No.354908 真・恋姫†無双 ~覚醒美羽様と行く袁術√~ 第4話茶々零さん 2011-12-30 03:27:54 投稿 / 全6ページ 総閲覧数:8055 閲覧ユーザー数:6892 |
玉座の間の扉が開かれそちらを見ると七乃と一刀の姿が見えた。 他の者も二人に向くがやはり皆の視線は一刀に集まる。 居心地の悪そうな一刀を連れた七乃が妾の隣に立つ。
七乃「お待たせしましたお嬢様」
美羽「うむ、ご苦労だったの七乃。 さて、妾の話をする前に皆が気になっているであろう、そこの者の紹介をしておこうかの……頼むぞ七乃」
七乃「はい、お嬢様。 皆さんは天の御使いの噂は知っていますか?」
李豊「流星に乗ってきて乱世を沈めるってやつっすか?」
七乃「そうです」
紀霊「知ってはいますが……まさか彼が?」
七乃「はい、知っている方もいるかもしれませんが一昨日ここの近くに流星が落ちました。 私とお嬢様は落ちた所に行くと彼が倒れていたと言う訳です」
そう言うと七乃が一刀に目配せをし、一刀が一歩前に出る。
一刀「姓が北郷、名が一刀です、字と真名はありません、よろしくおねがいします」
一刀の紹介に騒がしくなる。 名の事や他国の刺客ではないかなどいろいろ聞えてくる。 しばらくして七乃が話を再開する。
七乃「まぁ、本物の天の御使いかは定かではありませんが服装や現れ方を考えても十分信憑性があるので天の御使いの名を存分に利用しようという感じです♪」
その説明に妾と七乃以外のほぼ全員が一刀の事を同情の目で見ていた。
美羽「さて……一刀の話はそれくらいにして、妾からの話をさせてもらおうかの」
いざ話そうと思うと不安になる。 拒絶されるのではないのか……罵られるのではないか……。 暗い感情に押し潰されそうなのを頭を振り消し去る。 普段とは違う妾の雰囲気に怪訝な顔をする一同。
美羽「妾が今から言う事は嘘偽りは一切ない。 話の途中で言いたい事や聞きたい事も出てくるじゃろうが、とりあえず最後まで聞いて欲しい」
内容を知らない者達はしっかりと聞く姿勢を取り美羽を見る。 内容を知っている一刀と七乃は気が気ではない。
美羽「皆、妾の振る舞いがいつもとは違うのは感じているとは思うが……これが妾の本来のものじゃ。 幼い妾が世を生き抜く為に無能な君主を演じておったのじゃ。 この事を知っているのは七乃だけじゃった。 七乃は何度も妾に無能な君主の振りはやめて真面目に統治をするよう進言しておったが妾に踏み出す勇気が無く先延ばしにしておった……一昨日もその話になり妾が苦し紛れに『天の御使いが妾の元に降りたらやる』と言ったのじゃ。 その直後流星が落ち一刀が現れた……口では先延ばしにして逃げていたが妾はこうなる事を願っていたのだと思う……」
七乃「お嬢様……」
美羽「一刀には言ったが妾は天の御使いがいるからと言って天下を統一しようなどとは思っておらん、ただ妾の領地にいる民達を守っていきたい……今更遅いかもしれぬが、無能な君主を演じるのはもうやめにしようと……真面目な統治をしようと思う」
美羽は立ち上がりみんなに向かって頭を下げる。
美羽「どうか妾に力を貸してくれ……」
少しの沈黙の後、一人が声を上げる。
楽就「やっとか~」
美羽「………へ?」
予想とは違う言葉に変な声を上げてしまう。
橋蕤「そう? 僕は意外と早かったと思うけど?」
李豊「どっちだっていいじゃないっすか、これから忙しくなるっすね~♪」
梁綱「同意……」
この反応には美羽をはじめ、七乃と一刀も目が点になっている。
紀霊「お嬢様、お顔をお上げください」
美羽「紀霊?」
紀霊が美羽に近づき跪く。
紀霊「私共は知っていました……お嬢様が御自身を偽っているのを……」
美羽「何じゃと!?」
紀霊「理由は容易に想像できました、いつかお嬢様が打ち明けてくれるまで待とうという事になったのです」
七乃「まさか紀霊さん達が気が付いていたなんて、わかりませんでした」
紀霊「何を言っているんですか、私はあなたに言ったじゃないですか『いつか正しく統治してくださると私は信じている』と……」
予想外の展開になった美羽の告白だったがいい方向にいってよかった。 俺の紹介が霞むほどの美羽の話……歴史の話で言えばすごい場面に立ち会っているんだろうなぁ…なんて考えていた。
美羽「皆が手を貸してくれるのであれば妾の真名を受け取ってくれ、妾の真名は美羽じゃ」
七乃「私の真名は七乃です、これからもよろしくお願いしますね皆さん♪」
橋蕤「僕らの真名も受け取ってもらおうか、天の御使い君も一緒にね」
完全に忘れられていたかと思ったら一人が俺の話題も入れてくれた。 心の中で感謝をする。
楽就「あ~、忘れてたよ……まっ、気にすんな!! お嬢と一緒に自己紹介するぜ。 あちしは楽就、真名は
さっぱりと言うか失礼と言うか……思った事が口に出る。 そんな印象を感じ取れた。 それよりも親衛隊が突撃していいのか?
橋蕤「僕は橋蕤、真名は
さっきの事といい冷静に周りを見て行動できる人なのだろう。 おそらくまとめ役みたいな立場なのかな? それよりも気になるのが藍が『男なのか女なのか』現段階で判断できないという事だ…………今は保留でいいかな。 間違えたら怖いし。
李豊「自分は李豊っす、真名は
……口癖のせいなのだろう。 何となく後輩気質な感じがする。
梁綱「梁綱……、真名…
口数が少ないというか完全に単語でしか喋ってない、生気がないというか人形の様な印象だ。 あと役割で変装って何だ?
紀霊「私は紀霊、真名は
俺に近づき耳元で……
菫「お嬢様がこうなったのはあなたのおかげでしょう、それには感謝しています……ですがお嬢様の害になると判断すれば躊躇いなく排除しますのでお忘れなく……」
おそらく菫さんは七乃さんと同じで美羽の事がとても大事なのだろう、だからこその脅しだ。
一刀「ご心配なく、そんな事には絶対ならないので」
威圧に押しつぶされそうになりながらも虚勢を張り自分の本音を言う。 菫さんは少し驚いた表情になり、その後微笑を浮かべて。
菫「その言葉が偽りではない事を祈ります……」
話が一段落し、美羽は陸績の方を見る。
美羽「さて……陸績」
陸績「何じゃ?」
美羽「お主は他の者とは呼んだ理由が違う……」
陸績「ふむ……」
美羽「お主は今客将という立場じゃ……ここに来た時期も時期なだけにお主の意図が妾にはわからない」
陸績「……確かに傍から見たら小生の行動は読めんじゃろうな……童が本音を言ったのじゃし小生も本音を言おうかの……」
そう言うと陸績さんは美羽に歩み寄る。 その行動に菫さんと七乃さんが美羽の両脇に、親衛隊の四人が美羽と陸績さんの間に入ろうとするが、美羽はそれを声を上げ制す。 玉座へ上がる為の段差の前で止まり、杖を使いながら器用に跪く。
陸績「確かに小生は呉にいた、孫堅とも王と将などと言う関係というよりも友といった方がいいだろう。 だがあやつが死んだのは童のせいなどとは思っておらん、あれがあやつの天命だったのだろう。 小生がここにいるのは他の誰でもない、小生の意志でここにいる。 小生も童が演じておったのは気が付いておった……他の者と同じく打ち明ける時まで待っておったのじゃ。 陸公紀は袁公路に忠誠を今ここに誓おう。 信用に足るかわからんが小生の真名の
この世界に来てまだ日は浅いが真名の重要さは少なからず理解しているつもりだ。 それを預けるほどとなるとかなりの覚悟が彼女にあると感じられる。
美羽「わかった、妾はお主を……史を信じよう。 妾に力を貸してくれ、臣下としてではなく仲間として……」
史「わかった……しかしここまでの気質を見せ付けられればもう童などとは言えんな、改めてよろしく頼むぞ『美羽』よ」
美羽「うむ!!」
どうも茶々零です。
第4話いかがだったでしょうか?
何とか年内に投稿できました。
全然時間が無かったのと書いては消しての繰り返しだったのが原因です;
話の内容としては紀霊さん達は美羽の演技に気が付いていました。
自分の中での敵陣営と味方陣営の明確な差になります。
オリキャラの話をすると美羽様親衛隊の4人はかなり個々のキャラが立ってるかな思います。
明確なモデルがいたり、初期とは全く設定が違う者がいたり……これから本編、拠点共に活躍してくれそうです。
ちなみに真名に関しては紀霊が花、美羽様親衛隊が石から取ってます。陸績は完全に思いつきですw
でわまた第5話でお会いしましょう。
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何とか年内に上げれた第4話です。