No.319069

【デジナミワールド】徹夜の後の空騒ぎ【交流】

小説で交流投稿失礼致します!
ブランクが見え隠れしてるのはきっとあんまり書いてないからに違いない・・・←

クラレはこんな感じのヘタレ要員なので
よろしければじゃんじゃんいじくってやって下さい(´∀`)

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2011-10-16 02:26:23 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:957   閲覧ユーザー数:943

「あー・・・・・・・・・」

 

徹夜明けの黒いぼさぼさの髪を整えようともせず、

今にも口から煙や魂を吐き出しそうなほど低いうなり声を上げ、

真宮創佑は机に突っ伏していた。

伏せた表情を見る事は叶わないが、恐らく疲れ切った顔か、

会社に対する不満が丸出しの顔か、あるいは別の表情か・・・の

いずれかをしている事は間違いないであろう。

 

『兄貴ぃ、大丈夫ッスか?』

 

頭のすぐ横に置いてあるクロスローダー型のデジヴァイスから声がする。

相棒のシャウトモンの声だ。

「疲れた・・・もうおうち帰りたい・・・うっうう・・・」

『兄貴、なんかめちゃめちゃかっこ悪いッス・・・』

「いいの!かっこ悪くてもいいの!ちくしょう、ゴーストデジモンのヤツら、

今日は早く帰れそうだなーって時に出てきやがって!」

ゴーストデジモンとは、デジナミワールドオンラインに時折現れるバグデジモンの

事である。体の周りにノイズをまとい、色のないモノクロ色で、パートナーデジモンの

ように意思疎通をする事はまず不可能だ。

出現すると何故かログアウト不能になる為、面倒な事この上ない。

倒せば解除はされるものの、エリアを閉鎖して立ち向かうのは中々に骨の折れる。

「帰って久しぶりに手料理が食べたかったあぁぁ・・・」

『あー、姉貴の手料理ですか』

シャウトモンが姉貴と読んだ人物は、創佑の実の妹である。

両親が海外にいる創佑は妹と二人暮しをしているのだが、仕事柄家に帰れなくて

会社に泊まりこむ事も少なくはない。

妹は会社に泊まりこみであろうがどこ吹く風だが、たまにはコンビニ弁当や出前ではない

食事の一つも摂りたいものである。

『まあ、それはいつでも・・・』

シャウトモンが呟いていた言葉は突如、ドサッと言う音に語尾がかき消され、吸い込まれる。

創佑は急に起きた出来事に頭が着いて行かず、しばらく虚ろな目で呆然と目の前に置かれた

何かしらの束のようなものをじっと見つめていた。

そしてやっと言葉を発する。

「・・・何コレ」

「これからのイベント企画書です。目を通して頂けますか?」

ようやっとで重たい頭を上げると、そこにはクレセントゾーンを中心に活動をしている

神代暁良だった。

げんなりとした面持ちでどっしりと置かれた紙の束の一番上から軽くパラパラとめくってみる。

秋から冬にかけてのイベント企画である事は分かったのだが、何となくハロウィンの仮装など

ユーザーそのものが着替えてお祭り騒ぎをする、と言う企画が多いように思えたのは気のせいだろうか。

「・・・仮装系の企画が多いように見えるが」

「アパレル業界とタイアップした形でイベントを行えば話題にもなるでしょうしメリットも多いかと」

「いや、まあそうだろうけどさ」

がしがしと頭を掻く。

デジナミワールドオンラインで普段、ユーザーが着ている服と言うのはアパレル業界とタイアップをし

洋服のデザインの提供をして貰っている。

自分の外見がそのままネットに反映されるデジナミワールドならではの宣伝方法である。

実際、リアルでも同じデザインの服を販売している店が多く、ネット上で気軽に試着出来るため、

同じ服を購入しようと訪れる顧客が後を絶たないようだ。

「それにしたって、同じような内容のイベントの乱発はユーザーを飽きさせるぞ?」

「しかし・・・」

語尾を煮え切らない言葉で濁しながら目の前の青年は悔しそうに歯噛みする。

「なんだってまあこんなに仮装イベントを投入しようと思ったんだ?」

『こやつは妹に仮装をさせたいだけじゃよ』

「おいっ・・・!」

唐突に神代の持っているデジヴァイスより呆れたような声が響く。この声は恐らく

彼のパートナーであるギルの声だろう。

古風な喋り口調の声が朗々と響き渡った。

『おんし、イベントを私利私欲に使うとは言語道断、以ての外じゃぞ?

仮にもデジナミワールドを運営するGMの一人であろうに』

「ふん、妹が可愛い格好をするのを見たいと望むのは悪い事ではないだろう」

『まあ、そうっスね。兄貴も姉御に邪険にされながらいつも可愛い可愛い言ってますし・・・

仮装したら可愛いとか思ってそうっスしね!』

「うんうん、可愛いだろうな・・・っておい!シャウトモン!」

『あれ?言わなかった方がよかったっスか?』

「空気読め!空気!今のこの状況は・・・あ、あわわ」

能天気にデジヴァイス内で小首を傾げるシャウトモン。

頭を抱えて項垂れていると、不意にまた古風な声が響き渡る。

しかしその声色は明らかに呆れと怒りがどこか入り混じった物で。

『・・・おんしら・・・!』

「は、はい!」

怒気を孕んだ震える声に、創佑は思わず背筋をぴっと伸ばす。

神代は「う」と小さく呟くと少しだけ後ずさりをした。

『そこに正座せい!』

この後、ギルの二人に対する説教がざっと30分くらいは続き、他のGMメンバーに彼らは生暖かい

視線で見守られながらも無事、説教を聴き終え、足が痺れてしばらく動くことすらままならなかったそうだ。

 

 

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あらすじ

 

○○月×日 シャウトモン

 

徹夜明けの兄貴が姉貴の料理を食べたいと言いながらぐったりしてたので

慰めていたらいきなり紙の束が兄貴の机に降ってきたんスよ!

兄貴も俺もびっくりしてよくよく見てみたら、神代が持ってきた企画書の山だったっス!

オイラもこっそり見てみたっスけど、これが驚き!ほとんど仮装イベントの

企画で、兄貴がさすがに同じイベント連発は・・・って言いながら満更でも

なさそうな顔をしてたので指摘したら、ギルを怒らせたらしく、二人で仲良く

お説教されてたっス!あれ、もしかして、オイラのせいだったりするっスか?

・・・・・・まあ、気にしなくていいっスよね!

 

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