No.306092 寂しがり屋の女の子の為に…… 弐話DOWANNGOさん 2011-09-23 18:08:25 投稿 / 全9ページ 総閲覧数:6189 閲覧ユーザー数:5130 |
俺は今黒鷹を走らせて適当に旅をしている。
「風が気持ち良いな~
お前もそう思うだろう?
黒鷹」
黒鷹にそう聞くと「ぶるるん!」と言って肯定する。
本当に賢い馬だと思う。
翁に感謝だよな……
「しかし……どこに行くかねぇ……まだ決めて無いんだよな……
お!?邑が見えるな……黒鷹、あそこに行こう」
俺がそう言うと黒鷹は一気に速度を上げる。
「黒鷹!早いってーーー!」
だが、黒鷹はその時気付いてたのかもしれない……
邑の様子がおかしいことに……
「何だよこれ……」
邑に着いた俺が見たのは地獄。
家は炎で焼け落ち
子供は泣き母親の傍らで泣き崩れ
女の叫び声が聞こえ
ゲスな男達の笑い声が聞こえる。
それと同時に俺の中に止められない怒りが湧き上がる。
「これが人間のすることなのか……
これが……乱世の影響なんだな……
俺達漢王朝の人間が無能だから……」
その怒りは盗賊達に対する物では無く俺や漢王朝に対する怒り……
俺達がもう少しきちんとしていれば彼等がこんな目にあうことは無かったかもしれない……
それ以前に盗賊なんて生まれなかったかもしれない……
「……ここからだ。
ここから乱世を鎮めよう」
俺は黒鷹から降りて麒麟と鳳凰から貰った刀を抜く。
勿論殺す方の刀だ。
「俺はこれから乱世を鎮める為に人を殺していく……
乱世を鎮め平和な大陸を創る……そんな理想を貫く為に……
『斬鬼』……鬼を斬り人を守る為の刀としてお前は生きてくれ……」
そう言った時鬼斬は肯定してくれた……そんな気がした……
そんな時
「おい!お前!金目のもん全部出せ!
そんな良さそうな刀を持ってるんだ!
金もたんまり持ってるだろ?」
「良いだろう……その代り……」
「あ?」
「お前達の命と引き換えだ」
俺はそう言って刀を振う。
そして、その男の首を刎ねた。
ザシュッ!
男はゆっくりと倒れた。
首から上は俺が首を刎ねた為に鮮血が吹き出している。
そこで俺は自覚した。
初めて人を殺した……
その時に俺は最悪な気分になったが何とか耐える。
「まだ、俺にはここでやることがあるんだ……」
俺はそう呟いて走り出した。
ここに居る獣達を処断する為に……
「頼む!許しぎゃぁっ!」
ザシュッ!
「ひぃっ!こいつは化け物だ!逃げろ!逃げるんだ!こんな奴に叶う訳がねぇ!」
盗賊達は先程の様にゲスな笑いを浮かべるのではなくただ恐怖を叫ぶだけ……
俺は翁に考えてもらった偽名を叫ぶ。
翁にもらった偽名を穢すことを翁に謝罪しながら……
「逃げたくば逃げるが良い!そして、汝達の中にある恐怖をこの大陸に知らしめるのだ!
我が性は劉!名は郷!字は喬契!汝等獣達を処断する者!汝等にとって我は鬼神となろう!
さぁ!逃げろ!恐れろ!」
俺が名乗っている間にも盗賊達は逃げていく。
そして、盗賊達が見えなくなって俺は呟いた。
「ふっ、鬼神か……鬼を斬るとか言っておきながら……
まぁ、良いか……」
そこで、俺の意識は遠のいた。
「んん……」
あれ?ここはどこだ?
確か……そうだ!盗賊達を殺して……気を失ったんだな……
そんな時壁にかかった鬼斬とまだ名の無い刀が目に映る。
「鬼斬……麒麟と鳳凰からもらった刀を早速穢しちまったな……」
俺はゆっくりと立ち上がり刀を腰に刺す。
「黒鷹を大分待たせたかもな……
早く行かないと……」
俺は扉に手をかけて扉を開く。
すると
ゴンッ!
扉に何かぶつかったらしい。
俺は扉の前を見る。
そこには一人の少女が居た。
「うう……痛いです」
「ごめん!大丈夫か?」
「大丈夫です……いたた。
おお!気がついたのですね!
良かったです!」
やべぇ……この子可愛い……
……はっ!あぶねぇ……
「俺は姓を『劉』名を『郷』字を『喬契』。あんたは?」
「はい、姓を『司馬』名を『懿』字を『仲達』と申しますです」
……この子が?
この子が司馬懿?
あの?マジで?本当に?
何でもありだなこの世界……
「あの……どうしましたです?」
無理矢理!『です』が口癖なんだろうけどすごい無理矢理だぜ!
自覚無しか!?
「何でも無いよ。
ところでここは?」
「私の家です。
あなたは倒れていたので私が保護しましたです」
「そうか、早速で悪いが俺は旅に出ないと『駄目です』はい?」
「良いですか?あなたは精神的な傷と肉体的な傷を受けて倒れたのです。
それにあなたは自覚して無いでしょうが相当な傷を受けましたです。
刀傷は十五、矢の傷は二十です。そんな人が旅に出ていいと思っているのですか?
思っているならばあなたは相当のバカです。あほです。そんな人はすぐに死ぬのが関の山なんです。
もう少し休んでくださいです。良いですね?返事はどうしましたです?」
「あ、はい」
良くもまぁ……次から次へと言葉が浮かぶもんだな……
流石司馬仲達だな……
「怪しいです。もう一度最初から言うのです。
良く聞くのです」
マジかよ……
「良いですか?あなたは……」
約二時間後
「もうそろそろ夕餉の時間なのです。
作って来るのです。少し待ってるのです」
「はい……」
あれから色々いちゃもんを付けられ二時間程説教を延々と聞かされた……
誰か居たら助けて欲しかった位だ……
見た目は〇学生位にしか見えないのにすごく怖かった……
「あ、そう言えば黒鷹どうしたのかな……」
黒鷹寂しがってるかもしれないな……
「ちょっと司馬懿に聞いてみるか……」
俺は厨房の方に歩く。
厨房
「司馬懿、この邑に俺の馬……黒い馬が居なかった……
ん?」
何だ?この独特の匂いは……
「ああ、この家の馬小屋に居ますですよ。
盗賊達を誰も乗せず蹴り飛ばしていましたからあなたの馬ではないかと
推測しましたです」
司馬懿は一端こちらを向いてそう言った。
「そうか、ありがとう」
俺は微笑んでそう言った。
すると、司馬懿は顔を赤くする。
「い、いえ!この村の恩人に当然の感謝をしたまでなのです!」
何で顔を赤くしたんだろう……
もしかして風邪でもひいたのか?
「司馬懿、風邪でもひいたか?
顔が赤いぞ?」
「……はぁ……あなたは……大丈夫なのです。
問題は無いのです。夕餉が出来たら呼ぶから馬と会って来るのが良いのです」
「ああ、分かった。
後でな」
「鈍感男なのです……」
「何か言ったか?」
「何でも無いのです!早く行くのです!」
「はいぃ!」
俺はその場を一瞬で立ち去った。
馬小屋
「お!居た……黒鷹、大丈夫か?」
黒鷹は『誰に言っている?』と言う様な態度をとった。
「ふっ、一応心配しただけだよ。
心配しないと怒るだろ?」
今度は『当たり前だ』と言う態度をとった。
態度のでかい馬だな
「しばらくここで休むことになるからな。
お前も休んでおけ」
黒鷹は『了解』と言うふうな態度をとってその場で寝転んだ。
「劉郷さ~ん。
夕餉が出来たのです~。
来てくださ~いで~す」
「分かった!すぐ行く!」
俺は部屋へと走った。
だが、俺はこの後司馬懿に飯を作らせたことを後悔することになった。
「何だこれは……」
まず飯を見て言えることはそれだけだった。
何故なら色がとんでも無いことになっているからだ。
紫色だぜ?俺今までこんな料理は漫画の中にしか無いと思ってたのにそれが
今目の前にあるんだぜ?『何だこれは……』って言いたくなるぜ?
あ、今料理の上を飛んでた虫が死んだ……
「夕餉ですが何かありますですか?」
司馬懿さん、これやばいよ……
俺死んじゃうよ……
「さ、早く食べてくださいです」
うわぁ~良い笑顔ですね~
でも、それは俺に対する死刑宣告ですよ?
だが……
「(キラキラキラ)」
こんな笑顔の子を悲しませる訳にはいかない!
よし!食う!俺は食うぞ!
そう覚悟を決めて俺は飯を平らげる。
夕餉を平らげると司馬懿は嬉しそうな顔をして夕餉を片づけた。
そして、俺は自分の部屋に戻り体を休ませた。
「これってもしかして司馬懿の罠なのか?
そんな訳無い……よな?あははははは……うえっ」
後書き
どうでしたでしょうか?
次回からは一刀が・・・・になります。
・には一文字づつ入ります。
それでしばらくして華琳達に士官かな……
まぁ、無計画でやって行きます。
では、また次回。
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こんにちわ~
今回一刀はとある少女と出会い彼女を落とします。
では、始まり~