No.361231

おとなのうた

恥ずかしい自分を忘れないためのポエム

2012-01-09 23:11:12 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:559   閲覧ユーザー数:556

 

 

 

 

 

 

ぼくが子どもだったころ

できないことは何もなかった

鳥や兎や虫や蛙

ぬいぐるみとでも話ができた

欲しいものは全部持ってて

大空だって自由に飛べた

空は低くて狭くて綺麗で

星にだって手が届いた

 

ぼくが子どもだったころ

怖いものは何もなかった

おばけも自然も大人も未来も

何もかもが友達だった

思う存分毎日生きてて

眠ることがもったいなかった

夜は暗くて夢見て短くて

気付けばいつでも朝だった

 

いつからだろう

空があんなに遠くなったのは

いつからだろう

夜がこんなに長くなったのは

 

もう夢なんて見れやしない

もう怖がらずに遊べやしない

もう空なんて飛べるわけがない

もう声なんて聞こえやしない

 

「いつまで子どものままでいるの」

って トモダチはみんな笑って言うけど

「大人になんてなりたくない」

って 僕は大声で叫びたいけど

苦笑いして「そうだよね」って

言える大人になりました

言える大人になれました

 

みんなの声は もう聞こえない

 

 

 

僕が大人になってから

できることはそれなりにあった

炊事洗濯掃除に仕事

恋愛だって人並みにした

それなりに毎日楽しんでいて

だんだんと『ぼく』を忘れていった

明日はいつも今日の連続で

そんなことすら気付けなかった

 

いつからだろう

ひとりがこんなに楽になったのは

いつからだろう

ぼくがこんな大人になったのは

 

もっと夢を見ていたかった

もっとたくさん遊びたかった

もっと自由に飛び続けたかった

もっとたくさん話したかった

 

「いつから大人になっちゃったの」

って ぼくは困った顔して言うけど

「大人になんてなりたくなかった」

僕は大声で叫びたいけど

泣きそうな顔で「ごめんね」って

言える大人になってしまった

言える大人になりたくなかった

 

あの日の声は もう聞こえない

 

 

 

ぼくは笑ってくれるかな

ぼくは怒ってくれるかな

ぼくは泣いてくれるかな

ぼくはゆるしてくれるかな

ぼくは ぼくは ぼくは ぼくは

 

 

 

「いつまで子どものままでいるの」

って トモダチはみんな笑って言うけど

「大人になんてなりたくない」

って 僕は大声で叫びたいけど

苦笑いして「そうだよね」って

言える大人になりました

言える大人になれました

 

みんなの声は もう聞こえない

 

あの日の声は もう聞こえない

 

 

 


 
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