No.380538

真・恋姫†無双 武と知の2人の御遣い伝 第44話

黒山羊さん

5時間料理しながら酒を飲み続けた黒山羊です。
ピザ5枚、アクアパッツア、鶏肉のトマト煮込み、鶏肉の香草焼き2人前、和牛のステーキ、スウィートポテトとまあ頑張った。
そして、やっぱりアサヒスーパードライは美味しかった。

最後になりますが、

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2012-02-19 22:56:55 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:2408   閲覧ユーザー数:2182

この物語は真・恋姫†無双という外史に、

CRISIS CORE FINAL FANTASYⅦのジェネシス・ラプソードスが来たという設定です。

作者である私、黒山羊が原作を何度もやりなおし、登場人物を原作通りにしたつもりです。

ですが、解釈が幾らでも可能であるように、登場人物が皆様のご期待にそえるかどうかはわかりません。

まあ、CCFF7が分からなくても楽しめるように書いたつもりです。

また、作者は関西人なので、気をつけているつもりですが、セリフが関西弁臭くなってしまうかもしれません。

あらかじめご了承ください。

読者の皆様が楽しめたら幸いです。

 

 

 

 

視点:雛里

 

完全に呂布さんの武を私は侮っていました。

幾ら強くても、馬より速く走って、この樊城の城門を一人で破壊できるとは思えませんでした。

樊城からの撤退の準備をする為に他の門の状況を把握する為に、私は数名の兵を愛紗さんの所に向かわせます。

このまま立て籠り続けてなんとか時間を稼ぐか、ここから脱出するか選択しなければなりません。

私の中ではもうほとんど決まってはいます。

 

そう、私はこの樊城を捨てて逃げることを選びます。

立て籠り続ける場合だと、あの城に逃げ込むしかありません。そうすると、兵をかなり見捨てる結果となってしまいます。

兵を見捨てるようなことをすれば、立て籠ったとしても内部で崩壊が起こってしまうかもしれません。

そうなれば、10日も持たないと思われます。

それに、この方法は個人的にもしたくありません。だって、それは私達を信じて戦って来てくれた兵を裏切ることと同じだからです。裏切ることだけはしたくない。ジェネシスさんが裏切るという行為をもっとも嫌っているからです。

もし裏切るようなことをすれば、ジェネシスさんに嫌われてしまいます。

 

私は呂布さんの部隊が城門をくぐり抜けるのに手間取るようにするために、城壁の上から落とすつもりだった物をある程度積み上げて、城門を塞ぎ、城壁を守っている兵の一部を呂布さんに当て、城壁の上から呂布さんの部隊に向かって射撃をして時間を稼いでもらいます。時間を稼いでもらっている間に、私は地図を見てこの街から撤退するに際の道を調べ上げます。

そして、道が決まった直後、愛紗さんが来ました。

 

「雛里!呂布が中に侵入してきたと聞いたが、このままでは当初の予定通りいかないと思うのだが、撤退するのか?」

 

「撤退するつもりです。」

 

「本気か!

ここは桃香様から承った城だぞ。そして、此処が魏か呉に取られたら蜀が一気に不利になると言っていたが、大丈夫なのか?」

 

私は愛紗さんの声に吃驚してしまい、涙が出そうになってしまったので、必死に我慢しましたが、やっぱり無理でした。

涙腺が決壊して数秒後、愛紗さんが『すまん。突然のことで気が動転していた。許してほしい。』と誤ってきたので、私は『何ともないです』と強がりを言い、今置かれた状況と方針、そして撤退する理由を愛紗さんに説明します。

 

「了解した。では、私は華雄を探して撤退の準備に入る。」

 

「お願いします。それから、呂布さんに会ったら、戦わない様にして下さい。

勝てるという保証がありません。それに、たとえ勝ったとしても、他の将がいますので、体力を温存して、確実に逃げることだけを考えておいて下さい。私の方は呂布さんの部隊の状況を見て、紫苑さんと此処から撤退します。」

 

「分かった。ではまた後でだ。」

 

愛紗さんは城壁を降りて行き、華雄さんの部下から呂布さんと華雄さんが戦っていた場所を聞き、そこへと向かいました。

朱里ちゃんから愛紗さんと鈴々ちゃんと星さんの3人が呂布さんと戦って、負けたと聞いています。

あの反董卓連合の頃と比べてみんな強くなりましたが、それでも、勝つことが確定している訳ではありません。

だから、さきほど、愛紗さんに釘を刺しておきました。

 

「紫苑さん、もうそろそろ撤退しましょう。」

 

「分かったわ。雛里ちゃん。」

 

「させない。」

 

後ろを振り向くと、私の目に入ってきたのは、鮮血を連想させられる赤髪の女の人と倒れて呻いている兵士でした。

その女の人は禍々しい戟、刺青、白と黒の2色を基調とした服、朱里ちゃんから聞いた呂布さんでした。

 

 

 

 

「大人しく捕まったら、怪我しない。」

 

呂布さんはそう言って、一歩一歩確実に私に近づいてきます。

私もゆっくり後退しますが、身長差の所為か、私が驚いてしまって上手く動けていない所為なのか、呂布さんと私との距離は確実に狭まってきます。

 

「見逃してはくれないのですか?」

 

「それは無理。逃げたら、誰かに殺されるかも。」

 

『殺される』ということは捕縛命令でも出ているのでしょうか?

でも、それなら、誰かに殺されるかもと言うのはおかしいです。一体どういうことでしょうか?

私が色々と考えていると、紫苑さんが私の斜め後ろから弓を構えて、呂布さんに警告します。

 

「止まりなさい!それ以上近づいたら、射るわよ。」

 

「避けるから大丈夫。」

 

呂布さんはそういうと私にむかって一歩踏み出しました。

紫苑さんは矢を放ちますが、呂布さんは身を屈めてやり過ごしてしまいます。

こんなに近くで、紫苑さんが外すのには驚きました。

そして、呂布さんはそのまま紫苑さんに攻撃しようと間合いを詰めようとした瞬間でした。

 

「「「でぁぁぁぁぁぁ!!」」」

 

数十人の兵士が一斉に呂布さんに向かって突進します。

呂布さんは完全に不意を突かれたみたいで、突進してきた兵を何十人か斬り伏せますが、それから漏れた1人が呂布さんの懐に入り込み、呂布さんを持ちあげ、城壁の上へと飛び乗ります。

 

「軍師様!黄忠様!逃げて下さい!」

 

そう言いきる前に、その兵士は城壁から飛び降りました。

私と紫苑さんは唖然としてしまいましたが、その兵士の意思を無駄にしない為にも撤退を始めます。

呂布軍に遭遇しない様にするために、城壁を使って西門へ向かいます。

 

 

 

 

視点:恋

 

「ちょっと油断した。」

 

なんとか無傷。

 

「??…………足音??」

 

たくさん、あっちに行く。

今から城壁登って追いかけても間に合わない。先回りする。

 

「恋殿!速すぎますぞ!」

 

「ねね、あっち………行く。」

 

「関羽軍は撤退を始めたのですか?」

 

「たぶんそう。」

 

「分かりましたぞ!全軍、南門に目的地を変更!駆け足なのです!南門に関羽軍が来なかったら、西門へ移動なのです!」

 

 

 

 

視点:ジェネシス

 

俺は成都に戻ってきていた。

成都を出る前に、桔梗に口うるさく言われた国境の監視は一応しておいた。

最初に樊城へ行き、呉、魏、五胡の順番に接する国境を見て回った。もちろんのことだが、空からの監視だ。

ここ数日空が曇っていたおかげで見つかる事は無かったので、何の問題も無い。

そして、桃香や星、朱里、鈴々以外に見つからない様にするために、夜中に空から城に戻った。

 

しかし、寒いな。

幾らソルジャーが人間に比べて環境適応能力が高いとは少しばかりこれは厳しい。

吐いた息は白い。成都は内陸過ぎる。モデオヘイムといい勝負だな。

簡単なストーブでも良いから欲しいなと前いた世界が少しばかり恋しくなる。

だが、まあ、耐えきれない寒さでは無い。

俺は適当に厨房にあった材料を遣い、鍋を振るい、豆のポタージュを作って飲んだ。体が温まる。

多めに作ったのは途中で誰かに集られた時の事を考えてのことだったが、杞憂だったようだ。

その後、適当に体を動かしていたら、玉座の間の方に向かう星に会ったので、適当に挨拶すると、

 

「朝議に出なければ、桔梗にまた何か言われますぞ。」

 

と言われたので、しぶしぶ行くことにした。

まあ、行っても、ぼっーっとしているだけだ。

 

朝議が始まると、真っ先に桃香が俺にいつ帰ってきたのかと聞かれたが、そこら辺は適当にぼかした。

朝議の内容は先に戦った南蛮の内容が多かった。

そういえば、南蛮の王が桃香の臣下に降ったらしく、紹介されたのだが、少しばかり変わった格好だった。

俺は林檎を齧りながらそんな朝議を聞いている。

魏延が『桃香様の前で無礼であろう!』と怒りを露わにしていたが、桃香と朱里がフォローしている。

まあ、フォローなくとも聞く耳持たないから、俺自身問題無い。

 

さて、朝議が終われば、『あの計画』まで何をして時間を潰そうか。

先日書庫の本は全て読んでしまったし、成都の街で売っている林檎は全種類食べた。

林檎の菓子でも作るとするか、そんなことを考えている時だった。

突然、玉座の間の扉が開き、中に人が入ってきた。

 

「桃香様!」

 

「どうしたの!蒲公英ちゃん!」

 

 

 

 

「樊城に曹操と孫策が同時に攻めて来ました!数は二十万!陣形からして同盟を組んだみたい!

援軍をお願い!このままじゃ、樊城は落ちちゃうよ!」

 

馬岱のその言葉にこの場に居た全ての将は驚いた。俺も驚いている。

あの曹操と孫策が手を組んだか、どういう経緯でそうなったのかは知らないが、アイツらが手を組んで攻めてきたら、樊城はひとたまりも無いだろう。将の優秀さでは、此処に居る者といい勝負をする。要するに難敵だ。

息絶え絶えの馬岱から朱里が詳細を聞こうとする。

 

「それは、いつの話ですか?」

 

「昨日の朝だよ。急に東から孫策が、北から曹操が来たの。雛里から、これ貰ってるの。」

 

そう言って、馬岱は懐からクシャクシャの書状を取りだし、朱里に渡すと、その場で仰向けに倒れた。

朱里は目つきが変わり、雛里からの書状を一気に読み、桃香に渡すと、馬岱にいくつか質問をした。

幸い馬岱の気はしっかりしているようで、朱里との質疑応答が成立している。

 

「でも、朱里ちゃんどうしよう!前の南蛮戦で兵は疲弊しているし、南蛮の病気が蔓延して、樊城に行ける兵が少ないよ!」

 

「桃香様!ちょっと待って下さい。」

 

朱里がとても感情的になっているようだ。頭を抱えて何かブツブツ呟いている。

よほど、南蛮から持ち込んだ病気で酷い状態なのだろう、朱里が切羽詰まった状態だということが俺にも分かる。

朱里は詠に今の軍備の状況を聞きながら、色々と考えているようだ。

 

「桃香。」

 

「なんですか?ジェネシスさん。」

 

「愛紗と雛里、華雄に黄忠を助けられたら良いんだな。」

 

俺のこの言葉で玉座の間は静まり返る。

さっきまで詠と話していた朱里も俺を見ている。

 

「はい。」

 

「なら簡単だ。俺一人で十分だ。朱里、俺は本気を出すが構わないか?」

 

「「!!」」

 

「……………………お願い……します。」

 

桃香と星は俺の言葉の真意を理解して驚いているようで、朱里は俺の提案をしぶしぶ了承した。

それもそうだろう。俺が本気を出すという事は俺がG系ソルジャーであることを敵味方関係なく見せつけるということだ。

そうなれば、下手をすれば、俺を妖だと思い、敵味方関係なく、俺を敵視するだろう。

場合によっては、俺を囲っていた桃香達さえも敵視される。最悪、この蜀が崩れかねないということに繋がる。

だが、朱里はそれを考慮した上で、今愛紗や雛里達を失うより軽いとみたのだろう。

つまり、愛紗や雛里はこの国ではそれほど重要と言うことなのだろう。

一方、他の将達は眉間に皺を寄せて、俺をほら吹きの大馬鹿者を見るような目で睨んでいる。

そして、俺は玉座の間から出ようとすると後ろから声をかけられた。

 

「ジェネシスさん、聞いて。」

 

「なんだ?」

 

振り向くと、玉座から降りてきた桃香が俺のコートを右手で掴み上目遣いで見てきた。

 

「どんなことがあっても、私は味方だから。絶対に見捨てないから!絶対に皆で平和な世の中にして見せるから!だから!」

 

とても辛そうな声で桃香は俺に言ってくる。

蜀の王である桃香に公私混同させないために俺は桃香に問う。

 

「それは蜀の王の劉備玄徳の言葉か?」

 

「はい。」

 

「場合によってはお前の立場を危うい物にするぞ。」

 

「それでも!それでも、私はジェネシスさんの味方だから。」

 

桃香は真っ直ぐな目で俺を見て答えた。

そこに何の一点の曇りも無い。それは彼女自身の本心で、それがこの国の方針だからだろう。

こんな方針の国だからこそ、俺は桃香の臣下になろうと思ったのだろう。

絶望しか知らない俺に手を差し出した劉備玄徳と言う王はこういう人物なのだと再認識した。

 

俺は桃香に再び背を向けて歩きだす。歩きながら俺は額に左手を添え、左へと大きく振る。

そして、同時に漆黒の左翼を大きく広げる。数枚の羽根が取れ、玉座の間の宙を舞う。俺が翼を持っているという事を知らなかった将は驚きを隠せないでいるようだ。先ほどまで仰向けで倒れていた馬岱も体を起こし俺を見ている。

沈黙で満たされた中、俺は説明もせず、無視して外へと向かって歩き続ける。

 

「『深淵のなぞ それは女神の贈り物

  われらは求め

  飛びたった

  彷徨いつづける心の水面に

  かすかなさざなみを立てて』」

 

俺は扉を開けると、空へと舞い上がった。

 

 

 

 

どうも、こんばんは、黒山羊です。

最近は寒い日が続いており、朝起きても温かい布団に負けてしまい、中々外に出ることが出来ません。

24になってもこの体たらく何とも情けない。

どこかに、肩を揺すって甲斐甲斐しく俺を起こしてくれる雛里か、目覚めのキスで俺を起こしてくれる雛里か、朝起こしに来て俺の布団の中に侵入してくる雛里か、俺を布団の外から出そうとして布団を取りあげようとする雛里か、『黒山羊さん、朝です。起きて下さい。え?後5分?駄目です!さっきも言いました。だから、今起きて下さい!』って涙目で俺の胸をポカポカ叩いて起こそうとする雛里か、『今起きないと桂花さん呼びますよ』と毒を吐いて俺を起こそうとする雛里は居ないのでしょうか?

あぁ、まじでそんな雛里居ないかなって思うようこの頃皆さんいかがお過ごしですか?

 

はい。ということで如何だったでしょうか?

ついに、ジェネシスがソルジャーとして戦いに出ます。そして、ジェネシスが言った『あの計画』とは何なのでしょうか。

と、まぁそこらへんの事を色々考えながら読むとこんな作品でも少しは楽しめるかもしれませんと黒山羊は自惚れてみます。

では、本日はこの辺で、それでは御唱和下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

へぅ( ゚∀゚)o彡°

 

 


 
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