No.331336

真・小姫†無双 #18

一郎太さん

という訳で劉備軍がやばい。マジヤバい。
どぞ。

2011-11-07 22:44:59 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:8226   閲覧ユーザー数:5826

 

 

【CAUTION!】

 

 

この作品を読むかどうかは自己責任です。

 

気分を害しようと、それは自己責任です。

 

お金がないのも自己責任です。

 

彼女がいないのも自己責任です。

 

それでもいいという方は、文頭に

 

『J( 'ー`)し(自分の名前)…』

 

を書き込んでからコメントしてください。

 

ただし色々と否定的な※はなし。

 

作者の心が痛むから。

 

ではまた後書きにて。

 

 

 

 

 

 

 

#18

 

 

反董卓連合も解散し、諸侯とも別れ、俺達袁術軍は帰路についていた。

 

「さて、それでは改めて新しく仲間になった妹たちを紹介します」

 

夜、陣を敷いて食事を摂り、あとは寝るだけとなったところで俺は主要な仲間を招集した。片側には元来の袁術軍、美羽・七乃・鈴々・季衣・流琉・朱里・雛里。俺を挟んで向かい合うように、新しく仲間になった月・詠・恋・ねね・空が並んでいる。

 

「ちょい待ちぃ!!」

「そうだ、北郷様!!」

 

なんだよ。これから紹介して俺の妹姫(しすぷり)計画まで残り一人になったと発表しようとしたのに、邪魔すんじゃねぇよ。

見れば、霞と華雄が向こうからやって来たところだった。

 

「ウチらかて仲間になったのに、なんで呼ばへんのや!?」

「そうだぞ、北郷様!私の事など、もうどうでもいいのですか?あの夜過ごした熱へぶっ!?」

 

余計な事を言いそうになった華雄の頬を右手で挟み、締め付ける。

 

「あばばばばばばばっ!放してくだされ!」

「余計な事は喋らないか?」

「話しませぬから!」

 

俺は華雄を解放する。両手で頬を揉む姿は、ちょっとだけ可愛かった。

 

「しょうがねぇな。じゃぁお前らも並べ」

「最初からそう言えばえぇんや、ったく」

「あー、痛かった…」

 

これで、総勢7人になった………って、いきなり倍じゃねぇか。

 

 

 

 

 

 

「まぁ、いい。この7人が、新しい妹たちだ。華雄と霞には、そのまま降った兵を任せる事にする」

「はわわっ!ですがご主人様、降将にいきなり隊を持たせるのですか!?」

 

朱里が割って入る。彼女の心配ももっともだが、そんな事は関係ない。鈴々たちの負担を減らして、きゃっきゃうふふしたいのだ。なおも突っ掛かってこようとする朱里を手招きする。

 

「なんでしゅか?………はわっ!?」

 

俺はその小さな身体を抱き締めた。

 

「………朱里は、俺の事を信じてくれないのか?」

「はわわわわわっ、信じますからぁ!恥ずかしいですぅ………」

 

納得してくれたようだ。

 

「という訳で、そのように」

「ちょっと待って!」

「なんだ、詠?」

 

今度は唯一の眼鏡っ娘が突っ掛かってくる。

 

「華雄と霞はいいとして、恋はどうするの?あの呂布に軍を持たせないつもり?」

「あぁ、それなら心配ない。恋には特別任務がある」

「特別…任務?」

「あぁ。それはまた帰ってから話す。もう少し準備がいるからな」

「………そう」

 

納得はいっていないようだが、詠はそのまま引き下がった。

 

 

 

 

 

 

「次に月だが、彼女には侍女(メイド)をしてもらう」

「ちょっと!月に侍女なんかさせるつもりなの!?」

 

また詠だ。こいつはこいつで気が強いな。………ん?でもツンツンキャラはうちにはいないし、需要としては問題ないか。ならいいや。

 

「今度はなんだ?」

「月に侍女なんてやらせられる訳がないでしょ!?」

「え、詠ちゃん…私は構わないから………」

 

月が止めに入るが、詠は聞こうとしない。わかってない。全然分かってないな」

 

「何が分かっていないっていうのよ!」

「お前は全然分かっていない。お前は侍女(メイド)の仕事を莫迦にしているようだな」

「当り前でしょ!」

「ならば、侍女がいなければどうする?」

「どうする、って………」

「飯は自分で作り、服も自分で洗わなければならない。ちょっとした用事を頼むわけにもいかない。その都度仕事を中断して、身の回りのことを詠は全部自分で出来るのか?」

「そ…それは………」

 

詠は口籠る。あと少しだな。

 

「いいか、侍女(メイド)というのは崇高な職業なのだ。影ながら主たちを支え、その働きは脚光を浴びる事はない。自分たちがいなければ城の仕事も回らないという事は分かっている筈なのに、それを億尾にも出さない。そんな高尚な人物でなければ、侍女は出来ないんだぞ?」

「ぐっ……」

 

くくくっ、これでトドメだ。

 

 

 

 

 

 

俺は詠に近づき、そっと耳打ちした。

 

「それに……月が侍女(メイド)をやるって事は、お前の身の回りの世話もしてくれる、って事だ」

「月が…ボクの………?」

 

途端に大人しくなり、耳を傾ける。

 

「あぁ……勿論、他の文官(おとこ)の世話なんかさせないさ。想像してみろ。朝は月に身体を揺すられて目を覚まし、彼女手製の朝食を摂る。政務の合間には月手ずからお茶を入れ、お菓子を食べさせてくれる。昼食や夕食も当然彼女の手作りだ」

「………ゴクリ」

 

詠は生唾を飲み込んだ。

 

「夜寒ければ、彼女に命じて添い寝をさせる事だって出来る。そして朝になれば、隣で横になっていた月が起こしてくれるんだぞ………『へぅ…詠ちゃんがいるから、つい安心して寝ちゃった。ごめんね………ご主人様』ってな」

「えへ、えへへ……えへへへへへへ………………」

「え、詠ちゃん!鼻血、鼻血ぃ!?」

 

ちょろいな。

 

「という訳で、月は侍女(メイド)をしてもらう。基本的には伯和の身の回りの世話になるがな」

「えと…はい、わかりました」

「で、詠は朱里や雛里と一緒に軍師として働いてもらう………って、聞いてるか?」

「えへへ、月がボクのメイド………えへえへへへ」

 

駄目だ。トリップしてら。

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待つのです!ねねはどうなるのですか?」

 

これまたちっこい少女が両手を上げていた。

 

「ねねも軍師なんだろう?ねねにも朱里たちと一緒に、文官として働いてもらう」

「ならばいいのです!主殿は詠と違ってねねを軍師として認める慧眼の持ち主ですからな。ねねの奮闘ぶりに目を丸くするといいのですぞ」

「そうだな」

 

ちびな癖に粋がる姿は、とても可愛かったです。

 

そして、紹介も残すところあと1人となった。

 

「よろしいですか、一刀さん?」

「なんだ?」

 

その前に、七乃が手を挙げる。

 

「聞き間違いでなければ、さきほど『伯和』と言ったと思うんですけど」

「あぁ、言ったな」

「それってもしかして………帝、ですか?」

「そうだ」

「………………」

 

珍しいな、あの七乃が固まるとは。いや、七乃だけではなかった。朱里と雛里、そして流琉も固まっている。華雄や霞たちは顔も知っていたのだろう。何をいまさらという風に顔を見合わせていた。

 

「じゃ、改めて紹介するぞ。俺の新しい妹の伯和たんだ」

「うむ。劉協伯和と申す。先日洛陽にて、兄上の妹となった。真名は空じゃ。これからよろしく頼むぞ」

 

前回の月同様、周囲から悲鳴が上がるのだった。鈴々と季衣、恋は首を傾げていたが。

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

「ねぇ……愛紗ちゃん、星ちゃん」

「なんでしょう?」

「どうされましたかな?」

 

反董卓連合も解散し、帰路についた劉備軍。ただし、義勇軍である彼らに目的地はない。

 

「私の…私達の理想………覚えてる?」

「勿論です!」

 

劉備の問いかけに、関羽は応える。

 

「うん、皆を笑顔にしたいって思って、ここまで来たんだよね」

「そうですな」

 

趙雲も頷いた。

 

「でも…今回は何も出来なかったね………後方の安全なところで、輜重を守ってばっかでさ」

「「………………………」」

 

その通りである。連合内で最も少勢だからと自分たちを納得させていたが、この戦いは、自分たちの力を諸侯に示す機会でもあった。もしかしたら、いずれかの将の目に留まったかもしれない。だが、その機械も永遠に失われてしまったのだ。

主の言葉に、臣下は沈黙する。

どれだけの時が流れたのであろうか。劉備は、はっと顔を上げた。

 

「………そうか、そうだったんだ!」

「桃香様?」

「思いついたよ、愛紗ちゃん、星ちゃん!」

「何を思いついたので?」

 

劉備は力強く頷くと、宣言した。

 

「私、お笑い芸人になる!!」

「「………………………………………………………は?」」

「皆を笑顔にするんだったら、別に武だけが方法じゃないよね?私は、私に出来る事をするよ!これから芸人として大陸を回って、皆を笑顔にする!!」

「ふむ、それもなかなか面白そうですな」

「ちょちょちょ、桃香様!?というか星、お前も賛同するな!!」

 

劉備軍は迷走していた。

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

というわけで、詠ちゃんがヤバい。

劉備軍もヤバい。

 

またすぐ次の回で。

 

 

 

 


 
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