私の名前はアインハルト・ストラトス。St.ヒルデ魔法学院中等科の1年生です。
今日は待ちに待った初等科中等科合同体育祭。覇王の血を継ぐ者として、負けるわけには行きません。なにより・・・・・・、
「アインハルトさ~んっ」
「ヴィヴィオさん、ごきげんよう」
「ごきげんようです! 今日の体育祭、頑張りましょうねっ!!」
あぁ・・・・・・かわいい・・・・・・。ヴィヴィオさんのこの笑顔だけで、私ならご飯20杯はいけます。・・・・・・ごめんなさい嘘です。30杯でした。
そう、なにより同じチームであるヴィヴィオさんにかっこいいところを見てもらうためにも、私は決して負けられないのです。
おや、向こうから走ってくるのはリオさんではありませんか。・・・・・・・・・・・・チッ。
「あ、リオ!」
「ごきげんようリオさん。どうしたのですか?」
リオさんは息を切らしながら話します。
「こ、コロナがっ・・・ヒューゲホゲホ、風邪っ・・・・・・ひいたんだっゲホゲホ・・・て・・・・・・!」
・・・・・・ちょっとこの咳き込みようはさすがに心配です。が、コロナさんが風邪・・・・・・。
「コロナ大丈夫なの!?」
さすが私の天使・ヴィヴィオさん、すごく心配そうな表情でリオさんに訊きます。どうでも良いですが私も風邪を引いたらこんな風に心配して貰えるんでしょうか。きっとそうですね。・・・・・・あ、いえ、別にコロナさんの部屋に長時間居座って風邪をうつしてもらおうとかそんなこと考えてませんよ、ええ。覇王を何だと思っているんですか。何も言っていない? そうですか。
「ケホケホ・・・・・・ふぅ、コロナ、熱自体はたいしたことないけど、大事を取って休むんだって」
「そうなんだー・・・・・・あとでお見舞い行こうかな?」
「そーだねー・・・・・・そうしよっか!」
「アインハルトさんはどうします?」
「えぇ、私もご一緒させて頂いてよろしいのなら」
「ありがとうございます!」
不謹慎ですが、この状況を作り出してくれたコロナさんには立派な菓子折持参で行くのが良いかもしれませんね。
「あ、でもヴィヴィオって2人3脚どうする?」
「うぁ、そっかぁ・・・・・・。今から代わりに出てくれる人探さなきゃね・・・・・・」
「どうしたのですか?」
・・・・・・そこ、別に私の「ヴィヴィオさんセンサー」が反応したとかそう言うことはないです。ないったらないんです。
「今日の2人3脚、私コロナと組む予定だったんです。でも、コロナがお休みだと今から代わりに出てくれる人を探さなきゃならないです・・・・・・」
「リオさんではダメだったのですか?」
だから別にワクワクしてないです。
「私は他の人と組んでるんです。おまけに、ヴィヴィオとは同じ回に走ることになっているから、2回出るっていうのも・・・・・・」
ふむ・・・・・・・・・だから「チャンス!」だとか思っていませんと何度言えば。
「では、ここは私がご一緒させて頂きましょう」
「「えっ」」
リオさん、ヴィヴィオさんとハモらないで下さい。妬きま・・・・・・妬きません。
「私は2人3脚の辺りは暇がありますし、ヴィヴィオさんとは何度もスパーリングをして呼吸を合わせるのも問題ないでしょうから。・・・・・・それとも、私とではダメでしょうか・・・・・・」
ヴィヴィオさんの顔に、みるみるうちに笑顔が戻っていきます。子供特有のよく伸びる体のように、表情も子供らしく伸びがあるのですね。素晴らしいです。ブロマイド100枚くらい欲しいです。
「ありがとうございますっ!! ぜひご一緒させて下さい!!」
「よかったね、ヴィヴィオ!」
正直この辺でもう満足ですが、惚れ倒れるのはやはり体育祭のあとにしましょう。私、すごく頑張れそうです。
そのあと私は、出場する全ての競技でぶっちぎりの優勝でしたが・・・・・・それはまた別の話です。
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全国のアインハルトファン並びに都築先生藤真先生ゴメンナサイ。