No.312180

トミー・タケジロウの挑戦 ひぐらしのなく頃に煌 妖戦し編 ―努―

お久しぶりです。
また記念日なので戻ってまいりました。
何の記念日かって?
10月3日といえば、トミーの日兼富田の日に決まっていますよっ!
ひぐらし最大級の超ビッグ記念日作品。

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2011-10-03 20:29:15 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:3114   閲覧ユーザー数:2216

トミー・タケジロウの挑戦 ひぐらしのなく頃に煌 妖戦し編 ―努―

 

 やあ、僕の名前は富竹。

 見ての通りの筋肉さ。

 今日は僕の筋肉以外のもう一つの特技についてちょっとお話したいと思う。

 

 君たちは僕のことをどのように理解しているのかい?

 筋肉紳士だって?

 うん。その理解は間違ってはいないよ。

 何と言っても僕は全身筋肉で幼女を愛する紳士だからね。

 でも、今日取り上げるのは筋肉の方じゃないのさ。

 じゃあ、幼女を愛する紳士の方かいって?

 まあ、それは確かに半分正しい。

 僕が雛見沢にやって来るのはこの村に僕好みのレディーたち、即ち、梨花ちゃん、沙都子ちゃん、あぅあぅちゃんがいるからに他ならないからね。

 えっ?

 魅音ちゃんやレナちゃんはどうしたのかいだって?

 ハッハッハ。

 あんなランドセルを脱いだ熟女たちを僕が相手にするわけがないだろう?

 鷹野さん? 誰だい、そのババアっぽい響きの人は?

 僕のカメラは美しか追求しないのさっ!

 美でないものに興味を向けるわけがないだろう?

 おっと、僕としたことが半分正解を言ってしまったようだね。

 そう、今日は僕のもう1つの特技、カメラについて話したいと思う。

 何と言っても今日は10月3日。トミーの日。

 つまりは僕の日。ひぐらしの数ある記念日の中で最大の記念日。

 僕の謎を知りたくて知りたくて下種な欲望を抱いて飢えている君たちに、僕の特技についてもっと知らせてあげようと思う。

 えっ?

 僕の特技よりも筋肉に関する秘密が知りたいって?

 仕方ないなあ。

 それじゃあ大サービスだ。

 目が硬質化するまで僕の全身の筋肉を涎を垂らしながら見てくれ~っ!

 勿論、君たちが僕の全身を簡単に舐め回せるように既にパンツは脱いでいる。

 さあ、その欲望に満ち満ちたいやらしい瞳で両腿の付け根の筋肉を浴びるほど見てくれぇ~~っ!

 

 

 おっと。読者サービスしている場合じゃなかったよ。

 今日の僕には特別な用事があったんだ。

 

 実は僕には雛見沢の誰にも知られていないもう1つの顔がある。

 それは、この筋肉の梨花ちゃんたちに決して知られてはならないもう1つの顔。

 推定10人の雛物読者でさえ気付いていないトップシークレット。

 その秘密の顔とは──

 

 

 

「よくいらして下さいましたね。映画界の世界的巨匠トミー・タケジロウ先生」

 僕は雛見沢の土地の約半分を占めるとても大きな屋敷を訪ねていた。

 右を見ても左を見ても黄金、黄金、黄金。

 上を見れば天井には宝石が多数散りばめられている。

 更に目の前にはダイヤで出来た沙都子ちゃん像。

 何ていうかこの家の持ち主の趣味の悪さを端的に表した家だと言える。

 そしてその趣味の悪い持ち主は僕の目の前でニヤニヤと気味の悪い笑顔を浮かべている。

「お招き頂いて光栄だよ、豆腐カンパニーTOMITAの若社長富田大樹くん」

 僕の個人的な感想は置いておいて依頼主に挨拶する。

 目の前に立つ梨花ちゃんたちと同じぐらいの年齢の少年こそが、全世界の豆腐や大豆食品のシェア50%を占める超巨大カンパニーTOMITAの若社長富田大樹くんだった。

 富田くんはごく平凡な豆腐屋の1人息子として生まれ、鬼隠し編から登場しているのにも関わらず、“礼”では梨花ちゃんに完全に存在を忘れられていた空気のような存在。

 いや、むしろ空気そのものと呼んで差支えがないだろう。

 だが、その空気は芸術や商才において類い稀なる才能を持っていた。

 空気同士が集まって結成したユニット、富&岡withあぅあぅはデビュー曲が500万枚の売り上げを達成。以降、全ての曲の売り上げがミリオンヒットを記録している。

 スポンサーの要望に応じて僕の撮った映画でも彼らの歌を主題歌に使用したこともある。

 そして豆腐作りの天才にして大豆料理の世界的権威でもある彼は実家の豆腐屋をわずか数ヶ月という単位で世界的規模の巨大メーカーへと引き上げてしまった。

 そしてその躍進は止まらずに、豆腐製造業の世界ナンバーワンに躍り出たのだ。

 雛見沢から興宮に至る超巨大工場では、雛見沢と興宮の半数以上の住民が働いている。

 そんな風に圧倒的な才覚を見せる富田くんだったが、結局今でも空気だった。

 空気同士か、メガネやサングラスを掛けた人物でないと彼の存在を認識するのは非常に困難だ。

 そして、富田くんはあまりにも性根が下衆過ぎた。

 

「今日は10月3日、とみたの日っ! つまりは僕の記念日。そう、今日はひぐらしで最も重要な記念日なのさ。あっはっはっはっはっは」

 悪趣味な金歯を見せながら大笑いを奏でる富田くん。

 背後では紙ふぶきの代わりに札束が飛び交う。

 何という勘違いした下衆な少年。

 今日は僕の記念日だというのに。

 こんな男が僕の仕事の依頼主かと思うと吐き気を催してくる。

 だけど、今の僕は世界のトミー・タケジロー。

 仕事の詳しい内容を聞く前に断りを入れるのはプライドが許さない。

 このサングラスはプロの映画監督の証なのさ。

「それで、その記念日に僕に依頼したい仕事というのは何かな?」

 富田くんは僕の質問にすぐには答えない。

 代わりに1本のBDを懐から取り出してみせた。

「まずはこの作品をご覧になってください。あっはっはっはっはっは」

 富田くんの後ろの500インチの超大型テレビに画像が映し出される。

 

 そして特撮映画が始まった。

 

 

『梨花ぁ、梨花ぁっ! 逃げてくださいなぁ。早く! 早くぅっ!』

 

『夢?』

 

『すごい霧ですわねぇ。こんなの、雛見沢では初めてですわよ』

 

『何者ですの?』

 

『これって夢の続きですのっ!?』

 

『まるで怪獣映画ですわ』

 

『あっ! に~に~っ!?』

 

『パラレルワールド? 梨花ぁ、よく落ち着いていられますわね。わたくしは頭がおかしくなりそうですわ』

 

『許せませんわ、東京マギカっ!』

 

『にーにーが危ないお兄ちゃんにっ!』

 

『梨花はこれまでわたくしたちの為に辛い思いをしてきましたわ。今度はわたくしが梨花を守る番ですことよ』

 

『オヤシロさま、力をくださいな。わたくしに梨花やみんなを守れる力を!』

 

『とどろけっ! オヤシロにぱにパワークリスタルっ! メークアップっ!』

 

『魔法少女、トラップ沙都子っ!』

 

 

「どうですか? 僕が編集した『ひぐらしのなく頃に煌 妖戦し編 ―努―』は?」

「なかなか面白い特撮だったね」

 ストーリーについては省略させてもらおうと思う。

 というか、富田くんの編集は徹底して偏っており沙都子ちゃんしか映っていない。

 ストーリーもわかるようで微妙に繋がってない部分も多い。

「それで、この作品がどうしたというのだい?」

 富田くんはこの世界的巨匠に一体何をさせたいと言うのだろう?

「妖戦し編は大変素晴らしい作品でした。北条の愛らしさが大変よく現れています。さすが僕のお嫁さんになるのに相応しいプリティーぶりを発揮していますっ!」

「はっはっは。面白い冗談だね」

 幾ら世界的な富豪といっても、沙都子ちゃんも旦那さんがこれでは嫌だろう。

 愛はお金では買えない。

 富田くんは身をもって僕たちにそのことを教えてくれている。

「まあ、北条が僕の妻になるのは歴史の必然だから構わないですよ。ですが、この妖戦し編には一つだけどうしても納得できない部分があるのです」

「富田くんが出演していない点かい? あの霧って富田くんと岡村くんではなかったのかい?」

 空気と化せる富田くんたちなら霧と姿を変えることも可能だろう。

「僕があの作品に登場してしまったら、その甘いマスクの二枚目ぶりにより出番が大量に増えて北条たちの活躍が目立たなくなってしまいます。将来の妻の活躍を邪魔したくはありません」

「はっはっは。富田くんがそんなに冗談が上手いなんて知らなかったよ」

 空気に活躍の場などあり得るはずがない。

 というか、誰にも認識できない存在が活躍しても物語的には面白くない。神展開になってしまう。

「それじゃあ、納得できない点というのはどこなんだい?」

 富田くんはメガネを曇らせた。

「妖戦し編には北条の愛らしさがいっぱいに詰まっています。でも……」

「でも?」

 富田くんのメガネがピカッと光った。

「妖戦し編には北条のパンチラがっ、入浴シーンが欠如しているんですっ!」

 富田くんの言葉に室内が光に包まれる。

 もの凄い情熱を、沙都子ちゃんのパンチラとお風呂に対する愛情を感じ取った。

「なるほど。富田くんの言いたいことはよくわかった。確かに、パンチラもお風呂もない魔法少女アニメなんて魔法少女モノではないからね」

 僕も富田くんの編集画像を見ながら不思議に思っていた。

 変身シーンでもパンチラがない。まっ裸もない。

レオタードっぽいインナースーツはあるけれど、パンチラがなさ過ぎる。

 更に全編通してお風呂シーンがない。

 これは、魔法少女モノにあるまじき姿なのではないか?

 富田くんの編集によるものばかりだと思っていたけれど、どうやら本気でパンチラがないらしい。

「つまり、富田くんの依頼というのは……」

「はいっ。世界の巨匠トミー・タケジロウ先生の手で、北条のサービスシーン満載の妖戦し編の続きを描いてくださいっ!」

 富田くんの熱すぎる思いが伝わってきた。

 そして、彼の言いたいことはあまりにも僕の心を打ち過ぎていた。

 いや、僕がやるべきことを彼は前もって口にしたに過ぎないのだ。

「トミー・タケジロウの監督生命を賭けて沙都子ちゃんと梨花ちゃんのサービス満点の妖戦し編を描かないといけないようだね」

 富田くんに背を向けてゆっくりと歩き出す。

 まったく、あの富田くんからこんなに魂を揺さぶられる依頼を受けることになるとは考えもしなかった。

「トミー・タケジロウさん、どちらへ?」

「まずは、創作のモチベーションを上げる為に取材、梨花ちゃんと沙都子ちゃんのお風呂を闘撮することにするさ。僕の作品は世間ではリアリティー重視と言われている。僕はまず真実を確かめなくちゃいけないのさ」

 フッ。トミィの日にこんな興奮と出会えるなんて僕の人生もまだまだ捨てたものじゃないようだね。

 

 こうして僕は至福の第一歩を歩み出したのだった。

 

 

 

 

 おおっとぉ、梨花ちゃんに沙都子ちゃん?

 どうやらみつかってしまったようだね。

 おや、梨花ちゃん?

 その手に持っている注射器は何だい?

 プスッ。

 ガリガリガリ プシュー

 

 

 ひぐらしのなく頃に煌 続妖戦し編 10月31日(とみぃ)より連載スタート?

 (目標は型月がさっちんシナリオを発表する前、拙作むぅーにーマンが完結する前に完結)

 

 

 


 
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