No.369758

恋姫無双 三羽烏√②

banbanbigaroさん

いちおうここまでがOPのつもりです。

ちなみにオリキャラの楓のビジュアルイメージは、
暁の護衛 ~罪深き終末論~ の絆を恋姫っぽくした感じです。

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2012-01-29 00:26:28 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2226   閲覧ユーザー数:2044

 

恋姫無双 三羽烏√②『第二話 楓』

 

 

 

 

 

 

 

「……~~~んっ……」

 

 

 あ、頭が痛い……。

 

 

 えっと……いったいどうしたんだっけ?

 

 

 ……たしか……。目が覚めたら、変なところにいて……、

街が見えたからそこに行って……、そしたら女の子が絡まれてて……、

殴られそうになって……、それから…………。

 

 

 ……混乱していてその後のことがわからない……。

 

 

 ひとまず、目を開けるのを忘れていたことに気づいた俺は……。

 

 

 

 

 

「……あっ、気づいたのー」

 

 

「お、女の娘……?」

 

 

 おっとりとした、眼鏡の、かわいい女の娘が目の前にいる……。

 

 

 どうやら俺は、この女の娘の膝を借りているようだ。

 

 

「お、おにーちゃん……、大丈夫?」

 

 

 ひょっこりと……、こっちもかわいらしい女の子が、俺の顔を覗き込んだ……。

 

 

 こちらは眼鏡の子より一回り小さい……。愛くるしい子供だ。

 

 

 目が赤い……。少し涙目だ。

 

 

「き、キミはたしか……、俺はいったい……?」

 

 

 ああ、たしか男に殴られそうになっていた女の子だ。

 

 

 咄嗟に体が動いて、この子をかばった事を思い出した。

  

 

 

「お兄さんはね、凪ちゃんに殴られて気を失ってたんだよ」

 

 

 

「???」

 

 

 どうやら説明をしてくれたようだが、何を言っているのわからない……

 

 

「お兄ちゃんはね、わたしを助けてくれたんだよっ。

でもでもっ……、勘違いした凪ちゃんに殴られちゃったの……」

 

 

 思い出した……。確かあの時、いきなり現れた女の娘が、

チンピラを殴り倒したんだ。

 

 

 ……そうだ……。

 

 

……女の子に殴られたんだ。目の前に深夜テレビの砂嵐のような景色が広がって……、

意識を失ったんだ。

 

 

「頭が痛いのかなー。まだぼっ~としてるの」

 

 

 眼鏡の娘も俺のことを心配そうに見つめている。

 

 

「おにいちゃん……ほんとに大丈夫?」

 

 

 女の子が顔を目の前に近づけて尋ねてきたとき、ふっと……我に帰った。

 

 

「ごめんごめん!大丈夫だよ。ちょっと混乱してただけだから……。」

 

 

「謝るのはこちらの方なのー。

 楓ちゃんを助けてくれたお兄さんを殴ったのは私の友達なの」

 

 

「あぁ……、すごかったね……。柄の悪い男を一撃で倒しちゃった娘でしょ?」

 

 

「そうなの。その後でお兄さんも倒しちゃった娘なのー」

 

 

「…………」

 

 

「あ、あのね。凪ちゃんも悪気はなかったんだよ。

 わたしを助けようとして……… まちがえちゃたの……」

 

 

「……あぁー。いいよいよ。あの娘が現れなかったらアイツにボコボコにされてたかもしれないし……。

それにどうせ殴られるなら男より女の子のほうが……」

 

 

「……お兄さん、少し変態さんなのー」

 

 

「ち、ちがうって結果的に助けられたってことっ」

 

 

「でもでもっ。お兄さんはわたしをかばってくれたんだよっ。

 ほんとに、ほんとにありがとっ」

 

 

 俺は女の子の必死さと、健気さが妙に嬉しくて……、自然と頭をなでていた。

 

 

「ありがとうなのー」

 

 

「えーと。それで君たちはだれなの? っていうかここどこ?」

 

 

「私はー于禁っていうのー。ここは、陳留の街の外れだよ」

 

 

 于禁……? 陳留……? 聞いたことがあるようなないような……。

……やっぱりここは日本じゃないのか……?

 

 

「あのねっ、おにいちゃんには真名の楓で呼んで欲しいのっ」

 

 

真名……?

 

 

「楓ちゃんっ!真名はそんなに簡単に人に預けるものじゃないのっ」

 

 

「おにいちゃんはわたしを助けてくれたんだよっ。それにすごく優しいし……」

 

 

「助けてくれたから、真名を預けるっていうのは少し違うと思うの。

 真名はーほんとに自分が信じると決めた人に預けるものなの

 

 

「おにいちゃんを信じるもんっ。優しいし、カッコいいしっ……、

 それに勇気があるんだよっ!」

 

 

「えっ……と……。真名って…………なに?」

 

二人「………………」

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても信じられないのー 突然、違う場所に現れるなんて……」

 

 

「俺も信じられないよ……。でも……そうとしか思えないんだ。

 景色や気候、それに文化や風習もまるで違うんだから……」

 

 

「わたしは信じるよっ。おにいちゃんはきっと…、

 困ってる人を助けるために天の国からやってきたんだよ」

 

 

季典(……楓ちゃん……)

 

 

「て、天の国!?いや、俺はそんな大層な者じゃないって、ただの学生だから」

 

 

「んーん。違うよ。わたしを助けてくれたとき……、とってもカッコよかったもん」

 

 

「いやいや楓ちゃんだって、おばあさんをかばってたじゃないか」

 

 

「わたしは……。殴られるなんて思わなかったからっ……、

 だから、おにいちゃんがわたしを助けてくれたことが本当の勇気だと思うのっ」

 

 

「……お、俺だってとっさに体が動いただけで……」

 

 

「楓ちゃんの言う通りなのー。お兄さんは天の国からやってきた救世主なのー」

 

 

「ちょ、ちょっと、季典さん?」

 

 

「うん、誰がなんと言おうとお兄ちゃんは天の国の使いなの。 信じてるもんっ!」

 

 

「…………はぁ、わかったよ。俺は天の国からやってきた……、北郷一刀だ」

 

 

 

 

 それから、俺は于禁から少し話を聞いて……。

 

 

 しばらく楓のおもりをすることになった。

 

 なんでも、俺が殴り倒された楽進って娘と、もう一人、

李典って娘は、あの危ない男を役人に引き渡しをしているらしい。

 

 

 それから、村の皆が一生懸命つくった竹かごを売らないといけないそうだ。

 

 

 それにしても……。楽進、李典に于禁か……、これって確か、三國志だよな……。

 

 

 あながち天の国っていうのも間違ってないかも……、

どう考えても、時代感が、世界感が俺が今までいた所と違う…………。

 

 

「……お兄ちゃんっ、やっぱりまだどこか痛いの?」

 

 

「……!い、いや……珍しい物ばかりだから、ついつい見とれてたんだよ」

 

 

「そうだねっ。大きい街だから、歩いてるだけでも楽しいよねっ」

 

 

「あぁ。それに活気があって、こっちまで元気になるね。

 ん……っ?あの人たちが抱えてるのって于禁が売ってる竹かごじゃないか?」

 

「ほんとだぁ。……どんな人が買ってくれたのか見てみようよっ」

 

 

「ちょ、ちょっと、楓っ……」

 

 

 

 

 

 

「貴様っ!華琳さまを愚弄する気か……っ!」

 

 

 うっ、なんか修羅場じゃないか……。楓も驚いている。

 

 どうやら、そこの目立つ金髪ドリルの女の娘が、

占い師に失礼なことを言われたみたいだ。

 

 ……連れの方が激昂しているみたいだが、本人は不満でもないみたいだ……

 

 

 

 

「そう、乱世においては、奸雄になると……?」

 

 

 …………んっ?乱世の奸雄?

  

 

「春蘭、この占い師に幾ばくかのお礼を」

 

 

「は、はぁ……、華琳さま……」

 

 

「早くなさい」

 

 

「はい!」

 

 

「それから、そこのお主……」

 

 

「……ん? お、俺?」

 

 

「大局の示すまま、逆らわぬようにしなされ。さもなければ……身の破滅じゃ」

 

 

「え……っ?」

 

 

「この世にはこの世の理がある。それを乱さぬようにな……」

 

 

「えっと……、あ、はい……」

 

 

「…………春蘭、秋蘭、行くわよっ」

 

 

二人「はっ!」

 

 

 

 

「なんつうか……、強烈な印象の人たちだったな」

 

 

 特に真ん中の小柄な女の娘……、ちらっと目があったけど……、

すごい威圧感があったな。

 

 

「うん、すごいきれいな人たちだったねぇ。

 ……占い師の人がお兄ちゃんに言ってたのって、どういう意味だろ?」

 

 

「うーん……、あんまりいい意味には聞こえなかったけど……」

 

 

一刀&楓「うーん」

 

 

 

 

 

「そういえばさっ」

 

 

「…………?」

 

 

「楓の、真名じゃない方の名前って聞いてなかったよな?」

 

 

「わたしの名前?」

 

 

「うん。真名だけ預かって、そっちを知らないって変じゃない?」

 

 

「そうだねぇ、わたしの名前は……」

 

 

「杜預(ドヨ)って言うんだよ」

 

 
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