ここは管理者達が集う場所。
「そうか、予想どうり奴は司馬昭に転生したのだな。」
機嫌良さそうに男は確認するように問う。
「はい、そのようでございます。」
「そうか・・・く、く、く・・・」
そして、
「はーはっはっは!」
盛大に笑った。
「本当に面白そうですね?」
報告した男が問う。
「面白くないわけがない!!」
なぜなら、
「北郷一刀が正史どうりに司馬家による天下統一をしてくれるかも知れないのだぞ!
これが笑わずにいられるか!」
彼らの役目は、誤差はあれど外史を正史と同じような結末にする、あるいは
強制的に外史を消滅させることによって正史への影響を最小限、または無くす
ことである。
それを今度は外史を肯定し続ける存在である彼がしてくれるかも知れないのだ。
それだけを考えれば、彼ら否定派にとっては今まで敵だった者が
突如味方として登場したようなものであった。
「それで、司馬昭として転生した奴の状態はどうなのだ?」
笑うことやめた男は彼の転生後の状態を聞く、
「奴の状態のことなら大きく三つほど・・・、
一つは性格といったものはおそらく変わらないかと思われます。」
「まあ、そうだろうな・・・」
「そして二つ目は武力、知力といった才能もそれほど変わらないかと
思われます。もっとも彼にはもともとの才能は悪くないので努力しだいで
一流の将になれるかと思います。」
「ふむ・・・」
「三つ目、記憶の方なのですが、引継ぎはされてないようです。」
「・・・何?・・・」
これにはさすがに少し驚いたようで、
「記憶の引継ぎは選択できると思ったのだが?」
「そうだと思うのですが・・・自ら記憶を消すように望んだかと
思われます。」
大多数は引継ぎを望むと思うのですが、と言葉を付け足す。
「それに、あの者が記憶の引継ぎについてを言わないというもの
考えられませんが・・・」
確かに、と聞いていた男もそう思った。
引き継いだ方が利益が多いし、あの筋肉達磨が記憶の引継ぎのことを
言わないことは絶対に無いだろう。
「奴は過去になにかあったか?」
「いえ、記憶を消したくなるようなものは無かったと思いますが。」
新しく人生を始める際に記憶は消すべきと思ったのだろうか、
しかし・・・
(まあ、転生前の知識でなんらかの事件を意図的に覆されるよりはいいかも
しれんが・・・)
と思いこの疑問は考えないようにした。
「ん?待て、先ほど性格が変わらないと言っていたが、
記憶が無いということは、生き方しだいで変わるのでは?」
聞いていた男は、新たに浮上した疑問を問う。
「魂の記憶・・・というのでしょうか?そういうものが残っています。」
「ほう?・・・」
ということは・・・
「よほどのことが無いかぎり性格が変わることが無く、さらにこの世界の
時代では考えられないようなことを思いつくことがある、ということか・・・」
「左様でございます。」
報告者はそのことを肯定する。
「奴の状態はわかった、もう聞きたいことは無い下がって良い。」
といって話を終わらせようとしたが、
報告者はこの場から離れない。
「どうした?」
と、問いかける。
「いえ、二つほど懸念がございまして・・・」
と言い難そうに、
「記憶が無いとはいえあの北郷一刀が我々の思っているとうりに動いて
くれますでしょうか?」
もっともなことを言った。
「状況によっては我々が動けば良い。この外史はおそらく
奴が勝利者になることを望んでいるようだ、問題あるまい。」
「それは・・・そうかもしれませんが・・・」
とさらに難しい顔で言う。
「まだ不安があるのか?」
「実は・・・」
「あの二人の行方がわからなくなりました。」
あとがき
とりあえずプロローグは5話まで続く予定です。
オリキャラの方ですがまだ増やすつもりです。
ひょっとしたら今考えている人数よりも増えるかも知れません。
その分時間がかかってしまうかも・・・
とりあえずもう少しプロローグを読んでいただけるとうれしいです。
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お待たせしました。
もう少しだけプロローグは続きます。
それと、この投稿と同時に?ルートを晋ルートに
変えます。
追伸:誤字を発見したので修正しました。