No.346602

学園✝無双 八話

DOWANNGOさん

八話目投稿です。

2011-12-12 19:15:08 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2394   閲覧ユーザー数:2167

突然だが、五十人と一人ならばどちらが勝つと思うだろうか?

これは態々言うまでも無く五十人が勝つと誰もが答えるだろう。

数の暴力には誰も勝てない。

それは誰もが知っていることだ。

だから、不良のリーダーは戸惑っていた。

最初に一刀が『お前達の敵だ!』と叫んだ時、生意気だと思った。

すぐに終わると思っていたのだ。

こちらには五十人も居る。

五十人も居るのだからすぐに終わると思っていたのだ。

なのに……なのに何なんだろうか?

今、目の前で起こっていることは夢なのだろうか?

不良のリーダーはこの目の前の光景が夢であればどれだけ良いかと思う。

目の前では自分の手下達が次々と倒されていく。

そんな光景はドラマやマンガだけのことだと思っていたのに今、現実に行われているのだ。

そのことから不良のリーダーの思考は正常な判断が出来なくなっていく。

既に人質のことを忘れていたのだ。

もう既に自分の手下は五人だけになってしまった。

自分も逃げなければ危ない。

そう思い不良のリーダーは走って逃げる。

すると

 

「何逃げているんだ?」

 

「なっ!?」

 

先程まで遠くの後まで居た一刀がすぐ後ろに居た。

不良のリーダーが見た光景はそこまでだった。

首に激しい衝撃が走り不良のリーダーの意識は無くなった。

一刀が木刀で不良のリーダーの首を殴ったのである。

不良のリーダーの意識が無くなり倒れたのを確認して一刀は人質であった『陳 音々音』に近づき縄を

解いて行く音々音は呆然と一刀を見ているだけだ。

一刀が完全に縄を解くと音々音に優しく微笑みこう言った。

 

「もう大丈夫だ、助けに来たからね」

 

そう言われると音々音の目に涙が溜る。

そして、一刀に抱き付き泣いた。

一刀はしばらく音々音に胸を貸した。

 

「大丈夫かい?」

 

音々音が落ち着いたタイミングを見計らって一刀はそう尋ねた。

音々音は頷きながらこう答えた。

 

「大丈夫なのです、助けてくれてありがとうなのです」

 

「帰ろうか、恋が学園で待ってるよ」

 

「はいなのです」

一刀side

 

 

学園

 

 

「恋殿ーーーー!」

 

学園に着いて恋を見た陳さんは恋に抱き付いた。

その光景から二人の絆が深いことが分かる。

 

「……音々を助けてくれてありがとう」

 

「ああ、良いんだよ。当然のことをしたまでだから」

 

そう、俺にとっては当然のことだ。

俺と戦っている間恋は悲しげな顔だった。

恋は誰かを傷つけるのが嫌いな優しい子なんだ。

でも、陳さんが人質に取られてしょうがなく戦った。

それが分かったから俺は陳さんを助けることを決めたんだ。

 

「……それでも、ありがとう」

 

恋はそう言って微笑み……

 

チュッ……

 

俺の唇に口付けた。

 

「え、あ、えっと……」

 

やばい、こう言うのは耐性が無い。

顔が赤くなっていくのが分かる。

これ以上何かやられたら俺は……

 

「……恋、一刀のこと好き」

 

バタンッ!

 

ああ……綺麗な花畑が……

 

「一刀ちゃん!?何があったの!?一刀ちゃん!」

 

「ぐふっ!」

 

最後に見た奴は絶対に見たく無かった。

第三者視点

 

 

世界の何処か

 

 

その場に居るのは少年三人と少女二人。

少年の一人が電話を電話で何かを聞いている。

 

「ええ、ええ、分かりました……失敗したみたいです」

 

初年は眼鏡を直しながら何でもないと言う風に言った。

だが、目つきが鋭い少年はその眼鏡の少年を睨む。

それを目つきの鋭い少年の隣に居た少年が注意した。

 

「あいつを睨んでもしゃぁないやろうが。

それに現段階での計画の失敗は予想範囲内や」

 

「分かっている!それで、次の計画は?」

 

目つきの鋭い少年は向かい側に居る少女に尋ねた。

 

「北郷一刀はまだ北郷組の次期組長です。

彼に直接殺しの依頼をすれば彼は実行するしかないでしょう」

 

その意見に隣に居た少女が反論する。

 

「でもさ、彼って殺しが嫌いなんだよ?

それでも実行するの?」

 

「それは聞いています。

ですが、北郷組は金を積めば何でもします。

ですから必ず成功します」

 

そう言った少女は礼をしてその場から立ち去る。

それを見て各々が解散する。

反論した少女は誰にも聞こえない様にこう呟いた。

 

「絶対に成功しない」


 
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