No.360268

グリカジSS

園寺 司さん

グリザイアの果実SSです。

2012-01-08 05:34:34 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1215   閲覧ユーザー数:1205

 

 

 

 

 

 

蒔菜「ねぇねぇパパ。聞きたいことがあるのよさっ!」

蒔菜は大きく手を両手を挙げながら言った。

雄二「うむ、どんな事だ蒔菜よ」

蒔菜「くりーむぱいってなんなのさ?」

 

雄二「当然、菓子のことだろう?」

 

   クリームパイ、とは一般的にシュー生地の中に、

   生クリームやカスタードクリーム等を含むスイーツの事だ。

   

 

   だが、それは勿論承知の上だ。

   俺は甘い物など好かないが蒔菜は絶えず口にしている。

   ならばなぜ……

 

雄二「しかし蒔菜よ、なぜそんなことを聞く?」

蒔菜「携帯にこんなメールが来たのよさ」

 

ぱかり、と携帯を開くとそこには良くあるスパムメールがあった。

いわゆる出会い系のメールで、そこにはcreampieと書かれていた。

 

雄二「……なるほど」

 

雄二 蒔菜が言っていたのはお菓子の方ではなく、

   スラングの事を言っていたらしい。

 

雄二「ふむ、女ならば知っておくべきかもしれん……」

蒔菜「で、結局なんなのさ?」

雄二「クリームパイとはな、海外の隠語でいう膣内射精の事だ」

蒔菜「そなの!?」

蒔菜「じゃあ蒔菜にちょっきしなの!」

雄二「ふむ、確かに女であるからな……」

蒔菜「蒔菜……まきな……マキナ……ヴァギナ!」

雄二「確かに母音の発音は一緒だが――」

 

パーン!!

雄二は頭を叩かれた。

叩かれた方を見遣るとそこには天音が立っていた。

 

天音「ユージったら何さらっと教えてんのよ!」

雄二「いやしかし性教育は必要だろう……」

天音「それとこれとは違うってばっ!」

蒔菜「じゃあ何で天姉ぇは知ってるのよさ!」

天音「そ、それは……っ」

雄二 天音の顔がにわかに引き攣っている。

雄二「確かに、最もではあるな」

天音「ユージぃ……っ!」

雄二「ふむ?」

蒔菜「わかったぁ! 天姉ぇってば経験あるのよさ!

   絶対そうに決まってるのよさ!」

雄二「そうなのか?」

天音「な、ないから! 全然ないからっ!」

蒔菜「なんでそんなに焦ってるのさ?」

雄二 天音ほどになれば性行為は勿論のこと膣内射精どころか、

   もっとアブノーマルなプレイを経験していそうではあるが。

天音「ユージ、ないからね! 絶対、ないんだからねっ!」

雄二「なぜ俺に弁解する?」

蒔菜「ね、教えて教えて天姉ぇ!

   どんな感じなの? どんな感じなの?」

天音「もう、無いって言ってるでしょ蒔菜!」

蒔菜「パパ、天姉ぇが隠しごとするのよさ」

雄二「天音、そこまで性教育に過敏にならなくとも良いだろう」

天音「アンタもそこしか言うことないんかっ!」

パーン!

雄二 また叩かれた。まったく手癖の悪い女だ……。

蒔菜「天姉ぇだけずるいのよさ! 女の経験を寄こすのよさ!」

雄二 蒔菜は天音の腕を掴み強く揺すっている。

天音「やめなさい蒔菜っ! ゆーこと聞きなさいってば!

   こら、蒔菜ぁー!」

天音「これ以上やったら、おやつ抜きだからね!」

蒔菜「おやつを人質に取るなんて卑怯なのよさ!」

蒔菜「天姉ぇだって、

   この前トイレでオナニーしてた事っ……」

咄嗟に天音が蒔菜の口を手で覆い隠した。

が時既に遅し。

雄二「やはり天音は……」

天音「ちょっ! そんな目で見ないでよぉ!」

うろたえている間に蒔菜が天音の手から逃げ出した。

蒔菜「パパ、怖い天姉ぇから守ってなのよ!」

雄二 蒔菜は俺の後ろに隠れた。俺を盾にするとは……。

天音「こら蒔菜、大人しくこっちに来なさい!」

蒔菜「嫌なのよさ!

   来て欲しかったらさっさと白状するのよさ!」

天音「だから無いってばぁ!」

蒔菜「あーまーねぇーはー、トイレで慰める~♪

   抱かれてくりーむぱいっ」

天音「ぎゃぁあああああああああああああっ!」

雄二「蒔菜! もっと腹から声を出せ!」

蒔菜「あーまーねぇーはー、トイレで慰める~♪」

雄二「そうだ、喉からじゃない、腹から力強く!」

蒔菜「サーイエッサー!」

蒔菜「あーまねぇーはー、くりーむぱい♪」

雄二「復唱っ!」

蒔菜「あ~まねぇ~は~慰める~♪ あ~まねぇ~は~くりーむぱい~♪」

天音「うわぁぁぁぁぁあああああっ!」

雄二「蒔菜よ、他には無いのか?」

蒔菜「沢山あるのよさ!」

天音「もうやめて~~~~~っ!」

蒔菜「天姉ぇは時々パパの部屋で臭いを嗅ぎながら慰めてるのよさ!」

雄二「あれからまだやっていたのか……」

雄二 どうりで天音の入った形跡があると思っていたら。

蒔菜「慰める時、後ろも慰めているのよさ」

雄二「天音らしいと言えば天音らしいが……」

天音「なに納得してんのよぉ! あ~~~~~~っ!」

そして蒔菜は寮内で天音の痴態を大声で歌にしながら徘徊していった。

天音もすかさず跡を追って行った。

 

 

その後すぐに蒔菜は捕まり、関西弁でこってり絞られていた。

更に蒔菜を叱り、駆け足でトイレに暫く篭城していたという。

 

雄二「そんなにだったのか……」

 

なぜか榊に冷たい瞳で一瞥され、ぼそりと「最低……」

という言葉を俺に残して自室へ戻っていった。

 

 

 
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