ところかわって、森の中。
華琳と俺は川のほとりに来ていた。
「そういや、華琳。俺が消えた後はどうだったんだ?」
皆の顔を思い浮かべながら聞いてみる。
すると、なぜか華琳は、顔を真っ赤にして、
「だれも、あなたの為に泣いてなんかいないわ!これっぽっちも淋しいとか思ったりしてないし、
何か音がするたびに、あなたが帰ってきたかと思って顔をあげたり、桂花が探しに来るまで、ずっとあそこにいたりもしなかったんだから!」
急にしどろもどろになりながら華琳があたふた答える。若干キャラが違くないか?
「国のことを聞いたんだけどなぁ。そうかそうか、華琳は俺がいなくなって淋しかったかぁ」
『そんなわけないでしょう!』とか言い返してくると思って軽口を叩いてみる。
しかし、期待した答えは返ってこなくて、不思議に思い華琳を見ると、目は真っ赤に染まっていて、
「淋しかったに決まっているでしょう!泣いたに決まっているでしょう!あなたは私が認めた唯一の男なのよ!ずっと一緒にいるって約束したのに!なんで!なんでいなくなったりしたのよ!」
俺の胸を叩きながら泣く華琳の顔は、今は王ではなく少女の顔だった。
「…ごめんね。華琳。もう、どこにも行かないから」
「ほんと?」
「うん」
「前も、そう言ってなかった?」
「大丈夫。今度はいなくならないよ。たとえいなくなっても、また帰ってくる。俺の帰る場所はもう華琳の隣しかあり得ないよ」
「…当然でしょ!私は覇王よ、ほしいものは何だって手に入れてきたわ。あなたが戻ってくることも必然だったのよ!」
華琳が目をこすりながらいつもの調子を取り戻して笑顔で言った。
「ありがと、華琳」
俺も笑顔になっていた。
そのあと、川を見ながら華琳は俺が消えた後の魏のことを教えてくれた。
春蘭はお酒を飲む回数が増えていて、そのたびに俺への愚痴をこぼしていたり
桂花は俺が帰ってきたら、逃がさないように城中に罠を仕掛けて華琳に大目玉をくらったとか
季衣は時々俺の部屋で寝てたりするらしい
流琉は俺がいつでも天の料理を食べられるようにと、以前教えたレシピをかなり派生させて、街の食堂に一部を配布してたり
風と稟は消える前に俺が残していった、さまざまな施策を発展させてくれているらしい
(「風は寝る回数が増えたわね。そろそろ罰を与えるべきかしら」と華琳は舌舐めずりをしていた。)
沙和と真桜は真面目に仕事をしていて、凪が目を丸くしていたり
霞は趙雲さんと酒を飲みながら、「あいつはな、星。ウチと約束したんや。一緒に羅馬に行くて。だから、あいつは絶対戻ってくるで」と会うたび会うたび言っていて、趙雲さんは若干呆れているらしい。
「まぁ、ここまでになったのもつい最近のことなんだけどね」と華琳は最後に付け加えた。
「そっか…早くみんなに会いたいな」
「明日にはもう会えるんだから我慢しなさい。まったく、種馬っぷりは衰えてないわね。天でも変わらなかったのかしら?」
華琳は頬を膨らませながらツンツンして聞いてくる。
「うーん。実は向こうでは、一回もそういう事がなかったんだよね」
俺は若干のショックを受けながら華琳に告げる。
「嘘をつくと承知しないわよ。話を聞いてる限りじゃあの桜子とかいう女とずいぶん仲よさそうだったじゃない」
どこからか取り出した『絶』を構えながら睨みつけてくる。
「本当だよ。桜子さんはそういう関係じゃなかったんだ。桜子さんは親友というk…!」
俺は遠くからガサガサと音を立てながら迫ってくる何かに気付いた
「どうしたの?言い訳はそこまで?」
俺をどうやって懲らしめてやろうかと頭をまわしている華琳は気付いていないようだった。
「しっ!何かが近づいてきてる。この速さは多分『人』じゃない」
「『ぐろんぎ』だったかしら?奴らなの?」
「わからない。でも、うしろにさがってて」
「わかったわ」
俺は音のする方を前にして、背中に華琳をかばう。
「来る!」
森をかき分け出てきたのは、かつて倒した怪人の姿だった。
「お前は…23号!」
俺は臨戦態勢を取りながら、奴を睨みつける。
「23号?俺は、そんな名前じゃない。俺の名前はメ・ビラン・ギだ。用があるのはお前なんかじゃない。その女だ」と華琳を指さしながら言う。
「…あれ?」
俺は首をかしげる。
「元の世界じゃ何を言ってるかわからなかったのに、何言ってるかわかる…」
「何言ってるの?私は奴が何言ってるか全然さっぱりよ」
「ということは、御遣い効果かなんかかな。ってそんなことを言ってる場合じゃなかった。華琳離れて!」
俺は、手を腰の前にやりながら、華琳に叫ぶ。
「はいはい。しっかり見せてもらうわよ、あなたの得てきた力を」
「うん。今度は俺が…皆を守る番だ! 変身!!」
変身ポーズをとった瞬間、一刀の体は変化していった。
ビランはその一刀の姿を見て、目を見開いた。
「まさか…クウガか!」
今はあの女のことを気にしている場合ではない、ビランは戦闘態勢を取る。
「ぅおりゃ~~!!」
数秒の対峙を経て、クウガがビランに殴りかかる。
「ふっ!」
それを避けてクウガの懐に入り込んだビランは、腕についたヒレ状のカッターでクウガの胸の装甲を切り裂く。
「くぅ…!そうだった。あいつのヒレは!」
赤い装甲から血がどろりとこぼれる。
一刀はすっかり忘れていた自分をさいなみながら、痛みに耐えかねうずくまる。
「もう一度だ」
ビランはうずくまったクウガに再び襲いかかる。
「ぐっ!超変身!」
再び変身ポーズをとると同時にクウガの体はタイタンフォームに変化した。
ビランの攻撃はクウガの強固になった装甲にはじかれる。
「紫か…なかなかやるな」
ビランはバックステップで距離を取る。
その間にクウガは近くにあった流木を手に取りタイタンソードへと変化させた。
「いくぞ!」
クウガはビランに斬りかかるもその動きは素早いビランをとらえるには、あまりにも鈍重で。
その刃は軽々とかわされ、ビランは川へと逃げる。
「待て!」
クウガは川に逃げたビランを追いながら、三度変身ポーズをとる。
「超変身!」
疾走するクウガはドラゴンフォームへと変化すると同時に一気に加速する。
腕に持っていたタイタンソードも同時にドラゴンロッドへと変わる。
「今度は青か。その鎧は弱いぞ」
ビランは勝機を見出だし川から上がり、構える。それに追いついたクウガも中国拳法のような構えをして睨みあう。
一刀は先ほどから引っかかっている疑問をビランにぶつける。
「なぜ、華琳を狙ってきたんだ!」
「そいつを殺せば力をくれると奴が言ったからだ」
「奴…?それは誰だ!」
「知らん!これ以上は時間の無駄だ。お前も殺して、あいつも殺して、俺はゲゲルを成功させる」
「やらせない!」
クウガは一気に距離を詰めて、ビランにロッドを叩きつける。
「ぐっ…」
反応しきれなかったビランはそれをもろにくらってしまう。
それを見てクウガはここぞとばかりにロッドを乱舞する。
「まずいな」
逃走を試みるも、攻撃を足にもくらっていたビランはドラゴンフォームの前では逃げることは出来ない。
「ぅおりゃ~~!!」
クウガはロッドでビランの胸を突き刺す。
ロッドの先端がビランの胸にめり込み、リントの封印の紋章が現れる。
その紋章から光線が伸び、ベルトのバックルにたどりついた瞬間ビランの体ははじけ飛んだ。
「はっ、はっ、はっ…はぁ」
戦闘意識を解いて、俺はクウガの姿から人間の姿の戻る。
「一刀!大丈夫?」
華琳が近寄ってくる。
「大丈夫。華琳けがはないかい?」
「ないわ。でも…」
「うん。あいつは華琳を狙ってきてた。でも、あいつ…というより未確認が華琳を狙う必要はないはず…なのになんで」
「わからないわ。ここで悩んでも仕方ないでしょう?でも、ここにいたらまた襲われるかもしれないわ。いったん城に戻りましょう」
といって、華琳は踵を返して城へと戻る。
俺は苦笑しながらついていこうとすると、先を言っていた華琳が戻ってくる。
「も、戻る道中に狙われたら危険だわ。一刀、手を出しなさい」
俺は言われた通りに手を差し出す。
その手に華琳のぬくもりが与えられる。
「さ、行くわよ、一刀」
華琳の表情は見えない。でも、華琳の今の顔はなんとなくわかる。
「かえってきたんだなぁ、俺」
ふと胸に熱いものがこみ上げる。
「そうよ、馬車馬のように働いてもらうんだから」
「了解。あ、ちょっと待って」
「何?はや、うぐっ…」
華琳の唇にキスをする。
何分そうしていただろう。
名残惜しげにしていた華琳から離れた俺は、あらためて華琳にこの言葉を言う。
「ただいま、華琳」
「いまさら何…?ふふ、おかえり、一刀」
いやー、もうオーズの最終回から一週間なんですね。
はやいなぁ
フォーゼ見ました。今までで一番派手なパイロットのような気がします。
発表当初は、かなり不安を思えるシルエットでしたが、例年通り動いてみるとかっこいいという、見事に東映の罠にはまってしまっています(笑)
そういえば、アンクの割れたコアメダル、プレバンのアンクの腕のフィギュア(て言うのかな)に付属してくるらしいです。
話変わって、最近ペルソナ4を始めました。ずっと積んでいたのですが時間ができて、いざプレイと思ってプレイした翌日、vita版が発表されてしまいました。
まぁ、おもしろいからいいんですけど。泣いてなんかないよ。
やったことがある人はお勧めのペルソナなんかいたら教えてください。
さて、この小説の話なんですが、ある人からこれはおかしいんじゃないか、とご指摘を受けまして、相談に乗ってもらって、さらに物語を発展させて、一応つじつまが合うようにはこの3日ぐらいで練りに練って直しました。
ですが、なにぶん小説を書く、という事は初めてでして、どうしても突っ込みどころができてしまうでしょう。
その時は、笑って見過ごしていただくか、どうしようもなく見過ごせないときは、こっそりショートメールで相談に乗っていただけると助かります。
では、また次回お会いしましょう。
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真・恋姫無双の魏√で消えてしまった一刀君...
もし彼が仮面ライダークウガの世界に巻き込まれたら、全て終わったときどうするかという設定のお話です。
とはいってもクウガになるまでの一刀はあのフランチェスカとかの設定に準拠したいと思います。
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