No.368451

恋姫無双 三羽烏√

banbanbigaroさん

PCゲームの真・恋姫†無双の二次小説です。

主人公は北郷一刀。

ヒロインは三羽烏+1名。

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2012-01-26 01:55:24 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3214   閲覧ユーザー数:2942

 

恋姫無双 三羽烏√ 『第一話 一刀、殴られる』

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……痛てて……

 

 

 全身を包む痛みに思わず眉をしかめる。

 突然目の前が真っ暗になって、それから……。

 

 

 …………あれ?

 何で俺、目の前が真っ暗になったんだっけ?

 

 

 ん……っ。頭が重い……、そして考えがまとまらない…………。

 

 

 徹夜明けのように頭にもやがかってるみたいだ。

 

 

 

 そして俺は目を開いた……。

 

 

「なんじゃこりゃーーーーーー!!」

 

 

 重たいまぶたを上げると、目の前には先の見えない平原が広がっていた。

 

 

 

 俺の叫びは突き抜けるような青い空に消えていった……。

 

 

 

「ど、どどどどこだよ、ここ……」

 

 

 およそ日本の風景とは思えない光景に頭の中は真っ白になってしまった。

 

 

「つーか、本当に日本じゃないんじゃないか……」

 

 

 少し冷静になって考えてみたが、

ここがどこで、俺が何をしていたのか全くわからない。

 

 

「……あれは…………、街……?」

 

 

 落ち着いて周りを見渡すと、遥かかなたに建物のようなものが見える……。

 

 

「ひとまず……、あそこまで歩いてみるか…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのころ、一刀が目指す街のはずれに、三頭の馬から降りる人影があった。

 

 

「やっと着いたー。もう疲れたの」

 

 

 

「せやなー。ウチらの村からやとさすがに遠かったわー」

 

 

 

「でもでもー、やっと阿蘇阿蘇の新刊が買えるのー」

 

 

「ウチも新しいからくりの材料を買ったるんや!」

 

 

「二人ともっ!我々は遊びに来たわけじゃないんだ! 村の皆が

 編んでくれた竹カゴを売らなければならないんだぞっ!」

 

 

「ほんま凪は真面目やなー」

 

 

「そうなの。私たちも別に遊びに来たと思ってないのー」

 

 

「まったく、それならもうちょっと真剣さというか……

 緊張感をもってほしいものだな」

 

 

「まぁまぁ、せっかく大きな街にきたんやから、

 少しくらい羽を伸ばしたかて、バチはあたらんやろ」

 

 

「ほんとに凪ちゃんは真面目っこなのー。

 この街は私たちの村でも評判になるほど、最近大きくなってる街なのっ」

 

 

「せやせやっ。ウチらみたいなうら若い乙女が、日がな一日竹カゴ売りに

 時間を費やしてとないせーちゅうねん」

 

 

「べ、別に私も、羽を伸ばすなとは言わないが……っ

 ちゃんとカゴを売ってからの話だぞ……」

 

 

「もちろんなのー。村の皆の思いが詰まった竹カゴなのっ。」

 

 

「しかしなー、これだけ大きな街やと、皆でまとまって売ったって

 効率悪いでっ。三人で分かれて売ろかー」

 

 

「なるほど……。一理あるな」

 

 

「それじゃあー。私は街の左側でカゴを売るのー」

 

 

「よっしゃっ。ウチは街の真ん中の通りやっ!

 せやっ!一番売れへんやったヤツは晩飯、オゴリな」

 

 

「こら真桜。だから遊びではないと……」

 

 

「分かったの」

 

 

「よっし。二対一で可決ってことで!凪もそれで

 ええやろ」

 

 

「はぁ……やれやれ。仕方ないな」

 

 

「ねえねぇ、わたしはどうすればいいの?」

 

 

「楓ちゃんは、ちょっと街をみてきたらいいと思うの」

 

 

「おいおい、楓を一人にするのは危なくないか?」

 

 

「ちょっとくらいなら大丈夫ちゃう?

 最近はなんや、立派な州牧さま着たとかで

 治安も良うなっとるみたいやし」

 

 

「し、しかしだな……」

 

 

 

「楓ちゃんなら私よりずっとしっかりしてるから、

 心配ないと思うの。……楓ちゃんはどうしないのかな?」

 

 

「大丈夫だよっ。人がいっぱいいる所を見て回るだけだからっ」

 

 

「……少しだけだぞ。もうすぐお昼だから、一度、

門の所に集まってお昼にしよう」

 

 

「うんっ!凪ちゃんありがとっ」

 

 

「決まりやな。決まったからにはしゃきしゃき売るでっ!

 ほな解散やっ!」

 

 

一同「おう!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……し、しかし……

 みれば見るほど日本には見えないぞ」

 

 

 実際に街に着てみたら、そこはまるでテレビの中の世界のようだった。

 

 

「……お、俺っ……、途上国にでも放り出されたのかな?」

 

 

 それにしても、途上国だからって、こんなに電気類がないものだろうか。

 

 

 人通りはあるから、辺境の地ってわけでもないと思うんだけど……。

 

 

「…………そもそも国が違うというか……、時代感が違うというか……」

 

 

 よくよく見てみると、町の人の服装とか、現代のものとは思えない。

 

 

「はぁ……、これからいったい俺はどうすればいいんだ……」

 

 

ガヤガヤ

 

 

「ん、なんか、様子がおかしいぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいっ。おじょうちゃんよぉ。

 威勢がいいのは結構だがなぁ。いい加減お兄さんも怒るよ?」

 

 

「だめだよっ。こーゆうときは、ちゃんと謝らないとだめなんだよっ!」

 

 

「お、お嬢ちゃん……っ、わたしの事は大丈夫だから……、ねっ」

  

 

「けっ、くそババァを突き飛ばしたくらいで……、

 うるせぇガキだぜ」

 

 

「んーーーっ! だめだもんっ! おばぁちゃんには優しくしなさいって、

 真桜ちゃんがいってたんだよっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんだなんだ。子供とおっさんの喧嘩かよっ。

 というか誰か止めろよっ」

 

 

 どうも女の子がお年寄りをかばってるようだ。

 

 

 それにしても、相手の男はマジギレしてるぞ。

 

 

「ちょ、ちょっと不味いんじゃないかっ……」

 

 

ガヤガヤ、ガヤガヤ

 

 

「いいかんげんに黙りやがれ!くガキ!!!」

 

 

 男が手を振りかざした!!!

 

 

 とてもじゃないが、冗談には見えないぞっ!

 

 

「!!!!き、きゃーーーーっ」

 

 

 そのとき反射的に体が動いた。

 

 

 俺は女の子を抱え込むように、男の拳に立ちはだかった。

 

 

「ぐっ…………」

 

 

 殴られたのは背中だったが、体に激痛が走った。

 

 

 マジかよっ!こいつ本気で女の子を殴るとこだったぞ……っ

 

 

「……………………えっ?」

 

 

 女の子は何が起きたのか分からず戸惑っている。

 

 

「ちっ! なんだこいつ。じゃましやがって!!!」

 

 

 男がもう一度手を振りかざそうとした。

 

 

 ま、まずいっ、もう一度殴られる!!!そう思ったとき…………

 

 

ドドドドドドドッ

 

 

「待て!!!!!貴様あぁぁぁぁ!!!」

 

 

「ん……、なんだコイツ……。がはっっっ」

 

 

 どこからともなく現れわれた色黒の女の子……。

 

 

 あっというまに屈強な男を殴り倒した……。

 

 

「助かったのか……?」

 

 

「貴様らっ!!!楓に手をだす輩は許さんっっ!!!」

 

 

「ちょっっっ、お、おれはちがっ……。ぎゃ~~~~!!!」

 

 

 男に殴られた衝撃とは比べ物にならない……

 

 

 むしろ衝撃すら感じる暇もなく、俺の意識は闇の中に葬られた…………。

 

 
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