No.302776

消しゴム鉛筆擬人化2

続編っていうか、なんというか。かなり昔に書いたものです。

2011-09-18 20:51:15 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:774   閲覧ユーザー数:773

消しゴムくんと俺鉛筆はいつも一緒だった。

筆箱の中で窮屈しながらもいつもいつも一緒だった。

 

俺は消しゴムくんが大好きで、

きっと消しゴムくんも俺のこと好きなんだと思う

 

消しゴムくんと過ごす毎日は楽しくて

毎日が輝いてるんだ

今日はそんな俺たちの1日を紹介しようと思う!

 

 

 

 

 

 

 

>消しゴム君と鉛筆君の日常

 

 

「鉛筆くんーっ」

「なんだ?」

 

消しゴムくんが机の上で必死に呼んでいるのが聞こえたので、

俺は側へ寄っていこうとしたがどうしても姿が見当たらない。

机のいたるところを探しても消しゴム君の姿は見当たらなかった。

 

「どこ行ったんだ?」

 

不思議に思いながら探し続けると、また消しゴム君の声がする。

 

「鉛筆くん…暗くてこわいよー助けて!」

 

鉛筆君の悲痛な叫びが聞こえるっ。

俺はいてもたってもいられなくて、そこらじゅうを走り回って探したが

やっぱり消しゴムくんは見つからない。

 

もう一度消しゴム君に声を掛けようとして、一歩歩き出したとき

俺は机から落ちてしまった。

必死で探し過ぎて、机の端に来ているとは思わなかったのだ。

 

「うわあああああああ」

 

俺は机の下へ転がってしまった。

これじゃあ消しゴム君を助けられないじゃないか…。

絶望した気分になりながら、鉛筆君は必死に上に上がる方法を探した。

しかし机は遥か遠くにある。

 

「ダメだ…」

 

諦めかけたそのとき、目の前に何かが通り過ぎた。

ものすごく見たことのある顔だ。

 

「え?」

「あ!」

 

それは消しゴム君だった。

目に涙をいっぱいためて、でも笑顔でこちらに向かってくる。

良かった、消しゴムくんが見つかって。

 

俺は心底そう思った。

消しゴムくんが俺の胸元に埋まってくる。

少しの間はなれていたせいか、何故かものすごく愛おしくなった。

こいつの側に俺がいてやらなきゃ、そう思った。

 

その後は、

二人が合流したところで、上にのぼれるはずもなく。

そのまま二人で床で寝ることにした。

きっと持ち主が気づいて戻してくれるだろう。

 

俺は消しゴム君と手を繋いだ。

「むぅ」とか「あぅ」とか消しゴム君は呟いてたが、

しばらくするとおとなしくなった。

 

しかし、消しゴム君のほうを向くと顔を真っ赤にして目をつぶっていた。

 

可愛いやつめ。

 

俺は心からの愛を込めて

自分のくちびるを消しゴム君に重ねた。

 

「んんん!?」

 

つぶっていた目を勢いで開いて、俺の目を見てまた赤面している消しゴム君。

俺はその目をじっと見つめる。

すると、恥ずかしがってまた目を閉じてしまった。

可愛過ぎていろいろと暴走しそうだ。

 

俺は数秒間消しゴム君を味わった後、満足してまたごろんと横になった。

 

「消しゴム君好きだよ」

 

笑顔で消しゴム君に言う。

気持ちを素直に言いたかったんだ。

 

「ぼぼぼ僕も……だいすきぃ」

 

照れてどもってしまい、さらに語尾はほとんど聞こえないほどの小ささだったが

俺にははっきりと聞こえていた。

 

本当に、大好きだ。

 

これが俺たちの日常______。

 

Fin.

 


 
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