No.356043

仮面ライダー×真・恋姫†無双  featそらのおとしもの+  SS大戦MEGAMAX  幕開け+仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編

BLACKさん

新年あけましておめでとうございます。


この作品は劇場版「仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&OOOMOVIE大戦MEGAMAX」を参考に作られたものです。
そのため作品のネタバレになる部分が一部一部あります。ネタバレが嫌な方はご閲覧しないほうがいいことを勧めます。

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2012-01-01 06:30:28 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:1947   閲覧ユーザー数:1855

 

とある世界でのことであった。

 

「来い!」

「いくぞ!」

 

赤い姿をした地球の戦士が宇宙から来た犯罪組織所属の宇宙人と戦闘していた。

その戦闘理由は犯罪組織が近々地球に落下してくるとされる隕石を回収しようとするのを赤い戦士がたまたま目撃し、地球人類殲滅を目論んでいた犯罪組織と戦っていたため問答無用で戦闘に入ったのだ。

戦いは赤い戦士が圧倒的であった。

そしてトドメが入る。

 

「怒白断砕(どはくだんさい)!」

 

赤い戦士はチョップで敵宇宙人を叩き斬り、宇宙人は爆発した。

 

「ふん」

 

赤い戦士はいつも通り立ち去ろうとした時であった。

 

「うん?」

 

突如自分の目の前に次元の裂け目が現れる。

 

「こいつは……地球のじゃない! 宇宙のか!」

 

同じような次元の裂け目は宇宙でも観測されていた。

 

「首領! 次元の裂け目です」

「どうやら我々が求めていた隕石にはそのような力があったようだな」

 

赤い戦士と戦っていた宇宙犯罪組織の首領達は気付いていた。

 

「隕石を放っておくわけにもいくまい。

誰かあの隕石を回収せよ」

「首領、それならばこの俺、メテイヤーにお任せください!」

 

メテイヤーと名乗った宇宙人は体が岩石のような肉体であった。

 

「そうか、ではお前に任せる。ゆけ」

「はっ!」

 

その頃地球では……。

 

「くそ……仕方ない!」

 

赤い戦士は抵抗せずに次元の裂け目に入っていく。

地球に出来た次元の裂け目は姿を消した。

 

「ではゆくとしよう!」

 

メテイヤーは宇宙に現れた次元の裂け目に入っていった。

そして宇宙に現れた次元の裂け目も隕石数個を飲み込んで、消滅したのであった。

 

 

 

 

仮面ライダー×真・恋姫†無双  featそらのおとしもの+  SS大戦MEGAMAX

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここはとある世界で外史。

この外史は中国の三国志時代。

その三国志の世界では武将が皆女性であり、その世界は魏が勝利を収めた後、再び三国で大陸を統一していた。

その要因となったのは正史からやってきた青年北郷一刀と外史の管理者である管輅が北郷一刀に与えた仮面ライダーの力であった。

そんな一刀もようやく20歳になっていた。

 

「隊長もようやく酒が飲めるんやな」

 

一刀は未だに魏の警備隊長。

そして警備隊の部下である楽進(凪)、李典(真桜)、于禁(沙和)と一緒に警邏をしていた。

 

「この世界じゃ年齢はあまり関係ないけど、やっぱり俺のいた世界……と言うか、俺のいた国じゃお酒は20歳からって決められてたからな」

「律儀ですね、隊長」

「律儀と言うか当たり前ってところかな」

「でもでも沙和ね、隊長と一緒に飲めるの楽しみなの~」

「奢ってくれって? 言っておくけど、俺は自分の分しか出さないからな」

「いけず~」

「どっからそんな言葉を覚えてきたんだ?」

 

一刀達が楽しく警邏をしている。

そんな時であった。

 

「一刀!」

 

そこに張遼(霞)が慌てた様子で一刀の所にやって来た。

 

「霞、どうしたんだ? そんなに慌てて……」

「華琳(曹操のこと)が…華琳が倒れたんや!」

「何だって!?」

 

一刀達は急いで城に戻る。

 

「華琳!」

 

一刀は華琳の寝室に入った。

 

「うるさいわよ、あんた!」

 

部屋で華琳を看ていた荀彧(桂花)に叱られた。

 

「何よ、一刀」

 

華琳はベッドには寝ていたものの思いの外、元気であった。

 

「霞から華琳が倒れたって聞いて慌ててきたんだ。

大丈夫か、華琳?」

「見ての通り、大丈夫よ」

「大丈夫ならいいけど、一応医者に診てもらった方が……」

「それなら問題ない」

 

すると一刀の後ろに男の声が聞こえてくる。

 

「あんたは華佗」

 

華佗はこの大陸でも一番と謳われている医者であり、一刀も一度診てもらったことのある医者であったため面識があった。

 

「来てたのか?」

「たまたまだ。街を歩いていたら張遼に声をかけられてやって来た」

 

華佗が部屋に入って来る。

 

「それで患者は?」

「見ての通り、前にいるだろ」

「そのようだな」

 

華佗が華琳を診る。

 

「何よあいつ、華琳様をなめまわすように見て…」

 

桂花が危険視する。

 

「とりあえず、俺達は邪魔だろうから立ち去るぞ」

「触らないでよ! 妊娠しちゃう!」

「妊娠しないから!」

 

一刀は桂花を連れて部屋を出て行った。

 

「あー、華琳様……」

 

桂花は落ち着かない様子でうろうろする。

 

「落ち着け、桂花」

「あんたはよく落ち着いていられるわね」

「これでも結構落ち着いていないさ」

 

一刀は見ただけではわからないが、心臓の鼓動が早まっていた。

 

(華琳が倒れた理由って……なんだろう)

 

それから数十分後、華佗が部屋から出てくる。

 

「華佗、華琳の容体は?」

「至って健康だ。母子ともにな」

「そうか………?」

「母子って…まさか……」

「ああ、妊娠している」

「えええええええええええええ!!!!?????」

 

桂花が大声を出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮面ライダー×真・恋姫†無双  魏編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか隊長と華琳様の間に子供が出来るなんて……」

「不満か?」

 

一刀達はその後華琳に言われて、再び警邏に戻っていた。

 

「いや、不満とかやないけど…」

「意外だったの~。隊長が沙和達の見てないところでやってることはやってるの…」

「普通は誰も見てないだろ」

「しかし華琳様と隊長の子供ですか」

「街に出てる春蘭(夏候惇)様や秋蘭(夏侯淵)様も驚きそうなの」

「驚くだろうな。特に春蘭。下手すれば、俺、殺されるぞ」

「そう言えば春蘭様達はどこに行ったんだっけ?」

「数日前に冀州の方に落ちた、隕石の回収だろ」

「そうだったの~」

「隕石って一体なんなんや?」

「宇宙……、夜に星と言うか空に綺麗な光が見えるだろ」

「はい」

「それが関係あるの?」

「ある。隕石ってのはその夜に輝いてる光がこの大地に落ちてきた岩石のことなんだよ」

「へ~そうなんや…」

「やっぱり興味あるか? 真桜」

「けどうちはやっぱりからくりが一番やな」

「まあとりあえず、何かあるといけないから俺が華琳に頼んで春蘭達に行ってもらったってわけだ」

 

その噂の相手の春蘭と秋蘭は稟(郭嘉)と風(程昱)を連れて冀州の隕石の落下現場付近にやって来ていた。

 

「ここですね、お兄さんの言っていた隕石と言うのが落ちてきた場所は~」

「確かに何か落ちてきたようですね。地面に窪みが出来ています」

「よくは分からんが、とにかく落ちてきた石を持って帰ればいいのだな?」

「慎重にだぞ、姉者」

 

四人が隕石の落下現場に近づこうとした時であった。

突然四人の乗る馬の足元に何かが飛んでき、火花が散り、馬が動揺する。

 

「沈まれ!」

「どうどう!」

 

春蘭と秋蘭はうまく馬を落ち着かせたが、稟と風はうまくいかない。

 

「落ち着け!」

 

春蘭と秋蘭が自分達の馬から降りて、稟と風の馬を落ち着かせる。

 

「すみません、春蘭様、秋蘭様」

「でも今のはどうしたんでしょうね~」

 

四人の疑問はすぐに晴れた。

何故なら四人の目の前に異形の存在がいた。

その異形の者の姿は頭部が黒く横に刺々しいものが多く存在し、頭の上には三本の角ようなものが付いていた。

そして体の色は灰色と黒の混色で出来ており、真ん中には蝙蝠、龍、猫の絵が描かれていた。

 

「何者だ! 貴様!」

 

春蘭と秋蘭が武器を構える。

異形の者も円形の槍のような武器を取り出して、構える。

 

「俺か? 俺の名は仮面ライダー」

「仮面ライダー!?」

「仮面ライダー……イービル」

 

そのライダーの声はどっかしらエコーがかかっていた。

 

「イービル?」

「よくは分からんが、我らの邪魔をするんだな?」

「構えるなら、構わない。だがこれだけは言っておくぞ。命乞いはするな」

 

仮面ライダーイービルと名乗った仮面ライダーは駆け出していく!

 

「でゃあっ!」

「はあっ!」

 

春蘭が剣を振り、そのタイミングに合わせて秋蘭が矢を射る。

しかし仮面ライダーイービルは武器で春蘭を剣ごと弾き飛ばし、秋蘭の矢を叩き落とす。

 

「まだだ!」

 

秋蘭は休む暇も当て得ないように矢を連続で射る。

しかし仮面ライダーイービルはそのことごとく放たれる矢をすべて叩き落とす。

 

「くっ……姉者!」

「分かっている!」

 

すぐに体勢を立て直した春蘭が秋蘭に合わせる(正確には秋蘭が春蘭に合わせる)。

 

「くらえ!」

 

春蘭が大剣を仮面ライダーイービル目がけてまっすぐに突撃していく。

 

「まっすぐ突っ込むだけか」

 

仮面ライダーイービルは春蘭の攻撃を簡単に防ぐ。

 

「ふん」

 

しかし仮面ライダーイービルが春蘭に気を取られている隙に秋蘭は防具としてもっとも脆いとされる関節部分に正確に矢を射る。

その矢は関節部分に命中する。しかし仮面ライダーイービルにダメージはなかった。

 

「何!?」

「なんて硬さだ……」

「ふん!」

 

仮面ライダーイービルは春蘭を秋蘭の方に弾き飛ばす。

 

「姉者!」

 

秋蘭が春蘭を受け止める。

そこに間髪入れずに仮面ライダーイービルは槍から衝撃波を放つ。

 

「「うわああああああ!!」」

 

二人は後方に吹き飛ばされ、転がる。

 

「春蘭様! 秋蘭様!」

 

稟と風が二人に駆け寄る。

 

「大丈夫ですか?」

「なんとかな…」

「その程度か。やはり仮面ライダーでないとな……」

 

仮面ライダーイービルは背中から蝙蝠の翼を出し、許昌の方へと飛んで行った。

 

「ま、待て…」

「動かないでください」

「お二人とも体を完全に痛めていますよ~」

「おうおう、そうだぜ。自分の体を大事にしな」

 

風の頭についてる宝慧(ほうけい)も話しかける。

 

「しかし、あの方向は……」

「分かっています。恐らくあの仮面ライダーの狙いは…」

「お兄さん…ですね」

「間に合わないかもしれないが、すぐに許昌に伝令を……」

「はい」

 

稟と風はすぐに伝令を出した。

四人はすぐにその場から離れた。そのため気づかなかった。

隕石の落下地点に存在した次元の裂け目からある存在が出てきていたことを……。

 

 

伝令は幸いにも仮面ライダーイービルがたどり着く前に許昌に到着。

冀州で起こったことはすぐに一刀の耳にも届いた。

 

「そうか、仮面ライダーイービルって奴が…」

「兄ちゃん、その仮面ライダーって知ってるの?」

「いや、俺も知らんな。初めて聞く名前だし、聞いただけだけど、その風貌にも覚えはない。

まったく知らないライダーだ」

「では対策法は……」

「実際戦ってみないと難しいな。多分、春蘭と秋蘭と戦った時は全然本気を出してなかっただろうな」

「そんな……」

「いくら相手がライダーやからってあの二人相手に本気を出さずに勝つって……」

「それほど強いってことだ。俺も本気でかからないとまずいな」

「じゃあ隊長、今日の警邏は……」

「するよ」

「え?」

「でも隊長は狙われとるんやで」

「だからこそだ。城にこもっていたら城に被害が及ぶ」

「でも警邏で街に出てたら、街に被害が出るの~」

「分かってる。だからまず人がいない山の方に警邏に出る。平和になっても盗賊とかは出てくるときは出てくるからな。

それも踏まえればいいんだ。俺は行くよ」

 

そして一刀は城を出ていき、山の方へと一人で向かった。

 

「ひとまず、異常はなし……」

 

一刀は一人で山を歩いていた。

一刀が歩いていると自分の上が何かの影に覆われる。

 

「…………」

 

一刀は上を見ずにすぐに後ろにバックステップで攻撃をかわした。

 

「やっぱり」

「ほぅ、よく気づいたな。さすがこの世界で唯一の仮面ライダー」

「お前が仮面ライダーイービルか」

「もう俺の名前が届いているのか。そいつは驚きだ」

「お前が迷子にでもなってくれたのか、伝令が早く着いてな……」

「まあいいさ。お前はここで死ぬ」

「何故俺を殺そうとする?」

「ライダーだからだ」

 

仮面ライダーイービルは槍を取り出し、一刀に斬りかかろうとする。

しかしそこにカブトゼクターが飛んでき、槍の攻撃を防ぎ、一刀の手に収まる。

 

「変身!」

「Henshin」

 

一刀は既に腰に巻いていたカブトのライダーベルトにカブトゼクターをつけ、仮面ライダーカブトのマスクドフォームに変身した。

 

「ふんそれが貴様のライダーとしての姿か」

「ああ」

 

一刀はカブトクナイガンを手に持つ。

 

「ふん!」

 

一刀はカブトクナイガンをガンモードにして撃つ。

仮面ライダーイービルはその撃たれた弾をことごとく叩き落とす。

 

「やはりダメか」

「こちらからいくぞ!」

 

一刀はカブトクナイガンをアックスモードに変え、仮面ライダーイービルの槍の攻撃を防ぐ。

二人は武器を何度もぶつけ合う。

そして仮面ライダーイービルの何度目かの攻撃で、一刀は仮面ライダーイービルの槍を持つ腕をつかむ。

 

「よしこれで」

 

一刀はゼクターホーンをわずかに傾ける。

魏の一刀はカブトゼクターのゼクターホーンを少し傾ける。するとカブトマスクドフォームの鎧が少し出っ張ってくる。

 

「キャストオフ」

「Cast Off」

 

一刀がゼクターホーンを倒し切る。

音声と共に銀色の鎧は飛び散り、仮面ライダーイービルはわずかにだがダメージを受ける。

銀の鎧のしたからは赤い装甲をしたカブトムシ仮面ライダーカブト、ライダーフォームが姿を現したのだ。

 

「Change Beetle」

 

仮面ライダーカブトはライダーフォームへとチェンジした。

 

「(相手の力がよく分からない。一度試してみるか)クロックアップ」

「Clock up」

 

一刀はクロックアップで仮面ライダーイービルに近づき、カブトクナイガンをクナイモードにして斬りつける。

 

(対応できてない………)

 

そして三度目の攻撃の時であった。

 

(やっぱり!)

 

仮面ライダーイービルは一刀の攻撃をカウンターで攻撃しようとしたのだ。

一刀はなんとなく仮面ライダーイービルがクロックアップに対応出来てると感じていたため、カウンターされても大丈夫なように距離を取っていた。

そのため、一刀は仮面ライダーイービルの攻撃を紙一重でかわした。

 

「危なかった……」

「Clock over」

 

クロックアップが解除される。

 

「さすがは仮面ライダーだな」

「クロックアップに対応できた以上、一気に決めてやろう」

 

一刀はゆっくりとカブトゼクターにあるボタンを三つ押し、ゼクターホーンを最初の位置に戻す。

 

「ライダー……キック」

 

その言葉と同時にゼクターホーンを再び倒す。

 

「Rider Kick」

 

ゼクターから右足にタキオン粒子がたまる。

 

「はああああああああああ!!」

 

仮面ライダーイービルも槍に何かしら力を加える。

 

「「………」」

 

二人はしばらく動きを止める。

そして同時に駆け出した!

 

「たあっ!」

「はあっ!」

 

仮面ライダーイービルの槍、一刀の右足がぶつかろうとした時であった。

 

「うっ!?」

 

仮面ライダーイービルが突然苦しみ出すように、動きを止め、槍を落とす。

 

「!?」

 

一刀もキックを寸止めした。

 

「なんだ?」

 

一刀は後ろに下がる。

 

「もしかして……」

 

一刀は感じた。この仮面ライダーは暴走している、もしくは何かに憑りつかれていると……。

 

「貴様……大人しく寝ていればいいんだ!」

(そんなこと……)

 

仮面ライダーイービルから二つの声が聞こえてくる。

一つは先ほどまで話していたエコーがかかっている声。そしてもう一つは普通の人間の声であった。

 

「ぐうううう、ああああああ!!」

 

仮面ライダーイービルの変身が解ける。

そこから現れたのは紺色のマントをして、金色の長髪をした男であった。

 

「はあ……はあ……勝負はお預けだ!」

 

男は落とした槍を拾って、その場を去っていった。

 

「やっぱりか……」

 

一刀は変身を解く。

 

「ひとまず、報告に戻るか」

 

一刀は城へと戻っていった。

 

 

「そう…その仮面ライダーが……」

「ああ、どうみても暴走とかしてる」

 

一刀は華琳や他の将達に報告していた。

 

「暴走してるのに春蘭様達を倒しちゃったの?」

「暴走してる時の方が強いもんだぞ。制限とか一切考える必要がないからな」

「それで一刀、あなたはどうしたいの?」

 

華琳が一刀に尋ねる。

 

「俺か? 俺は助けてやりたいと思っている」

「なんでや? こっちはもう被害が出とるんやで」

「仮面ライダーってのは助け合いだ。ましてや暴走していたり憑りつかれるのを見過ごすわけにはいかんだろ。

仮にだ、仮に俺が暴走したら華琳はどうするんだ?」

「え?」

「今まで言ってなかったけど、アギトのバーニングフォームは暴走の危険性があるフォームなんだ。

と言うか、俺の持ってるライダーの力の中で一番危険なんだ。単純な拳の力は一番強いけど、シャイニングフォームになる前の準備段階、つまりは未完成状態なんだ」

「だから暴走する危険性があるって言うの?」

「そう言うこと。まあバーニングフォームでも暴走の危険性があるだけど、精神をきちんと抑えていれば問題ないさ。

それで答えは?」

「私だったら、殺すわね」

「そう言うと思った」

 

一刀は笑いながら答えた。

 

「まあ華琳ならそう言うのは分かっていたさ。とにかく俺はあのライダーの人間を助ける」

 

一刀が玉座の間を立ち去ろうとした時であった。

 

「大変です!」

「何事だ! 今は軍議中だぞ!」

「申し訳ございません。ですが、緊急事態です!

街の外に怪物が複数現れて、城を攻めています!」

「何!?」

 

一刀が驚く。

 

「その怪物の特徴は?」

「全身を包帯を巻かれている以外、特徴らしいものは……」

「そんな怪人……知らないな…」

 

一刀の知らない怪人。しかし一刀には関係なかった。

 

「何にせよ、やばいってことだ!」

 

一刀はすぐに城を出て行った。

その頃、街の外では包帯をしている戦闘員怪人は何とか兵士達によって街への侵入を阻まれていた。

しかし戦闘員怪人はなかなかの強さで兵士達が負けるのは時間の問題であった。

そこに……。

 

「ふん! はあっ!」

 

戦闘員怪人は突然吹き飛ばされ、爆発する。

そして瞬く間に戦闘員怪人は全滅した。

何故なら戦闘員怪人は全員、カブトのクロックアップに対応できず、カブトに倒されたからであった。

 

「あいつはどこだ………」

 

一刀は変身解いて、街の外を走り回る。

そして一刀の目の前に仮面ライダーイービルに変身していた男がいた。

 

「いた」

「そちらから来てくれるとは思っていなかったぞ」

 

声は怪人的にエコーがかかっていた。

 

「お前、本当はこんなことしたくないんじゃないのか?」

「違う! 戦いこそがすべてだ!」

「誰がお前のことを言ってるんだ? 俺は中身の奴と話がしたいんだ。お前は引っ込んでろ!」

「無理だな。こいつの意識は奥に押し込めた。出てくることはない。変身」

 

男は仮面ライダーイービルに変身した。

 

「さあ、お前も変身しろ」

 

仮面ライダーイービルは一刀に変身を要求するが、一刀は変身しようとしない。

 

「何故変身しない?」

「今の俺が戦う気がないからだ。単純に話をしに来ただけだ。戦う気なら変身した状態で探しているさ」

「その考えが命取りだな!」

 

仮面ライダーイービルは稲妻を走らせ、一刀は避けようとする。

一刀は何とか避けるも爆発の衝撃で吹き飛ばされる。

 

「っ……!」

 

一刀は受け身を取ったためダメージは最小限に抑えられたが、それでも痛かった。

 

「変身しないと今度こそ死ぬぞ」

「死ねるかよ。せっかく、自分の子供が出来たんだ。

子供が親より先に死ぬのは最大の親不孝だけどな、自分の親が生まれる前に死んでるってのは……最大の子不孝なんだよ!」

 

一刀は思いっきり仮面ライダーイービルにタックルを仕掛ける。

しかし仮面ライダーイービルは倒れない。

だが一刀は離れようとしない。

 

「貴様! 離れろ!」

「離れるか!」

「ならば死ね!」

 

仮面ライダーイービルは槍を上に突き上げて、そこから一刀を串刺しにしようとする。

だが……。

 

「がっ!?」

 

仮面ライダーイービルは槍を突然落とした。

 

「離れろ!」

 

仮面ライダーイービルは苦しみながら一刀を引き離す。

 

「ぐ、ぐううううううう!!」

 

仮面ライダーイービルの苦しみは増していく。

 

「貴様、何故………」

「出て行ってくれよ!」

「そうはいかん!」

 

仮面ライダーイービルから二つの声が聞こえてくる。それは先ほどまでの声と人間らしい声。

 

「ぐうぐぐぐぐ、がああああああ!!」

 

仮面ライダーイービルの変身が解け、元の男に戻る。

 

「はあ……はあ……」

「お前……」

「何とか……大丈夫です」

 

声は人間の男のものであった。

 

「話、したいけどいいか?」

「はい……」

 

一刀と男はひとまず城には戻らず、近くの小屋の方へと向かった。

 

 

小屋には一刀と男の二人しかいなかった。

 

「つまり、お前は20年後の未来から来たってことになるな」

「そうみたいですね」

「で、お前の名前は?」

「俺は……性が飛、名が燕です」

「飛燕か……。それで飛燕はどうして未来からここに? そんであの仮面ライダーは何?」

「それは俺が一人で山を歩いていたら、岩石が空から降って来たんです。

たまたま近くにいたから、その岩石の落ちてきた場所に行ってみたら、そこの空に穴が空いてて……」

「うんうん」

「それでそこから穴から小さい岩石が俺の体に入って来たんだ。そしたら……」

「あの仮面ライダーと言うか、岩石の中に入っていた怪人の意識に乗っ取られたと…」

「はい……。それであの怪人に意識を乗っ取られると、あの怪人はその空の穴を大きくして、この時代に来たんだ」

「なるほどな……」

 

一刀は持っていた竹簡に持っていたボールペンで文字を書く。

 

「まだ使えてよかった」

 

そこにカブトゼクターが飛んでくる。

 

「ちょうどいい、これ城の方に持ってといて」

 

一刀はカブトゼクターに竹簡を括り付け、飛ばした。

 

「何書いたんですか?」

「お前の経緯と城に戻らずお前を見張ると書いておいた」

「見張りって……」

「その岩石の怪人、まだ出てきてないから完全に目を離すわけにはいかんからな」

「そうですね……」

 

そして夜になり、一刀は思わず居眠りしていた。

 

「…………」

 

すると飛燕は起き上がり、一刀の首に手を伸ばす。

だが………。

 

「何!?」

 

飛燕の声はエコーのかかった怪人声であった。

その飛燕は突然後ろから何者かに羽交い絞めされた。

 

「隊長の読み通りでしたね」

「だろ」

 

一刀は寝たふりをして起きていた。

そして一刀は立ち上がって羽交い絞めされる飛燕に近づく。

 

「よくやったな、凪」

「いえ、隊長の指示があったからです」

 

飛燕を羽交い絞めしていたのは凪であり、周りには真桜に沙和に霞もいた。

 

「いつの間に、これだけの連中を……」

「あのな……、俺がカブトゼクター使って連絡したのを忘れたのか?

一応のため、こっちに来いってのも書いておいたんだよ。道案内ならカブトゼクターがしてくれるしな」

 

一刀はアギトの変身ポーズを取る。

体から現れたアギトのベルト「オルタリング」にはドラゴンネイルが付いていた。

 

「はあああああ、変身!」

 

一刀は仮面ライダーアギト バーニングフォームに変身した。

 

「暴走なら暴走で相手してやる」

 

一刀は右手に力を込める。

 

「普通なら死ぬだろうけど、変な隕石が体に入ってるんなら大丈夫だろうな。

仮に死んだときは許してくれ」

「だがそれをすれば後ろの女も死ぬぞ」

「大丈夫だ。凪、俺のために死んでくれ」

「隊長、私は初めから国のため、華琳様のため、そして隊長のために命を投げ出すことは決めています」

「うちらもやで、隊長」

「そうそう」

「なっ!?」

 

一刀の右手にはバーニングフォームの炎の力が溜まっていく。

 

「はあああああああ……はあああああああ!!」

 

力を込められた一刀の右手の拳が飛燕の腹部に当たろうとする。

 

「ちぃい!」

 

飛燕の体から小さな石が出現し、その小さな石は空気中に溜まっている微粒子を集め、仮面ライダーイービルの姿を形とる。

 

「またまた一刀の読み通りやな」

「さすがに体の主が死ねばお前も死ぬから、それはいかんとたまらず出てきたな」

「最初から……」

「殺す気なんてないよ。ましてや仮面ライダーは人を守る存在だ。人を殺す存在じゃない」

「ふん、言うじゃないか。この場は退かせてもらおう!」

「そうは…」

「させないの!」

「ふん!!」

 

仮面ライダーイービルは自身の体に風の鎧のようなものを出して、その場から逃げ去っていった。

 

「悪い、一刀」

「逃げられちゃったの~」

「正直、逃げられることは最初っから想定内。ここで暴れられて、皆が怪我したら、俺がたまんなかったよ」

 

一刀は変身を解く。

 

「それにしても飛燕、大丈夫か?」

「…なん……とか……」

 

凪に羽交い絞めにされていた飛燕の意識が戻る。

 

「凪、放してやれ」

「はい」

 

凪は飛燕を解放する。

 

「飛燕、早速で悪いけど、あいつの行きそうな場所、分かるか?」

「なんとなく」

「教えてくれ、俺は仮面ライダーとして悪さをする仮面ライダーを止めないといけない」

「戦うんですか? 死ぬかもしれないのに…」

「確かに死ぬかもしれないな。けど、何にもしなくて死ぬよりはずっといい。

倒して死ぬ。死にたくはないけどさ、倒せればその脅威はなくなるんだ。

だったら戦ってやるさ。だからお願いだ、奴の行きそうな場所を教えてくれ」

「あんた……強いんだね」

「いや、弱い人間さ。ただ仮面ライダーの力を持っただけの……」

「……………」

 

飛燕は少し間を置く。そして答えを出す。

 

「あいつの行く場所は多分……」

 

 

翌朝、仮面ライダーイービルはある場所へと来ていた。

そこは自分が最初に現れた冀州。つまりは隕石の落下現場であった。

 

「いい加減、別の時代か別の世界に行って新しく適合する体を探すとしよう」

「待て!」

 

仮面ライダーイービルを呼び止める声、その声の主は北郷一刀であった。

一刀はブルースペイダーでこの場所までやって来たのだ。一刀の後ろには飛燕も乗っていた。

 

「貴様……、そうか、奴に教えられたか」

「悪いが、お前の進行もここまでだ。別の時代や世界には行かせない!」

 

一刀はブレイバックルにラウズカードを挿入し、ベルトを作り出す。

 

「変身!」

「ターンアップ」

 

バックルを回すレバーを引き、Aのカードの絵が描かれた青い壁が現れる。

 

「ウェエエエエエエエイ!!」

 

一刀は駆けだし、オリハルコンエレメントを通過し、仮面ライダーブレイドに変身した。

一刀はブレイラウザーを抜く。

 

「そんなもので俺とやろうというのか?」

 

仮面ライダーイービルは槍を持つ。

 

「ウェエエエイ!!」

「ふん!」

 

二人は自分の武器をぶつけ合う。

 

「ウェイ!」

「でゃあ!」

 

二人は互角の勝負をしていた。

 

「ウェイ!!」

「っ!」

 

二人は一時、距離を取る。

 

「このままではいかんな」

 

仮面ライダーイービルは槍を横に振るい、衝撃波のようなものを出す。

 

「………」

 

一刀はその攻撃を防ぐ。しかしそれは攻撃のものではなく、包帯の戦闘員怪人を生み出すものであった。

 

「あの戦闘員って…こうやって生み出されていたのか」

「これはこの世界につく前に次元の狭間で見た怪人、『ヤミー』というらしいな。もっともこいつはちゃんとした怪人にはならない『屑ヤミー』らしいがな。行け!」

 

屑ヤミーが一刀に襲い掛かる。

 

「ウェイ! ウェイ!!」

 

一刀は屑ヤミーを斬りかかっていくが、数が多かった。

 

「数が多い!」

「えええい!」

 

屑ヤミーの一人に体当たりする飛燕。

 

「飛燕」

「俺も戦う」

「戦うって……」

「実はもう一つ、俺がいた所にこれがあったんだよな」

 

飛燕は一つのベルトを取り出す。

 

「そのベルトは?」

「俺もよく分からないんだけど、でもなんとなく使い方は分かる」

 

飛燕はベルトを着ける。

 

「変身!」

 

飛燕が両手を広げる。するとベルトに空気中の微粒子が入り込み、それを元に変身する。

そこには体を灰色の鎧のようなものに覆われている飛燕がいた。

 

「変わった……」

「灰色……炭素の要素が多そうだな。しいて言うならそいつの名前は『仮面ライダーカーボ」だな」

「仮面ライダー……カーボ。………いくぞ!」

 

飛燕は手から灰のようなものを噴出し、それらはすべて屑ヤミーにかかる。

 

「はああああああ!!」

 

飛燕は次に炎をだし、その炎は灰に連鎖反応を起こし、屑ヤミーをすべて爆発させた。

 

「おのれ……」

「俺も一気に決めるか」

 

一刀はラウズアブソーバーに向かって二枚のカードを取り出す。

 

「アブソーブ、クイーン」

 

クイーンのカードを挿入し、もう一枚のカードをラウズさせる。

 

「エヴォリューション、キング」

 

全てのラウズカードが一刀の体に付き、仮面ライダーブレイドはキングフォームへと変身した。

重醒剣キングラウザーが現れ、一刀はキングラウザーを掴む。

そして五枚のラウズカードを持つ。

 

「飛燕、協力してくれ」

「ああ」

 

一刀はキングラウザーに五枚のカードを挿入させる。

 

「スペード10、ジャック、クイーン、キング、エース」「ロイヤルストレートフラッシュ」

 

一刀の前には挿入したカード五枚が壁のように現れる。

 

「とおっ!」

 

飛燕はジャンプし、体を前方回転させる。

すると飛燕の体は炎に包まれ、火車状態になる。

 

「おのれ……でやあっ!」

 

仮面ライダーイービルは槍から衝撃刃を繰り出す。

 

「たあああああああああ!!」

「ウェエエエエエエエエエイ!!!」

 

二人は衝撃刃をくらいながらもその攻撃をもろともせずに突撃していく。

まず最初に飛燕の空中からの火車体当たりが仮面ライダーイービルに当たる。

 

「ぐおっ!」

「っ!」

 

飛燕は何とか着地する。

そして飛燕の後ろには最後のラウズカードの壁を潜り抜けてきた一刀がいた。

 

「ウェエエエエエエエエエエエエエエエエエイ!!!」

 

一刀はキングラウザーで仮面ライダーイービルを斬る。

 

「ぐおあああああああああああ!!!!」

 

仮面ライダーイービルは爆発し、完全に消滅した。

 

「ふう……」

 

 

変身を解いた一刀と飛燕は飛燕がやって来た隕石の落下地点に来た。

そこには次元の裂け目と思われる穴が空中に空いていた。

 

「それじゃあ、俺はこれで」

「ああ、元気でな」

「あなたも……」

 

飛燕は次元の裂け目を通り、元の時代に帰っていった。

 

「終わったようね」

 

一刀の元にやって来た者。それはなんと華琳であった。

 

「華琳、体は良いのか?」

「少しくらい問題ないわよ。それにしてもさっきの……一刀、あなたに似てるわね。

さすが、あなたの子だけはあるわ」

「なんだ、華琳も気付いてたのか?」

 

二人は気付いていた、飛燕と名乗ったの男が未来の自分達の息子であることを……。

 

「しかし飛燕だなんて、よく思いついたわね」

「自分の名前から連想させたんじゃないかって……いけない、これ以上は未来のことになっちまうな」

「ふふふ、名前は変わっちゃうかもね」

「やっぱ、歴史通りにせずに俺達できちんと考えた方がいいかな?」

「それはどうかしらね」

 

二人は笑う。

 

「とにかく帰ろうか」

「ええ」

 

二人が落下地点のクレーターから出てくる。

するとクレーターの外には怪人のようなものがある場所に立っていた。

 

「一刀!」

「華琳、下がって!」

 

その怪人のような者とはまったく別の世界で次元の裂け目に飛び込んでいったメテイヤーだった。

 

「あった、あった」

 

メテイヤーはある石を拾う。それは仮面ライダーイービルの中枢であり、形成していた隕石であった。

 

「これでいい、これを首領に届ける前にあの世界に戻るとしよう」

「待て!」

 

一刀が呼び止めようとするが、メテイヤーは一刀の言葉を聞かず、クレーターにある次元の裂け目の所までジャンプし、次元の裂け目に入っていった。

 

「逃げられた! 華琳、悪いけど、俺もあいつの後を追う。あの石をそのままにしておいたら……」

「分かってるわ。けれど約束して、必ず戻って来ることを…」

「分かってるって」

 

一刀は急いでブルースペイダーに乗り込み、次元の裂け目へと入っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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