No.356396

【FCTI】リセ・コベルコの思い出話

古淵工機さん

新年あけおめッ!
ひさしぶりのFCTI、ってことで今回はリセちゃんの思い出話みたいなものを書いてみました。漫画にしてもいいのよ!

出演:
リセ(http://www.tinami.com/view/311165 )

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2012-01-01 19:43:37 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:823   閲覧ユーザー数:791

ここは火星・ニライカナイシティにある「食事処なつひ」。

いつものようにハニービーを乗り回してきた二人、リーオ・チャオとリセ・コベルコが食事を楽しんでいた。

彼女たちは普段、市内にある「ポラリス学園」に通っていて、お互い先輩と後輩同士。

しかし、家が近いばかりでなく、リセはよくリーオと遊んでいたこともあって、

リーオにとってリセは姉のような存在でもあったのだ。

 

そんな食事の最中、リーオがこんなことを切り出した。

「そういえば、リセお姉ちゃんって地球人なのにボクと似た身体してるよね」

「がぅ?確かにーわれてみれば似てがぅ」

「もしかして移民とか?」

「いやいやー、これにはちょっとしたワケがって、話せっば長くなるんがぅ」

どーっから、話せばいいんがぅねぇ…?

そーそ、あたしが生まれたのは地球だったがぅ。

深い深い森の中で生まれたんがぅけど…生まれていきなり崖の下に落ちちゃッたんがぅ…。

 

普通だったらそこで死んじゃってオシマイ、ってとこだったらっしがぅ。

でも、あたしはそこで一人の科学者に拾われた…。

 

その人は遺伝子工学の権威、コベルコ教授…あたしの新しいママになる人だったんがぅ。

死にかけてたあたしは、カプセルの中入れられて、身体を治してもらったがぅ。

そのとき…だーたがぅかね?ママがあたしにリセって名前つっけてくれたの。

ママはあたしの身体をあちこちいじって、新しい生き物に生まれ変わらせてくれたがぅ。

 

前脚はモノをつかめる「手」になったし…ママみたいにまっすぐ立って歩けるようにもなったがぅ。

コトバは…オオカミだから上手く覚えられながぅケド…それでも一生ケンメなって覚えったがぅよ。

物を掴んで歩いて…ママとおしゃべりして…長い長い時間が過ぎたがぅ。

 

 

そんなある日、ママが研究で疲れて倒れたときは大慌て、だったがぅ。

このまま、ママが死んじゃったら…「ヒトリボッチ」なっちゃうんじゃないかて…

だから、それはもー必死っでカンビョしたんだがぅ。

 

…そのおかげで、ママはすっかりゲンキになって…笑顔で「ありがとう」って言ってくれたときは、

もう嬉しくて嬉しくって「ワオーン」って泣き通しだったがぅ。

 

それからがぅね、あたしが医者なろうって決めたのは。

この宇宙にはいろんな人がいるけど、その人たちの中にはビョーキで苦しい思いをしてる人たちもいる。

そんな人たちを助けてあげたい。だからあたし、医者なるって決めたがぅ。

「とまあ、こんなトコがぅね。」

「なんだか知らないけど…な、泣けるぅ…!」

そこへ、店主のR・ニュー・ボンバルディアがやってきた。

「なんだかイイ話してるみたいね」

「あ、ニューお姉ちゃん」

ニューは二人と姿こそ似ているが、よく見ると肌は金属、身体にも継ぎ目がある。

彼女はアセンブルド、つまりはロボットである。

「ふふ、今あたしの誕生秘話を話してたところだったんがぅ」

「へー、そりゃまぁ…うっ!?」

突如頭を押さえ、耳から煙と火花を撒き散らしながら苦しみだすニュー。

 

「タ・タタタ・タス・ケ・ケ・ケ・…」

「だ、大丈夫!?ニューお姉ちゃん!!」

「こ、こんなときどーしたらいいがぅ!?あわわ…」

 

                       THE END?

◆オマケ

「まったく、あれほどメンテは定期的にやっとけって言ってるのに」

ニューの身体を整備しながら、心配そうなまなざしを向けるアセンブルドが一人。

よく見ると、目つきや髪型、身体の色は違うものの、基本的にはほとんど同じパーツが使われているようだ。

彼女の名はR・ミュー・ボンバルディア、ニューの実の姉に当たる。

 

「お店が忙しいのはわかるけどさ、あんま無理するとそのうち本当に取り返しつかなくなっちゃうよ?」

「ご、ごめんね、お姉ちゃん…」

「まったく、リセちゃんが知らせてくれなかったら一大事だったんだからね」

 

と、ため息をつきながらニューの背中にあるメンテナンスハッチを閉じるミュー。

「これで大丈夫。動いてごらん」

「うん…、ありがとうお姉ちゃん、おかげでだいぶ楽になったわ」

「うんうん。あんまり無茶はしないようにねー。アセンブルドも知らないうちに疲れてたりするんだから」

「うっ…肝に銘じておきます。ところでお姉ちゃんはどうしてここに?」

「いやー、たまには羽を伸ばすついでにニューの作ったカツ丼をさ」

「うおーい!?無理すんなって言ってるロボが無理させんな!?(#゚Д゚)」

「ご、ごめんよ…」


 
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