「なんか随分期間が空いたな」
「いきなりメタ発言をどうも。耳が痛いのですみませんがあまり触れないでください」
筋骨隆々の角刈りで黒髪の男性"ジョージ"に言われて落ち込む眼鏡の男性。名前を"
場所はいつもの通りの白い空間。既に全員が揃っている状態である。特に組織的に集まっている訳でもないので
「ああ、そうだ。そろそろ森羅さんと戦国さんに言わないと」
思い出したように呟いた彼は聖フランチェスカ学園の男子制服を身に纏い談笑している少年2人に近づいていく。
「蒼さんどうしました?」
蒼が二人に近づくと黒いツンツン髪の少年が気付き声を上げる。もう一人の黒髪のロングの少年も彼の存在に気が付いたのか後ろを振り返って蒼を見る。
「まあ、やっとこさ外史に送れると言う話ですよ」
「遂にキターーーーー!!」
その蒼の言葉に両拳を高く天に掲げ、喜びを体現するツンツン髪の少年。そのテンションの高さに思わず驚き黒髪ロングの少年は体を震わせた。
「森羅、ビックリさせるな。心臓に悪い」
「すみません。でも、遂に行けるんですよ?生の祭さんですよ生の」
「なあ、蒼。森羅を送るの凄く不安なんだが?」
一人トリップしそうなほどのテンションの高いツンツン髪の少年、名を"森羅"に黒髪ロングの少年、名を"戦国"は不安を隠せない。
「大丈夫ですよ。戦国さんにも行って貰いますから」
「え?聞いてないぞ」
「ストッパーは必要だと思い、相談したと思うんですが。随分前の話ですからねえ。随分前にしてしまったのは主に私が原因ですけど」
「あ~、悪い思いだした。そう言えばそんな話してたな」
蒼の言葉で思い出したのか一人戦国は納得する。
「そんなことよりも!早く行きましょう!」
二人が話している所、森羅は待ちきれないのか興奮した様子で割り込む。いつの間にやら荷物一式が彼の
「それじゃあ、送りますよ」
いざ、蒼が送り出そうと準備するが戦国はある事に気付く。
「待て。行こうにも俺の荷物が無い」
「現地調達でいいでしょ」
待ちきれないのか森羅はそんな素っ頓狂な事を言いだす。当然、本人としては全くもってよくない。そもそも、戦国からすれば思い出したのもつい先ほどで急な話には違いない。
「それなら私が用意して置いたわよ」
お淑やかな声とともに現れたのは金髪の美女。彼女の傍らには荷物が置かれていた。
「マリアさん、助かります。衣装替えたんですね」
「ええ、白装束と言うのも華がないと思ってね」
"ほわちゃーなマリア"こと通称マリア。彼女は前回の白装束から衣装を替えていた。白と黒のミニスカのメイド服で、脚には黒いニーソ、頭にはメイド服と同じ白いフリルのついた黒のカチューシャを付けており、黒いリボンで結わえてある彼女の金髪を際立たせていた。
「まあ、中身はおと――――」
「何か言った?」
森羅が口に出す前に彼女はどこから取りだしたのか、鎌を首筋に当てていた。すぐさま冷や汗が森羅の額に流れる。
「イイエナンデモナイデス」
彼女が手か口が動く前に森羅は反射的に謝った。でなければ命はないとそう直感した。一応、死にはしないが恐いものは恐いのである。
その言葉に満足したのかマリアは「よろしい」と笑みを浮かべながら言った。その笑みは先程の行動と相まって攻撃的に見えたが。
「ここでは地雷は踏むものではなく、回避するものですよ森羅さん」
「そうですね……」
蒼の言葉を森羅は肝に銘じた後、蒼は気を取り直して準備をする。
「さて、行く前に注意事項ですかね」
「何かあったか?」
「ありますよ戦国さん。まず、彼女達の真名を許可なしに呼ばないこと」
それはそうである。一応、こちらは彼女達の事を知っていても向こうは知らない。当然初対面なのにいきなり真名を読んだら気に障るには違いない。
「まあ、当然だな。森羅が心配だが」
「嬉しさのあまり、思わず口に出しちゃいそうね~」
戦国とマリアはお互いの意見に同意するように頷く。
「失礼ですね。ちゃんと段階は踏みますよ」
心外だと言わんばかりに森羅は反論するが、フラグが立っているのではないかと蒼は思ったが口に出さずに気を取り直す。
「次に、あまり彼女達に積極的に関わり過ぎないこと。私達の正体がバレれば距離を置かれるかもしれないし、色々聞かれるかも知れません」
「それ、騙してるみたいで気分が良くないですね」
「仕方ありませんよ森羅さん。彼女達を一刀と共にあの世界に飛ばしたのにはちゃんとした訳がありますから。あんまり言うと、ネタばれになるから言いませんけど」
「つまり、秘密事項ってことでいいのかしら?」
マリアさんがそう言うと蒼は頷く。
「もっと言うなら物語の核心ですね。これ以上は言いませんよ?」
「ああ、分かった。続けてくれ」
彼の言葉に納得したのか戦国はそれ以上詮索せず、森羅もマリアもしない。
「次に、正史の人間としての力を使わないこと。と言うよりも創造力ですかね?どこかの二次創作みたいに自分の力をチートにして好き勝手して貰うとプロットどころじゃなくなりますから。一応、努力すれば伸びはしますけど……あんまり腕が立ち過ぎると決闘を申し込まれたり面倒事に巻き込まれますよ?場合によっては平和な学校生活が幻想になってしまうかもしれませんし」
『……ああ~』
これから行く先には女の子とは言え三国志の英傑がいる。強者は強者に惹かれるとは誰の言葉であったか。つまりはそう言うことである。その事にこれから行く二人は納得したような声を上げた。
「実際どうなるかは分かりませんけど。……挑まれても頑張ってください」
「今の間で不安になって来た」
その言葉に同意するように森羅は戦国の肩を叩いた。
「今更言っても仕方ありませんよ。祭さんに扱かれるなら本望」
「そこはぶれないな……お前」
戦国は森羅の事もあって余計に不安になって来たのであった。
「一応、向こうに戸籍とか口座とかはあります。口座に関しては一定の金額が入っていますから暫くは困らないはずです。ちなみに仕送りはしませんよ?」
「さすがにそこまでは……」
これ以上楽をしたら、と言うよりも充分楽をしていると戦国は思うが。さすがに自分の金銭ぐらいは自分で働いて手に入れておきたい。
「おお、もう行くのか?」
そう考えていた時に不意に声が掛けられる。
「そうですよ護衛さん。遂に待ちに待った日が来ましたよ」
銀髪のショートヘアをした青年"護衛"に子供のように興奮した様子で話す森羅。若干顔が近い上に少しテンションが高いせいで、息も荒いので少し身を引いた。
「そうか。……せいぜい死なないようにな」
「洒落にならないからやめてくれ」
護衛が漏らした一言に突っ込む戦国。護衛の眼はこれから戦場に行く人物を見送るような眼だった。本当に大丈夫なのだろうか?戦国は先程から不安が積み重なっている気がし
てならなかった。
「ま、細かいことは随時聞いて下さい。自分が答えられる範囲で答えますから。それじゃあ、逝ってらっしゃい」
「おい、字がちが――――」
戦国が蒼に突っ込もうとしたその時だった。言葉の途中で、なぜか浮遊感が襲い視界が下から上へと流れて行く。
そして、気付いた。
「なんで落とすんだああぁァァぁ!!」
「マリアさんの下着が黒のレースだああああぁぁぁ!!」
一人だけ変な事を叫びながら落ちて行く。勿論、森羅である。蒼は名前を呼ばれた人物を見たが、そこには黒いオーラが立ち込めていた。
「ふふ、どうせなら。これも一緒に持って行くといいわ!」
そう言うと先程の鎌を取り出し、野球選手も真っ青な程の速度で投げた。標的は言わずもがな森羅である。
「到着早々死んだかもしれませんね~」
「自業自得でしょ……」
「と言うより、皆さんいつの間に」
落ちて行く二人を見送っていると何故か、いつの間にか穴の周りに人だかりが出来ていた。台詞は栗毛色のくしゃくしゃな髪形をした男性"甘露"、白衣を着た科学者の様な女性"プーすけ6"通称プーすけ、蒼の順である。
「ところでマリアさん。……パンツ見せて下さ―――」
ドゴ!
そんな音が聞こえるほどの蹴りが黒のモヒカンの男"砂のお城"の頭部に炸裂し穴に落ちて行く。
「ああ!?お城さんが穴にダストシュート!!」
「どこかの骨みたいな事言うから」
青で赤の線が入ったジャージを着ている男"スターダスト"が落ちて行く砂のお城を心配し、見た目がM〇Sの雷電である"へたれ雷電"が冷静に突っ込む。
「うたまるさん救出します?」
「プーすけの言葉を借りるのなら自業自得だにゃ」
紺色のスーツと金縁の眼鏡を掛けた男"
「おいたわしや、砂さん」
そんな彼を労わるように呟くKO〇Iの無双ゲームに出てくる関平の様な男、名も"関平"は同情した。
そして、彼の堂々としたスケベっぷりに逆に感心する緑の天然パーマが特徴の"サラダ"は呟く。
「なんでああもあからさまなのかな?」
「逆に堂々としてていいんじゃないですかね」
サラダに返す様に甘露はなんとも言えない回答を出す。
そんな中、ジョージは穴に落ちて行く砂のお城を見ながら何かに気付いた。
「なんか……いるぞ」
全員がその言葉に再び穴を覗き込み気付く。確かに砂のお城を掴んでから昇ってくる人物。
「ベルさんですね」
蒼が名前を呟いた時には既に顔が見えるくらいには近づいていた。そして、そのまま穴から飛び出てきて降り立つ。
「なんか落ちてたから救出したが。どうしたんだ?」
「いやまあ、自業自得と言うか。そんな感じです」
蒼が話す相手は季衣と同じくらいの背をした男の子でまるでドラゴン〇ールGTで小さくなった孫悟空のような面影がある。名前は"berufegoal"通称はベルさんである。
「ちなみに"道"が繋がってるからこっちから来たんだけど……」
そう言って、ベルは足元にある穴を指さす。
それで、察したのか蒼が言う。
「何の"道"かって聞かれると、ついさっき森羅さんと戦国さんを送った所なんですよ。外史に」
「ああ、なるほど」
「まあ、もう着いている頃でしょう」
場所は移りここは蒼が送った外史。
正確には聖フランチェスカ学園男子寮である。男子寮と言っても共学化の態勢が整っていないため、男子寮とは名ばかりのプレハブである。そんな部屋の一室に戦国はいた。
「着いたのか?」
穴に落とされて、気付けばいつの間にやらベットの上である。周りを見渡すと取りあえずシンプルな部屋である。机とベットにタンス、キッチンがあるだけである。取りあえず、起きて部屋を確認すると机の上に鍵が置いてある。
恐らくこの部屋の鍵だろう。重要な物なので取りあえずポッケに入れておく。そして、キッチンに向かい確認。
「ガスは通ってないのか。さすがに通ってたら驚きか。と言うより、キッチンのある寮ってそれはそれですごいな」
と一人呟く。
そして、彼は相方の存在を思い出した。
「(森羅の様子を見に行くか)」
すぐに靴を履き、部屋の扉を開けて外に出る。取りあえず、ここは一階のようだ。そして、扉を閉めて鍵を掛けるときにネームプレートがある事に気がつく。
これなら、森羅のネームプレートもあるだろう。そう思い、戦国は一階の方から森羅の部屋を探す。取りあえず、右に進むとすぐさまビンゴ。どうやら右隣のようだ。
取りあえずノックしドアノブに手を掛け開ける。
「お~い、森羅。いる――――」
戦国は言葉に詰まった。
何故かは知らないが鎌が床に刺さっている。そして、森羅は戦国のノックも声も聞こえていない上に姿が見えていないのか鎌が耳の傍にある事を確認する。
「間一髪。ほんと、何があっても不思議じゃない」
「そんな事があってたまるか……」
戦国の突っ込みに初めて彼の存在を確認したのか森羅は上半身を起こし、立ち上がる。
「いやあ、まさか送られて早々に死ぬかと思いましたよ」
彼はカラカラと笑いながら明るく振る舞うが、見ている戦国としては違和感を覚えざるを得ない。普通は笑える状況じゃない。それが、戦国の正直な感想だった。彼がそんな風に呆れていると今度は頭に直接声が響く。
「(あら、灸を据えかねちゃったわ)」
「(なんか、マリアさんが恐い事言ってるぞ)」
「(死んでもノーカウントにする予定でしたけどね)」
「(お前ら念話で話をするな)」
台詞の順番は、マリア、スターダスト、蒼、戦国の順である。ちなみに、正史の人間はイメージが出来れば外史の中では大体の事は実現できてしまうため、念話なども御茶の子さいさいである。つまりは想像で作られた物語であるのなら、同じく想像で何でもできると言うことである。当然、加減を間違えれば色々崩壊するために注意である。ここまで来ると『想像力』ではなく『創造力』になるが。
「それにしてもこれからどうするか……」
「(一応、荷物の整理なども考えて入学式から3日程前にして置きましたので、学園を散策するといいですよ。もしくは、教科書を見て学力的に大丈夫か確認しておくとか)」
これからについて、戦国が考えていると蒼から念話が届く。
「成程。それじゃあまずは、お互いに荷物整理しましょうか?」
「そうだな」
と言い、森羅の部屋を出て戦国は自分の部屋に戻る。が、扉の前に立つと部屋の中に何者かの気配を感じる。鍵は掛けた。なのに人の気配がする。そこから導き出される答えは一つ。
「(来て早々に不法侵入者か?)」
もしかしたら新入生、いや編入生だろうか?とにかく、ここに来たばかりの者たちの整理されていない荷物の中から価値あるものを盗むための犯行だろうか?いきなり荷物を
「(俺一人でも、制圧できるが……いきなり学校で注目されるようなことはしたくないな)」
危険な行為をした問題児として教師に睨まれるのは勘弁したい。とりあえず、先程部屋を出る際に気付いたポッケの中の携帯に手を伸ばし、いつでも警察に電話できるようにしておく。
準備は整ったとばかりに意を決して扉を静かに開ける。
「アナタ、ご飯にする?お風呂にする?それともワ・タ・シ☆」
ふざけた台詞を言い放つ、自分と同じ制服を着た眼鏡の男性がいた。そして、戦国は彼に見覚えがあった。もちろん一方的にだが。
しかし、今彼のやる事は一つ。
「もしもし、けいさ―――――」
「だあーーーー!??いきなり洒落にならへんことすんなやっ!!ちょっとしたジョークやジョーク!!」
通話はしていないが、携帯を耳にあてて先程の台詞を言うと眼鏡の男性はすごい剣幕で必死に止めてきた。
「悪いが不法侵入者に知り合いはいない」
「お宅、初対面やのにえらいバッサリした言うな……」
「うるさい。不法侵入者と思って対応しようとした俺の緊張感を返せ。なぜ来て早々に疲れなければならないんだ」
一応、直接的には初対面なのにこのボケと突っ込みの応酬である。これにより戦国は彼とのファーストコンタクトは忘れられないものとなった。
「(及川だよな?)」
そう、彼は北郷一刀の悪友であろう
「(ああ、初対面なのでいきなり名前を呼ぶのは無しですよ?でも、彼の場合言っても"なんやお宅エスパーか!?"とか返しそうですけど)」
「(分かってるよ)」
蒼からそう注意を受け、息を吐く。
「ところで、お前は誰だ?」
「ふふ~ん。こう言う時は自分から名を名乗るもんやで」
「もしもし、けい――――」
「あーー!?及川!!及川佑や!!」
「まったく、最初から正直に言えばいいものを」
再び携帯で警察を呼ぶふりをすると彼、及川は慌てた
「俺は
「おう、数少ない同志や仲ようしてや」
「第一印象は最悪だけどな」
「ちょっとはジョークに乗ってくれてもええやないか。それに細かい事気にしてたらハゲるで?」
及川はすぐさま気持ちを切り替える。先程の焦り様はどこへやらである。その原因としては、調子のいい奴と言うのもあるだろうが。
そして、戦国は疑問に思っていた。
「ところで、どうやって入ったんだ?鍵はしてあったはずだが……」
「スルーしんといてや……まあええわ。どうやって入ったかと言うと、ジャジャーン」
自分で効果音を出しながら彼がポッケから取りだしたのは、クリップである。
「これを使って、ちょちょいと開けて入りました」
「お前、犯罪だぞ。本当に警察呼んでやろうか……」
「最後の方聞こえとるで~。悪かったって、ワイの好奇心がパッションしただけなんや」
「反省する気ないだろ」
正直ここまで来るとさすがに突っ込むのには疲れた。無理やりにでも追い出そうか?そう考えた時だった。
「戦国さん。荷物整理もう終わりましたよ」
その声と共に部屋に入って来たのは森羅だった。
「もうか。早いな」
振り返り彼に向き直りながら驚いた。10分経っているか経っていないかの時間である。
戦国が思考に入っているところ二人のやりとりを見て、及川は疑問を口に出す。
「お宅ら、知り合いなん?」
「まあ、知り合いですね」
「まあな」
森羅と二人顔を見合わせる。そして、念話。
「(てっきりいきなり、名前を呼ぶと思ってたが)」
「(いやいや、さすがにそこまではやりませんよ)」
戦国の予想を否定するように森羅は返す。取りあえず、そのまま自己紹介へ。
「あ、俺は
「及川佑っちゅーもんです。よろしゅうな」
三人とも自己紹介が済んだ後、戦国はとにかく荷物を整理し始める。
「それよりこっちは誰かさんの所為で荷物整理してないんだ。手伝ってくれるか?」
「別にいいですけど」
「いやあ、褒めんでもええやん」
及川に対しては皮肉を言ったつもりだが、軽く受け流す。どうやら一筋縄ではいかない相手の様だ。
それから、戦国の荷物の整理が始まる。
「ところで、エロ本はないん?」
「あるか!!」
三人で荷物整理(一名はノリで)を始めたが、途中雑談をしたり約一名がふざけて誰かがそれに便乗したりと大変な荷物整理だった。
それでも、10分程度で終わったが。いや、3人で10分掛かったと言うべきか……。
「ようやく、荷物整理が終わった」
「いやあ、びっくりしたで。真剣の日本刀が二つも出てくるもんやから、戦国はんは実は危ない人の類いかと」
「俺はお前の方が危なく見えるけどな」
及川の言葉を返す様に戦国は言う。荷物整理をしていると二振りの日本刀が見つかってしまい。本物だと聞いた及川が、殿中でござる~みたいな事をやり始めた。それで、少し作業が遅れた。
勿論、日本刀は国から許可は貰っている設定の正式な代物である。森羅も同様の物を持っているがそちらも許可は取ってある。
「だいぶ時間が空きましたね。これからどうします?」
「俺は疲れたから部屋にいる。学園の探索はまた今度でもいいだろう」
森羅が戦国に尋ねるが、彼はげんなりとしていた。原因は考えるまでもないだろう。
「ああ、お二人さん気いつけえや。私服で校内うろついてたらアカンらしいからな。警備員さんに不法侵入者と勘違いされてしょっぴかれるで?」
「マジか」
「マジやで、それに先生が目を光らせとるから女子寮にいるお嬢様方の下見も出けへんねん」
「お前ことごとくプラスをマイナスにするな」
良い情報は貰えたが戦国の中での及川の評価が変わることはなかった。最後の台詞で台無しである。
「まあ、ともかく教えてくれてありがとな」
「おう。なんたって数少ない同志やからな。それじゃ、ワイはここらで」
そう言って、及川は部屋を出て行った。
「根はいいんでしょうね」
「だろうな。相手するのが疲れるけど」
森羅の言葉に同意を示す。ともかく、来て早々に色々あったがしばらくは平和に暮らせそうである。時々は騒がしくなりそうだが。そして、二人はこれからの学園生活に思いを馳せるその時であった。蒼から念話が入る。
「(ところで二人とも、卑弥呼と貂蝉に会うの忘れてませんか?)」
『あ……』
続く。
~あとがき劇場~
珍しく連続投稿。
そして、今回恋姫メンバーは出ない。
はたして大喬と小喬の出番は来るのか!?
小喬「ちょっとそれどう言うことよ!?」
だってねえ……大喬について最近困ってるんですよね~。
大喬「……小喬ちゃん、さようなら」
小喬「ちょ、ちょっとお姉ちゃん!?そっち行っちゃあダメ~!!そっち行ったら、影の薄いキャラから存在しないキャラになっちゃうからーーー!!」
大喬「もう、いいんだよ小喬ちゃん。私達の存在なんてきっと……」
小喬「死んだような眼で言わないで!?眼を覚ましてよお姉ちゃん!!ほら、あんたも何か言いなさいよ。そもそもあんたが原因なんじゃない」
そう言われてもね。
一応、スポットライトが当たる予定はありますよ?
あるんですけど……。
小喬「けど、なによ?」
大喬の股の間にナニがありますか?
小喬「新手のセクハラ!?変態ね、この変態!!」
大喬「えっと、ち―――」
小喬「お姉ちゃん言っちゃダメ!!言ったらこの男の思うツボよ。お姉ちゃん自身大切な何かを失うわ」
ツボも何もありませんけど。
まあ、ようは大喬が両性類と言うことに問題がありまして。
早い話が日常の障害をどう越えて行くかと言う事なんですよね。
例えば、風呂とかトイレとか衣服とか……衣服は問題ないか。
つまりはそう言う事です。
周りの環境をどうしたらいいのかって言うのがね。
小喬「なによ、今更お姉ちゃんをお兄ちゃんって呼べって言うの?嫌よ。お姉ちゃんはお姉ちゃんなんだから」
大喬「小喬ちゃん……」
ふむ、これは私一人では決めかねますね……。
と言う訳で皆さんにご協力をお願いします。大喬の性別はどちらか。
コメントが多い方の性別で考えて行きたいと思うので、どうぞよろしくお願いします。
大喬「あの……よろしくお願いします」
小喬「ふざけたりしたら承知しないんだからね!!」
それでは、また次回。
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やっと本編、お待たせしました。
一体、入学式はいつになったら始まるやら……。
今回はあの悪友が登場。
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