【CAUTION!】
この作品を読むかどうかは自己責任です。
気分を害しようと、それは自己責任です。
お金がないのも自己責任です。
彼女がいないのも自己責任です。
それでもいいという方は、文頭に
『(* ´Д`)ハァハァ』
と荒い息を書き込んでからコメントしてください。
ただし色々と否定的な※はなし。
作者の心が痛むから。
ではまた後書きにて。
#35
「ただいまー」
南陽の城に戻った俺は、皆が玉座の間に集まっていると聞き、ひときわ大きな扉を開く。
「「お邪魔しまーす」」
「周々はモフモフなのですぅ……」
「はぅぅ…し、失礼します…」
俺に続いて、4人の女と1頭の白虎。
「おぉ、兄様ではないか。ようやっと戻ってきたか」
「ただいま、空」
まず口を開いたのは空だった。とてとてと俺に向かって駆け寄り、胸に飛び込んでくる姿はこのうえなく愛らしい。
「よう帰った、主様。………む?伯符もおるのかや?」
「えぇ、久しぶりね、袁術ちゃん」
「戦争にきたわけではないらしいの」
「もうどうでもいいしね」
こら、遠い眼をするな、雪蓮。
「一刀ってホントにちっちゃい娘が好きなんだねー。いち、にぃ、さん………すごーい、10人もいるー!」
「自分だってちっちゃいくせによく言うのだ!」
「そうだよ!僕の方が胸もあるもん」
「季衣、それはないと思うよ……」
流琉はお尻がエロいもんな。
「虎…うちにも虎がいる………」
「はいっ!一刀様からお聞きしました!呂布様はなんでも動物園なるものの園長さんだとか」
「ん…ねねと一緒にけ、け……」
「経営ですぞ、恋殿」
「それ。やってる」
「お猫様もいらっしゃいますか!?」
「ん…いっぱい……」
「後でお邪魔させてもらってもいいでしょうか!」
「かまわないのですぞ。その虎も一緒に来るといいのです。うちにも虎はおりますので、エサも十分にありますぞぞぞぞぞっ!?」
「がるっ」
同種の匂いに惹かれたのか。周々、ねねの頭を噛んではいけません。
「………で?」
亞莎はいまだビクビクと周囲を見渡しているので放置。詠が眉を吊り上げながら問いかけてきた。
「ん?」
「なんで孫策がいるの?」
横で朱里と雛里も頷いている。ちなみにちびっ娘将軍はシャオと口喧嘩をし、霞は愛紗の乳を揉んでいる。華雄にいたっては寝てやがる。美羽は雪蓮に頬を引っ張られて涙目になり、七乃はそれを見て恍惚の表情を浮かべていた。
「いろいろあってな。戦争を回避してきたぞ」
「はぁ!?何やってるのよ!向こうに反乱の意志があるのに、どうやってそんな事が出来るっていうの!?」
「さっき孫策も言ってたじゃないか。もう、どうでもいいって」
「どうでもいいって………」
あ、詠が頭を押さえている。悩む姿も可愛いぜ。
「あの、ご主人様?」
「どうした、朱里」
「それで、どんな方法をとったんですか?」
「あー…それは説明が難しいなぁ」
実際に難しい。
「それについてはまた後で色々とやってもらう事があるから、その時にな」
「そうですか?………それで、孫策さん達が此処にいるというのは、人質のようなもので?」
スッっと朱里の眼が細まる。幼女はそんな顔をしてはいけません。
「いや、もっと建設的な話だ」
「?」
俺は両手を何度か打ち鳴らし、皆の注目を集めて口を開いた。
「昔に色々あったみたいだけど、江東は孫策に返す事にしたから」
『はああぁぁあぁぁああああっ!?』
元気な奴らだ。
「ちょっと待って、一刀!あたしも聞いてないわよ!?」
「だって言ってなかったし。嫌なのか、雪蓮?」
「いや、そりゃありがたいけどさ……」
わがままな奴だな。
「あのあのっ、ご主人様!どうしてそのような話になったのですか?」
「だって戦争とか大変じゃん」
「あわわわわ……それはそうですけどぉ………」
「待ちなさいよ、一刀。一応でも主の意見は聞かないの?」
俺の正論に返す言葉もなくなった雛里に代わって詠が睨み付ける。
「それもそうだな。どうだ、美羽。返してもいいか?」
「うむ、かまわんぞ」
「だってさ」
「………」
詠、撃沈。
「でもでも、それで向こうが戦争を仕掛けてきたらどうするんですか!?」
「朱里りんは心配性だな。大丈夫だよ。後日調停と同盟の使者を送るし」
「そこで盟約を結ぶという訳ですか」
「あぁ、理解の早い娘は好きだぞ。朱里、愛してる」
「はわっ!?」
すべすべのほっぺにキスをしただけで真っ赤になるとは、俺のフェロモンもまだまだ捨てたものではない。
あと愛紗、イクのは勝手だが声は抑えなさい。
「という訳で、こちらから送る使者は5人だ」
「5人、ですか?孫策さんがここに残られるのならば、美羽ちゃんは行かなくてもいいでしょうね。軍師の中から2人と、護衛に愛紗さんや鈴々ちゃん達の中から―――」
甘い、甘すぎるぞ、雛里ん。だからお前はいまだヒヨコなのだ。
「ぴよっ!?」
「適材適所という言葉がある。向こうの現状を見てきた俺だからこそ選べる選択肢がある」
「それで、その選択肢って何よ」
詠ちゃんは相変わらず物言いがキツイなぁ。
「あぁ。では大将軍権限にて命ずる―――」
「あら、一刀。貴方も張勲と同じ位にいたの?」
「―――いや、いま思いついた。という訳で空、俺に大将軍の肩書をくれ」
「うむ、かまわんぞ」
皇帝からお許しが出た。
「長沙の城に向かうのは、朱里・雛里・詠・月・そして空だ」
「ちょちょちょ、ちょっと待ちなさいよっ!護衛の将はいないの!?」
「必要ない。あぁ、ちゃんと部隊はつけるから安心しろ、詠。向こうは5人、こちらも5人。対等だろう?それに、この面子に何か思うところはないのか?」
「「「……………」」」
「?」
「………そういう事ね」
俺の説明に、朱里・雛里・月の3人は沈黙し、空は首を傾げている。詠は何か気づいたようだな。
「どうだ、最高の面子だろう?」
「えぇ。負ける気がしないわ」
詠は自信に満ちた声で、そう言った。
腐女子5人衆が輪になって会議を行なう横で、霞が手を挙げた。霞にもたれかかる愛紗は頬を紅潮させてぐったりとしている。
「でも軍師全部送ってえぇんか?内政の方はどうするん?」
「それなら心配ない」
「まさか一刀さんが全部やってくれるんですか?あぁ、それはありがたいですねぇ。私も美羽様とイチャイチャ出来ますし」
先走った七乃が妙な事を口走った。んな訳あるか。
「華雄」
「はっ」
「やれ」
「御意に」
俺の指先の指示に従って、華雄は七乃の背後へと移動し、その胸に手を突っ込んだ。
「やっ、ちょ、華雄さん!?お嬢様の前ですってば!」
「北郷様の命でな。諦めろ」
「んんっ!?」
華雄の指先が何かを捻り、七乃はビクッと背筋を伸ばす。
「せめてもの情けだ。美羽の前では勘弁してやろう」
「はぁ…はぁ………」
力の入りきらない七乃を引き摺って、華雄は玉座の間を出て行った。
「さて、落ち着いたところで話を戻すが」
「一刀も大概に鬼やな」
「愛紗をイかせたお前が言うな。ちゃんと代わりはいる……亞莎」
「へっ?は、ひゃいっ!?」
ずっとだんまりを決め込んでいた亞莎。まさか自分にその矛先が向かうとは思っていなかったのだろう。裏返った声で返事をすると、そのまま大きな袖で顔を隠す。
「亞莎、こっちにおいで」
「うわ、なんやねん、その声!?気持ち悪っ!」
「黙れ。街中でサラシを剥ぐぞ」
「閨でならいくら剥いでもかまわんで?」
「………」
痴女っぷりを発揮する霞を放置して、そばによった亞莎の手をとる。
「ああああのあの、一刀様っ!?」
「亞莎…見ての通り、うちにはいま軍師がいないんだ」
「え…」
俺はまっすぐに彼女の瞳を見つめる。
「俺に、君のその頭脳を貸してくれないか?かの美周郎の後継者と言われる君になら、この街の政治を任せられる」
「え、あ、その……」
「どうだ?その力を振るってくれないか?民の為に。そして――――――」
そっと亞莎の耳元に口を寄せ、囁いた。
「――――――俺の為に」
「………………………………………………………………はぅ」
落ちたぞ。
「なんや、呂蒙言うたか?また初心なやっちゃなー」
「一刀、うちの軍師を誑かすの辞めて貰える?」
「なに、向こうにはない施策もあるんだ。勉強になるだろう?」
「はぁ…まぁ、孔明たちが戻るまでならいいんだけどね」さ
これで内政の心配もなくなった。
「ねー、一刀。シャオはどうすればいいの?」
「シャオか?そうだなぁ」
気絶した亞莎の袖を色々と探っていると、シャオが声をかける。うわ、なんだコレ、千本?
「あ、分かったー!一刀はシャオをお妃にしてくれるのね!しょうがないなー。でも、一刀の為ならシャオ何でもするよ」
「あーっ!待つのだ、お兄ちゃんのお嫁さんになるのは鈴々なのだ!」
「ダメだよ!僕だー!」
「あっ、えっ、兄様!私はどうなるんですか!?」
「ふっふーん、側室にならしてあげるよ?もちろん正妻はシャオだけど♪」
あーあー、聞ーこーえーなーい。
「とりあえずあいつらは放置して、明命は恋の動物園の従業員だな」
「いいのですか!?」
恋たちと動物談義に花を咲かせる明命に話を振れば、適所のようだった。
「かまわん。ただし条件をつける」
「条件、ですか?」
「あぁ、猫や鳥を特殊諜報員として鍛える事だ。会話の方法は恋が教えてくれる」
「なんとっ!呂布様はお猫様たちと会話が出来るのですか?」
「ん…簡単………」
「それは楽しみです!一刀様っ、その命、謹んでお受けいたします!」
全然謹んでないけどな。
おまけ
「あー、こんな所にいたの!何やってるのよ、祭ー」
「おぉ、小蓮様ではないか。このような所でどうされた?」
街のとある居酒屋。恋たちと共に動物園に向かう途中だったシャオは、聞き慣れた声を耳にし、とある扉を開いた。そこにいたのは赤ら顔の宿将・黄蓋。そして、相席する2人の巨乳。
「おぉ、黄蓋殿の連れか。これは失敬した。酒の話で盛り上がってしまってな」
「うんうん、このおしゃけおいひぃよれぇ~。北郷はんが開はちゅしたらひぃね~」
青い髪の女と鳶色の髪の女。前者はカラカラと笑いながら杯を口元に運び、後者はべろんべろんに酔っている。だが、目を引くのはそのようなところではない。
「ねー、祭」
「む?」
「誰………この仮面の女?」
そう、2人とも蝶の仮面で目元を隠していた。
「ここで意気投合してな!名前は知らん!」
「はぁ、呆れた……ほら、行くよ、祭!」
「あ、まだ頼んだツマミが来ておらんぞ!?あ、小蓮様、引っ張るでない!あ、あぁぁぁ………」
その日、無銭飲食で1人の女が捕まった。
あとがき
というわけで、次回のフラグを立てて終わる。
ではでは。
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残念ながら#34には王冠がつかなかったぜ!
という訳で#35。
対孫呉編はたった5話でおしまいだぜ!
明日は諸事情により地元に帰るので、更新はたぶんないと思われ。
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