No.270997

真・恋姫無双呉ルート(無印関羽エンド後)第四十六話

海皇さん

皆さんこんにちは。お盆休みいかがお過ごしでしょうか。

呉ルート第四十六話、投稿完了しました。今回は先日に引き続きあの双子の話です。

ぜひともお楽しみを。

2011-08-12 13:33:22 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:5016   閲覧ユーザー数:4399

 

 「・・・つまり、彼女達は雪蓮と冥琳に恋心を抱いていて、常々自分達を女中にして働かせてくれってお願いしてた、と?」

 

 「そう、でもあいにくと私と冥琳は正直興味が無かったから返事は全部断っていたんだけどね・・・」

 

 「それで二人は恋心を抑えきれずに此処まで来た、と?」

 

 「はい・・・、でも、でも孫策様に既に、既に男の人が居たなんて・・・!!」

 

 「よ、よくも周瑜様を~!!しかも他の女性にまで毒牙にかけるなんて、この変態!!」

 

 俺と愛紗は、大喬小喬について雪蓮からの説明を聞きつつ、大喬の涙声と、小喬の怒声を(俺だけが)一身に浴びていた。

 

 

 

 

 

 俺達はとりあえず、道の真ん中で話し続ける訳にもいかないため、とりあえず近くの酒家に移動して大喬小喬の話を聞くことにした。

 

 雪蓮の話によると、大喬は雪蓮を、小喬は冥琳の事を心から慕っており、かねてから女官として働きたいと考え、何度か雪蓮と冥琳に手紙を送っていたらしい。

 

 ちなみに惚れた理由は、「戦場で助けられた時に、一目惚れした」との事らしい・・・。

 

 一方の雪蓮と冥琳は、確かにお互いに愛し合っており、そういう関係でもあるものの、雪蓮自身は冥琳以外とはそういう関係になる気は毛頭なく、それは冥琳も同様であるらしい。

 

 そのため手紙の返事で何度も断ってはいるのだが、何度断ってもしつこく手紙を送ってくるため、ついに雪蓮と冥琳は「自分には心に決めた大事な男が居る為、諦めてくれ」と手紙を出したらしい。

 

 それで大喬、小喬もさすがに諦めてくれるだろうと考えていた

 

 

 

 

 

 

・・・のだが

 

 

 

 

 

 

 「・・・まさか此処まで押しかけてきちゃうなんてね~・・・」

 

 「・・・なんというか、凄い執念だね」

 

 「・・・気持ちは分からないわけでは在りませんけどね・・・」

 

 結局二人とも、雪蓮の治める街にまで直接来てしまった訳だ。

 

 

 

 そして俺自身も、雪蓮の話を聞いているうちに、彼女達について完全に思い出していた。

 

 

 

 大喬、小喬は以前の三国志の外史にも存在した。

 

 確か大喬は向こうでは雪蓮の、小喬は冥琳の愛人だったはずだ。

 

 が、後に雪蓮が戦死して、大喬も小喬と同じく冥琳の愛人になったとか・・・。

 

 彼女達と初めて顔を合わせたのは曹魏との戦の最中だった。

 

 曹魏に対抗する為、呉と同盟を結んだ際に、人質として彼女達が送られてきたのだ。

 

 もっとも、本当の目的は人質だけではなくて、俺達の内情を探ることと、俺を篭絡することだったようだ。

 

 ちなみに俺は彼女達とは一度もしたことはない。・・・何をしたって?イメージしろ!!

 

 なぜなら、彼女達が俺を誘惑(みたいな事を)しようとすると、必ずといって良いほど愛紗、朱里等の北郷軍のメンバーが邪魔してきたからだ。

 

 ついでに冥琳が俺達との戦いの果てに自害した時、彼女達はそのまま呉に帰ってしまった為、それ以後一度も顔を合わせていない。蓮華曰く、冥琳と雪蓮の菩提を弔いながら余生を送りたいと言っていたらしい・・・。

 

 そういう訳で、俺は彼女達とはそこまで親密な関係ではなかった。だからどうしても思い出せなかったのだろう。愛紗も同様だ。

 

 

 

 しかし、まさかこんな形で再会することになろうとは、ね・・・。

 

 

 

 「まあそういう訳だから、大喬小喬も諦めて故郷に帰ったらどう?」

 

 「嫌です!!やっと此処まで来れたのに、諦めて帰ることなんて出来ません!!」

 

 「そうです!!たかが男に取られたくらいで諦められません!!どんなことがあっても周瑜様を振り向かせて見せます!!」

 

 「・・・・・・・」

 

 大喬、小喬のあまりの意志の固さに雪蓮は頭を抱えた。

 

 さすがに能天気な雪蓮でもこれには手を焼くらしい。

 

(・・・なあ雪蓮、せっかく此処まで来たんだから女官にでもしてあげたら?)

 

 (う~ん、でもね~、正直女官はもう足りているのよね~・・・。それに彼女達私と冥琳付きの女官になりたいみたいだし、それ以外だと不満が出そうじゃない?)

 

・・・まあ、それは確かに。

 

 (しかし、例え今此処で追い返したとしても、また雪蓮のもとに押しかけてきてしまいますよ?)

 

 (そうなのよね~・・・。う~ん・・・・、・・・・・・・・・・あ)

 

 と、突然雪蓮がなにか閃いたのかにこりと笑みを浮かべた。

 

 (?何かいい方法でも思いついたの?雪蓮)

 

 (うん♪最高にいい方法を、ね♪)

 

 と、雪蓮は二喬に再び視線を向けた。

 

 何故かその表情がいたずらを思いついた子供みたいだったんだが・・・、気のせいか?

 

 「大喬、小喬、貴女達の気持ちはよ~く、分かったわ。そこまで言うのなら、私が女官に推挙してあげる」

 

 「ほ、本当ですか!?」「やったねお姉ちゃん!!」

 

 雪蓮の言葉が嬉しかったのか、二喬は手を取り合って喜んでいた。が、何故か雪蓮はなにか企んでいるような笑みを浮かべたままだった。

 

 「ただし条件があるわ」

 

 と、雪蓮はにっこり笑いながらそう付け加えた。

 

 「二人ともどうやらまだ女官の仕事は初心者みたいだし、まだ私と冥琳付きの女官にはできないわ。だから、しばらくの間、修行してもらって、それに合格したら私と冥琳付きの女官にしてあげる」

 

 「あの・・・その修行って・・・」

 

 「ええ、そこの天の御使い殿の女官になって働いてもらうって修行よ。簡単でしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「「「ええええええええええええええええ~!!!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺、愛紗、二喬の絶叫が響き渡った。

 

 

 「んも~、いきなり大声出さないでよ~」

 

 「いや、だって、なんで俺の女官!?俺は女官必要ないのに!!」

 

 「そ、そうです!!ご主人様のお世話は私と月と詠が行っております!!これ以上女官など必要ありません!!」

 

 「だ、駄目です!!私、男の人が苦手で・・・」

 

 「そうです!お姉ちゃんと私がこの男に孕まされたらどうするんですか!!」

 

 そんな俺達の抗議を、雪蓮はどこ吹く風で聞き流していた。

 

 「ふ~ん・・・、まあ嫌なら別にいいんだけど、もしも一刀の所で修行したくないって言うんなら、二人を女官にする件は無しって事になるんだけど・・・」

 

 「そ、そんな!!他のことなら何でもやりますから・・・」

 

 「残念だけど他の仕事は全部足りてるのよね~。だから空いているのは一刀の所だけなのよ」

 

 「で、でももしお姉ちゃんが孕まされたら・・・」

 

 「天の御使い様の子供を産めるのよ?名誉なことじゃない。羨ましいわ~」

 

 二喬が次々と抗議してくるものの、雪蓮は難なくそれらを潰していく。最終的に二人とも沈黙してしまった。

 

 「さあ、どうする?孕まされること覚悟で天の御使い様の侍女になるか?それとも諦めて故郷に帰るか?」

 

・・・なんか雪蓮の顔、すっげー悪人面になってるんだが・・・・、って愛紗!!そんな怖い顔して俺を見ないで!!俺だって二喬を犯す気なんて欠片も無いんだから!!

 

<pf

 「・・・こうなったらお姉ちゃん!!やるしかないよ!!」

 

 「しょ、小喬ちゃ~ん!?」

 

 「周瑜様にお近づきになれる機会はこれしかないのよ!!お姉ちゃんだって孫策様にお近づきになりたいんでしょ!?」

 

 「で、でも~・・・」

 

 「大丈夫だって!!お姉ちゃんが犯されそうになったら私がこの種馬を去勢してやるから!!」

 

 「おっかない事言うな!!心配しなくても俺は君たちを犯す気なんて毛頭無いから!!」

 

 何で俺ってこんなに信用無いんだ!?主に女性関連で・・・。

 

 「・・・今まで自分のやってきたことを思い出してみてください・・・」

 

 あ、愛紗さ~ん・・・・そんな黒いオーラ放ちながらそんな事言わないでくださ~い・・・・冗談抜きで怖いで~す・・・。

 

 「ん~・・・、ということは二人とも・・・」

 

 「はい!天の御使い様の侍女、やらせていただきます!!」

 

 「そのかわり!もしそいつがお姉ちゃんを襲おうとしたら去勢しても構いませんね!?」

 

 「はいはい、仕方ないわね~、ということで、一刀、関平、よろしく~」

 

 「・・・まじかよ・・・」

 

 「ご主人様・・・私は認めませんからね・・・」

 

 こうして、雪蓮の独断により、二喬は俺の侍女になることが勝手に決められてしまった。

 

 

 

 

 

・・・なんだか俺っていつも厄介事ばかり背負わされてない?いやマジで。

 

 

 

>

 

 「・・・まったくお前はまた面倒事を・・・」

 

 「あはは、しょうがないじゃない。わざわざ此処まで来てくれたんだから無碍に追い返すわけにもいかないし・・・」

 

 「それはそうだけど・・・、はあ・・・・」

 

 と、冥琳は呆れた表情をしていた。

 

 俺達はとりあえず城に戻って、冥琳に事の次第を説明した。

 

 冥琳もさすがに此処まで二喬が押しかけてくるとは思っていなかったようで驚いていた。そして俺の侍女にする事になった事については、「・・・また雪蓮に押し付けられたか・・・」と、若干同情気味の口調で言われた。

 

 で、現在雪蓮と冥琳は何事か相談中である。

 

 「しかし、だ・・・、もしもあの子達を私達付きの女官にするとなったらどうするのだ・・・、私にそんな趣味は無いぞ・・・」

 

 「大丈夫よ、その為の一刀でしょ♪」

 

 「?北郷殿がどうした?」

 

 「だ・か・ら、一刀に大喬小喬を誑し込んでもらうのよ♪そうすればあの子達の興味も私達から逸れるでしょ?」

 

 「おいおい・・・、そう簡単にいくか・・・?いくら北郷殿でも・・・」

 

 「だ~いじょうぶ♪今まで何人一刀が誑し込んだと思ってるの?」

 

 「ふむ・・・それもそうだな・・・」

 

 

 

 

 

・・・なんだかものすっご~~~い不穏な言葉が聞こえているんですけどね、お二人さん?

 

 

 「あ~、ゴホン!!まあ、とにかく北郷殿!二喬については貴方に一任する。よろしく頼むぞ!!」

 

 「いや、俺の意志に関係なく一任するって言っても・・・」

 

 「諦めなさい、一刀♪これも種馬の運命よ♪」

 

 「そんな運命、認められるかあああああああ!!!」

 

 俺はがっくりと地面に膝をついた。そんな俺を慰めるかのように愛紗が俺の肩に手を置いてくる。

 

 「さて!!この件についてはこれで終わりだ」

 

 おい!!俺はまだ納得してないぞ!!

 

 「気持ちは分かるがそれどころではない。雪蓮、至急軍議を始めるぞ。

 

 

 

 

 

 

 劉繇が動いた」

 

 

 その言葉に、俺達に緊張が走った。

 

 

 それから二時間後、玉座の間には、孫呉の将全員が勢揃いしていた。

 

 突然の召集で、皆緊張していたものの、動揺している人は居なかった。来るべき時が来た、と割り切っているのだろう。

 

 「全員集まったな。ではさっそく軍議を始める。先程も言ったと思うが、劉繇達反孫呉連合が動いた」

 

 冥琳の言葉を、俺達は緊張しながら聞いていた。

 

 「先日、報告されたことだが、劉繇軍が孫呉との国境近くにある出城を攻め、陥落させたそうだ。城の人間はほぼ全員皆殺し、物資、武器も略奪されつくしたとの事だ」

 

 玉座の間にどよめきが走る。無論、劉繇軍への怒りであろう。

 

 「姉様!!ただちに軍を出しましょう!!今すぐ劉繇を攻めて、我等が領地を侵し、我等が民を殺めたことを後悔させてやらなければ!!」

 

 「落ち着きなさい、蓮華。私も腹は立っているけど何も考えずに攻め込んだらそれこそ自殺行為よ。攻め込むにしてもまずは敵の情報を集めないと」

 

 「ほう、雪蓮も随分と理性的になるのだな?」

 

 冥琳が少し驚いた表情を見せると、雪蓮は肩を竦めた。

 

 「敵を知り己を知れば百戦危うからず、ご先祖様の教えじゃない?当然のことよ」

 

 「・・・なるほど。さて、それで今の反孫呉連合の情報なのだが・・・、明命」

 

 「はい、連合は主に三人の将が中核となって動かされています。三人共揚州の豪族の中でも相当な有力者たちです」

 

 三人・・・、確か孫策の揚州攻略戦で戦った主な敵も三人・・・、ということは連合を率いているのもその三人、か・・・?

 

 「一人目は劉繇、漢の皇族出身の揚州の州牧です。二人目は厳白虎、『東呉の徳王』と呼ばれる揚州東部の有力者、最後の一人は王朗、揚州南部の有力者です」

 

明命の報告が終わった後、しばらくすると雪蓮が口を開いた。

 

 「なるほどね、それが連合を率いる連中ね。ってことはその三人を潰せば連合は空中分解する、ってことね」

 

 「簡単に言うがな、どうやってその三人を倒すんだ。大体お前顔も分からないだろう」

 

 「ふふっ、大丈夫よ、そんなの勘でなんとかなるから」

 

 「また勘か・・・。そんなものでどうこうなるとは思わないが・・・」

 

 冥琳は頭を押さえて溜息を吐いた。でもなあ・・・、雪蓮なら大抵のことは勘でなんとかしそうな気が・・・。

 

 「しかし・・・、これだけの情報ではどうしようもないな・・・。明命、他に何か無いか?」

 

 「あ、はい!連合の本隊は揚州の会稽郡に本拠を置いているようです。そこを中心に部隊を展開しているようです。あと・・・」

 

 「?何だ?」

 

 「劉繇の側に仕える将の情報もあります。先程の出城を陥落させたのも、その将によるものだとか・・・」

 

 劉繇に仕える将?それってまさか・・・。

 

 

 「その将の名前は?」

 

 

 「太史慈、字は子義。武勇に優れ、かつて数万の黄巾軍の中を、一人で切り抜けた事があるとか・・・」

 

 やっぱり太史慈、か・・・。

 

 確か太史慈は最初劉繇に仕えていたけど、孫策との一騎討ちで勝負がつかず、その後劉繇軍が孫呉に敗れた時に捕らえられて、孫策の家臣になったんだよな・・・。

 

 史実ではかなり義理堅い武将だったらしいけど、ここではどうなんだろうかな・・・。

 

 「太史慈・・・、聞いたことがあるぞ、たしか黄巾賊に襲われた孔融殿を救うために城を囲む数万の兵を軽々と蹴散らして、悠々と往復してのけたそうな」

 

 「私も知っておりますわ。確か彼女の母親が孔融殿から恩を受けておられたのでその恩返しの為に助太刀に向かったとか・・・、義理堅い将のようですね・・・」

 

 明命の報告を聞いた祭さんと六花さんはそんな事を呟いた。

 

 あ~、やっぱり太史慈女性なのか、でも義理堅い性格はそのまんまみたい、だな。

 

 「へ~、興味深いわね~。一度戦場で出会ったら打ち合ってみたいわ~♪」

 

 「・・・また悪い癖が。というかお前太史慈の顔も知らんだろう?」

 

 「だ~か~ら!そんなの勘でなんとかなるって!!」

 

 「勘でどうにかなるなら軍師はいらないだろうが、まったく・・・」

 

 あまりの雪蓮のバトルマニアっぷりに冥琳も呆れているようだ。

 

 まあ史実通りなら、心配しなくても太史慈とは戦えるんだけど、ね・・・。

 

 

 

 その後軍議は2時間程続き、約一週間後に出陣することに決まった。

 

あとがき

 

 こんにちは皆さん、真・恋姫無双呉ルート、第四十六話投稿完了しました。

 

 最近暑い日が続きますが皆さんいかがお過ごしでしょう?

 

 汗をかいたらきちんと水分をとって熱中症で倒れないようにしてください!

 

 今回は二喬が一刀の侍女となる話です。

 

 この話の一刀は無印の世界では二喬を攻略していません。まあ理由は嫉妬にかられた愛紗達に妨害されまくったのと、冥琳が謀反起こして二喬と疎遠になった事が原因です。

 

・・・なんだかかなり独自設定が多くなった気が・・・。

 

 それにしても、なぜか四十五話では支援してくれる人が大幅に減少してしまったのですが・・・、やっぱりいきなり狩人無双から路線変更したのはまずかったでしょうか・・・。

 

 なにか意見やこうしたらいいんじゃないか、という方は是非とも言ってください。参考にさせていただきますので!

 

 次回は「揚州攻略編」です。乞うご期待ください!

 

 

 

 追伸 私からのお勧めの一冊です。蔡 焜燦氏著の「台湾人と日本精神~日本人よ胸を張りなさい~」という本です。

 

 この本には、何故台湾に親日家が多いのか、日本が台湾統治時代にどのような功績を立ててきたのかが、台湾人の著者によって詳しく書かれています。

 

 いままで日本が戦前ろくなことをしていない、日本の周辺国に迷惑をかけた、とか考えている皆さん、是非この本を読んでみて下さい。この本を読めば、きっと、戦前の日本の占領政策に関する見方が大きく変わるはずです。

 

 ・・・ついでに今の歴史教科書がどれだけ歪曲されているのかも、嫌というほど分かるはずです。

 


 
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