ぼくが子どもだったころ
できないことは何もなかった
鳥や兎や虫や蛙
ぬいぐるみとでも話ができた
欲しいものは全部持ってて
大空だって自由に飛べた
空は低くて狭くて綺麗で
星にだって手が届いた
ぼくが子どもだったころ
怖いものは何もなかった
おばけも自然も大人も未来も
何もかもが友達だった
思う存分毎日生きてて
眠ることがもったいなかった
夜は暗くて夢見て短くて
気付けばいつでも朝だった
いつからだろう
空があんなに遠くなったのは
いつからだろう
夜がこんなに長くなったのは
もう夢なんて見れやしない
もう怖がらずに遊べやしない
もう空なんて飛べるわけがない
もう声なんて聞こえやしない
「いつまで子どものままでいるの」
って トモダチはみんな笑って言うけど
「大人になんてなりたくない」
って 僕は大声で叫びたいけど
苦笑いして「そうだよね」って
言える大人になりました
言える大人になれました
みんなの声は もう聞こえない
僕が大人になってから
できることはそれなりにあった
炊事洗濯掃除に仕事
恋愛だって人並みにした
それなりに毎日楽しんでいて
だんだんと『ぼく』を忘れていった
明日はいつも今日の連続で
そんなことすら気付けなかった
いつからだろう
ひとりがこんなに楽になったのは
いつからだろう
ぼくがこんな大人になったのは
もっと夢を見ていたかった
もっとたくさん遊びたかった
もっと自由に飛び続けたかった
もっとたくさん話したかった
「いつから大人になっちゃったの」
って ぼくは困った顔して言うけど
「大人になんてなりたくなかった」
僕は大声で叫びたいけど
泣きそうな顔で「ごめんね」って
言える大人になってしまった
言える大人になりたくなかった
あの日の声は もう聞こえない
ぼくは笑ってくれるかな
ぼくは怒ってくれるかな
ぼくは泣いてくれるかな
ぼくはゆるしてくれるかな
ぼくは ぼくは ぼくは ぼくは
「いつまで子どものままでいるの」
って トモダチはみんな笑って言うけど
「大人になんてなりたくない」
って 僕は大声で叫びたいけど
苦笑いして「そうだよね」って
言える大人になりました
言える大人になれました
みんなの声は もう聞こえない
あの日の声は もう聞こえない
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恥ずかしい自分を忘れないためのポエム