愛紗「はあー」
桃香「愛紗ちゃん、元気出して」
愛紗「如何すればいいでしょうか?」
星「おや桃香様、愛紗?いかがなされた」
桃香「あっ!星ちゃん」
星「うん?」
桃香「実はね」
桃香は、愛紗が落ち込んでいる理由を話した
星「まだ謝ってなかったのか・・・」
愛紗「・・・」
桃香「愛紗ちゃん、頑張らないと」
愛紗「判ってはいるのですが、中々旨くいかなくて」
星「ふむ、仕方ない」
愛紗「何だ」
星「今から、北郷殿を呼んでくる、それで良いか?」
愛紗「な!?ちょ、ちょっと待て星!?いきなり何を言い出すんだ!?」
星「そうでもしないと、お主は行動出来ない無いだろう?」
愛紗「うっ・・・」
桃香「愛紗ちゃん、もう余り時間も無いんだから仕方ないよ」
愛紗「仕方ないか、星・・・頼む」
星「ふふ、この礼は酒で頼むな」
愛紗「くッ!」
星の笑みを見た愛紗は、嵌められたと思った
一方その頃、一刀は
春蘭「・・・」
一刀「・・・」
春蘭「・・・うう」
バシッ!!
春蘭「痛ったー!!」
一刀「たく、集中力が足りないぞ春蘭」
春蘭「一刀!?本当にこれは意味が有るんだろうな!!」
一刀「瞑想は、氣を使う上で基本中の基本だ」
一刀は今、春蘭の修行を見ていた
秋蘭「一刀、余り厳しくしてやるなよ」
一刀「これでも優しい方だぞ」
春蘭「そもそも、瞑想と氣と何の関係が有る!!」
一刀「瞬時に集中力を高めなければ、氣は使えないぞ、最終的には呼吸に等しい位の技術が必要なの」
春蘭「しかしだな」
一刀「まあこれが出来れば、次は身体を動かす事になるから」
春蘭「本当か?」
一刀「ホントだよ、だからそれまで頑張ろう」
なでなで
春蘭「うっ、またお前はそうやって頭を撫でよって////」
一刀「嫌?」
なでなで
春蘭「・・・嫌じゃない////」(ボソボソ)
秋蘭「あーもう、姉者は可愛いな////」
一刀「さてそれじゃあ「此処にいましたか」うん?あれ、星?」
中庭で修行していた一刀達の所に、星が来る
一刀「何か用?」
星「北郷殿、この後お暇ですか?」
一刀「この後?ああ、修行の後ね!急ぎの用事は無いから大丈夫だけど」
星「でしたら、ちょっと付き合ってもらえませんか?」
一刀「何?何か用事?」
星「まあ用事と言えば、用事ですな」
春蘭「何だ、ハッキリしろ」
星「おや春蘭?男と女の話に首を突っ込む物ではないぞ?」(ニヤニヤ)
春蘭「なッ!?お、男と女の話!?////」
秋蘭「姉者、からかわれてるぞ・・・」
春蘭「何!?そうなのか!?」
星「まあとにかく、北郷殿約束ですぞ」
一刀「判った」
春蘭「一刀!!」
一刀「春蘭達は、この後訓練だろう?」
春蘭「うっ・・・」
秋蘭「間違っても、星を口説くなよ?」
一刀「わ、判ってるって」
星「では北郷殿、後ほど」
一刀「ああ」
星が、中庭から去った後、一刀たちも解散した
一刀「あれ?星の奴居ないな」
愛紗「あ、あの」
一刀「うん?・・・関羽さん」
愛紗「せ、星が来れなくなってしまったので、私が変わりに来ました」
一刀「そうですか、で用件と言うのわ?」
愛紗「じ、実は、街の警備について教えて欲しいんです」
一刀「そうですか、それで街を見ながらと」
愛紗「は、はい!」
一刀「じゃあ、行きましょうか」
一刀の一歩後ろに下がって、付いていく
一刀「蜀では、各地区によって警邏を行っているんですか?」
愛紗「ええ、それでも少し怖がられるんですが」
一刀「成る程、それは積極的に声を掛けたり交流を持たないからですよ」
愛紗「交流ですか?」
一刀「民だからと言って区切ってはいけません、同じ人なんですから」
愛紗「同じ人・・・」
一刀「そう、同じ人です」
???「あっ!北郷さまだー!」
一刀「うん?おっ、元気かお前ら」
一刀が振り向くと、街の子供達が近付いてくる
子供A「北郷さまー!!遊んで!」
一刀「悪いな、また今度な」
子供B「えー!何で?」
一刀「仕事があるんだ、今度行く時には、肉まん買って来てやるから」
子供C「約束だよ北郷さま」
一刀「ああだから、今日は勘弁な」
子供達「「「はーい」」」
子供達は、一刀に手を振りながら、走っていった
愛紗「随分と懐かれているんですね」
一刀「あの子達は、つい最近まで、笑顔を失っていたんです」
愛紗「?」
一刀「あの子達は、孤児なんです」
愛紗「えっ・・・」
一刀「この街では、孤児院を立てて、居るんです」
愛紗「孤児院・・・?」
一刀「簡単に言えば保護者を失った子供を、預かって大人になるまで育てる場所です」
愛紗「何故その様な場所を?」
一刀「俺は、乱世が終った後に必要なのは、心の傷を少しでも多く直してあげる事だと考えたんです」
愛紗「・・・」
一刀「それで、華琳に相談して、立ててもらったんです」
愛紗「・・・大変だったでしょう」
一刀「まあ、そうですね、でも」
そう言い終わると、一刀は空を見上げた
一刀「どんな事が有っても、やっぱり笑顔が有った方が良いですよ」
愛紗「・・・北郷殿、孤児院の事、詳しく聞かせて頂けませんか?」
一刀「うん?」
愛紗「私も、笑顔を作ってあげたいです」
一刀「長いですよ」
愛紗「構いません、これを切っ掛けに笑顔が増えるなら」
一刀「判りました」
一刀は、愛紗と一緒にしばらく街を歩いた
夜・城壁
一刀「すっかり暗くなっちゃいましたね」
愛紗「そうですね」
一刀「関羽さん、蜀での孤児院の設立、期待してますね」
愛紗「はい・・・北郷殿、貴方に謝らねばいけない事が有ります」
一刀「えっ?」
愛紗「あの宴会での事です」
一刀「ああ、此方こそ理由も言わずにすいません」
愛紗「いえ、此方こそ申し訳有りませんでした」
一刀「一つ聞いて良いですか?」
愛紗「何でしょう?」
一刀「何故そこまで強くなろうとしたんです?蜀の軍神と言われている貴方が」
愛紗「・・・私は、軍神などでは、ありません」
一刀「?」
突然愛紗は、俯いてしまう
愛紗「私は、負けてばかりなんです・・・」
一刀「関羽さん・・・」
愛紗「連合では恋に負け・・・袁紹に攻め込まれた時は、逃げる事しか出来なくて・・・魏に攻め込んだ時も、張遼に勝てなくて・・・こんな私が、軍神なんて・・・」
ギュ!
愛紗「あっ!・・・北郷殿・・・」
一刀「すいません、失礼な事を聞いてしまって」
何時の間にか、一刀は愛紗を抱き締めていた
愛紗「私は、皆を守る力が欲しかった・・・」
一刀「判りますよその気持ちは・・・自分の無力差を知った人間は大抵そう思います」
愛紗「北郷殿・・・」
なでなで
愛紗「あっ////」
一刀「でもね、力だけで、人のすべては決まりません」
愛紗「北郷殿・・・」
一刀「力はただ力でしか有りません、使い所を間違えれば、破滅しか生まない」
愛紗「・・・」
一刀「そしてもう一つ、貴方が強くなれる場所は、俺の側じゃない」
愛紗「えっ・・・」
一刀「劉備さん達の居る場所です」
愛紗「そうかも知れません、でも貴方の戦い方も、素晴しいです」
一刀「だから弟子になりたかったんですね」
愛紗「はい・・・」
一刀「・・・」
一刀は、愛紗の目に溜まった涙を、そっと掬った
愛紗「あっ・・・私、何時の間にか泣いていたんですね」
一刀「良いんですよ、誰だって泣きたい時は、泣いて良いんです」
愛紗「そう言う訳には行きません、私は武人ですから」
一刀「武人も人です」
愛紗「ふふ、そうですね・・・御恥ずかしい所を見せてしまいましたね」
一刀「良いですよ、関羽さんは、強くなりたくて、背伸びしてただけなんですから」
愛紗「私は、子供じゃ・・・いえ子供ですね、情けないです」
一刀「いや、可愛いと思いますよ」
愛紗「えっ・・・」
愛紗に向かい合った一刀は
一刀「可愛いよ」(ニコ)
愛紗「か!?////」
一刀の、女殺しの笑顔を見た愛紗は、顔だけじゃなく体全体が、赤くなってしまう
愛紗「な!?何を言い出すのですか、北郷殿!?わ、私が!!か、可愛い等と!?////」
一刀「そんな否定しなくても良いですよ、関羽さんは、本当に可愛いですから」
愛紗「$%&¥@;*!?////」
一刀「関羽さん?」
愛紗「ほ、北郷殿!?す、すいませんが明日の事で急用を思い出したので、これで!?////」
ドヒューン!!
一刀「あっ!?関羽さん!・・・行っちゃったよ」
愛紗が帰ってしまったので、一刀も部屋に戻る事にした
タッタッタッタッタッ!!
ガチャ!バン!!
愛紗「はあ、はあ、はあ、はあ////」
桃香「愛紗ちゃん!?如何したの!?」
愛紗「と、桃香様!?お、起きていたんですか!?////」
桃香「顔赤いよ?何か有ったの」
愛紗「な、何でも無いんです!?////」
桃香「???・・・そうなら良いんだけど、所で北郷さんには謝れた?」
愛紗「えっ?北郷殿」
一刀(可愛いよ)
愛紗「!?////」
桃香「愛紗ちゃん!?如何したの確りして!!」
この日愛紗が、眠れなかったのは言うまでも無い
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今晩は皆さん、カイです。
修行編第三章です、今回のテーマは、ズバリ!フラグです!!