【CAUTION!】
この作品を読むかどうかは自己責任です。
気分を害しようと、それは自己責任です。
お金がないのも自己責任です。
彼女がいないのも自己責任です。
それでもいいという方は、文頭に
『J( 'ー`)し(自分の名前)…』
を書き込んでからコメントしてください。
ただし色々と否定的な※はなし。
作者の心が痛むから。
ではまた後書きにて。
#19
「さて、これから第42回
「久しぶりですね。反董卓連合もありましたから、だいたいふた月ぶりくらいですか?」
南陽の城のとある一室に4人の人物が集っていた。最初に口火を切ったのは、自他共に認める稀代の
「だがその前に、新規参入した
「よろしゅうな」
「うむ」
俺の言葉に、新しく同盟に加わった華雄と霞が頷く。最初はどうかと思ったのだが、見所があったので、誘ってみたわけだ。
「それじゃ、軽く自己紹介からしておくか」
「え、必要なん?」
俺の言葉に、霞が首を傾げる。当然だ。
「2人が知ってるのは、外での俺達だからな。こちらの俺達ではない。というわけで、俺から。俺が愛するのは、すべての幼女だ。東に泣いている幼女がいればこれを慰め、西に腹を空かせた幼女がいれば飯を作る。そういう漢に、私はなりたい」
「「………………」」
「じゃ、次は私ですね。私は一刀さんと違って、好みは決まってます。私の1番はやっぱりお嬢様です。あの馬鹿さ加減がたまらなく愛おしい!でも一刀さんと一緒にあの娘たちが来てからは、少し寛容になりました。鈴々ちゃんや季衣ちゃんのやんちゃさは可愛いですし、流琉ちゃんのお淑やかなところもいいですね。ませてる朱里ちゃんや雛里ちゃんをからかうのも楽しいです。でもやっぱり、何も分かってないお嬢様の馬鹿さ具合を見るのが一番好きな、私は七乃です♪」
「………………」
華雄が固まっている。だが、霞は違った。
「だいたい要領は分かったわ。ウチはせやなぁ…今んとこ1番のお気に入りは鈴々と季衣、ほんで流琉やな。アイツらいっつも勝負挑んでくるんやけど、あのちっこい身体で武器を振り回してる姿はたまらなくクるもんがあるで」
「………………」
霞は元気なスポーツ系幼女が好きか。うむ、いいチョイスだ。
「………………なぜ、3人して私を見てくるのだ?」
「そら、あとは華雄だけやん。ほら、恥ずかしがらんで言うてみ?」
「くっ、放せ!私にそのような趣味はないっ!」
逃げようとする華雄を霞が抑える。駄目だ。お前は全然分かっちゃいない。
「………な、何が分かっていないというのだ、北郷様?」
「お前は何故月の下にいた?」
「それは、あの御方が誰よりもお優しく、尊い御方だからだ!」
「………………本当にそれだけか?」
「なん、だと……?」
華雄の動きが止まる。
「本当はお前にも分かっている筈だ。月の魅力は本当にそれだけなのか?あの姿を見て、可愛いと思った事はないのか?政務に励みながらも春の暖かな陽気にうたた寝をし、船を漕いでいるところを見つかって頬を赤らめる月に何も感じなかったのか?」
「ぐっ…」
「がなる詠を止めようとして『へぅ…』と頬に両手を当てる月を見て、庇護欲をそそられはしなかったか?」
「………………」
「………正直になれ、華雄。ここには、お前と同じ想いを持つ人間しかいないんだ」
「うっ…」
俺の説得に、華雄は一筋の涙を流した。
「分かっていた………分かっていたさ!あの御方が、『優しい』とか『尊い』などという言葉だけでは説明できない事くらい!」
「………続けろ」
彼女は立ち上がって叫ぶように言葉を紡いだ。
「あの小さな体で山のような竹簡を運ぶ姿……令を発する時に、必死になって民に向かって声を張り上げる姿………賊の討伐から帰った我々の姿を見てほっと息を吐く姿………………そのすべてが可愛らしく、愛おしいのだ!………………軽蔑しただろう、張遼。私は主に対して、邪な想いを抱いていたのだ」
そして、ドサリと椅子に腰を落とした。だが、項垂れるその肩をそっと抱く影があった。
「………張遼?」
霞だった。彼女の顔には、華雄が初めて見る優しげな表情が浮かんでいる。
「誰が軽蔑するかい。そんなんウチかておんなじや。月っち可愛えもんな?あのちっこい姿で頑張っとる姿に、ウチらは癒されとったんやもんな?………何を恥じる事があるんや、華雄。ここは、そういう奴らの集う場所や。アンタは胸張ってえぇ」
「張遼……」
「ウチらは、今こそ本当の仲間になったんや。霞て呼びぃ」
「………そうだな。今こそ、かつて預けられた真名を呼ばせてもらうぞ、霞」
そっと友の真名を呼び、再び涙を零す。華雄は、今こそ生まれ変わったのだ。
「――――――華雄も落ち着いたところで、今日の議題を発表する」
「くぅ、言わないでくれ……」
華雄が頬を赤く染めた。汜水関での事が思い出されて少し立った。
「うっ!?」
「駄目ですよ、一刀さん。会議が終わったら、私が相手をしてあげますから。今は大人しくしてくださいね」
七乃の手が添えられていた。何処にとは言わない。余計に大人しくならないんですけど。
「………まぁ、いい。それで今日の議題だが………『恋の呼称について』だ」
「恋は恋て呼べばえぇんとちゃうの?」
霞が早速手を挙げる。
「逆だ。恋の俺に対する呼称だ。ちなみに、他の妹たちを挙げていくと――――――」
鈴々→お兄ちゃん
季衣→兄ちゃん
流琉→兄様
朱里→ご主人様
雛里→ご主人様
美羽→
月 →ご主人様
詠 →一刀
ねね→
空 →兄上
恋 →一刀
「――――――こんな感じだ。『主人様』はすでに3人と飽和状態だからどうしようもないとして、恋が詠とかぶってるんだよなー」
「詠の方を変えるのでは駄目なのか?」
「いや、詠はツンツンキャラだろ?だったら『一刀』と呼び捨ては詠の方がいい。という訳で、恋に似合った呼称を考えたいんだ」
「難しいですねぇ……ちなみに、恋ちゃんは
その前にと七乃が問う。
「当然だ。最初は俺もそうは思ってなかったんだがな。でも、恋は
「なるほど…その発想はなかったわ。せやったら『兄』的な何かで呼ばせたなるな」
「だろう?」
俺達の議論は紛糾した。
「私は『お兄ちゃま』を推します!」
「何言うとるんや!恋は『ちゃま』とか言うキャラちゃうやろ!」
「そうだな………だがそうなると、『おにいたま』も違ってくる」
「むむむ……だったら『兄や』なんてどうですか?」
「だが、それこそお嬢様っぽい呼び方になる。野生児の恋とは正反対だ」
「野生児言うなら『あんちゃん』とかはどうや?やんちゃな感じするやろ?」
「やんちゃとも違うんだよな。恋は食べるか寝るか戦うかしかしないだろ?そこまでやんちゃじゃないと思うんだが――――――」
どれほど議論を交わしただろうか。それまでだんまりを決め込んでいた華雄が手を挙げた。
「………何かあるのか?」
「私は………私は『おにぃ』が一番しっくりくると思う!」
「「「っ!!?」」」
『おにぃ』………なんと甘美な響きだろう。お兄ちゃんと言う程に子どもではない。でも、兄を慕いたい。妹としてのアイデンティティを持っていたい。そんな妹が考え出した呼び方。それが………『おにぃ』。少し舌足らずな恋にはぴったりだ。
「………決まりやな」
「はい、そうですね」
「やられたよ……華雄。お前がナンバー1だ」
「気に入って頂けて何よりです」
3人に認められ、華雄はまんざらでもない様子だった。
「これは何か功労賞をあげなければいけませんね」
「そうだな。華雄、何か欲しいものはあるか?」
七乃の言葉に俺が問いかければ、しばらく考えたあと華雄は顔を赤くした。
「その……また、北郷様のご寵愛を頂ければ……………」
ふむ。そういえば連合から帰って来てからしていないしな。今日は10発くらいいけそうな気がする。
「いいだろう。後でお前の部屋に行く。準備して待っていろ」
「はいっ!」
華雄は嬉しそうに笑顔を見せた。だが、そこに待ったがかかる。
「待ってください、一刀さん。さっき約束したじゃないですか。今度は私とする、って。約束を破るんですか?皆のお兄ちゃんは約束を破るような人なんですか?」
「ぐっ!?」
そうだ……俺は皆の兄貴なんだ。皆の模範となるような人間でなければならないんだ。その俺が、約束を反故にするような人間であってはならないんだ!
「せやったらウチかてしたいで?華雄かて汜水関でしてもろたんやろ?
「ぐっ!?」
今度は華雄が呻いた。そんな誓いなんてあんのか。
「そうは言うがな―――――」
俺がどう言い訳をしようか考えていると、華雄がボソリと呟いた。
「………私は別に、2人が一緒でもかまわんぞ」
「「!」」
「!?」
訂正。今日は20発くらいいけそうだ。
あとがき
というわけで、霞と華雄もヤバい。
あと1個。
ではまたすぐ次の回で。
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という訳で、詠ちゃんがヤバい。劉備軍もヤバい。
今回は紳士淑女の回。
どぞ。