<きのこオーブを追え! 鏡音時空探偵社! 第3話 スタールビーの指輪(前編)>
(未来世界・世界警察ロンドン支部・メイコ警部の執務室)
レンとミクが江戸時代から帰ってきた。
レン:ふぅ~、今回もさんざんな目にあったな~
ミク:ミクぅ~、連投はキツイです、ミクミク
メイコ警部:その様子だと、今回もやられたみたいね
レン:申し訳ないです。今回は助手のカイトにしてやられたって感じです。これから詳細に報告します
レンとミクは今回の顛末を詳細に報告した。
メイコ警部:うーむ、助手のカイトも怪盗リンとほぼ同じ腕をもっているわけね。はぁ~、問題児が二人に増えたわ・・・
レン:いえ、3つです
メイコ警部:え? だって、リンとカイトでしょ?
レン:先ほどの報告の一部から、決定的なあることがわかりました。怪盗リンが話していた“僕たちの役目”って所です
メイコ警部:確かに“歴史を変えないフォローの役をやらされていた”ってことね。悔しいけど怪盗達の言うとおりなのよね。同等品と交換でオリジナルが盗まれた場合、そのフォローの役割はあなた達とか捕まえる側の人間がやらないと行けないのよ
レン:ですが、怪盗も含め普通の泥棒が“歴史変更をさせない事”をわざわざ仕込んで盗むことってありますか?
メイコ警部:まぁ確かに怪盗リン以外のタイムトラベラーによる窃盗事件では、全部“そんな事まで計画にいれていた”ケースがないわね。盗んだものが“歴史変更に関わる程、重要なものでなかった”か、犯人を逮捕した後、警察が窃盗品を押収して、その時代に巧く返していたわ。正直、この役回り、難しくてつらいのよ。だから故にあなた達が怪盗リンの件で毎回ソレをストーリーのようにやりこなしているのが、信じられないのよ
レン:これは“怪盗リン一味の計画”通りに僕たちが踊っているだけですから。本当に凄いのは、悔しいですが彼らの方ですね。勿論“窃盗をしないでくれる“のが一番ですけどね
メイコ警部:それはさておき、さっきの“問題児3つ”って、残り一人はぶっちゃけ誰なの?
レン:巡音ルカ教授です
メイコ警部:レン君、前にも言ったと思うけど、警察はね、“物証”とか“決定的な証言”がないと動けないの。勿論、尾行とか調査はあなた達に依頼する事ができるけど、相手は“警察に協力を要請してくれた協力者”よ。しかもその危惧する事件は見事に当たっている。こんな人物をマークすることは、さすがに出来ないのよ
レン:では、“物証”があれば、警察は動けるんですね?
メイコ警部:え!?
レンは手袋を付けて、ポケットから布で包んでいる物を取り出した。布をめくると、そこには江戸時代でカイトにはずされた“電子ロック手錠”が包まれていた
メイコ警部:これは?
レン:先ほどの江戸時代の時、カイトが変装した神威学歩を一時的に拘束した時に使った、電子ロック手錠です。この後、煙幕を張られ、気づいたら、カイトの方の手錠は部屋の柱にかかっていて、カイトには逃げられました。正直、どうやってカイトがこれから手を抜けだしたのかはわかりませんが、これには重要な物が残されているんですよ
メイコ警部:重要な物? カイトの衣服の一部とか
レン:いえ。カイトの指紋です。
メイコ警部:!!
レン:この手錠から手を抜け出す所では、手首の関節はずしとかを使ったのかも知れませんから、指紋が付くことは断定できません。でも、この後、カイトははずした方の手錠を、部屋の柱に付け替えました。変装している時に素早くやったのは、煙幕の時間と部屋の狭さを考えても明らかです。そして学歩は手袋をつけてませんでした
メイコ警部:つ、つまり、素手で付け替えたから、その片方にはカイトの指紋がべったりついている、そういう事なのね!
レン:あの後、僕はハンカチを使って布に包んでポケットにしまいました。事件の前には必ず“良く拭いて手入れしておく”事にしているので、この連続2件の中で、この手錠の片方に付いている指紋は、僕とカイトだけになります
メイコ警部:わかったわ! その指紋、警察の犯罪者データベースと、世界IDデータベースで照合してみるわ!
メイコ警部はレンから、布に包んである状態で電子ロック手錠を受け取り、内線電話で鑑識班を呼びつけ、指紋検出を依頼した。勿論、ミク、レン、メイコ警部も、鑑識と一緒に行動した。
鑑識班は電子ロック手錠から検出できる指紋の全てを入手し、データベース照合用カードに移し替え、データベース室に移動した。
(世界警察・ロンドン支部・データベース室前)
管理官:パスを見せて下さい
メイコ警部:はい。権利者パスです
鑑識班は担当者パスを、メイコ警部は権利者パスを渡した。当然だが他のメンツは部屋には入れなかった。
メイコ警部:ちょっとその椅子でコーヒーでも飲んで待っていてね。データベース照合にはそんなに時間はかからないから
レン:はい
ミク:ミクぅ、私は自販機のハンバーガーでも食べている、ミク
レン:あ、あれ、美味しいよね・・・・って! あれだけ食べたのに、もうお腹空いたの!?
ミク:ミクっ
ミクは大きく頷いた。
レン:す、凄いね・・・
(世界警察・ロンドン支部・データベース室)
メイコ警部:さーて、やるか! 鑑識班、移し替えた指紋を頂戴
鑑識は2つの指紋カードを渡した。当然だが1つはレンのものだ。
メイコ警部:まず1枚目。指紋スキャニングっと!
ピーーーーーーーピッ!
メイコ警部:よし! じゃ、まず犯罪者データベースで照合!
ガガガガ・・・・ガ
画面には、“No Data”と表示された。
メイコ警部:なるほど。次は“世界ID”からの照合ね
(注:現代では指紋による一般人のID作成は行われていないが、この小説の世界では、出来る範囲での指紋情報を付与したIDカードの作成が義務づけられています)
ピピピ・・・・・ピ!
画面:鏡音レン ♂ 14歳 ロンドン在住 探偵・・・・・・・・・
メイコ警部:これはレン君の指紋ね。OK。じゃあ、片方がカイトの物って事ね。
メイコ警部は指紋カードを抜いて、もう1つのカードに交換し、スキャニングした。
メイコ警部:まず犯罪者データベースから。
ガガガガ・・・ガ
画面には“No Data“と表示された。
メイコ警部:あら、そう。警察に一度も入ったことのない人物なの。意外だわね。じゃあ、“世界ID”からの照合
ピピピピ・・・・ピ!
画面に情報が表示された。それを読んだメイコ警部は・・・・
メイコ警部:え!? これどういうこと!? じゃあ・・・・・・・・
(世界警察・ロンドン支部・データベース室前)
メイコ警部が部屋に入ってから、なんと1時間も過ぎていた。ミクの隣のゴミ箱は、自販機ハンバーガーの箱で山積みだった。レンの飲んだ缶コーヒーは、もう3本目だった。
ミク:ミク~、どうなっちゃったんですか?
レン:僕が訊きたいよ・・・・
そして遂に扉が開いた。出てきたメイコ警部はボロボロだった。
レン:メイコ警部! どうしたんですか! 僕の指紋照合とカイトの指紋照合だけじゃなかったんですか?
メイコ警部:レ・・・レン君・・・・この手錠、本当にあの時の物なの・・・・?
レン:え!? 間違いないですよ! さっき説明した事はウソではないです!
メイコ警部:じゃあ、この手錠の手入れ、ちゃんとしていた? 例えば他の誰かに貸して、返して貰ってからそのまま使ったとか?
レンは半ば憤慨気味だった。
レン:他の誰にも使わせてないですし、行く前に必ず布で拭いて所持しました。間違いないです!
メイコ警部:じゃあなんで、この人の指紋が出てくるのよ!!!!!!!!
照合結果:工藤ナオト ♂ 20歳 ロンドン在住 歴史研究家 歴史図書館シャーロック所属・・・・・・・・・
レン:え・・・え!!!!!!!!!!!!
ミク:ミクっ!!! なんで、ナオトさんの指紋が!!!!!!
メイコ警部:この人、あなた達が今回の件で頼った、歴史検索の専門家の所員よね。それも行く先を教えてくれた所の・・・
レン:そ・・・そ・・・そんなことって・・・・
メイコ警部:これ何回も指紋照合し直したの。でも結果は同じだったわ。おかしいと思ったから、指紋検索をやめて、人物検索モードに切り替えたわ。検索キーは、“カイト 日本 法結大学”。結果は、世界IDデータベースにちゃんと登録されていたわ。名前は“相州(あいす)カイト”、当然指紋照合に引っかからないんだから、今回会った“一味のカイト”とは別人よね
レン:・・・・・
メイコ警部:ついでに、“ルカ 教授 日本 法結大学”、“リン 日本 法結大学”の2つもやってみたの。それも両方、カイトと同じ結果。ちなみに名前は、“巡音ルカ”と“鏡音リン”。ちなみにこの“鏡音“って名字。世界で調べたら約1000件もあったから。名字としては比較的ある方だからレン君は安心してね
レン:・・・・・・
ミク:・・・・・・
メイコ警部:ただ、この3人の世界IDは、“出生時に登録されたものでなく、途中から登録されたID”だったの。家の都合とか、色々な事情を抱えた人がいるから、全人類に世界ID登録が徹底されているわけではないの。今回も事情があった上での事だと思うわ
メイコ警部:とにかく整理するわ。レン君、これまでの事をあなたに訊くから、ちゃんと答えてね
レン:はい
メイコ警部:江戸時代で取り逃がした、怪盗リンの助手“カイト”の正体は?
レン:・・・・歴史図書館シャーロック所員の“工藤ナオト”です
メイコ警部:Good。では同じ“カイト”で繋がっていた、法結大学の研究員“相州カイト”の、この事件への関与は?
レン:・・・・世界IDの結果と指紋照合結果から、今の段階では関与無し
メイコ警部:Good。では流れからして、この事件を起こしている可能性がある機関は?
レン:もしナオトさんが職業で行ったデータを元に個人的に作った団体で動いているなら断定できないが、職場ぐるみで行っていたのなら、“歴史図書館シャーロック“となる
メイコ警部:Good。では、法結大学の教授と助手のスタンスは?
レン:相州カイトの結果から、全員、今の段階では、ほぼシロ。但し、世界ID登録は途中から
メイコ警部:Good。そして最後、私たちがこれからするべき事は?
レン:電話等の信頼できる連絡手段で、2機関の6人の所在と存在を確かめる
メイコ警部:そして?
レン:悔しいですが、歴史図書館シャーロックに捜査の手を伸ばす事です
メイコ警部:良くできました! それにしても、この指紋の結果はでかいわね。立件できるわよ。さて、これからは警察の仕事なんだけど、まず始めに、あなた達から“歴史図書館シャーロック”に電話をして欲しいの。今、一番繋がっているのはあなた達だし、警察が初めに動くのは得策ではないと思うのよ。一番怪しい所から進めるんだけど、やってくれる?
レン:やらざるを得ないですから。えっと、番号は・・・
ピピピポポポピピ・・・・・トルルルルル・・・・・申し訳ありませんが、本日の営業は終了致しました。
レン:本日の営業は終了・・・・メイコ警部、今何時ですか!?
メイコ警部:えっと、午後5時10分よ。営業時間外だったの? まぁ午後5時上がりなら普通かな
レン:それが違うんです! あそこの営業時間は、“午前9:00~午後6:00”。留守電になっているか、電話に誰かが出ないとおかしいんです!!
メイコ警部:!!!! 警官を数名集めて、現場に急行します! あなた達も一緒にお願い! 道案内とかも含めて!
レン:はい!
ミク:ミクっ! りょーかーい!
遂にリアル時間でも事件が発生してしまったのだった! メイコ警部はすぐに数名の警官を集め、パトカーで現場の“歴史図書館シャーロック”に急行したのだった
(午後5時50分・歴史図書館シャーロック前)
レンとミクはパトカーの影で座っていた。警官はマニュアルにあるように、パトカーを盾にして、専用の電子銃を構えていた。メイコ警部も片手に電子銃を持ち、拡声器を使って呼びかけた
メイコ警部:歴史図書館シャーロック所員、榊(さかき)ユウ! 工藤ナオト! 双海(そうかい)アサミ! 既にお前達は包囲された!。おとなしく投降しなさい!!
・・・・・シーン・・・・・
全く無反応だった。
メイコ警部:担当官! 建物内に生体反応はあったか!?
担当官:・・・・・・あ、ありません! やられました!
メイコ警部:く! 今度は私たちが取り逃がしたか! 仕方ない、全員で中に侵入する! 担当官の爆発物スキャンに従って行動する!
(玄関)
担当官:爆発物反応・・・なしです。このまま入って構いません
メイコ警部:施錠は・・・・・ん?
声:鏡音レン、識別完了、鍵を開けます
ガチャ
鍵はレンを識別したうえで自動で開いた。
メイコ警部:ほぉ~、“お待ちしてました”、って事なのね~(怒)。わかったわ、入ってあげようじゃない!
全員が慎重に社屋の中に入っていった。
(検索室)
メイコ警部:電話以外のスイッチは全て切られているか・・・・・ん? デスクになにか紙があるわね。
メイコ警部は慎重に紙を手に取ってみた。
***
レン君にミクさん、騙していてごめんね。
お詫びに、私たちがこれから向かって時空の歪みを作る年代と場所とターゲットを書いたFAXを送って置くわ。
見た後、あなた達がどうするかは自由。でも“私たちを追わなくてはいけない”理由は、二人にはわかるよね。
だから“追いかけてきてね”。
From ユウ、ナオト、アサミ
***
メイコ警部:もう、完璧な物証ね。そのFAXとやらも内容を書き写したら物証扱いで警察に保管するわ
レンは何も言えなかった。はっきり言うと、彼らに“踊らされていた”のである。
メイコ警部:レン君、ミクさん、私もあなた達に同行するわ。もうこれは立件された事件よ。警察も大手を振って捜査に協力できるわ。いいですね?
レン:協力者は多い方がいいですから。お願いします。でも、捜査上、色々注文を付けると思いますので、ご了承を
メイコ警部:オーケーよ。じゃ、探偵社に行ってFAXを確認しましょう! 警官は応援を呼んで、ここの調査をお願いします!
担当官:わかりました!
こうして、レン、ミク、メイコ警部の3人はパトカーで、レンの探偵社に向かった。
(午後6:30・ベーカー街221区画-ポイントB・鏡音時空探偵社)
3人はオフィスに入った。FAX機に数枚のFAXが届いていた。FAXには以下のような記載があった。
***
FAX
From 歴史図書館シャーロック ユウ、ナオト、アサミ
To 鏡音時空探偵社
私たちの立ち寄り先とターゲット
(完了)1番目:AD1669年、17世紀のイギリス・国家錬金術研究棟
お宝所持者:ミリアム
お宝:賢者の石
(完了)2番目:AD1814年、江戸時代の江戸
お宝所持者:神威学歩
お宝:妖刀村雨
3番目:AD1620年、ドイツ・シュツットガルト
お宝所持者:レオン
お宝:ウォルフガングの妻の死を予言した指輪“スタールビーの指輪”
4番目:お・た・の・し・み♪
5番目:お・た・の・し・み♪
6番目(最後):お・た・の・し・み♪
***
メイコ警部:“お・た・の・し・み♪“・・・・まぁいいわ。じゃあ記載通り、次は1620年のドイツって事になるわね
レン:メイコ警部、行く前に1つだけ確認を取って頂きたいことがあるんですが
メイコ警部:あれね
レン:そうです、日本の法結大学のルカ教授と助手二人の今の所在です。“別人とわかっていても、どうにもスッキリしないので・・。”今の時点”で本人達がいるなら、この3人は除外してしまっていいと思います
メイコ警部:わかったわ。えっと大学の番号は・・・・・あ、これだ
メイコ警部は携帯から大学の事務室に電話を掛けた。
プルルルル、ガチャ
事務員:こちら法結大学事務室です
メイコ警部:私、世界警察・ロンドン支部のメイコと申します。ルカ教授に繋いで欲しいのですが
事務員:ルカ教授と助手のお二方は、研究のため、現在長期出張中となってます
メイコ警部:出張先電話番号か、ルカ教授の携帯番号を教えていただけますか?
事務員:申し訳御座いません。出張先が多岐に渡っているため、現在の所在はこちらではわかりかねます。ルカ教授の携帯電話の番号のみ、ご連絡致します
メイコ警部は事務員から番号を教えて貰った。そして電話を切り、すぐにその番号に電話を掛けた。しかし・・・
電話:現在、この電話は電波の届かない所にあるか、通話不能の場所にありますので、お繋ぎできません・・・
メイコ警部:うーん、出張でいない事は事務に連絡してあるが、携帯には繋がらないようね・・・
レン:むむ・・・・シロクロはっきりしない結果・・・・か
メイコ警部:仕方ないわね。この問題は今はストックしておきましょう
レン:わかりました。有り難う御座います。ではちょっと1件目を調べます
レンは前に使った携帯端末を起動し、検索をかけた。すると、以下の情報が半透明モニターに表示された。
***
☆スタールビーの指輪の所在情報
・
・
・
○1620年12月04日午後:元の持ち主“ウォルフガング”から友人の“レオン”に譲渡される。以降の年代における所在は不明
***
レン:これか。ミク君、1620年12月04日午前9:00ジャスト、ドイツ・シュツットガルトのウォルフガング・ガーベルショーヴァーさんの邸宅近くで人気のない所を検索してくれ
ミク:ミクっー!・・・・・・・・・・・あ、ここだ! 路地裏がいいですね
レン:では、そこにセット。じゃあ、ミク君、メイコ警部、行きますよ!
メイコ警部:この懐中時計からタイムトラベルするのは初めてね。ちょっとドキドキかも
ミク:ミクぅ~、メイコ警部、安心して下さい。他のと同じですから
メイコ警部:わかった! じゃあ、行こう!
こうして3人は、セットした所にタイムトラベルしたのであった。
(1620年12月04日午前9:00・ドイツ・シュツットガルト・ウォルフガング邸近くの路地裏)
3人はようやく到着した。
メイコ警部:ふぅ~、なかなかトラベルしがいのある懐中時計ね、これ
レン:運動にはなりますよ。特にダイエットしている女性の方々にはお奨めです
メイコ警部:な~に~、なんか言った!?
レン:いえ・・・・・。さ、さて、今日の昼にはレオンに指輪が渡ってしまいます。とにかく今の持ち主であるウォルフガングさんにアポ取って、警護を受けさせて貰わないと・・・
ミク:(ミクはいくら食べても太らないから、関係なしミク)
メイコ警部:じゃあ、私の警察手帳と姿だけは、この時代に合わせることにしましょう
レン:姿はともかく、警察手帳ってそんな事できるんですか!?
メイコ警部:タイムトラベルが出来るようになってから、改良されたの。どの時代でも“警察の特権”を使えるようにね
メイコ警部は、レンが前に使ったコスプレライトとは違う種類のライトを取り出し、光を照らした。すると、警察手帳とメイコ警部の姿は、この時代っぽい、レトロな感じに代わった
レン:なかなか似合ってますよ
メイコ警部:そーぉー♪。それはさておき、3人で玄関から堂々とウォルフガングさんに会いに行きましょう
メイコ警部を先頭に、3人はウォルフガング邸の玄関に行き、メイコ警部がドアを軽く叩いた。
コンコン
メイド:どちら様でしょうか?
メイコ警部:私、警察のメイコ警部と申します。実はこちらのウォルフガングさんがお持ちの“スタールビーの指輪”を狙っている泥棒の情報が入ってきましたので、お伝えしたかったのですが
メイド:警護関連の事ですか?
メイコ警部:その通りです
メイド:警部さんには申し訳ないですが、ウォルフガング様はその指輪関係の事で、ご友人のレオンさんと会うために、既に外出致しました
メイコ警部:え!? で、では、行き先などはわかりますでしょうか?
メイド:朝食を取りながら待ち合わせ場所に向かうと仰っておりました。あ、朝食をとるお店は、この近くの“ゲオルグ”ってお店です。今追いかければ、店内でギリギリ会えると思います。ウォルフガング様はごゆっくり朝食を取られる御方ですので。
メイコ警部:有り難うございます! これから向かいます!
メイド:では・・・
バタン
メイコ警部はマップ端末を出して、この時代のこの場所のマップを呼び出した。
メイコ警部:この時代のマップ用意完了! さぁ!二人とも、足の準備はいい?
レン:オーケー! すぐに向かいましょう! 街に騒ぎがない所を見ると、まだ怪盗リンと接触した可能性は低いですから
ミク:れっつらごー!
ダダダダダダダ!
こうして、所持者の追跡が始まった!。
(続く)
CAST
探偵レン:鏡音レン
助手のミク:初音ミク
メイコ警部:MEIKO
怪盗リン:鏡音リン
カイト:KAITO
歴史図書館シャーロックの館長 榊ユウ:???
歴史図書館シャーロックのスタッフ 工藤ナオト=カイト:KAITO
歴史図書館シャーロックのスタッフ 双海アサミ:???
法結大学教授 巡音ルカ:???
助手の鏡音リン:???
助手の相州カイト:???
レオン:LEON
鑑識班、担当官、メイド:エキストラの皆さん
ウォルフガング・ガーベルショーヴァー:スタールビーの指輪の実在の所持者
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○ボーカロイド小説シリーズ第4作目の”きのこオーブを追え! 鏡音時空探偵社!“シリーズの第3話です。
☆探偵モノです!
○時空を越えて捜査する探偵レンの物語です!