前回のあらすじ!!
一刀を求めてついに外史までたどり着いた詩織!!
なんとそこは蜀の都の成都だった!!
そして不審者と間違えられて(ぶっちゃけ間違いではない)逃げている時に『ある女性』と出会う!!
その名は関羽!!!関羽って男の人じゃなかったっけ?とか、髭は?とか、超美人なんだけど?
とか、色々言いたいことがあって頭がグルグルしてる時に『名を名乗れ!!』とか言われて
『妹で未来の妻だ!!!!』とか言っちゃったからさあ大変!!
詩織の命は一体どうなるのか!?ハイ、あらすじ終了!!
「未来の妻だっっ!!!」
妻だっっ!!(エコー)
まだっっ!!(エコー)
だっっ!!(エコー)
っっ!!(エコー)
っ!!(エコー)
!!(エコー)
!(エコー)
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
・ ・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
し ま っ た ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! ! ! ! (心の中で)
しまった!!
しまったしまったしまった!!!
しまったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
完全にやらかした!!
でも、だって、だってあの人が『我が名は関羽』とか言うんだもん!!
吃驚したんだからしょうがないじゃん!!
それで『北郷一刀の嫁』とか言うんだもん!!!(※注※言ってません。)
だから私もついうっかり『未来の妻』とか言っちゃって……。
願望がポロっと出ちゃったよう……。恥ずかしい……。
第一、兄妹だったら結婚できないもんね……。
血の繋がった者同士で、その、そ、『そういうコト』しちゃったら病気持ちの子供が生まれる可能性が高いって科学的にも証明されてるもん。
……そういう問題じゃないか。
「…ふう。…またか。」
「?『また』?」
「ご主人様の家族を名乗る輩がまた出てきたのか、という事だ。」
「……あぁ。」
「最近はもう無くなっていたのだがな。…で?貴様はそれだけのために来たのか?」
…な、なんだかものすごくご立腹でいらっしゃる。
目はものすごく細くなってるし、さっきまでのオーラみたいなのが消え失せて
いかにも『めんどくさそう』な感じになってる。溜息までついてるし。
確かに『天の御使い』の家族だと認められれば、それなりの優遇はされるだろう。
お兄ちゃんはお人好しだから、
その度に関羽さんは追い払ってきたのだろう。この人かなりの苦労人だなぁ。
もっとも、お兄ちゃんはそんなに軽い人間じゃないけど。
しっかし困ったなぁ。
「私はほんとに妹なんだけど。」
「はぁ、今までの愚か者共もそう言っていたな。」
むっ。この人全然話を聞いてくれない。
「どうしたら信用してくれるの?」
「わかったから、さっさと帰れ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
な、何か腹立ってきた。
「…少し失礼なんじゃないですか?」
「何?」
「今までそういう人達がいたからって、私もその人達と同類にしないで下さい。」
「…現に貴女は自分がご主人様の妹君である証明をできていないではないか。」
「
「うっ…。」
「そんなせっかちな性格なのに、よくお兄ちゃんの部下なんて言えたわね。あー恥ずかし。」
「貴様……!!。」
気短っ!!この人は賢いけどかなり気が短いなぁ。すぐに食いついてくれた。
んで何か物的証拠でも見せれば――!!
「覚悟しろ。小娘。私を怒らせたことを後悔しろ。」
それ負けフラグですよ。ま、二次元と三次元は違うんだけどね。
「させてみたら?」
エナメルバッグを少し離れた所にそっと投げる。片手で勝てるほど余裕じゃない。
「――!!」
「――!!」
私と関羽さんは同時に駆けた。
「さて、私も行くか。」
「え?どこにですか?」
「決まっておろう。愛紗のところだ。」
「?なんで星さんも行くんですか?」
「なに、少々面白いことになっている気がしてな。」
「はぁぁぁ…本音は何ですか?」
「どんなときでも愛紗は酒の肴になる。」
「気をつけて行ってらっしゃいですぅ~。」
「うむ。ではな軍師殿。」
てくてくてくてく。
「はぁ、星さんはいつもあぁです。」
とっぴょーしも無い事を言ったと思えば、大体それは的中するのだ。
「軍師としてはいけないと分かっているんですが…あの勘のよさは少しだけ欲しいです。」
ずずず…とお茶をすすりながら朱里は独りごちる。
ほふぅ、とお昼を楽しむ。すると。
ばたばたばたばた。
「しゅ、しゅ、しゅ、朱里ちゃぁぁぁぁん!!」
「はわ?どうしたの?雛里ちゃん?」
慌てたように叫びながら走ってきたのは、自分の大親友の雛里であった。
「こ、こ、こ、こ、これ!」
雛里は慌てながら竹簡を見せてきた。
「?なになに?……はわわわわわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ギィン!!
キン、ギ、キ、キ、キィン!!
ガキィィン!!!
「――っ!!」
「くぁぁっ!!」
薙刀とダガーが十字に交わり、鍔迫り合いになるも関羽に押されて後ろによろめく。
バックステップで距離を取り、追い討ちをかけるように放たれた突きを首を傾けて避ける。
(リーチが違う!!このままじゃやられる!!接近…するの!詩織!!)
自分に叱咤しながら前進。
「せえええええええっっっ!!!」
関羽も突っ込んでくる。
横薙ぎに振られた一撃をしゃがんでかわす。膝蹴り。それぐらい予想済み。しゃがんだ体の
バネを利用して跳躍。関羽の後ろに着地すると同時に背中を斬りつける。
ガキィン!!
……いやいや。
いやいやいやいや。
このタイミングでどうやって防いだの?
柄の部分で防がれた。
べ、別に悔しくなんかないんだからね!!
後ろ蹴りを膝で防いで。いや、防ぎきれなかった。体が空中に浮いた。
関羽が振り向きながら一撃を打ち込んでくる。後方に吹っ飛ばされる。
どうもありがとう!!!
全身の力と気をダガーに込めて投げつける!!!(※注※音速に近い速度です。)(滞空なう)
にもかかわらず易々とそれを避けられた。
……うん。もういい、分かった。
この10分間の攻防でなんでこうも防がれ続けるのか分かった。
膂力、速さ、反射神経、全てが同じ。いや、私のほうが上回っているだろう。
なのに何故?
『経験』
この人は激しい戦乱を駆け抜けてきた。
そんな猛者に、ケンカすらしたことの無いド素人が敵うわけが無い。
ならばどうする?
あっちにはない力で『経験』の差を埋める!!
――強い。
この少女は強い。
太刀筋はまるでデタラメ。
なのに速い。一撃が軽いと思わせて重い。反射神経もいい。
最初は『またご主人様の親族を名乗る輩が来たのか』と思った。
…今までとは違う気がする。
それどころか、この少女と会ったことがあるような気さえしてくる。
違う。
そうじゃない。
私は『いつも見ているのだ』この顔を。
そうだ。
あの『目』。『顔つき』。どことなく柔らかい『雰囲気』。
ふにゃっとしていて、あっという間に折れそうで、その実誰よりもまっすぐなモノを持っている。
――似ている。
とても似ている。
『あの方に』
ご主人様に。
考えに没頭していたせいで、愛紗は返ってくるダガーが急に速さを増した事に気づくのが
一刹那遅れた。
私の【オリハルコン・ナタス】(命名:于吉達。名前を決めるのに約1時間かかった。中二病。)の
能力。
『地平線の彼方に飛んで行こうが壁に刺さっていようが他人に奪われていようが必ず2秒以内に手元に戻ってくる』
2秒以内。
2秒以内に私の手元に戻ってくる為に、ナタスはいくらでも速度を上げる。
『いきなり投擲物の速度が上がる』なんて経験、してる訳が無い。
絶対に当たる!!
〈前話の武器解説の補足〉
前話に書き忘れていた事がありました。実は一番重要なことです。
詩織の武器の一つであるダガー。
この武器で【人は殺せません】
ですが物は斬れます。
木も斬れますし、紙を切る事もできます。
ナタスで人を斬った場合、【服だけ】が切れます。
斬られた人には、【斬られた痛みだけ】が与えられます。それにより気絶したり失神することも
あります。
が、その痛みによってショック死したり、後遺症が残ることはありません。
【痛みだけを与える武器】というわけです。
死ぬほど痛いのに死ねない……。于吉達も中々エグい物を造りますね…。
しまった。
気を逸らしすぎた――!命の取り合いの中で気を抜くことは死に繋がると、いつも部下達に言っているのに――!!
気を纏いながら回転してくる長めの短剣――さながら、光る手裏剣が近づいてくる。
やられる。間に合わない。
愛紗がそう覚悟し、下唇を噛み締める。
その瞬間。
ガキィィン!!
赤い刃が愛紗を救った。
「…!誰!?」
しまった!!味方が来た!?
「星、お主…。」
「なにやら面白いことが起きている気がしたのだが…全く、情けないぞ愛紗。」
「すまない…。」
全身を白い服で包み、青い髪の毛の人と関羽さんが喋っている。
やっぱりこの2人は知り合いみたい。っていうかこの人も超美人なんだけど!?
この調子じゃお兄ちゃんの周りにはハーレムが結成されているかもしれない。
「で?そこの少女。」
「…何ですか?」
青髪さんが話しかけてくる。気を抜いちゃ駄目。すぐさま襲い掛かってくるかもしれない。
「愛紗を追い込むとは中々、いや、かなりの腕のようだな。どうだ?我が軍に入らないか?」
「…は?」
「な、っ何を言っているのだ!?お前は!?」
「よいではないか。腕の立つ人材がいて困ることなどありはすまい。」
「…本音はどうなのだ?」
「私も戦ってみたい。」
「まぁそうだろうな。」
「仕方あるまい。あのような戦いを見せ付けられれば、こうなるのは武士として当然であろう。」
「そうだが、この者は侵入者だぞ?」
「だからこそ我が軍に入れるのではないか。無断進入したのはうやむやにしておいてやるかわりに我が軍に入れるという…。」
「いいわけがあるかっ!!」
……即興漫才が始まった。
どうしよう。このまま逃げるべきかな?しかしどこに?関羽さんクラスの人に来られるとなす術が無くなる。
「…っあの」
「みなしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!大変ですううううううううう!!!!」
ちっちゃい子がものすごい勢いで走ってきた。
「おや、どうなされた軍師殿。」
「朱里。」
ん?今『軍師』って聞こえたけど。気のせいだよね?
「ぜぇー。ふぅー。はぁー。」
「一体どうしたのだ?朱里。」
「ご……」
「「「ご?」」」
「五胡が攻めてきました!!!」
〈続く〉
(あとがき)
お久です。レインです。
いやー初のバトルパートです!!いかがでしたか!?
書いてみて分かったんですけど、バトルパートを文章で書くって疲れますねー!
頭の中で出来てるのを文章にする。それがこんなに難しいとは……。
あと何回かバトルパートがありますので、それでもよろしければご期待下さい。
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初のバトルパートです。上手くできたらいいなぁ・・・