』」

 

そう、異形は言い放ち、己の顔の前で、右手を強く握った。

異形の言葉を聞いた此処に居た全ての者は我に還り、異形からの攻撃から身を守るために武器を構えた。

 

「『刹那も俺は信じることも無く 全てを俺は信じることも無い

  故、誰も俺を愛すること無く また誰も俺は愛することは無い』」

 

この詩のような言葉は妖術の呪文なのだろうか。だとすれば、先ほどの『詠唱』という言葉の意味も分かる。

ならば、呪文を言い切り、術が発動する前に倒してしまえば良い。私の読んだ書物通りなら、今この瞬間は無防備だ。

私は自軍に射撃の準備をするように命令する。

同じ事を考えたのか、ただ単にあの異形を倒そうとしての事かは分からぬが、私と同時に曹操と姉さま、関羽が自分の率いる軍に命令した。その命令に続く形で思春や明命も自軍に射撃の命令をだした。

 

「『神は俺に問うた 全てを拒絶する汝の身は(まこと)存在するのか』」

 

此処から樊城の城壁の上は距離がある。その為、攻城用の弩を強く引き絞る必要があり、時間が掛かってしまう。

速く、早く倒さなければ、と思っても無情にも時は経ち、異形の詠唱は続く。

 

「『(しゅ)の為に俺は全霊を持ってして答えよう』」

 

弓の腕が泣く、異形の呪文が止まることを願いながら、異形を見続けた私はある事に気が付いた。

妖気なのだろうか、赤と黒の二色しかなかった異形は淡緑色へと染まり始めた。

 

「『今此処に俺が居ることを証明する為だけに人間に命ず

  荼毘にふし、轍となせ、屍となり、灰燼と化せ』」

 

そして、矢は一斉に放たれる。呉軍、魏軍、蜀軍全ての軍から放たれた矢は先ほどの異形の妖術の無数より多い無限。

そう、三国による射撃は、異形へと矢の雨を降らせたのだ。

異形は盾を持っておらず、目を閉じている。

幾ら先ほどの飛んできた矢を掴むような体術を持っていたとしてもこの矢の雨は避けられない。

 

「『俺はただ全てを討ち滅ぼし 無慈悲に世界を終わらせる者』」

 

頼む。早く、届いてくれ。

嫌な予感しかしない。だから、矢の雨によって異形を射殺し、早く私を安心させてくれ。

 

「『全てを道連れに』」

 

異形は祈るような声で言い、大空に手を掲げる。

その薄く緑色に輝く手から、夕焼けを彷彿とさせる橙色の光が虚空に放たれ、何かを描き出した。

橙色の光によって虚空に描かれたモノは、蜘蛛の巣と言うには歪な何かと私には読めない異国の文字によって構成されたモノだった。どうやら、妖術の詠唱は終わってしまったらしい。頼む!術が発動する前に!

 

「『Απōκάλυψις(アポカリプス)』」

 

その言葉がどういう意味なのかは分からなかったが、この妖術名前なのだろう。

異形はそう言うと、上へと掲げた腕を私達に向かって振った。

空中に描かれた橙色だった絵は再び色を変えた。太陽の如く猛烈で目が焼けそうな直視のできない白い光だった。

その光は私達の軍が放った異形を倒すための全ての矢を飲みこみ、私達を襲いかかった。

異形の妖術はたぶん空にある太陽と同じものを作り出し、それをぶつけるという術なのだろう。

 

「蓮華様!」

 

思春の声が聞こえた次の瞬間、私は襟を掴まれ、後ろに引かれ、倒されてしまった。

地面に倒されてしまった私の上に何かが圧し掛かってきた。一人や二人では無い。おかげで、私はあの光を見ずに済んだ。

だが、代わりに耳が千切れてしまいそうな、大きな音が私を襲った。

私は見たことがないから分からないが、もし龍がいたとして、私達に対して本気で怒って、大声で威嚇することがあるとしたら、おそらくこんな鳴き声なのだろう。

さらに、とてつもない煉獄の業火に焼かれるような熱と土砂崩れに襲われた圧力が私を襲った。

 

あぁ、今日見る夢は、寒くて、怖くて、眩しくて、五月蠅くて、熱くて、痛い。

いつも見る夢以上に、現実味があったが、ある意味現実味がなかった。

 

 

 

 

視点:雛里

 

私はあの光に襲われる前に、紫苑さんに手を引かれ、璃々ちゃんと一緒に抱きしめられました。

そこで、大きな音と熱で一瞬だけ気を失ってしまいましたが、紫苑さんが庇ってくれたおかげで、私は無事だったみたいです。

死んだことはありませんが、痛くて息苦しいのは生きている証拠と判断したからです。

たぶん、死んでいたら、痛みなんて感じないはずです。

 

私は目を開け、紫苑さんに『もう大丈夫みたいです』と呼びかけますが、紫苑さんは反応しなかったので、私は自力で紫苑さんの腕を解き、脱出し、紫苑さんの安否を確かめようと紫苑さんを見ます。

私を守ってくれた紫苑さんは血と土を被ったかのように顔が汚れ、髪の一部が焼けていました。

 

「紫苑さん、何処か怪我していませんか?」

 

と私は数度、紫苑さんの肩を揺すりながら、尋ねますが、返事がありません。

私は触診をします。結果、紫苑さんは大きな怪我を負っていなくて、ただ気を失っていると判断しました。

璃々ちゃんの方も意識はありませんが、心の臓の音は安定していることから、無事を確認します。

 

自分の無事と紫苑さん、璃々ちゃんの無事を確認した私は他の人はどうだったのだろう?愛紗さんは?華雄さんは?と思い周りを見ようと、痛くて震える足を抑えて、立ち上がり、周りを見ようとしました。

 

目を向けることの出来ない惨劇が私の目の前には広がっていました。

大地は血に染まり、死体が広がり、色々な所から生存者と思われるうめき声が上がり、焦げた匂いと煙がたちこめます。

焼け野原と戦場を足して出来たような光景が広がっていました。

そこで、初めて、ジェネシスさんの妖術の威力が分かってしまいました。私は怖くなって、手が震えてしまいます。

 

後ろから何か音が聞こえて来ました。私は恐怖心に襲われながら、ゆっくりと振り向きます。

すると、そこにはジェネシスさんが大きな翼を羽ばたかせて、城壁の上から降りてきたのです。

そして、こっちに向かって歩き出しました。

力が抜けきってしまっている私にはただそこで、ジッとしていることしかできませんでした。

 

私の目の前で立ち止まり、屈むと、矢を受けた時に手放してしまった自分の剣を、ジェネシスさんは拾い上げます。

ジェネシスさんは私と目も合わさず、果てしなく先を見ています。

 

私は目の前に来たジェネシスさんに話しかけようとしますが、何と声をかけたら良いのか分かりません。

誤れば良いの?引き止めたら良いの?でも、どんな言葉で?どうすれば、ジェネシスさんはどうしてくれるの?

私は一生懸命自分のしたいこととジェネシスさんにして欲しい事を考えますが、ジェネシスさんの声で私の思考は止まってしまいました。

 

「『いざ語り継がん

  君の犠牲 世界の終わり

  人知れず水面をわたる風のごとく

  ゆるやかに 確かに』」

 

ジェネシスさんはいつものように『LOVELESS』を朗読し、私の方を向き、私と目が合いました。

何か話さないと!私は考えが纏まらないまま言葉を発そうとした時にあることに気が付いてしまいました。

冷たい目でジェネシスさんは私を見ています。

そして――――。

 

 

 

 

視点:愛紗

 

私はジェネシス殿に蹴られ気を失っていたらしく、気が付いたら、地面の上で寝ていた。

だが、不思議だ。どれだけ時間が立っているのか分からないが、とても静かだ。

私は状況を確認しようと顔を上げた。

 

私の目の前にはあり得ない光景が広がっていた。

だが、その中でももっとも信じたくない光景が私の目の前にあった。

 

その光景をみた瞬間ある人の言葉を思い出した。

 

『何かあった時、雛里を絶対に守ってやってくれ。

雛里はモンスターである俺を慕ってくれた優しい娘だ。もし、雛里に何かあったら、許さないからな。』

 

だからこそ、この光景はもっともあり得ないと私は思いたかった。

 

 

 

そう、

 

ジェネシス殿のあの細くて赤い剣が

 

 

 

 

雛里の胸を貫いていたのだ。

 

 

 

 

どうも、雛里ン大好き黒山羊です。

 

今回のお話は如何だったでしょうか?

 

……はい。

 

雛里ンが………ジェネシスに………、はい。

 

おんどりゃぁぁぁぁ!ジェネシス!貴様!何事じゃ!

雛里ン刺すってどういう了見じゃ!ぶっころすぞ!コラ!あぁぁぁぁん!!

聖槍雛里騎士団黒円卓第Ⅰ位首領の力見せてやろうか!?

 

ハーハーハー、落ち着け、私、クールになれ。

このままじゃ、『あとがき』らしいこと言わずに終わってしまうわ。

よし、素数を数えるんだ。

1,4,6,8,9,10,12,14,15,16,18,20.

おk。うん、よし落ち着いた。

 

ってことで、今回の話なのですが、………うむ。

ジェネシスがCCFF7でも使ったマジックソードとアポカリプスを出しました。

どちらも描写が難しかったです。何回書きなおした事やら。

あの描写で分からないのなら、マジックソードはFate stay nightのギルっちのゲート・オブ・バビロンのような攻撃だと思ってくれたら、良いと思います。アポカリブスは…………そうですね。

ってか、プレイ動画見て下さい。だいたいこんな感じです。

 

http://www.youtube.com/watch?v=Kwx1AP3WhpU&feature=related

 

まだ出ていないもう一つの魔法のネタばれ禁止な人はこの動画の2:00~3:15の間だけを見て下さい。

え?マジックソードがゲート・オブ・バビロンっぽくない?

そりゃあ、ゲームプレイしていて、あの動作でそんなんやられたら、ザックス速攻で死んでしまいますよww

だから、製作の人が、あそこまでランクを下げたのでしょう。

 

と、それから、アポカリプスがジェネシスの使える最高最強の魔法と言うことでそれっぽくするために厨二病全開な詠唱を付けましたが、如何だったでしょうか?え?Dies iraeっぽい?そりゃあ、アレ見て参考にしましたからね。

あの詠唱も元のネタが有名な詩を基にしたモノだったりするので、ジェネシスのアポカリプスの詠唱はコピーのコピーというわけですねww私なりに、ジェネシスらしい詠唱にしたつもりです。

余談になりますが、メルクリウスの詠唱だけラテン語らしく翻訳されているのですが、一部『?』とされています。

 

おっと道が逸れてしまいましたね。

ってなわけで、俺の書きたかった内容の内の一つが此処でした。

 

以上!では、それでは、最後に御唱和ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

へぅ( ゚∀゚)o彡°

 

 


 
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