No.329586

真・小姫†無双 #11

一郎太さん

おかしくない?なんで2日でここまで来てんの?
まぁいいや。3つあったレポートも終わったので投稿。
今回は#11~#15まで。
これだけあれば1週間はもつだろう。
どぞ。

2011-11-04 22:55:31 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:8764   閲覧ユーザー数:6051

 

 

【CAUTION!】

 

 

この作品を読むかどうかは自己責任です。

 

気分を害しようと、それは自己責任です。

 

お金がないのも自己責任です。

 

彼女がいないのも自己責任です。

 

それでもいいという方は、文頭に

 

『(`・ω・´)シャキーン』

 

と書き込んでからコメントしてください。

 

ただし色々と否定的な※はなし。

 

作者の心が痛むから。

 

ではまた後書きにて。

 

 

 

 

 

 

 

#11

 

 

「なぁ斗詩、なんか美羽様のとこの将が華雄を討ち取ったみたいだぜー?」

 

連合軍総本陣で口を開くのは、袁紹軍二枚看板の片割れである文醜であった。額に手をあて、遠く汜水関を眺めている。

 

「え、それって本当?って、本当だ。将軍っぽい人が捕まってる………」

 

応えるは、文醜の相棒である顔良。視界の遙か遠くでは、ひとりの男が気を失った将を担ぎ上げて踊っていた。

 

「なんですって!?」

 

その言葉に、袁紹は驚きを露わにする。従妹の有する軍はそこまで精強ではなかった筈だ。ならば、敵の将がこちらの予想よりも劣るのか───。

 

「顔良さん、文醜さん!虎牢関では、私たちが先陣を切りますわよ!」

「待ってましたー!」

「えー!虎牢関には呂布もいるって話ですよ!?」

「関係ありませんわ!美羽さんの軍に出来るのでしたら、私の華麗な軍に出来ない筈がありませんわ!」

「ですよねー!」

「そんなぁ……」

 

袁紹はいつもの高笑いを上げ、文醜はやっと暴れられると大剣を振り回し、顔良は頭を抱えていた。

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで、連合軍は汜水関を通りぬけ、日も暮れる頃にそれぞれの天幕を張った。陽も完全に沈み、さて今日は一番頑張った朱里を抱っこして寝ようかというところで、軍議のお誘いがきた。クソが。

 

いつものようにクジをひく。

 

「というわけで、今回は俺と雛里、と」

「雛里ちゃん、頑張ってね……」

「え?私も軍師だし、ご主人様も頭はいいから大丈夫だと思うんだけど……」

 

朱里が影を背負いながら相棒の肩を叩く。失敬な少女だ。あとで思い切り抱きしめて撫で撫でして匂いを嗅いでやる。

 

「そんな事を言う朱里にはご褒美をやろう」

「え?」

「俺が帰ってくるまでに、この中から俺に実践して欲しいシチュエーションを選んでおくように」

「はわわっ!なんで持ってきてるんですかぁ!?」

 

俺が懐から取り出したのは、3冊の本。

 

『女生徒は思春期~教師との禁断の愛~』

『いけません☆ご主人様!?~主とメイドのいけない関係~』

『危険な関係~執事への恋心~』

 

こないだ朱里の部屋で見つけた艶画集(えろまんが)だ。

 

「はわわわわわ……」

「という訳で、じっくり選べよ」

 

頭を撫でて、雛里を伴い大天幕へと向かう。

 

「………ご主人様?」

「いや、なんでもない」

 

振り返れば、顔を真っ赤にした朱里が鼻血を垂らしていた。

 

 

 

 

 

 

軍議では、虎牢関の方針はあっという間に決まった。

 

「虎牢関では、私たちが先陣を切りますわ!」

 

総大将である袁紹が、自ら前線に赴くと言い出したからだ。ちなみに俺達は――――――

 

「美羽さんの軍は汜水関で軍功を上げたのですから、次は後方で輜重の見張りでもして休んでおいてくださいな」

 

――――――と、こういう訳だ。まぁ、いいさ。雛里でと遊んで休ませてもらおう。

 

「いま雛里『で』って言いました!?言いましたよね!?」

「愛してるぞ、雛里ん」

「あわわっ!?」

 

誤魔化す為に抱き締めれば、あわわと魔女帽子で赤くなった顔を隠してしまった。かわいい。抱き締めた時に雛里の小さな唇が俺の頬に当たるように調整したのは内緒だ。

 

「ひなりーん」

「は、恥ずかしいですぅ……」

 

天幕から自陣に戻ろうと、雛里を腕の中に抱え上げたところで、後ろから声をかけられた。

 

 

 

 

 

 

「久しぶりね」

 

背も胸も小さいくせに、ロリのカテゴライズには入れそうもない女が立っていた。袁紹ほどではないが、瞳の横では金髪がくるくると螺旋を描いていた。

 

「………そうだな」

 

誰だっけ?

 

「最初の軍議で張飛と許緒を見たからまさかとは思っていたけれど、貴方も袁術の軍に仕官したのね」

「あ、あわわ……あの、ご主人様……こちらの方は?」

「えぇと、こいつは………」

 

腕の中で雛里が見上げてくる。雛里が知らないものを俺が知る訳もない。どうやって誤魔化そう。

 

「あら、新しい妹?私は曹操よ。その娘は?」

 

そうそう、曹操だ。くっそつまんねぇ。

 

「こいつは鳳統。うちの5女だ」

「そうだったんですか!?」

 

ちなみに上から鈴々→季衣→流琉→朱里→雛里→美羽という順になっている。単に出会った順番なだけだが。

 

「武の素養もなさそうなところを見ると………軍師かしら?それともただ侍らせてるだけ?」

「あわわっ!その、袁術軍で軍師をしていましゅ…」

「ふぅん」

 

身体を乗り出して、腕の中の雛里を見つめる。コラ、顔が近ぇよ。やらねーぞ。

 

 

 

 

 

 

「それにしても惜しい事をしたわ」

 

元の体勢に戻った曹操が口を開く。

 

「何がだ?」

「貴方の事よ。あの華雄を瞬殺する程の腕の持ち主なのでしょう?あの時に引き止めておけばよかった、ってね。そうね……今からでも遅くないわ。貴方、私の軍に来なさい」

「は?」

「もちろん貴方の妹たちも一緒によ。袁術のところなんかより、もっと活躍の場を与えてあげるわ」

「あわわ……」

 

なんとまぁ、俺のようなイケメンを勧誘するとは………なかなか見る目があるじゃないか。

だが、俺は絞り出すようにして返答を口にする。

 

「………悪いが、それは出来ない」

「あら、どうして?」

「俺は…………俺は、雛里みたいな小さい娘が好きなんだっ!」

「あわわっ!?」

 

しっかりと宣言して、俺は雛里の真っ平な胸に顔を埋める。鈴々や季衣たちとは違った、陽にあたった牧草のように穏やかな匂いに、俺はイキそうになる。

 

「……………」

 

曹操はといえば、ぽかんと口を開けて目を見開いていた。

 

「というわけで退散っ!」

「あわわわわわわわわわわわあわっわっわわわわわわわわわわわわわ……………―――」

 

可愛いよ、雛里ん。

 

 

 

 

 

 

「あ、イケメン野郎さんだ!」

「ほ、北郷っ!?」

 

金髪カールを振り切って陣へと向かう途中で、また声を掛けられる。はたしてそこには、旅の最初の方で出会った桃色劉備と俺の純潔を奪った女が立っていた。

 

「イケメン野郎さんも来てたんですね!お久しぶりです!」

「残念ながら人違いだ。俺はそんな名前ではない。それじゃ」

「え?ちょ、ちょ、待ってくださいぃ!」

 

人をキチガイ染みた名前で呼びやがって。さっさと通り過ぎようとする俺の服を引っ張る女。

 

「何言ってるんだ、桃香?コイツの名前は北郷だぞ?」

「へ?そうなの、白蓮ちゃん?」

 

公孫賛がちゃんと俺の名前を呼ぶ。教えなくてもいいのに。

と、劉備から俺に向き直った公孫賛がいきなり形相を変えて俺の胸倉を掴んだ。

 

「久しぶりだなぁ、北郷?」

 

普段の俺ならば、いっちょまえに成長した女に対してビビる事もない。だが、この女だけは別だ。こうやって近づかれるだけで、搾り取られたトラウマが蘇る。

 

「あ、あはは……お久しぶりですねぇ」

「『ちょっと』のお出かけにしては、なかなか戻ってきてないよな、オイ?」

「そ、そうですか?ボクの国では『ちょっと散歩に行ってくる』って言った爺さんが20年間帰らなかったこともあるから、それよりは短いかなぁと………」

「ふざけるな!人の城から大量の食糧に金に馬を持っていきやがって!私があれからどれだけ苦労したと思ってるんだ!?」

「あばばばばば―――」

 

胸倉を掴んだまま、ブンブンと揺さぶってくる。ちょっと、気持ち悪くなってきたんですけど。

 

「あわわわわ……」

 

俺につられて、雛里も眼を回していた。

 

 

 

 

 

 

揺さぶりも落ち着いたところで、俺は口を開いた。

 

「だ、だって白蓮たんが許可してくれたんじゃないですか」

「そりゃそうだけど………というか、お前に真名は許してない!勝手に呼ぶな!」

「うぉっと!?」

 

いきなり俺を突き飛ばしたかと思うと、躊躇なく剣を振り抜いた。危ないなぁ。

 

「ちょちょちょ、白蓮ちゃん!?」

 

劉備が止めに入るが、白蓮は怒り心頭なようで聞く耳を持たない。仕方がない。

 

「ご主人様?」

 

雛里をいったん地面に降ろす。雛里に聞かせるにはまだ早い話だからな。

 

「ちょっと、イケメンやろ………じゃなくて、北郷さんも謝ってください!」

 

劉備も俺に敵意を向けるが、俺は気にせずにゆっくりと公孫賛に近づいた。

 

「く、来るなぁっ!」

「………」

 

再度振り抜かれる剣を躱して彼女の腕を掴む。

 

「くっ、放せ―――きゃっ!?」

 

そのまま俺は彼女を引き寄せて抱き締め、その耳に舌を這わせた。そして囁く。

 

「お前が呼んでくれって言ったんじゃないか――――――閨の中で、な?」

「―――――」

「ぱ、白蓮ちゃん?」

 

ふむ、ベッド以外では、やはりおぼこな女子(おなご)だ。かつての体験がフラッシュバックし、一気にオーバーヒートしたのだろう。

 

「ご主人様、何を仰ったので……?」

「これが大人の交渉術だ」

「なんとっ!?」

「雛里ももう少し大人になったら教えてあげるからな」

「は、はいっ!」

 

真っ赤になったままの公孫賛と頭上に疑問符を浮かべる劉備を放置して、再び雛里を抱き上げる。キラキラと目を輝かせて腕の中で見上げる雛里は、とても可愛かったです。

 

 

 

 

 

 

「ご主人様!これでお願いしましゅっ!」

 

自陣へと戻れば、真っ赤になった朱里が1冊の本を差し出してきた。その鼻には布の切れ端が丸めて詰められている。

 

『いけません☆ご主人様!?~主とメイドのいけない関係~』

 

本の表紙に目を馳せれば、タイトルが見てとれた。ふむ、やはり現状を意識したか。

 

「雛里は先に天幕に戻っていなさい」

「はぁ……?」

 

首を傾げながらも、雛里はとてとてと自分の天幕へと駆けていった。

 

「これでいいんだな?」

 

残された朱里に問えば、俺のズボンをつまんでコクと頷く。

 

「じゃぁ、行こうか」

「………………………はい」

 

朱里を抱き上げて、俺は自分の天幕へと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

『―――あ、あぁ…ご主人様………いけません!私と貴方様の身分は違うのです!』

『身分なんて関係ない。俺はただ、お前という女に惚れただけだ』

 

言葉を紡ぐ間も、ご主人様は私の身体に手を這わせます。ずっと憧れていました。この御方にお仕えして、ただ、ずっと傍にいられればいい。そう思っていました。

 

『綺麗な肌だ……思わず口づけたくなるよ』

『そ、そんな事………ひぅっ!?』

 

言葉に違わず、ご主人様は私の肌に唇を寄せます。その触れるか触れないかの絶妙な距離が、いっそう私に女としての自分を意識させるのでした。

 

『はぁ……はぁ………ご主人、さまぁ』

 

どれくらい時間が経ったのでしょうか。朦朧とした意識の中で、私は敬愛する方を呼びます。もっと触れて欲しい。もっと愛して欲しい。私の身分では持ってはならない欲望を、我慢できません。

 

『いくぞ』

『――――――』

 

次の瞬間、私とご主人様は結ばれました。感動の所為なのか、快楽の所為なのかわからない涙を流しながら私は―――――――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうした、朱里?」

 

ふと視線に気づけば、筵に横になった朱里が見上げていた。

 

「………ご主人様、何をしているのですか?」

「何って………寝る前に本を読んでやってるんだろ?」

 

俺の手には先ほど朱里が差し出してきた本。

 

「今日は朱里が一番頑張ったからな。ご褒美にと思って読んでやろうと決めていたんだが………嫌だったか?」

「むしろ拷問ですっ!何が悲しくて、ご主人様に自分の艶画集(えろまんが)を朗読させなきゃいけないんですか!?」

 

せっかく裏声まで駆使したのにな。真っ赤になった朱里の頭を撫でながら、信賞必罰の難しさを実感するのだった。

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

残念だったな!

手を出すわけがないだろうが!

 

というわけで次。

 

 

 


 
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