『ハロウィン?』
「ああ」
ここはある外史の魏。
そこは曹操(華琳)が国主と治めている国で華琳を支える青年、北郷一刀。
この青年は外史の管理者によって仮面ライダーと呼ばれるものに変身できる力を持った現代人であった。
「うん、そろそろそんな時期だったはず」
「兄様、その『はろうぃん』ってなんですか?」
琉流が一刀に尋ねる。
「簡単に言うとちょっとした行事かな。
子供達がお化けとか妖怪とかまあ、この時代で言う妖(あやかし)の類に変装して、大人に『お菓子をくれないといたずらするぞ』って言うんだ。
それで大人はいたずらされたらたまらないとしてお菓子を子供にあげる。そう言うものだよ」
「ふぅ~ん、お菓子か……」
季衣がお菓子を欲しがっている。
「もう季衣ってば……」
「で、一刀は何を提案したいの?」
「さっきも言ったようにちょっとした行事だからさ、張三姉妹を利用したハロウィンコンサートイベントを考えてて……」
「コンサートイベントね……」
「華琳はどう思う?」
「そうね……なかなかいい案だと思うわ、この件は一刀に任せていいかしら?」
「任せてもらうのはいいけど、俺一人じゃ無理だな。
当然のことだけど、天和達にお願いしないといけないし、せっかくのハロウィンだからお菓子も用意しないと……」
「つまりは琉流にも協力して欲しいって言うの?」
桂花が尋ねる。
「まあそうなるな。琉流、またクッキーをお願いできないかな?」
「はい♪」
「それとハロウィン用の衣装……沙和、人数分の用意できる?」
「出来ると思うけど、そのハロウィンっていつなの?」
「2週間後だ。大丈夫?」
「2週間あるなら大丈夫なの~」
「それならよかった、それじゃあ後は月や詠に連絡して天和達と打ち合わせだな」
「準備を進めるのは良いけど一刀……」
「なに?」
「警備の仕事は怠らないようにね」
「はい」
こうして一刀達によるハロウィンコンサートの準備が進められた。
そしてハロウィン当日。
張三姉妹のハロウィンコンサートにやって来た人数は1万人を超えていた。
「なんか~、いつもより人多いよね~」
「そりゃあ、今回はいつもの衣装だけじゃなくてハロウィン衣装まであるんだ。
ファンなら是非とも見ておきたいんだろうな。沙和、ばっちりだろうな?」
「ばっちりなの♪」
沙和がピースする。
「最初はいつもの衣装でいいのよね?」
現在は張三姉妹のマネージャーをしている詠が尋ねる。
「ああ。最初の曲が終わったら、ハロウィン衣装に着替えだ。
お客さん全員にもきちんと伝えてある」
「時間みたいです」
「それじゃあ、三人とも頑張ってこい!」
元々張三姉妹のプロデューサーであった一刀が気合を入れる。
『はい!』
そして三人は舞台裏から出てくる。
「みんなー、お待たせーーーー、みんな大好きーーー!」
『てんほーちゃーーーーん!』
「みんなの妹ぉーっ?」
『ちーほーちゃーーーーん!』
「とっても可愛い」
『れんほーちゃーーーーん!』
観客はいつものように相槌する。
「それじゃあ一曲目いくよーーーーーー!」
『ほあああああああああああああ!!』
そして張三姉妹は歌を歌い始め、一曲目が終わる。
「それじゃあお着替えしてくるから、待っててね~」
『ほああああああああああああああああああああ!!!』
天和達は舞台裏へと戻っていく。
「お疲れ、それじゃあ早速だけど着替えだ。沙和!」
「はいなの!」
沙和がすぐに衣装を用意する。
「好きなのを着てくの~」
「言っておくけど、着替えは後2回あるから、どのタイミングでこれってのも考えてくれよ」
「う~んとね……」
「ちぃはこれにするね」
「私はこれ」
三人は適当な衣装を選ぶ。そして着替え、再び舞台に戻る。
「みんなお待たせーーーーー」
天和はゴスロリチックな服装、地和は魔性の猫のような格好、人和は胸元が少し空いたサキュバスのような格好であった。
『ほああああああああああああああああああ!!!!!!』
観客は先ほどまでとは違う興奮で熱狂する。
「それじゃあ二曲目いくよーーーー!」
『ほああああああああああああああああああああああああああああ!!!!』
張三姉妹はその格好で二曲目を歌い、二曲目、三曲目と歌い続け、四曲目が終わる。
「それじゃあ、また着替えてくるね~」
張三姉妹はまた舞台裏へ戻っていった。
「次はこれでいい?」
「じゃあちぃはこれ!」
「私は……」
三人はまた着替え、舞台へと戻った。
天和は真ん中の胸元部分が縦に裂かれたように空いた露出のあるワイシャツ服、地和も天和ほどまでではないが、上着ジャケットを着ているが、下は着ていないと言うかなり露出的なものであった。しかもジャケットは胸が完全には見えないようにしているが、一歩間違えれば見えるものだった。人和はよくある魔法使いの衣装で、魔法使いの帽子にマントと言った先ほどとは打って変わって露出は控えめだった。
『ほああああああああああああああ!!!』
観客はもはやどんな格好であろうと盛り上がると言う状態に達していた。
「それじゃあ五曲目よ!」
三人は五曲目、六曲目、七曲目と歌い終える。
「それじゃあ最後のお着替えしてくるね~」
三人は再び舞台裏へと戻った。
「これで最後よ」
「私、これでいい?」
「別にかまわないけど…」
「じゃあお姉ちゃんはこれ」
「ちぃは………これでいくわ!」
三人は再び着替え、舞台へと出て行った。
『お待たせーーーーーーーー』
天和はワンピースではあったが、所々破けてあるものを着ていた。地和はシスター服と言うスタンダード。人和は包帯を体の至る所に巻いてマミー状態にしていた。
『ひゅうひゅうー!』
『ほああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!』
やはりどんな格好でも盛り上がってくれる観客達。
張三姉妹は八曲目、九曲目、そして最後の十曲目を歌い終えた。
そんな時であった。
「う~~~~~~~~~~~う~~~~~~~~」
そこにお化け的な男が舞台に姿を現す。
「誰よ、あんた!」
「勝手に舞台に上がらないでください」
「手前! 天和ちゃん達に何する気だ!」
観客達が興奮しだして、舞台に上がってきて、突然現れた男をつまみ出そうとしたが、全員その男に触れることが出来なかった。
『え!?』
全員の興奮の熱が一気に冷めた。
「すり抜けた……」
「もしかしてこいつ……」
「本物の幽霊!?」
『うわあああああああああ!』
『ぎやああああああああああああ!!』
観客達はすぐに逃げて行った。
「どうしよう、二人とも……」
「私達も逃げないとまずいんじゃ……」
「でもあの幽霊、どう見てもちぃ達を標的にしてる…」
「う~~~~~~~~~~うーーーーーーーーーーーー!!」
幽霊の男が張三姉妹に襲い掛かろうとしたその時!
「!」
幽霊の元に一つの石が投げられた。石は幽霊をすり抜けたが、幽霊の気は石が飛んできた方に向く。
その方向には一刀がいた。
「「「一刀(さん)!!!」」」
「やれやれ、よく見てみたら2年くらい前に天和達襲撃を狙った奴じゃないか」
一刀は思い出す。
それはまだ大陸が一つでなく様々な勢力が敵対していた時で反董卓連合から少し経った時のことであった。
一刀達北郷隊はとある邑で他勢力の工作員達が華琳に対する反感を生もうと工作していたが、それは張三姉妹と一刀達北郷隊により失敗した。
その時、工作員達の一人にスナイパーの役割をした男が一人おり、目の前にいる幽霊の男はそのスナイパーであった。
「なんだ? 2年前の復讐か? それとも工作員としての性(さが)か?
まあ何にしてもこのままほっとくってのは無理だな」
一刀はアギトの変身ポーズを取る。すると腰にはドラゴンネイルのついたオルタリングが現れる。
「変身!」
一刀は一気にシャイニングフォームに変身する変身ポーズを取って仮面ライダーアギトシャイニングフォームに変身する。
アギトシャイニングはシャイニングカリバーを取り出す。
「う~~~~~~~~」
「はあああああああああ!!」
アギトシャイニングはシャイニングカリバーに力を込めて幽霊の男に向かって突撃していく。
「うーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
「ほお! はあ!」
シャイニングカリバーはなんと先ほどまで攻撃が通らなかった幽霊の男にダメージを与える。
「ううううううう」
「仮面ライダーは人を殺さないものだ。だけど幽霊のお前はもう人じゃない。ただの怨霊だ、手加減しない」
アギトシャイニングはシャイニングライダーキックの体勢になり、幽霊の男の前にはアギトの紋章が現れていた。
「ほっ! はあああああああああああああ!!!」
アギトシャイニングはシャイニングライダーキックでアギトの紋章を破り、そのキックは幽霊の男に直撃!
幽霊の男は遥か後方に吹き飛び消滅していった。
「倒したの?」
「アギトは神にさえ刃向えるんだ。幽霊くらい倒せるさ」
アギトシャイニングは変身を解き、元の一刀に戻る。
「それより大丈夫?」
「え、ええ」
「一刀のおかげでなんとか……」
「そうか」
「随分大変なことになったわね、一刀」
そこに華琳がやって来る。
「華琳、来てたのか」
「興行主だから当たり前でしょ」
「昔は嫌々だったと思うけど……」
「あれは私にあんな恥ずかしい言葉を叫ばせようとしたからよ」
「そうか……しかし、せっかくお菓子用意したのに無駄になっちゃうな」
「それなら大丈夫よ」
そこに魏の将全員がやって来る。
「なるほど、全員なら用意した分も足りないなって……全員きて大丈夫なのか?」
「仕事は他の者に回したりしたさ」
「私達の仕事は華琳様の護衛ですよ、兄様」
「そうだったな。たまには外で食べるのも悪くないかな」
こうして仮面ライダーの手によりちょっとした事件も解決し、皆でハロウィンを楽しむのであった。
おまけ
作者「久しぶりの魏編だ」
一刀「響鬼でもないのに幽霊を倒すとは…」
作者「アギトは天使とか神様と戦ってたんぞ。幽霊くらい倒せるだろ」
一刀「そんなものかな」
作者「そう思え、そして相変わらず魏の一刀は強いぞ」
一刀「お前の作品中一番だからな」
作者「ああ。しかし最近はfate的なものを書いてるが、すごく長いな。ようやく第4話を書き終えたところだが、かなりつらい。
よくfate本編とか書いてる人はあんなに長いの作ったなと改めて思ったよ」
一刀「お前の奴は一番長い桜ルートをベースにしてるんだ。なおさらだろ」
作者「かと言ってまんまにする気はない。事実ある程度変えてたりしているのもあるからな。
一応全サーヴァントの設定はできたし」
一刀「そいつは楽しみだ」
作者「だがまだ投稿する時ではない。せめて3分の2書き終えた時かな投稿するのは。
今日はいろいろあるから、今はここまで。それでは!」
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10月31日にあるハロウィンを元に作者が過去に書いてきたシリーズ作品でハロウィンネタをやろうというものです。
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