萩原雪歩・双海真美・四条貴音のトリオユニット《ワンダラーズ》の、
近日発売予定のニューシングル「Do-dai」は、ユニットの知名度と相まって、
世間の耳目を集めていた。
まず、今までセンターを務めていたリーダーの雪歩に変わって、真美がセンターとなること。
そして、ショップ店頭やネット向けに先行配信されているPVでは、
ユニットの3人が修学旅行に行くという設定で、
制服姿やパジャマ姿で踊っているのが話題を呼んでいた。
そして、新曲披露の記者会見を迎える。
「みんな、これが事前に送られてきた、インタビューでの質問事項だ。
一応俺の方でチェックしておいたが、何か答えにくい質問とかあるか?」
「プロデューサー、あの……」
「どうした、貴音、何か問題でも?」
「問題というほどのものではありせんが、この質問は……」
「どれどれ……『《ワンダラーズ》のメンバーの皆さんは、普段寝る時には何を着ていますか?』
……特段、何も問題ないと思うが……」
「私は、こういう質問はちょっと……」
「確かに、下世話ではあるが、プライベートを垣間見たいというのも、ファン心理としては解るし、
それだけ関心を持たれていると言うことだ。
もっとも、こういう質問は、いくらでも取り繕う事が出来るしな。例えば、『シャネルの5番』とかな」
「『しゃねるの5番』、ですね……」
「そういう香水があって、マリリン・モンローが、”wear”という単語に、
『着る』と『着ける』という意味があるのに引っ掛けて言った名言でな……」
「ありがとうございます、プロデューサー……!」
「イヤ、あくまでコレは一つの例でな、貴音、ちょっと待て-!」
”《ワンダラース》の四条貴音、寝るときは全裸?!”
記者会見が終って、こんな見出しがネットのニュースサイトやツイッターを駆け巡った。
この曲でセンターを取る真美をプッシュしたかったのに、貴音が前に出てしまい、
思惑が外れた点については苦笑いするしかなかったプロデューサーだが、
貴音のミステリアスなセクシーさが深まる事によって、
当初の予想よりも《ワンダラーズ》はより注目を集めたので結果オーライでもあり、痛し痒しである。
「ところで貴音、本当の所はどうなんだ?」
「それは乙女の秘密です」
「まさか本当にぜn……!」
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3時間ほどUpが遅れましたが、貴音のお誕生日記念に書いてみました。 個人的には、マリリン・モンローの主演作は「お熱いのがお好き」も捨てがたいが、 演技派女優の面も垣間見られる「バス停留所」が好きですね。