No.277803

太陽みたいな君と乙女♪-恋姫†乙女伝-Act.14

月千一夜さん

お久しぶりです
多くは、此処では語りません

詳しくは、後書きをご覧ください

2011-08-18 21:22:58 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:9854   閲覧ユーザー数:7628

さて、皆さんは覚えているだろうか?

此処・・・聖フランチェスカには、大きく分けて三つの“派閥”が存在しているということを

 

 

北郷一刀と純粋に仲良くなりたいと願う者達が集まる

“穏便派”

『一刀君と私は、一億と八千年前からのお付き合いなんだよ♪』

 

・・・という名の、“超電波”な人々の集まり

 

 

北郷一刀を手に入れる為ならば、手段を選ばないという危険な者達が集まった

“過激派”

『一刀は私のものよ・・・なんて、恥ずかしくて、言えないわよぅ』

 

・・・という名の、“超恥ずかしがり屋”の集まり

 

 

北郷一刀が好きだが、見守るだけで満足だという者達の集まり

“隠密派”

『あぁ、いいわ・・・今日の一刀の寝言だけで、ご飯何杯でもいける』

 

・・・という名の、“超変態”な人々の集まり

 

 

そして、この三つに所属しない者を“中立派”と言う

 

 

さて、今になって何故このような話をしているのか?

気になっている方もいるだろう

というのも今回のお話に登場する人物たちに深く関係しているからだ

 

上記で紹介した派閥は、基本的には“敵対”程でないにしろ仲良く遊んだりという関係ではない

だが中には、幾つかの例外があった

派閥が違うにも関わらず、それぞれの目的の為に手を組み共に歩む者達がいたのだ

 

今回は、そんな“彼女達”の物語

 

 

 

 

 

 

 

≪太陽みたいな君と乙女♪-恋姫†乙女伝-≫

第十四話 僕と契約して、漢女になってよ!~コイツ、イッてるじゃねーか!!~

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

時刻で言えば、深夜の一時頃

真っ暗な闇の中、佇む一人の少女の姿があった

茶色の長いポニーを風に靡かせる少女の名は・・・相馬翠

聖フランチェスカの二年生だ

 

 

「そろそろ時間か・・・」

 

 

呟き、翠は携帯を開いた

その画面に映るのは、一人の少年の姿

ご存じ、北郷一刀である

彼女は彼を待ち受けにし、こうして見つめる癖があったのだ

 

 

 

「む・・・相変わらず早いな」

 

「ん・・・?」

 

 

そんな彼女に向い、不意に声がかけられた

その声を聞きうつした視線の先・・・水色の髪をした少女の姿に、翠はフッと頬を緩めた

 

 

「秋蘭・・・やっと来たか」

 

「やっとも何も、これでも集合時間よりも十五分は早いのだがな」

 

 

言いながら、苦笑する秋蘭

そんな彼女の言葉に、翠もまた苦笑していた

 

 

「アタシはほら、ジッとしていられないだけだから

ていうか正直、こうして待ってる時間も楽しいんだよな」

 

「そうか・・・まぁ、その気持ちはわからないでもないがな」

 

 

顔を見合わせ、二人は笑う

それからしばらくして、二人のもとへ駆け寄ってくる二人の少女の姿が見えた

 

 

「お、2人も来たみたいだな」

 

「ああ、そうだな」

 

 

やがて、その二人は息を切らせながらも翠達のもとへと辿り着いた

そんな二人のうちの一人・・・思春は、乱れた息を整え苦笑する

 

 

 

「すまない、“蓮華様を寝かしつけるのに手間取ってしまった”」

 

「毎回思うんだけどさ、蓮華ってアタシらと同い年だよな?」

 

 

 

コメカミをピクピクとさせながらの翠の一言

これには、皆苦笑することしかできない

 

因みに、蓮華が恐いテレビを見た後にはトイレについて行かなければならないらしい

何というか、思春さんマジでお疲れ様です

 

 

 

「こ・・・こんばんわ、皆さん」

 

 

そんな中、もう一人の少女は未だに乱れた息のまま声をあげる

黒い髪をした、おかっぱ頭の可愛い少女だ

 

 

「ああ、“斗詩”

こんばんわ・・・てか、斗詩までどうしたんだよ?

そんな息切らしてさ」

 

 

“珍しい”と、翠は小さく零した

その言葉に、少女・・・斗詩は、“あはは”と苦笑を漏らす

彼女の名前は“小牧 斗詩”

生徒会長である麗羽を支える、優秀な副会長である

 

 

 

 

「実は、新しいデジカメを買ったんです

それで、その・・・この日の為に、しっかりと使いこなせるよう勉強してたら・・・」

 

「時間ギリギリになったと・・・」

 

「はい」

 

 

“これなんですけど”と、取り出したカメラ

それは真新しく、一見して買ったばかりのモノだとわかった

 

 

「ほう、これは・・・」

 

「すげぇ・・・これって、真っ暗でもハッキリ写るってやつじゃね?」

 

「な、なんだと・・・」

 

 

そのカメラを見つめ、他の三人はキラキラと目を輝かせていた

“最新型”

その言葉に、皆が過剰に反応しているのだ

 

 

「えへへ・・・お小遣い貯めて、奮発して買っちゃいました」

 

 

そんな皆の視線に照れつつ、斗詩はそのカメラをポッケへと仕舞う

それから、笑顔を浮かべ翠を見つめた

 

 

「それよりも、翠さん

そろそろ、“部活”を始めませんか?」

 

「ああ、そうだな」

 

 

斗詩の言葉

翠は、“ハッ”と我に返った

それから、その視線をスッと彼女達の前・・・一軒の家へと向ける

 

 

「そろそろ、部活を始めよう」

 

 

呟き、見つめた家

その表札には“望月”・・・そして、“北郷”と書かれていた

 

その家を見つめ、彼女は口を開いた

そこから飛び出したのは・・・始まりの合図

 

 

 

 

「それではこれより・・・“屋根裏探検部”の活動を開始する!!」

 

「「「はい!!」」」

 

 

 

 

彼女達の部活・・・“屋根裏探検部”

その活動の開始を告げる合図だった

 

 

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

さて、ここで一つ説明しよう

“屋根裏探検部”とは、いったい何なのか?

そう思った人も多いだろう

 

これは翠が考え、そして秘密裏に作った“部活動”である

部員は現在、翠を含め四人

“相馬 翠”

“夏樹 秋蘭”

“秋雨 思春”

“小牧 斗詩”

この四人で構成される部活だ

 

メンバーを見てわかるとおり、ここに“派閥”の壁は存在しない

どの派閥だろうが、中立だろうが関係ないのだ

ただ純粋に、“ある目的”の為に皆で力を合わせ活動するのだから

 

では、その“ある目的”とはいったい何なのか?

それは・・・

 

 

 

 

「うはっ、今日の一刀の寝顔超可愛いよぅ」

 

「うむ・・・今日はまた、一段と可愛いなぁ」

 

「かずきゅん、ハァハァハァハァ」

 

「唸れ、私のデジカメっ!(小声)」

 

 

 

 

屋根裏から、一人の男を

北郷一刀の寝顔を、ジッと視姦・・・もとい、観察する為である

 

まぁ、言ってしまえばだ

 

彼女達は皆、生粋の“覗き魔(ヘンタイ)”だったのだ!!

 

 

 

 

 

「ああ、ヤバい・・・なんかまた、一刀の寝顔を見てたら漏れそうに・・・・・・」

 

「ば、翠!(小声)

またか!?(小声)」

 

「かずきゅん、かずきゅん・・・ハァハァハァ」

 

「まだです、まだいけるはずです

貴方の性能は、まだこんなものじゃないでしょう!?(小声)」

 

 

活動は、よほどのことがない限りは毎日行われる

つまり、ほぼ毎日屋根裏ではこのようなカオスなことが繰り広げられているのだ

 

 

「ん~・・・むにゃ」

 

 

勿論、そのようなことに気付かないまま

一刀は、こうして毎日熟睡している

 

 

「あぁやべぇ、今の可愛くなかった?」

 

「ああ、今のだけでご飯三杯はいけるな」

 

「私は、蓮華様のお世話を三日は頑張れるぞ」

 

「ふふふ、今のはしっかりとデジカメに残しておきましたよ」

 

「「「売ってください」」」

 

「な、何言ってるんですか!?(小声)

私たちは、仲間でしょう?

お金なんて、とれませんよ

後で、皆さんにお配りしますから♪」

 

「と、斗詩・・・様」

 

「女神だ・・・女神がいる」

 

「あっざぁっす!(小声)」

 

 

などと、未だ熟睡中の一刀の知らぬところで広がっていくカオス

駄目だこいつら、早く何とかしないと・・・

 

彼女達は、幸せだった

この部活の時の時間が

堪らなく、幸せだったのだ

 

しかし、そんな幸せな時間も・・・

 

 

 

 

「其処にいるの・・・誰?」

 

 

 

 

長くは、続かなかった

 

 

 

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

微かに、聞えた声

それと同時に感じた寒気に、四人はその場から一斉に下がった

瞬間・・・先ほどまで自分たちがいた場所に、何かが刺さった

 

 

「あれは・・・“胡瓜”!?(小声)」

 

 

そう、胡瓜である

いや何故胡瓜なのかはわからない

だが確かに、そこには胡瓜が突き出ていたのだ

 

 

 

「外した・・・」

 

 

そんな中、再び響いた声

この声を聞き、翠は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた

 

 

「“恋”か・・・そういや、一緒に暮らすことになったんだっけ」

 

 

“マズイな”

心の中呟き、翠は三人に目で合図を送る

瞬間、四人は一斉にその場から離脱すべく屋根裏を移動したのだ

 

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

「くっそ・・・参ったな」

 

 

そう呟き、座り込むのは翠である

あれから急ぎ一刀の家を後にした四人は、近くにあった公園に駆け込んだのだ

 

 

「流石は恋・・・といったところか

まさか我らの気配を察知するとはな」

 

「恐ろしい奴だ」

 

 

秋蘭と思春も、彼女同様に参っている様子だった

斗詩にいたっては、恐怖のあまりガタガタと震えている

 

 

 

「これじゃ、今後の活動は難しくなるな・・・」

 

 

ポツリと、そう呟いたのは秋蘭だ

彼女のこの一言に、皆は一様に言葉を失くしてしまう

 

彼女達にとって、この“屋根裏探検部”の活動は大切なものだった

大好きな人のことを、ずっと見つめられる幸せな時間だったのだ

 

それが、出来なくなってしまう・・・

 

それはもう、彼女たちにとって“死活問題”だと言ってもいい

 

 

 

「どうすれば・・・」

 

 

 

“どうすればいいんだ?”

頭を抱え、翠は考える

だがしかし、答えは出てこない

その間にも、時間は過ぎていく

 

このまま、諦めるしかないのか・・・?

 

そんな時だった

 

 

 

 

「フフフ・・・相変わらず、やってるみたいね」

 

 

 

 

四人の耳に、透き通った美しい声が響いたのは

 

 

 

 

「な・・・」

 

 

その声に、慌てて見つめた先

彼女は・・・彼女達は、言葉を失ってしまう

 

 

「まったく・・・アンタたちは、そうやってウジウジ悩むのが好きねぇ」

 

 

四人の視線の先

浮かぶ月の光を浴び、立っている一人の美女

桃色の長い髪も、褐色した健康的な肌も

四人は、知っていた

 

 

「“雪蓮様”・・・」

 

「久しぶりね、思春

それに、三人も本当に久しぶり」

 

 

そう言って、ニッと笑う美女

 

 

彼女の名前は“赤坂 雪蓮”

 

苗字を見て、気付いた人もいるだろう

彼女は思春の主にして、“隠密派”のリーダーである赤坂蓮華

 

その姉であり・・・

 

 

 

「なんか困ってるみたいね

仕方ないから、私が手伝ってあげてもいいけど?」

 

 

 

フランチェスカ卒業後、外部よりずっと“北郷一刀を愛でる会”を支援し続けた

 

 

「最近、ずっと一刀のこと盗聴でしか触れ合ってないから

顔を見ただけで、ペロペロしちゃうかもしれないけど・・・ね」

 

 

 

北郷一刀の大ファンである・・・!!

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな彼女の登場により、彼の周りはさらに騒がしくなってしまうのだが

 

彼は、この数日後

運命の買い物の日に、ようやく気付くことになるのである

 

相変わらず、神様は平和に終わらすつもりはないらしい

 

ドンマイ、一刀!

 

 

 

 

次回に続く・・・

 

 

★あとがき★

 

え~っと、お久しぶりです

月千一夜です

 

色々あって、こことは違うサイトに入り浸ってました

まぁ、知ってる人は知ってるでしょうが

正直、今のままの機能の此処を使い続けるか・・・迷ってます

 

今回のお話も、実は随分と前にその違うサイトに載せたお話です

こっちの使い勝手の悪さに凹んでて、こっちには投稿していませんでした

 

でも、今回のお祭りには参加しようかなって

そう思ってます

 

だからまずは、こっちから載せておこうかなと

そう思った次第です

 

確かに、使いづらいですが

僕のSSは全て、ここから始まったわけですし

愛着は、かなりありますから

 

ですので機能改善を夢見つつ、皆さんの応援ができるよう

間に合うかはわかりませんが、お祭り用の作品を書いて行こうと

 

そう決めました

 

 

そこで、皆さんにご質問があります

 

【シリアス】

【カオス】

 

どちらが、“月千一夜”っぽいでしょうか?

 

 

お暇な方、まだ僕なんかを覚えていてくれた御方

質問のお答えをいただければ、嬉しいです

 

それではみなさん

また、お祭りの最中にお会いしましょう

 

 

  〇月千一夜〇

 


 
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