No.286360

オクトーバーフェスト2011in芝公園の思い出

先日行ってきた芝公園でのオクトーバーフェスト2011の様子を一人称で書いてみました。最初は「孤独のグルメ風に書いてみよう」とか意気込んでみましたが出来上がったのは自己満足orz。来年も行ってみる予定なのでそのときも小説を書いてるようなら比較してみるのも面白いカモー。

2011-08-27 21:10:20 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:617   閲覧ユーザー数:617

東京タワーの足元、芝公園。ここでは8月末までオクトーバーフェスト2011という、いわゆる「ドイツのビール祭り」のようなイベントが開催されている。

 今年はこのイベントに参加する機会に恵まれていた為、こうして今日足を運ぶこととなったのだ。

都営三田線御成門駅のA1出口から左に曲がり、まっすぐ行くと小高い台地のような地形とそれを上る坂が見える。その坂の入り口には立て看板と「オクトーバーフェスト2011」とかかれた文字。間違いなくここが会場だ。

坂の途中には「回送」の札を出したタクシーが何台が停まっている。おそらくは酔いつぶれた参加者目当てなのだろう。

坂を上りきると、聞こえてくるのは陽気なプラスバンドの音楽と「Ein Prosit!Ein Prosit!」の声。ステージではドイツの音楽を演奏すると触れ込みにあったが、これがそのドイツの音楽なのだろうか。

 陽気な歌声を他所に受付のテントを通過する。受付とあるがやっているのはパンフレットの配布とコースターの販売程度で別に無視しても構わないようだ。

受付から左沿いに出店を見て周る。すると「東北SAKEフェスタ」の文字が見つかった。

公式ホームページにもあった、東北への応援を促す企画だ。宮城は母方の実家なので自分にも縁はある。あとで寄っていこう。

次に軽食を販売するコーナーが目に入った。

プレッツェルという縄ををハート型に結ったような形のパンを売っているらしい。

 あまり見たことのないパンだ。ビールに合うのだろうか。出だしのビールのつまみにするか……。さて、次のコーナーに移ろう。

いよいよドイツのビールを販売するコーナーだな。喉も渇いたことだし、さっそく一杯いただくことにしよう。

いろいろ種類はあるが、まずは黒いビールからと行くか。

「すいません。シュヴァルツヴァイスビアひとつ」

「はい。グラス代あわせて2500円です」

 ん?看板には1500とあるが……グラス代が1000円かかるのか。その点も書いておいて欲しかったな。

財布から3000円を出し、売り子に渡した。

 500円の釣りとビール券を受け取り、レジの隣にいる別の売り子へ券を渡した。

すぐに細長いグラスいっぱいに注がれた黒いビールが手渡される。これで500ミリリットルらしい。

本場のドイツオクトーバーフェストでは1リットルが普通というから、現地の人はいったいどういう胃袋をしているんだろう。

それはさておき、さきほどのブースでプレッツェルを一つ買い、さっそく頂くとしよう。

広場中央を占める座席郡を潜り抜け、ステージが見える位置に座る。

ステージの前には人が集まり、肩に手をかけて踊りあっている。

相変わらずの「Ein Prosit!」の掛け声が特徴的だが、あれは一体どういった意味なのだろうか?

手持ちのスマートフォンで検索をすると、どうやらドイツ語でEin Prositは「さあ、乾杯」を意味するらしい。なるほど、ドイツらしい。

プレッツェルを齧りながらビールを飲む。

パンの甘みとビールのコクと芳香さが交じり合ってほどよいおいしさだ。そして視線を前に向けると、大勢の踊りあう人たちの波が見える。こちらにも楽しんでいるという心が伝わってきた。

これはいい。こういう雰囲気がいいんだ。

こういった他人が騒いでるのを傍で見ながら一人酒を楽しむのが自分の一番好きなスタイルだ。そういう意味ではこれは実にいい。

パンを齧りながら前方の屋台を見ると、脇に看板が立ててあるのが目に入った。

なになに……ビール購入のルール?ビール購入時にグラス代を合わせて支払い、飲み終わったらグラスを屋台に返す。するとグラス代が帰ってくる、と。

なるほど、掛け金制か。

たしかにグラスはガラスでできてるから持って帰られたら困るのは店側だ。

それを防ぐのと、再利用が可能という点が考慮されているのだろう。環境先進国と言われるだけあるな。

 ちょうどプレッツェルを食べ終え、ビールも残り少ない。いろいろ飲んでみたいし、次に行ってみるか。

グラスのビールを一息に飲み干し、そのまま先ほどの屋台に向かう。

1000円の掛け金を返してもらい、次に先ほどの東北の地酒を売るコーナーへと向かった。

ここでは岩手の地酒3種か、宮城、福島、秋田の地酒3種のどちらかを一度に楽しめる「飲み比べ」というものを出している。これが1000円だったのを思い出し、受け取った掛け金をそのまま支払うことにした。

今回は自分に縁のある宮城が含まれる方を選ぶ。岩手の方はまた今度にしよう。

カップを載せたトレイを受け取り、先ほど自分が座った席に戻る。

つまみもなしに酒を飲むのもどうかと思うが、プレッツェルとビールで軽く膨れた腹とまだ6時半という時間ではまだ料理は早い。

ステージを楽しみながら飲むことにしよう。

ステージでは相変わらず「Ein Prosit!」の掛け声が響いている。ステージの演奏者もビールを飲んでいるらしく、たまにジョッキを口につけていた。

「Prosit!(乾杯!)」

 一際大きな乾杯の声にあわせてこちらも日本酒の入ったカップを掲げて「Prosit!」と叫ぶ。

あちらはビールで、こちらは日本酒で乾杯。日独友好とはこういうことを言うのかもしれないな。いずれドイツに行ってみたいものだ。

さて、ステージを楽しんでいる間に、そろそろ本格的なつまみが欲しくなってきたぞ。

荷物をその場に置き、今度は先ほどビールを買ったコーナーとは反対側に向かう。

そこにはフランクなどの肉料理を売る屋台があった。

ドイツといえばビールとフランクは有名だ。メインはここのフランクにしよう。

さっそく隣の売り場でビールを買い(今度は白ビール。日本のメーカーのようだ)、フランクの列に並んだ。

フランクといっても色々な種類がある。ミュンヘナーにニュルンベルガー、カリーフランクなんてのもある。パセリの入ったグリーンフランク、黒ゴマのグリーンチョリソーか。これは迷うな……。

お、フランクプレートなんてのがあるな。ここに売っているフランク5種をのせたものか。おまけにザワークラウトとジャーマンポテトまで乗っている。これにしよう。

ビール片手にフランクを乗せたトレイを持って席に戻った。

フランクを一本齧りながら、日本酒を口に含む。うん、うまい。

肉の旨みと日本酒の香りがあわさっていい香りが口に広がるぞ。

ビールも一口飲む。一緒に食べたジャーマンポテトがよりおいしく感じられて相性のよさが伺える。

しかし……日本酒がすこし重すぎるかな?すこし腹にたまって苦しくなってきたような……。

う、頭も重くなってきた。どうやらすでに酔いが周ってきたらしい。

とっさにザワークラウトを食べる。酸味で意識がはっきりとしたが、すぐにとろんとまどろんでしまった。

 まずいな。完全に酔ってきてる。まだ2種類しかビールを飲んでないっていうのに。

しかも今買ったばかりのこのビールは一口しか口をつけていない。実質1種類しか飲んでないようなものだ。

ステージの方もいつのまにかプラスバンドの演奏も終わり、休憩時間に入っているらしい。

こういったときに一人で来たことが仇になったなぁ。だれか連れがいれば話しでもして意識を保ったり酔いつぶれたときの介抱を頼めるんだが……。

とにかくこの日本酒を片付けるか。

プラスチックのカップに半分の地酒が3つ。一息に飲み干したいところだが、ウィンナーを食べて腹が膨れた上に酔いが重なって入りそうにない。

無理をしても、吐いてしまいそうで怖い。自分ひとりでしか来ていないこの場でそれは最悪の結果だ。

何度か腕を枕に頭を乗せてしまいそうなるが、ザワークラウトとジャーマンポテトを食べてそれを凌ぐ。

ちびちびと日本酒を飲んでいくが、その脇にはそびえたつ500ミリリットルのビール。

とても飲み干せる量ではない。

残すか……。

食べ物を粗末にするようであまりそういったことはしたくないのだが、致し方ない。

防波堤であったザワークラウトとジャーマンポテトもいつのまにか無くなり、フランク2本と日本酒を胃に入れた時点で立ち上がった。

 ビールを買った屋台に「ごめんなさい。もう飲めそうにないのでお返しします」とグラスを返して掛け金を受け取り、近くを通りかかったスタッフにフランクの処分を任す。

最後に受付でコースターを記念で買い、ついでにパンフレットを受け取って御成門の駅へ向かった。

足取りは千鳥ではなかったものの、やはり頭が重い。

電車は座ることを優先して帰るか。

そして来年は人を誘って、いくつかビールを堪能したオクトーバーフェストをしよう。

今回みたいに1種類でダウンするようではもったいない。

しかし、本場では1リットルが普通……。

いったい向こうはどうなってるんだろうなぁ。本当。


 
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