真・恋姫無双 三人の天の御使い 第四部 ぶるま幻想(ファンタジー)
一
よく晴れた朝の日差しの中、俺(緑)北郷一刀は赤と紫と一緒に鍛錬場に立っていた。そして今俺たちが身に纏っているのはいつものフランチェスカの制服ではなく、白を基調とした同じデザインで色違いのジャージである。中に着ているTシャツにはきちんと『北郷』と書かれた布が縫いつけてある。
「ついにこの日がやってきたな。」
「ああ、どれだけこの日を待ちわびたか・・・」
「俺たちの野望がまた一つ実現するんだ!」
俺たちは胸の内に去来する苦難の日々の記憶を噛みしめていた
「だけど紫は一昨日大喬と小喬のブルマ姿を見てるんだよな・・・羨ましいぜ。」
そう、ブルマ!!俺たちはみんながブルマを身につけるこの日のために晋建国以前から努力してきたのだ!!!
「まあ、そう言うなって赤。もう間もなく桃源郷が目の前に現れる・・・お、早速向こうから案内役の妖精さんがやって来たぞ!」
朱里と雛里は緑のブルマにTシャツ姿でもじもじしながらもとてとてとやって来る。当然胸には名前を書いた布が縫い付けてあった。
「「お、おはようございます・・・ご主人さま。」」
「おはよう!朱里。雛里。」
「準備おつかれさん。」
「よく似合っててかわいいぞ、二人とも。」
「はわわ・・・はずかしいです、ご主人さま・・・」
「あわわ・・・あまり見ないで下さいぃ・・・」
二人は顔を真っ赤にして手に持っていた紙で顔を隠してしまった。いつもの帽子を被っていないため咄嗟に紙で隠したのだろうけど・・・ブルマが大変よく見えてスバラシイポーズです。ごちそうさま。
「ご、ご主人さま、今日の予定をご報告しますけどいいですか?」
朱里が紙の向こうから目だけを出して上目遣いで言ってくる。
「あぁ、お願いするよ。」
「はい。えぇと・・・午前中は正午まで鍛錬を行い、休憩をかねた昼食。昼食はここに持ってきてもらうように手配しておきました。その後もう一刻鍛錬を行い今日の鍛錬は終了になります。その後でお風呂に入って汗と汚れを落とし、それから反省会と今後の予定を組もうと思います。」
「了解。色々と手配が大変だったと思うけど、ありがとうな。」
「い、いえ、手配はそれほど手間ではなかったです・・・・・・けど・・・」
「けど?」
「・・・・・・・なんだか自分で自分の処刑準備をしている気分でした・・・」
「・・・・・・あ~、大丈夫だって。初日からそんな跳ばすつもりはないから。」
「その・・・実は・・・この話を聞きつけた人たちが次々とこの『体操着』を受け取りに来まして・・・」
「へえ、みんなやる気有るなあ。」
俺たちは笑って聞いていたが朱里の次の一言で全てが変わった。
「今、都に残っているみなさん全員に『体操着』が渡っています・・・」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・ええと・・・」」」
俺たち三人は頭の中で現在の状況から起こりうる結果のシミュレーションを高回転で行い、『みんなのブルマ姿を見る』事と『安全』を天秤にかけていた。現状として全員にブルマとジャージが行渡ったのは大いに結構だ。しかし、これから行われる鍛錬に愛紗や霞、思春などの超武闘派が鍛錬を手伝うと言い出せば、俺たちをはじめ朱里たち軍師は昼飯前に死ぬ目に合うのは明らかだ。
「大丈夫、ひどいことにはならないさ。」
俺は赤と紫にアイコンタクトで確認を取る。二人とも俺と同じ結論に達していた・・・そう、身の危険よりもみんなのブルマ姿を見ることが大事だと!
「はぁ・・・やはりそう言うと思いました・・・」
朱里はお見通しでした・・・・。
「「一刀さまー!」」
この声は大喬と小喬!おぉ・・・二人はピンクのブルマを選んでくれたか・・・あぁ・・・まばたきすら惜しい・・・・・・くそぉ、さっきは赤にああ言ったがやっぱりうらやましいぜ、紫!履かせたブルマは何色だ!!
「「緑一刀さま、赤一刀さま、おはようございます!」」
「「おはよう、大喬、小喬。」」
「紫一刀さま、詠さまに蹴られたところ大丈夫ですか?」
「その後でグリグリもされていたから心配で・・・」
なんだ、結局紫も詠のキックで目を覚ましたのか。
「おはようございます、朱里ちゃん、雛里ちゃん。」
「朱里、雛里、おっはよ~!」
「「おはようございます、大喬ちゃん、小喬ちゃん。」」
なんというロリブルマ空間・・・四人だけでこの破壊力・・・ただ挨拶を交わしているだけだというのに萌え死んでしまいそう・・・。
「一刀!戻ってきなさいっ!!」
「「「うわあぁっ!華琳!!」」」
「おはよう、まったく・・・三人揃って顔ゆるませて・・・」
いつの間にか呆れた顔で溜息を吐く華琳がジャージ姿で俺たちの前に立っていた。ジャージのデザインは基本的には俺たちと同じだが、配色は紫の着ている物の白と紫を逆にした物だ。
「お、おはよう・・・へぇ、似合ってるなぁそのジャージ。カッコイイぞ。」
「もう、そういうところは卒がないというか・・・まぁいいわ、アリガト。で、まだこれだけなのね。」
「予定の集合時間にはまだあるからな・・・もしかして来るのが遅いって怒ってるのか?」
「まさか。昨日のうちに朱里から報告を受けているわ。おかしなことにならないように私自ら監視するために早く来たのよ・・・まぁ、二喬を眺めることもできるしね。」
春蘭たちが戻って来るまでは二人に掛かりっきりになる気だな・・・。
お、月と詠も来たな。
「ご主人さま、おはようございます。」
「おはよう、ちゃんと三人とも揃ってるわねって、こら!ボクたちをいやらしい目で見るな!」
おぉ・・・月と詠は紺のブルマ・・・普段はタイツに守られている生足が朝日を浴びて輝いている・・・ビバ!ブルマ!・・・ビバ!生足!
「あのぅ・・・ご主人さま?」
「「「はっ!あぁごめん。おはよう。」」」
「まったく・・・何考えてたか嫌でもわかる顔してたわ・・・」
「いやいや、二人ともよく似合ってる。かわいいよ。」
「へうぅ、ご主人さま・・・はずかしいですぅ・・・」
「はいはい、ありがと。あ、華琳おはよう、早くに来てくれて助かるわ。」
「おはよう、詠。気にしなくていいわよ。うん、凜と風も来たみたいね。」
華琳の視線の先には凜が風の手を引いて小走りにやってくるのが見えた。履いているブルマは濃い紫・・・二人を見ていると『運動が苦手な同級生を励ます委員長』という感じだな・・・俺の心のフォルダにはそう名づけて保存しておこう・・・。
「お、おはようございますっ華琳さまっ!お、遅くなりましたっ!!」
「落ち着きなさい、稟。時間はまだ余裕があるわよ。」
「いえ!家臣が主君よりも後に到着するなど有ってはなりません!!」
「今日は特別よ。暴走しそうな武将からあなたたちを守るためですもの、遅く来ては意味が無いでしょう。」
「か、華琳さま・・・なんとお優しいお言葉を・・・」
「だから言ったじゃないですか~、そんなに急がなくても大丈夫だって~。」
「黙りなさい風!これは心構えの問題です!」
「もう、凜ったら・・・それじゃあその心構えとしてあなたは私にそのぶるま姿を堪能させてちょうだい・・・いいわね。」
「か、華琳さま・・・」
「あ、これ以上は興奮しすぎて鼻血が出るわね。あなたは皆が揃うまで向こうの木陰で待っていなさい。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
あ~あ、稟可愛そうに・・・涙目で木陰に歩いてくよ・・・なんか『ドナドナ』が聞こえて来そうな後姿だな。
「ところで風。」
「はいは~い、なんですかお兄さん。」
「その髪だと動きづらいんじゃないか?」
「いやぁ、じつはその事でココに来るのが遅くなったのですよぉ。」
「髪が足に絡まって転んだとか?」
「いえいえ~、この体操服を着た後、稟ちゃんが一度髪をまとめてくれたのですよ。ですけど髪の重さに振り回されて歩くこともままならず・・・」
「・・・・・・まあ、それだけ髪が長いとねぇ。」
「ぐ~・・・・。」
「寝るな!」
「おぉ!ココまで来るのに疲れて思わず寝てしまいましたよ~。」
「鍛錬始める前から疲れてるのかよ・・・」
「まあまあそんなことよりねねねちゃんたちも来たみたいですよ~。」
風がペロペロキャンディーで指した方からねねと恋、張々にセキトも一緒にやってきた・・・というかねねは張々の背に乗っていた。
「あれじゃあ運動不足になるよなぁ・・・それよりも・・・」
ねねと恋は紺のブルマを履いていた。ねねに関しては帽子と上着が無いくらいで、あまり変わりは無いのだが・・・恋・・・いつもは見えている横乳やおへそが隠れているのに・・・・・・なんだこのエロ可愛さわっ!丸く柔らかいおしりを包み込むブルマと、程よい大きさのオッパイの存在をアピールするシャツのふくらみ、清純とエロスのコラボレーションやぁ!
「・・・・・・・・ご主人さまたち立ったまま寝てる?」
「どうせまた碌でもない妄想に浸っているのです。」
はっ!俺のブルマセンサーに感あり!!次なる標的が近づいている!これはっ!!
「か~ずとっ!おっはよ~!どう?似合う?」
「「「おはよう、シャオ!とっても可愛いぞ!!」」」
「わ~い!三人の一刀に同時に言われちゃった♪」
シャオが照れてもじもじしているだとっ!これはブルマ効果か!?普段積極的なシャオのこんな姿が見られるとはっ!しかし、俺のレーダーに反応したのはシャオだけじゃない!もう一人は・・・。
「お、おはよう・・・一刀・・・」
その声は蓮ふぁ「「「ぐわああぁああぁあああああぁぁぁあああぁぁっ!!」」」
「ど、どうしたのっ!?一刀!!」
れ、蓮華・・・なんという破壊力!さすが『三国一の美尻』の異名は伊達じゃねぇ!その美尻に赤いブルマは反則・・・いや、神と呼ぶべきか?ブルマ神さまがここに降臨なされたぁ・・・。
「「「ありがたや、ありがたや・・・。」」」
「か、一刀っ!なんでおしりを拝むのよ!?ちょっと華琳なんとかしてぇ!」
「ほっときなさい・・・すぐに他に行くから。」
「う・・・それはそれで・・・あ、華琳、鍛錬の参加者に穏も加えたいのだけどいいかしら?」
「それは構わないけど・・・平和ボケで怠け癖がついたという処かしら?」
「ええ、正にその通りよ・・・昨日はあんなに褒めてもらったのに面目ないわ。」
「まあそれが確認できて、こうして正す機会があるのだから幸運だったのではなくて?」
「ありがとう、華琳。そう言ってもらえると救われるわ・・・それじゃあ生徒側はあと穏と・・・桃香だけね。」
穏と・・・桃香だと・・・あの二人のブルマ姿・・・。
「ご主人さま~おはよう~!」
「一刀さ~ん、おはようございます~。」
うおおおおおおおおおおっ!け、けしからんっ!!なんとけしからんオッパイだっ!Tシャツの丈が足りなくなっておへそが出ているではないかっ!名札もオッパイの上に乗っかってっ!これではブルマ様より主役の座を奪ってしまうっ!!だがこれもよしっ!!
「あのぅ・・・ご主人さま?」
「三人揃って完全に旅立ってますね~。」
(やっぱり胸、胸なのね・・・)
(はわわ、こんなことなら裾丈の長いものを用意いておけばよかったですぅ。)
(あわわ、あれだと胸が余計に強調されて・・・)
(やっぱり桃香さまと穏さまのオッパイって大きいよねぇ、お姉ちゃん)
(う、うん・・・特に桃香さま・・・普段の服より大きく見える・・・)
「とりあえず生徒側は全員集まったわね。教師役が揃うまで柔軟運動をしてちょうだい、二人一組になるように。」
「ねぇねぇ、一刀。シャオと組もう!」
「あーっ!小蓮さまは生徒側じゃ無いじゃないですか!」
う、早速こうなったか。蓮華ここは頼む。
「小蓮!あなたはこっちに来なさい。」
「えぇ~!?」
「鍛錬の邪魔をするようならあなた一人勉強にするわよ!」
「うぅ・・・そんなぁ~・・・」
渋々だけどシャオが蓮華の方へ離れていく。だけど俺たちの前にはいかにも俺たちの誰かと組みたそうにしている子たちがまだ数人、大喬、小喬、桃香、朱里、雛里、月・・・さて、どうしよう?
「えぇと・・・・・・・・くじ引きにしようか?」
という訳で俺は雛里と、赤が小喬、紫が月と組む事になった。ちなみにペアの組み合わせは朱里と大喬、桃香と穏、詠とねね、稟と風である。
「それじゃ始めようか雛里。」
「は、はい!ご主人さま!」
真っ赤になってかわいいなぁ。とりあえず俺たちは向かい合って立ち、華琳の指示に従って関節をほぐしていく。俺の視線は当然目の前の雛里に向くわけだが、どうしてもブルマを凝視してしまう。
「あ、あの・・・・ご主人さまぁ・・・そんなに見つめられると恥ずかしいです・・・」
くおおおおぉおぉおおぉぉぉおおお!俺たち三人の中で俺が一番雛里と一緒に居たから余計に解るのだ!いつまでも失われないその恥じらい!それが雛里の素晴らしさなのだよ!今日は帽子がないからその表情が良く見えて萌え度200%アーーーップ!!!
「腕を後ろに振って上体を捻るっ!はいっ!」
ボキッ「「「ぐえっ」」」
「あわわ!ご主人さまぁ!」
「ご、ご主人さまっ大丈夫ですか!?」
「か、一刀さまっ!首が後ろ向いてますっ!!」
「・・・・・・まったく、顔の向きを変えずに上体を捻るなんて・・・ぶるまにばかり気を捕られているからそうなるのよ。」
「あのぉ・・・お首痛くないですか?」
「あぁ、もう大丈夫。心配かけてごめんな、雛里。」
「い、いえ・・・」
さあ、いよいよ二人で組んでの柔軟だ。まずは俺が座った雛里の背中を押してあげるんだけど・・・。
「つらかったらすぐに言うんだぞ。」
「はい、ご主人さま。」
う~ん、ちっちゃい背中だなぁ。こんな小さな背中で軍事や政務を背負ってくれているなんて・・・ありがとうな、雛里・・・。
「ご、ごしゅじんさまぁ・・・そんな、せなかなでられたらぁ・・・」
「ご、ごめん、かわいい背中だなぁと思ってたら無意識で・・・今度は真面目にやるから。」
「い、いえべつにそのままでも・・・いえっお願いしましゅっ!」
よ~し、今度はちゃんと背中を押してあげて・・・。
「イターーーーッ!無理無理!もうムリーーーッ!!」
「うわっ!ごめん!!」
「え?今のはあたしじゃないです・・・桃香さまが・・・」
「へ?」
顔を上げて桃香の方を見てみると大変な事に!
「オッパイがじゃまでこれ以上は無理ですぅ!」
「ご、ごめんなさい~!あたしもオッパイが邪魔で押しづらいのでなんとかしようとしてたら足が滑っちゃって~。」
桃香のオッパイは身体と足にはさまれ、穏のオッパイは桃香の背中と穏の身体にはさまれ双方共に横からハミ乳して、それはもう大変な事ですよっ!!
(邪魔なら切り取ってしまえばいいのに・・・)
「え?雛里なんか言った?よく聞こえなかったんだけど?」
「い、いえ、何も言ってないですぅ。」
「おっはよー!みんな始めてるわね。ねえ華琳、どんな感じ?」
雪蓮を筆頭に呉のみんなが到着したな・・・・・・残念、みんなジャージを着てる。元気印の明命には是非ともブルマ姿になってもらいたいものだが・・・。
「予想以上に苦戦しているわ・・・準備運動の段階で救護班の必要を感じるとは思いもしなかった・・・」
「はぁ?一体何が起こってたのよ・・・」
いや、よく見てみれば巨乳組の皆さんは上着のファスナーを締め切れておらず今にもオッパイが溢れそう、というか祭さん完全に溢れてるしっ!これはこれでまた絶景でございますよ。
「それじゃあ雪蓮、私はこちらの面倒を蓮華様と祭殿と見ているからそちらを頼む。せっかくの機会だ、思う存分鍛えてやれ。」
「んふふ~、任せなさい!さあ小蓮、思春、明命、亞莎!今日は本気でやってあげるわよ!!」
そう言って雪蓮は南海覇王を手に鍛練場の中央に四人を連れていく。
「成程、やってくる武将たちはいつもの鍛錬をやらせて、こっちに口を出させないようにするわけか。でも何で真ん中でやるんだ?」
「直ぐに判るさ、多分北郷にとっても悪いことではないと思うぞ。」
なんだ冥琳?その含み笑いは・・・。
「準備運動は終わっているな。それでは全員この鍛錬場を二周走ってきてもらう。自分に無理のない速さでかまわないぞ。但し走る順番はこちらから指示するので名前を呼ばれたら出発すること。」
う~ん、どういう意図があるんだ?
「ではまず穏と桃香。」
「はいは~い。」
「は~い、じゃあ、先に行ってくるねご主人さま。」
「ああ、頑張れよ桃香。」
「次、緑北郷。」
「え?すぐに俺なの?」
「ああそうだ。走り出せばさっきの質問の答えがわかるぞ。」
そう言われて走り出した俺の前方では・・・緑ブルマと赤ブルマが魅惑のリズムを刻んでいる!更に後ろ姿からでも分かるほどオッパイ様が揺れていらっしゃる!観たいっ!是非とも前に回ってその姿を堪能したいっ!しかしあからさまに前に回るのも如何なものか!?
俺がこの難問に頭を悩ませているとき視界の左隅に新たなブルマが!これは雪蓮たちか!?五人全員がブルマ姿になって鍛錬しているではないですかっ!!激しく鍛錬を行う五つのブルマと激しく揺れる一対のオッパイ!ヤバイ、あそこに近づけば確実に命が無くなるというのに、足が勝手にそちらに行こうとしてしまう!俺は身体を右に捻って足を無理やり進行方向に向けてやる。ふぅ、これでなんとか命の危機は凌いだぞ・・・あれ?今度は右の視界にブルマが、って後ろから走ってくる四つのブルマは月、詠、風、稟のブルマだ!
「どうなさいました、ご主人さま?」
「バカ!こっち見るな!前むいて走れ!」
「なんですか、一刀殿?」
「ぐ~・・・」
「え~と・・・頑張れよみんな!」
「はい、ありがとうございます。」
ふ~、なんとかナチュラルに誤魔化せたな。月の笑顔も見れたし。
(なんなの、あの不気味で不自然な行動は?)
(先程からの挙動不審は前のお二人と呉の方々に気を取られての行動だと思われますが・・・動きが奇妙すぎて何を考えているのか分かりませんね・・・)
(それに前のもそうだけど後ろ走ってるのも何かまるっきり同じ行動を取ってるんだけど・・・)
(体は三つ有っても所詮は同じ人間ということなのでしょう・・・)
「ぐ~・・・」
「風、そろそろ目を開けないと詰まづいて転びますよ。」
「大丈夫だぜ、今は俺が風の身体を操縦してるからな。」
「・・・・・・・・・ねえ、稟・・・」
「・・・・・・・・・・私も長いこと風と一緒にいて、時々本当に宝慧が生きているのではと思うときが有りましたが・・・」
さっきのカーブで確認したが、どうやらこのランニングは女の子の間に俺たち三人を別々に配置することでそれぞれに『目の前に人参をぶら下げられた馬』状態を作るのが目的だったようだ。俺たちにはもちろん効果覿面で実際ありがたい。ちなみに走っている順番は俺の後ろの四人の次に赤がいて、その後ろに朱里、雛里、大喬、小喬のグループ、そして紫が来て、最後に恋、ねね、華琳、ついでにセキトも一緒に走っていた。ねねとか詠は少々走るのを渋りそうだがそこは恋と月が牽引してくれるだろう。風と凛は華琳の言いつけだからなんだかんだ言ってもちゃんとやるだろうしな。
それから武将の鍛錬を中心に周りを回ることで武将達の動向を監視しながらこっちも行動出来る。これも俺たちにはご褒美に成ってるし・・・考えてるなぁ冥琳。
「ごしゅじんさまがんばってー!」
お、この声は璃々ちゃんだな。
「おー!璃々ちゃん・・・ぶはっ!!」
紫苑!璃々ちゃんと一緒にいるのは当然だが・・・母娘揃ってブルマ姿って、しかも紫苑!それはすでにTシャツではありりませせんっ!オッパイが、下乳が完全にこぼれておいでででですっ!
「ご主人さま、おはようございます。」
紫苑と璃々ちゃんが俺に併走していた。あれ?いつの間に?
「少しご一緒してもよろしいでしょうか?」
紫苑が何か言っているが俺の意識は激しく弾むオッパイに集中。
「ありがとうございます。璃々、疲れたら直ぐに言うのよ。」
「は~い!」
「・・・・・・・・・・・へ?」
「ちょっとあんた何うなずいてんのよっ!」
今のは詠の声か?頷いた?俺が?・・・・・あ、オッパイの動きに合わせて首が動いてたのか。
「コラ紫苑!お前がお館様のお側に行っては小娘どもに示しがつかんではないかっ!」
「あら、桔梗に怒られてしまいましたね。」
そんな、まるでいたずらの成功した子供のような笑顔を向けられたら何も言えないじゃないか。弾むオッパイは名残惜しいが、照れ隠しの意味もあって桔梗の方を見ると蜀の武将たちとそれに混じって華雄の姿が目に入った。
「それではご主人さま、わたくしはあちらに参りますので璃々をお願いいたします。」
「あぁ、まかせて。璃々ちゃん、この速さでも大丈夫?」
「うん、ごしゅじんさま!璃々ってけっこうあしがはやいのよ!」
「疲れたらおんぶしてあげるからいつでも言うんだよ。」
「は~い!」
離れていく紫苑のブルマを目で追って、その先にいるみんなの姿もチェックしなくては。鈴々と蒲公英のみがブルマ姿か・・・桔梗はやっぱり祭さんと同じ状態になったか。あれ愛紗?上着のファスナー無理やり閉じてオッパイが窮屈そうだが、これもまたよしっ!翠は上着の前を開けてるけど・・・ん?蒲公英がこっそり忍び寄って・・・まさかっ!?
「それーーーーーーーっ!」
「え?・・・・・・・・・・・・・うわあああああああああああっぁぁああぁぁっ!なにすんだっ蒲公英っ!!」
ジャージ下ろしっ!まさかこの地でこの技を見ることが出来ようとはっ!!蒲公英は俺たち三人にそれぞれVサインを送って満足顔だ。グッジョブ蒲公英!俺は親指を立てて蒲公英を讃える。
「このエロ大魔王!まじめに走れっ!たんぽぽも早くソレ返せっ!!」
「え~?どうせ鍛錬始めたら脱ぐんだからいいじゃ~ん。」
「ほっほ~・・・なら構えろ、蒲公英・・・」
「え?ちょっとお姉さま?そんな目で口だけ笑ってるとすごく怖いんですけど・・・」
「問答無用―――――――――――――――――――――――っ!!」
「ヒーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「おー!翠とたんぽぽが早速はじめたのだ!誰か鈴々の相手をするのだっ!!」
「ふむ、華雄よ、お主鈴々とやってみてはどうだ?過去のわだかまりに何がしかの決着が着けられるのではないか?」
「趙雲、おまえ・・・・・・感謝する・・・張飛!この華雄が相手になろう!前の時は童と侮ったことを詫びておこう。我が全力を以ってお相手いたすっ!」
「応!かかってこいなのだっ!」
翠と蒲公英に続いて鈴々と華雄も始めたな。う~ん華雄のやつジャージの下は履いたままか・・・普段長いスカート履いてるから是非ともブルマ姿を見てみたかったんだが。そういえば焔耶にもブルマを履いてもらいたいなぁ、今は成都に行ってるから帰って来たら頼んでみるか。お、魏のみんなも来たな。おぉ!なんとみんな最初からブルマ姿ではないですか!このようなパライソが実現できようとは・・・・・・生きててよかった。
「あの姐さん?・・・ウチら見学に来ただけで・・・」
「さ、沙和も隊長にこの服着たところを見せに来ただけなのぉ!」
「そうはいかんで二人とも。実は華琳から言い付かってん、もし自分らが来たらきっちり鍛錬させるようにってな。もし逃げ出した場合は・・・まあ、言わんでもわかるやろ。」
「沙和、真桜、諦めろ。あちらで華琳さまが見ていらっしゃるんだ、逃げ道はないぞ。」
「「そんな殺生な」なの~。」
「沙和!真桜!どっちが先に相手になるんやっ!?」
ん~?なんだ?沙和と真桜が霞に捕まってるな。星と愛紗が加わって・・・あらら、沙和のやつ愛紗の相手させられてるよ、可愛そうに・・・。星のヤツ今度は凪と季衣と流琉を連れて雪蓮のほうに向かって行くな。せっかく一緒に鍛錬してるからってことか・・・・・・あれ?星ひとりだけあぶれてるじゃないか!あ、星がこっち見た。あぁ!あの顔!ブルマ鑑賞の特等席を独り占めってか!?くそう、俺も行きたい・・・が、俺が行くと刃が飛び交うあの場所では俺の命が・・・。
「主さま~!妾も来たのじゃ!」
「あ~、美羽おねえちゃんだ!」
「おはよう美羽、七乃。」
「おはようございます、一刀さん。少しの間ですけどご一緒に走りますね。」
美羽と七乃は黄色のブルマか、いかにも袁家の色だな。あれ?
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ・・・な、ななのぜぇ、わらわはぜぇ、もうぜぇ・・・」
「え?美羽?」
「それじゃあ一刀さん、また後ほど~。」
美羽と七乃がみるみる遠ざかっていく・・・5秒も一緒に走ってないんじゃないか?
「美羽おねえちゃんどうしたのかしら?」
「ど、どうしたんだろうねぇ・・・」
ここに来るまでに何かあったのか?
なんとか無事に二週を終えて蓮華と冥琳、祭さんのいるゴールに近づくと・・・・嫌なものが待っていた。
「貂蝉、卑弥呼、お前たちまで来たのか・・・その格好・・・」
なんと二人はジャージを着ていた。
「あら~ん、気付かれちゃったわん。ご主人さまとのペアルック♪」
「うむ、ご主人様と同じ出で立ちをしておると思うとドキドキするわい。」
確かに二人は俺たちと同じ白いジャージを着ている。
「私が薦めておいたのだ。どうせなら北郷と同じ物を身に着けてはどうかとな。」
「冥琳・・・あんたへの感謝は言葉じゃ表し尽くせねぇぜ・・・」
俺は涙を流しながら冥淋と握手を交わした。こいつらのブルマ姿なんぞ見せられたら幻想(ファンタジー)がいきなり悪夢(ナイトメア)に変わっちまうわ。
そんなことをしているうちにランニング組が続々ゴールしてくる。
「お疲れ、緑一刀。さすがにお前はこの程度なら問題ないな。」
「華佗!?あ、もしかして華琳の言ってた救護班って・・・」
「あぁ、そうだ。普段鍛えている武将たちならともかく、軍師たちを鍛えるって聞いたからな。それ自体はいいことだが無理をすれば命に関わる。」
華佗がみんなの様子を診て、その結果を元に今後の指導計画を練るそうだ。最終目標は『イザというとき自分の身を守れる位には強くなること』なので果たしてどんな結果になるやら。
「桃香、穏、どんな感じ?」
「あはは、やっぱり運動不足だね~、たったあれだけ走っただけで息が上がっちゃったよぅ。」
「あたしもです~。はぁ、前はもうちょっとましだったんですけどねぇ・・・」
まああれだけオッパイが暴れてたら余計に体力使いそうだしなぁ。
「成程、劉備と陸遜はこんな感じか・・・」
華佗がメモを取っていく。
「月、詠、お疲れさん。」
「ご主人様もお疲れ様です。なんだか子供の頃に詠ちゃんと野山を走ってたのを思い出しちゃいました。」
「月ったら・・・まあ実はボクもなんだけどね・・・でも、結構余裕だったなぁ。毎朝誰かさんを蹴らされてるから、脚力がついてるのかもね。」
「月と詠は・・・ふむ・・・」
「稟、風もおつかれ・・・」
声を掛けようかと思ったら風が芝生に寝転がっていた。
「ぐ~・・・」
「どうやら本当に眠ってしまったみたいです・・・」
呆れつつも微笑んでいる凜。
「はは・・・稟はどう?走った後の感じは。」
「この程度の速度と距離なら問題ないですね。」
「郭嘉と程昱は・・・こんな感じか・・・」
次のグループの方に目をやると赤が小喬に抱き付かれ、朱里と雛里がへたり込んでいるのを大喬が介抱していた。
「みんなお疲れさん。赤、どうだった?」
「それが不思議な事に走る前より身体が軽いんだよな。緑はどうだ?」
言われて自分の調子を振り返ってみると確かに・・・。
「・・・本当だ・・・???」
「お疲れ緑、赤。どうした?そんな顔して。」
「なあ紫、お前は身体の調子どうだ?」
「俺らは何故か走る前より調子が良くなってるんだ。」
「なんだ、お前らもか!?俺もそれが気になって聞きに来たんだ。」
なんとも不思議な事も在るもんだ。三人揃って腕を組んで頷き合う。
「主よ。それは本気で言っておられるのか?」
「「「うわっ!星!」」」
突然現れた星に驚き飛び退ってその姿を見ると・・・・・いつの間にかブルマ姿にっ!
「それですぞ、主。」
「「「え?」」」
「その顔。正に至福の表情と言いますか・・・まあ、私のこの姿をみてそうなって下さるのは喜ばしいかぎりではありますが・・・走っている時から見ておりましたが、お三方ともその顔をしているときの方が多かったですな。しかも、やたらと無駄な動きをして・・・察するに主はぶるまを見ることで生気を生み出しているか、相手から生気を吸い出しているとしか思えませんな。」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」」」
周りのみんなが困ったような顔をして目線を逸らしてる・・・・・つまり・・・。
「あ~北郷・・・みな気付いていたのだが口に出すのがはばかられてな・・・」
冥琳に止めの一言をいただきました・・・・・・・・・あ~、向こうで璃々ちゃんとセキトが追っかけっこしてるなぁ・・・・・・・・・・。
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ブルマ~ファンタジ~そうさ夢だ~けは~誰も奪えない心の翼だ~か~ら~
という訳で、第四部 『ぶるま幻想(ファンタジー)』其の一をお送りします。
のっけからバカな出だしでスミマセン。
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