僕たちの世界は文明がとても発達した世界で何の努力もなしにそれなりに生きていける。
それは僕たちが生まれる前にとても努力されたものだかららしい。
過去の人たちの血のにじむような栄光の上を僕たちはそれなりに歩いている。
ある年、僕たちの世界とは別に宇宙に広がる世界があることが発見された。
とてもよく似たそこからやってきた宇宙人。
言わなければきっとわからないだろうその容姿。
僕は恋をした。
でも、すぐにそれは間違いだったと気づいた。
僕たちの世界の1日は1分は1秒は…彼らの体にとって、とても長い時間なのだと言う。
僕の大好きな人は僕がただぼうっとして過ごしてしまっても支障のないような時間で死んでしまうと言う。
「ぼくの1分が1秒が…瞬きが君を失わせると言うの?」
大好きな人はただ笑った。
「わたしの大事な1分が1秒が…あなたには退屈な時間に見える。」
僕は大好きな人を失いたくなくて、大好きな人を閉じ込めた。
僕が大事に過ごせる1分が1秒がある時にだけ大好きな人を起こそうと思った。
大好きな人は拒むこともなくそれに従ったから
同じ気持ちでいるのだと思った。
そうして繰り返したある日大好きな人はもう目を覚まさなかった。
大好きな人にとって、気の遠くなるような時間を何度も眠らせ起こしたことが原因だ。
「こんなに傍にいるのに、ここからわたしの星が見えないように」
「あなたは遠いね」
最後の言葉だった。
僕がもし
時間の大切さを知る人間だったら
出会った時に笑って別れることができたのだろうか
カチコチといつまでも変わらない時計の音に耳を傾けるとき
必ずそれを思い出すのだ。
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生きる世界・時の流れの違う人を好きになって知ったこと。