「･････････」

　私、フェイト･テスタロッサ･ハラオウンは、小学生の頃、なのはに抱き付かれそうになるたびに赤面して避けてしまっていた事を、悔やんでいます。えぇ。

　それはもう、スカリエッティの逮捕の準備を進める時ぐらい真剣に。

　で、何でそれを考えているのかと言いますと、

「フェイトちゃん好きー」

　なんでかは分かりませんが、現在私の部屋には9歳の頃のなのはが居るのです。

　いや、なんていうか、気配･･････みたいなもので、「闇の書事件」の直後に起こった「闇の欠片事件」に関係した、当の闇の欠片的な何かなんだと思うんですが･･････まぁ、こっちに来てからほぼ目を反らさず、さらに隠し撮rもとい監視カメラを使っての観察もしていますが、特に何かを企てている様子もないので、大丈夫でしょう。

　それよりも、問題はアレですね。

「フェイトちゃんっ、遊びに行きたいの！」

　かわいいですねぇ･･････。こう、なんというか、かわいいですねぇ･･････。

　とりあえず、なのはのお願いとあらば聞かないわけにもいきません。とりあえずランジェリーショップですけすけなベビードールでもおっとなんでもありません。

　さてさて、街に出た私達。なのはの希望はケーキ屋さんらしいので、とりあえずティアナから聞いた美味しいと評判のケーキ屋さんへ。

　あ、ちなみに今なのはの服はバリアジャケットのままではなく、かといってどうやら変身前の服があるわけではないらしいので、ヴィヴィオの服を借りています。うん、St.ヒルデ学院の制服ってヴィヴィオはもちろんなのはにも似合うんですね。素晴らしいデザインです。

　そうこうしているうちに、ケーキ屋さんへ到着。

　かなりの評判のお店らしいんですが、さすがに平日のお昼前はまぁまぁすいている様子。

　あ、言い忘れてましたけど私は今日非番なんですよ？ だから、こんな時間に外を歩いていても全然変じゃないです。幼女連れてますけどこの娘はえーと、なんですか、えーあー、学校の創立記念日とかで休みなんですよ、きっと。

　中に入ると、ずらりと並ぶケーキ屋その他のお菓子。なるほど、基本のショートケーキやモンブランに加え、見た事もないほど豪華な飾り付けのケーキが、驚くほどリーズナブルな価格で揃っていて、これは確かに人気が出るんだと分かります。

「フェイトちゃん、どれにしようかなー？」

「ん、なんでも好きなので良いよ。最近余裕あるし」

「ほんとっ？」

　なのはの顔が期待の色に輝く。うん、これだけでもケーキ分の出費は戻ってきた感じしますね。

　私は改めてなのはに笑顔で頷くと、なのはは真夏の太陽も霞むぐらいの眩しい笑顔で腕に飛びついてきた。ﾏｧｧｧｧｧｧｧﾍﾞﾗｧｧｽ！！

「フェイトちゃん大好きー！」

　はっ、落ち着いて私！ この店のケーキ全てを買い占めるにはちょっとお金が足りない！

「フェイトちゃんどうしたのー？」

　至近距離からなのはが見つめてくる･･････あぁ、ﾌｧｧﾝﾀｽﾃｨｯｸ！！

　さて、とりあえずここからは、キュン死との戦いになりそうですね･･････！

to be continue......「え、続くの！？」「フェイトちゃんさっきから何寝言言ってるの(19歳なのは」