この物語は真・恋姫†無双という外史に、
CRISIS CORE FINAL FANTASYⅦのジェネシス・ラプソードスが来たという設定です。
作者である私、黒山羊が原作を何度もやりなおし、登場人物を原作通りにしたつもりです。
ですが、解釈が幾らでも可能であるように、登場人物が皆様のご期待にそえるかどうかはわかりません。
まあ、CCFF7が分からなくても楽しめるように書いたつもりです。
また、作者は関西人なので、気をつけているつもりですが、セリフが関西弁臭くなってしまうかもしれません。
あらかじめご了承ください。
読者の皆様が楽しめたら幸いです。
視点:華琳
今日は久しぶりの休日。
やる事は前々から決めていて、それを実行するために私は一刀が籠っている書庫に向かった。
書庫には桂花が居て、私を一刀に合わせまいと、一刀が此処にいる事を否定するが、一刀が書庫から出てきたので、声を掛ける。
「一刀、今日1日私とつきあいなさい。」
「………はぁ。良いけど。急にどうしたんだ?」
「何となくよ//////」
「ふーん、まあ良いけど。では、お姫様、私を何処に連れて行って下さるのですか?」
一刀はそう言うと私の前で跪き、手を取り、手の甲に接吻をする。
私は突然の事に驚き、手を引っ込める。一刀曰く、天の国ではお姫様の手の甲に接吻するのは当たり前だと言う。本当かしら?まあ、いいわ。そんな悪い気分じゃないしね。
その後、私と一刀は外に二人で出掛けた。
外に行く目的はこれといって特に無いわ。ただ単に、一刀と一緒に居たいが為の口実よ。
私達は城から外へ得る。一刀は私より半歩後ろを歩く。私は無理矢理後ろにさがり、一刀と同じ位置に立ち、一刀と手を繋ぐ。一刀は驚いたけど、私は私のやり方がある。
一刀のやり方に合わせるとつもりは無い。私は一刀のやり方に心地よさ差を感じてはいたが、そのままでは私らしくない。私のやり方に一刀を合わさせる!
「そうね。まずは服屋ね。下着を選ぶのを手伝って頂戴。」
「えぇーっと、店前で待っていると言うのは駄目でしょうか?」
「駄目よ。」
「お姫様は相変わらず、私に無理難題を仰る。」
「無理難題なんて言っていないわよ。いいから、さっさと行く!」
そう言って、私は一刀の手を引いてある店に入り、一刀がやつれるまで、下着選びを楽しんだ。
その後、色々な所へと一刀を連れまわす。一刀は嫌な顔をせず、ついてくる。
私はある広場にある日時計を見て、今の正確な時間を確かめる。
「もうそろそろ言い時間ね。一刀。今から劇場に行くわよ。」
「何か面白い劇でもやっているのか?」
「えぇ。『LOVELESS』第4章と私が考えた最終章を英雄の男の視線で演じたモノが始まるわ。」
「英雄視線ね。
それは面白そうな脚本になってそうだな。劇場は曹操がよく行かれるあそこか?」
「そうよ。案内して頂戴。」
そう言って、私は手を差し出す。一刀は私の手を取り、案内を始めた。
以前に比べて、大分治安が良くなったと私は思う。
建物は綺麗で、壊れた所が無い。確か、これは前に一刀の書いた本の中に書かれていた割れ窓理論ね。
他にも天の国の知識を取り入れたモノが見える。交番や街路樹等など、様々だ。
「曹操、着いたぞ。」
私は一刀の声で劇場についた事をようやく認識した。
劇場の中の特別席に行き、私達は劇を見始めた。
大勢の人が住んでいる都市を護る為に、敵の兵が集中し始めている村を、英雄の男は軍を率いて攻撃した。
そして、その村を焼き払った。大きな炎がその村を包み込む。
ある女がその炎から逃げ出そうとした所を英雄の男は見つけた。
放っておいては、自国の都市の人を危険にさらすことになってしまう。
英雄は弓を持ち、その女を射殺した。それで、村の襲撃は終わり、軍は都市へとひきあげた。
英雄は数年後、親友と再会する。親友との再会は敵国の捕虜になって以来だった。
親友は命からがら、敵国から逃げ出し、その国のある女と静かに暮らしていた。だが、親友は『女神の贈り物』を求め、その幸せな生活を捨て、旅に出たという。その後、久しぶりに愛しの女性と会おうとしたが、殺されたというのだ。そして、親友の想い人を殺したのは自分だったと、英雄の男は知る。
親友は怒り狂い、涙を流しながら、自分へと剣と呪いの言葉を向けてくる。
親友に最後の言葉を掛ける。
「新世界の開闢に散る華となれ。」
英雄はそんな親友を想い人の所へと送る。
劇は終わり、私と一刀は劇場から出て、城へと向かって歩いている。
もう、半分しか見えない太陽は赤くなり、空を青から赤へと染める。
「どうだったかしら?」
「面白かったぞ。
英雄は英雄である以上、孤高にして全てを捨ててでも理想を叶える。そんな覚悟を俺は感じた。」
「そ、私の言いたいことが分かってくれて嬉しいわ。
ねえ、一刀。もし、貴方が私の理想の障害になることがあったら、貴方を捨てる事になる。
でも、そうなるまでは、私の傍に居てくれる?」
「あぁ、俺はそんな優しい曹操の傍に居よう。それが、曹孟徳という女の子の望みだと言うのなら。」
「道の真ん中で、そんな恥ずかしい事を言わないでよ//////」
「じゃあ、二人っきりならいいのか?」
「………………………いいわよ。だから、今から私の部屋に来てくれる?」
私は私を支えてくれる一刀の全てを求める。一刀も私を真名で呼びながら、求めてくる。
とても熱くて、温かい夜だった。
私は今日の夜の事を忘れない。
例え、明日の戦でどんなことが起こったとしても。
視点:蓮華
「『君よ 飛びたつのか?
われらを憎む 世界へと
待ちうけるは ただ過酷な明日
逆巻く風のみだとしても』…………はぁーーーー。」
「どうしたの?蓮華?ため息なんかついちゃって。」
「この物語の恋人はどんな想いだったのかと思っただけです。」
「ふぅーーん、どうして?」
「私は恋をしたことがありません。だから、どんな感じなんだろうと?」
「私も恋をしたこと無いけど、母様が言っていたわ。恋は盲目で、その人の為に何かをしたい。
それをし続けねければならないという強迫観念にとらわれながらも、それが心地いい。」
「そんな事を母様は言っていたのですか。」
「うん、あの頃の蓮華は幼かったから、蓮華には言っていなかったんでしょうね。」
「母様はそんなところで私を子供扱いしますよね。」
「仕方ないわよ。あの頃の蓮華は本当に子供だったもの。」
私は再度『LOVELESS』を読んでみる。
何度読んでもこの捕虜の男と恋人の別れが分からない。私には恋人というような人が居ないから。
そんな時だった。いきなり私と姉様様が居る部屋の扉が開かれる。入ってきたのは思春だった。
「申し上げます!曹操の軍が領内に侵入してきました。」
私と姉様は立ち上がる。
ある程度予測できていた。馬騰の治める西涼が手に入った曹操が天下統一の為に次にすることは、私達孫呉を攻めるか、劉備達の治める益州を攻めるかのどちらかだと言うのは前から気付いていた。
だから、曹操の治める魏との国境沿いは気を付けていた。
隠も冥琳も魏との国境は気を付けた方が良いと言っていたからだ。劉備の治める蜀は基本的には好戦的ではない為、向こうからこちらに攻めてくる事は無い。だから、戦力を魏の国境に集中させていた。
思春も当然、そっちの方に行かせていた。
「蓮華、先に行っていなさい。私は開戦前に母さんの墓に行ってくるわ。」
「分かりました。姉様が居ないと孫呉の軍の指揮に影響します。すぐに戻って来てくださいね。」
「曹操は正々堂々と戦うのが主義よ。だから、私が戦線まで行くまで攻めて来る事は無いわ。
冥琳、蓮華を頼むわね。」
「分かっている。では、蓮華様、行きましょうか。」
私は冥琳と共に魏との国境へ向かった。姉様は途中まで一緒だったけど、途中で別れ母様の墓へと向かった。
大事な戦の前には姉様はいつも母様の墓参りに行かれる。
私が魏との国境に着くとそこには曹操と10万近くの魏の軍が居た。我が軍は半分の5万。
兵数的にみれば、こちらの方が不利だ。急な事で地方から兵を集める事が出来なかった。
だが、こちらには、地の利がある。五分五分とは行かないが、十分に勝てる可能性のある戦いが出来るはず。
最前線に着くと曹操が私と冥琳に話掛けてきた。
「あら、孫策は来ていないのかしら?」
「すまんな。曹操。姉様、孫呉の王孫策なら今我が母の孫堅様の墓参りに行っている。
此度の戦はわが孫呉にとって、曹操がわが孫呉の地を荒らそうとしている大事な戦だ。
だから、孫呉の王である姉様は先代の王である母様の墓参りをして、御加護を貰おうとしているんだ。
姉様に会いたいなら、少し待ってもらいたい。」
「分かったわ。」
曹操がそう言うと同時に、知の御遣いが現れた。
え?天の御使いの1人である。知の御使いがどうして、魏に居る?
私はそんな疑問を知の御遣いに投げかけた。
「知の御遣い。どうして、曹魏に居るのかしら?」
「あ、孫権さん、久しぶり。
俺が曹操の下に居る理由だったね。桃香…劉備が益州に抜ける時に俺が曹操に通行料として引き取られたと言うのが一番分かりやすい説明かな?だから、俺は今桃香達の主人じゃなくて、曹操の部下ってわけですよ。」
知の御遣いは複雑そうな顔をしながら、軽々とそう言った。
知の御使いがそう言うと同時に赤髪の女と黒い帽子を被った小さな女の子が出てきた。
赤髪の女の纏う雰囲気は逸脱しており、その武の奥が読めない。
そんなことを考えていると、冥琳が赤髪の女を指さしながら叫んだ。
「呂布!貴様!何故此処に居る!?曹操に降ったのか!?」
呂布?え?あの赤髪の女が呂布?
私は混乱した。呂布は虎牢関の戦いの後、行方不明になったと聞いていたからだ。
だが、そんな呂布が今、私の目の前に居る。
「違う。……恋のご主人様は一刀。曹操じゃない。………恋は一刀の為に戦う。」
なるほど。どういう経緯か分からないけど、曹操の陣営に呂布が居る。
この戦、事情が複雑で、一筋縄にはいかなさそうね。
そんなことを考えていると後ろから、姉様が現れた。姉様は旧知の友人に会うかの如く曹操に声を掛けた。
「久しぶりね。曹操。元気そうね。」
そう言った瞬間だった。
曹操の軍から、矢が飛んできて、姉様の肩へと刺さる。完全に不意打ちだった。
姉様はその場で崩れる。私と冥琳は姉様に駆け寄る。知の御遣いと曹操は唖然としている。
冥琳は怒りをあらわにしながら、叫ぶ。
「曹操!これが貴様のやり方か!」
「違う!私はこんな命令を下しては居ない!」
「孫呉の兵よ!見たか!これが曹操のやり方だ!天が許しても、私は許す気は無い!
お前達はどうだ!曹操を許す気が無いのなら、目の前の曹操を討ち滅ぼそうぞ!全軍かかれ!!」
冥琳のその言葉で孫呉全軍が死兵となって曹操へと襲いかかる。
皆怒りで我を失い、曹操へと突撃していく。隊列なんて関係ない。皆の目に映っているのは曹操の首1つ。
曹操の軍は曹操を護ろうと、後ろから矢を放つ。
曹操は退却しようとするが、祭が矢を放ち、それを阻止しようとする。
夏候惇が曹操の前に立ち、矢を数本防ぐが、1本の矢は、夏候惇の横をすり抜け、曹操へと向かう。
視点:一刀
俺の体は勝手に動いていた。
自然と両脚が動き、華琳へと近づく、右手が伸びて華琳の腕を引き寄せるだが、それだけでは華琳を矢から守ることが出来ない。俺がもっと早く矢に気づいていれば…。だが、もう後の祭りだ。
いや、一つだけ華琳を矢から守る方法がある。
そうだ。俺を盾にすれば良い。俺は華琳を引き寄せながら、華琳の前に立つ。
そして、矢は俺の左肩へと吸い込まれていった。
「グッ!」
激痛が走る。今すぐにでも倒れてのたうちまわりたいぐらいの激痛だ。
だが、此処で倒れる訳にはいかない。此処で倒れたら、華琳が撤退し損ねてしまうかもしれない。
華琳が撤退するまで、時間を稼がないと!
俺は肩で息をしながら、刀を構える。
「一刀!」
後ろから華琳の声が聞こえる。俺は振り向いた。
華琳は馬に乗り、撤退しようとしている。
だが、俺を連れて行こうとしているのか、俺に向かって手を伸ばしている。
俺は手を伸ばした。
だが、その手は華琳に届かなかった。
俺の背中に矢が刺さってしまい、体勢を崩し、倒れてしまい、気を失ってしまった。
どうも、黒山羊です。
久しぶりの更新になりましたね。
最近は桔梗√ばっかりやっているので、どうしてもこちらの更新が遅くなりがちでした。
ですが、最近更新を楽しみにしているという人からの応援メッセージを頂き、頑張ろうと思い書きました。
一応、ラストは決まっているのですが、そこに辿り着くまで話が自分の中で決まっていないので、どうしても書くスピードが遅くなってしまいます。ごめんなさい。
ですが、自分の頭の中で決まってきたので、両方同時並行で頑張って行きます!
最後はいつもので閉めましょう。
それでは、御唱和下さい!
へぅ( ゚∀゚)o彡°
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へぅ( ゚∀゚)o彡°黒山羊です。
久しぶりにこちら側を更新しました。
読んでくれると嬉しいです。
最後になりますが、
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