No.348526 寂しがり屋の女の子の為に…… 拾漆話DOWANNGOさん 2011-12-17 15:42:56 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:3902 閲覧ユーザー数:3186 |
「宴会やると思ってたんだけどな……」
天和(真名は預かった)を仲間にした後俺達は玉座の間に集められていた。
宴会をやると思っていた真桜や沙和はがっかりしている。
勿論俺もだ。
「私だって夜月や春蘭と秋蘭と一緒に閨で楽しむ気だったわよ」
「待て、私は閨に行く気は無いぞ」
「そうか、華琳も犠牲者か……」
「待て劉郷、私は強姦されかけているんだ。
助けてくれ」
「まぁ、終わったら楽しめばいいだろ?
四人で」
「誰でも良いから助けてくれ!」
そんなやり取りをしていると浴衣姿に胸にサラシを巻いた女の子がやってきた。
「……すまんな、皆疲れとるのに集めたりして。
すぐに終わらせるから堪忍してな」
あ、結構良い奴だ。
王朝の人間にしては珍しいな。
「あなたが何進将軍の名代?」
何進?懐かしい名前聞いたなぁ~
俺がまだ王朝に居た時に何回か翁と一緒に勉強教えてくれたっけ~
俺のことを翁同様息子の様に育ててくれたよな~
会いたいな~
「や、ウチやない。ウチは名代の副官や」
「なんだ、将軍が直々と言う訳ではないのか」
「あいつが外に出る訳ないやろ。クソ十常侍どもの牽制で忙しいんやから」
十常侍がクソなのは俺も同感だ。
昔父上と会ってるのを見た時全員権力の為に働いてるのが丸見えだった。
そんなことを考えていると
「呂布様のおなりですぞー!」
一人の少女がそんなことを言いながら歩いてきた。
ってはぁ!?呂布!?
ってことはこの少女は陳宮か?
「………」
この子が呂布……
天下の飛将軍……
「曹操殿、こちらへ」
「はっ」
「…………」
「えーっと、呂布殿は、此度の黄巾党の討伐、大義であった!と仰せなのです!」
いや、呂布何も言ってないだろ。
「……は」
華琳の声も少し呆れてる感じだぞ。
「…………」
「して、張角の首級は?と仰せなのです!」
だから何も言ってないだろって。
「張角は首級を奪われることを恐れ、炎の中に消えました。
もはや生きてはおりますまい」
「…………」
「ぐむぅ……首級が無いとは片手落ちだな、曹操殿。
と仰せなのです!」
だから何も言って(ry
「……申し訳ありません」
と言ってもこれ以上見てても面白い物じゃ無いな。
華琳が後で色々言いそうだけど助けてやるか……
「呂布殿、少々宜しいか?」
「劉郷、下がってなさい」
うわぁ……華琳の殺気が痛い……
でも、これ以上続かせる訳にはいかないからな。
「我が名は劉宏陛下の義理の息子の劉郷と言う者だ」
「「「……………………は?」」」
そう言う反応を取ることは分かってましたよ。
一応言っておくとこの設定は翁が『あなたの大切な人が漢王朝の誰かに貶されたら使ってください』と言って作った物だ。
因みに父上公認。
「確認ならば父上に直に取ると良い。
それで、呂布殿よ、例え張角の首を持ってきても貴殿等にそれを張角本人と確認する術は無いだろう。
この絵ではな」
俺はそう言って偶々持っていた張角の絵を見せつける。
その絵の張角は身長三メートルの髭もじゃ男で更に、腕が八本、足が五本に尻尾や角まである
立派な化け物だった。
「貴殿等はその様な無駄口を叩きに来た訳ではないだろう。
早々に用件だけを告げ退散せよ」
俺はそう言って絵をしまって下がった。
皆の視線が痛い……
そんなことを思ってる間にも話は続いて行く。
「…………」
「きょ、今日は貴公の此度の功績を讃え西園八校尉に任命すると言う陛下の陛下の意向を伝えに来た。
と仰せなのです!」
緊張してるなぁ……
あぁ、自己嫌悪……
「は。謹んでお受けいたします」
「…………」
「こ、これからも陛下の為に働くように。で、では、よ、用件だけではあるが、これで失礼させてもらう。
と、仰せなのです!」
陳宮らしき少女がそう言うと呂布はゆっくりと俺の方に歩いて来て……
「…………」
うわぁ……さっきので気まずい……
どうすれば良いんだよぉ……
「……恋のこと嫌いになった?」
「………は?」
この子は何を言ってるの?
「……恋のこと嫌いになった?(うるうる)」
うわぁ!泣き始めた!
やばい!
「別に嫌いにはなってないからね!大丈夫だから!大丈夫だから泣かないで!」
まるで俺が悪者だよ!
実際さっき悪者になったけど!
「……じゃあ、恋と出かける」
「はい?ちょ、肩掴んで何するの?」
「……出かける」
「ちゃんと一緒に行くから離してーーーー!」
俺はもし時を戻せたら全力で傷つけない様にこの誘いを断っていただろう。
酒家
もきゅもきゅばくばく……
「………」
何この子……
リスみたいで可愛いけどさ……
もきゅもきゅばくばく………
さっきから凄い量を食べてるんだけど……
俺もそれなりには給料もらってるけど五ヶ月分の給料が……
「……劉郷、食べないの?」
「あ、ああ、俺は大丈夫だから恋(真名は預かった)が全部食べて良いんだよ」
恋の食事は邪魔をしちゃいけない。
もきゅもきゅ……
あ、詰まったか。
俺は恋にお茶を渡す。
すると恋は一気にお茶を飲み干しまた食べ物を食べ始める。
この子はどうしてこんなに食べても太らないんだろう?
「………お腹いっぱい」
そう言って恋は満足そうに微笑んだ。
すると
「恋殿ーーー!どこに居られらますかーーー!」
「恋ーーーー!早く帰るでーーーーー!」
副官と陳宮らしき少女が恋を探し叫んでいた。
もっと早く探しに来てほしかった……
「それじゃあ俺はそろそろ行くよ。
城に帰らないといけないからね」
「……ん、劉郷、また」
「ああ、また」
俺を手を振って城に向かって歩き出した。
城華琳の部屋の前
恋との食事が終わって帰ってあの後どうなったのかを偶々玉座の間に居た美蓮に聞いたら一言
『華琳様の部屋に行ってください』と言われた為俺は華琳の部屋の前に居た。
「華琳、俺だけど……」
俺が息を整えて一言そう言うと少しして部屋の中から返事が来た。
「入りなさい」
「分かった」
俺はそう返事をして部屋の中に入る。
華琳はいつも通りの服装で椅子に座っていた。
「劉郷、呂布に言ったあの言葉は本当なのかしら?」
あの言葉とは劉郷の設定のことだろう。
色々面倒なことにつながるけど目の前で大切な人が貶されているのは面白いことじゃない。
だから、止めただけだ。
「本当だよ」
俺は一言そう言って頷いた。
「そう」
華琳はそう言って黙り始める。
「華琳、他に話はあるか?無いなら失礼するけど……」
「す、少し待ちなさい」
「分かった」
華琳は深呼吸して息を整える。
何だか今の華琳には覇王と言うよりも少女と言う言葉が似合う感じだ。
「劉郷、あなた仮にも皇族なのよね?」
「そう言うことになるな」
実際は生粋の皇族です。
嘘ついてごめんなさい……
「伴侶にしか真名を預けないのよね?」
「そうだな」
俺が答えると華琳は顔を赤くしながらこう言って来た。
「私に……その……えっと……真名を預けなさい!」
……………………………はい?
えっと、俺が真名を預ける相手=俺の伴侶
華琳が言ったこと『真名を私に預けなさい!』=『私をあなたの伴侶にしなさい!』
…………どうして?
「華琳?俺は別に嫌じゃないんだよ?でも、いきなりそんなこと言い出したんだ?」
俺がそう尋ねると華琳は更に顔を赤くした。
やべぇ……可愛すぎる。
「えっと……それは……劉郷のことが……す、す、好きだからに決まってるでしょ!」
やべぇ……マジで嬉しい。
華琳みたいな可愛い子に告白されるとか思わなかった。
「そ、それで劉郷、あなたの真名は?」
華琳は顔を赤らめながらも顔が真面目だった。
だからだろう俺は……
「一刀だよ」
真名を教えた。
「一刀……あなたを愛しているわ」
「ありがとう華琳、これからもよろしくな……」
俺はゆっくりと顔を近づけ……唇を付けた。
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