No.270606

恋姫のなにか 29

くらげさん

前回のたんぺんしゅーのやり残し分です。

2011-08-12 01:06:06 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:15705   閲覧ユーザー数:9501

エロ本大捜索の巻。

ネタ的に嫌いな方が居られるかもしれません。

今までの当方のSS読んでも大丈夫だった、という心の広い方推奨です。

 

電波入ってるキャラ崩壊ものですので、そういうのを受け付けない方も回れ右された方がよろしいです。

女が三人寄れば姦しい。

なら七人集まったこの状況は何と言うのが適切なのだろうか。

 

「・・・・・・・・・」カチャカチャ

 

部屋の隅っこでゲームをやってる思春はまだいい。ヘッドフォンまで装着して音漏れも万全だし。

 

「恋ちゃんってアレですよね、基本的に根性腐ってますよね」

「死ね」

「アレですか、エロカワ気取りですか、見向きもされてないのに。良いトコ妹扱いなのに。姉(笑)」

「死ね」

 

互いに目線を手元の雑誌に落としたまま、しっかりと罵りあう恋と春蘭もまだ可愛いものだ。

方や春蘭はスイーツ(笑)食べ歩きの雑誌、方や恋はエロ下着の通販カタログという違いはあるが、相互不干渉というのは素晴らしい取り決めだと秋蘭は思う。

空気読む気の無い姉が何時インファイトに突入するかは分からないが、まぁいつものじゃれ合いだ。帰ってきた霞に鎮圧されるだろうし。

 

問題は、である。

 

「たったいーてかぶってじゃーんけーん・・・死ねぇ!!」

 

桃香の左のフェイントからの握り締めた渾身の右ストレート。

その隙間を縫う様な、針の穴を通すかのような凪のクロスカウンター

しかしそれすらもブラフ。桃香の本命は急停止をかけた反動を使ったレフトクロス。

 

「わかってるよ、止まるんだろ?!」

 

それを、凪は振り上げた右手で弾き上げた。

そして眼下から襲い来る縦のフック―――そう、ガゼルパンチである(キリッ

 

「しゃらくせぇ!!」

「大人しく殴られろ!」

 

状態逸らし(でミリ単位)で渾身のガゼルパンチをかわした桃香だが、凪のラッシュが止まらない。

「オラオラ!!」「無駄無駄!!」と互いに拳を打ち付け合っているのを確認して秋蘭は二人を視界から消し去った。

無論殴り飛ばすなんて出来てもやれないので目を逸らしただけなのだが。

 

「稟さんは何処の家の冷蔵庫を開けにいったのやら・・・」

 

ジュース持ってきます。と言って部屋を出たのが30分前。ドダンバゴンと破壊の音が聞こえてくるので、まだ生きてはいるらしい。

自分達全員を呼びつけた霞さえ帰ってくれば一応は事態も収拾するのになぁとか思いながら、秋蘭は一刀オススメのRPG攻略に再度取り掛かった。

 

「なんだ、思春?」

「いえ・・・別に・・・」

「ならその( ゚д゚)な顔はなんなんだチクショウ」

 

仕方ないじゃないか、慣れてないんだから。と秋蘭はプイッとゲームに取り掛かる。

それから数分経って、霞の「なんじゃこりゃぁ!!」という怒声が響き渡った。何時ものご帰還である。

「はいちゅーもく」

 

稟の首根っこを掴んで霞が自室のドアを開けてから数分。

拳を打ち付けあう凪と桃香の頭に拳骨を落とし、馬乗りバルカン○ンチを春蘭に打ち続ける恋を蹴り飛ばし、恋の拳に合わせてカウンターを打ち続けていた春蘭の、乙女の顔面を足の裏で踏み付け、思春のヘッドフォンをスッと外す。此処まで片手で五秒。

最後に「やめたげてよぉwww」と春蘭のやられる様に苦悶の表情を浮かべていた秋蘭に「だらっしゃあ!」稟を投げ飛ばすと、首をコキコキと鳴らす。全部で15秒の早業である。手馴れてやがる・・・

ちなみに数分掛かったのは荒れた室内を全員(思春除く)で整理整頓した結果である。

 

「ひーふーみー・・・ん、全員揃ってんな」

「あの、霞さん」

「なんや」

「何故私達を一度に全員集められたので?」

 

日々多大な苦労を背負い込んでいる霞なら全員を一度に招集すればこうなるって事ぐらい分かっているだろうに。

それで無くとも仲の悪い春蘭と恋を鉢合わせるなど霞にしては珍しすぎる手間落ちである。

 

「それに、一刀は?」

「あーカズは外に出してる。今頃遊んどるやろ」

「はぁ・・・」

 

その事に対して皆言いたい事が無い訳ではなかったが、触らぬ神になんとやら。霞の教育方針にケチをつけたくは無い。

甘やかさんといてや。と妹達所か両親にすら面と向かって言ってのけるこの女の財布の紐が一番緩い事にも、決して突っ込んではならないのだ。

 

「いやな、こないだコンビニ寄ったんよ。時間も時間やったから客ウチしかおらんでなぁ。

さっさと買い物して帰るかとおもたら、カズぐらいの年の坊主か入ってきてなぁ」

 

とりあえず皆正座で霞の話を聞いている。一刀の名前が出た時点で展開が何となく読めたという事もある。

というか、霞が、このブラコンが一刀絡み以外で全員を招集するなんてありえない。

 

「ほなその坊主店員やのうてウチの方にエラい注意払っててな。そそくさと雑誌のトコにいくんはええけど、雑誌見比べながらもウチの方見てくんのよ。

そこでウチも気付くがな。『あー、そらあの年やったら回りに女おったらエロ本も買い辛いわなぁ』ってな。

んで帰りながらら気付いてもうたねん。  一刀、エロ本どないしてんねやろってな」

 

ストン。と全員にその言葉が染み入った。

 

「一刀はそんなの持ってません!!」

 

声高々に主張する凪。年頃の娘さんらしい潔癖さだが、その信用は重たいものがある。

 

「凪は夢見すぎです。一刀の年で興味無かったら病院連れていきますよ私は」

 

あるとすればベッドの下がお約束ってヤツですが。と眼鏡の位置を整えながら算段を立て始めるのは腰を下ろした稟。本気だった。

 

「えー、カズちゃんってベッドないからアタシのベッドの下かなぁ♪いや~んはっずかし~♪」

 

お姉ちゃん襲っちゃうぞーと身をクネらせて踊る桃香。雉も鳴かねば打たれまい。

結論だけいうとすんごい鈍い音した。

 

「お姉ちゃん裸Yシャツぐらいしか応えられそうにないんですけど大丈夫ですかねぇ?」

 

一人ピントのずれた回答を放つ春蘭。顎の下に人差し指を当てながら脱ぎかけと全裸のどっち派なのかしら。と呟く様は美人であればあるほど残念な気持ちになってくる。

 

「まぁ一刀もお年頃というヤツです、何冊かは探せば出てくるでしょうが・・・」

「目が据わってる・・・」

「何か言ったか、思春」

「いえ別に・・・」

 

ムカつく。何がムカつくかって自分がその位置を、雑誌の種類を把握していないのがムカつく。

今見つけ出したら雑誌を握り潰してしまうかもしれん。と気炎を吐く秋蘭と、まぁ理解は出来るけどそれでも腹は立つ思春。

 

「まぁ凪は納得できへんかもしれんけどな、ウチも持ってるとは思うわ」

「・・・そりゃ、私だって本気でそうだとは思ってませんよ。でも何と言うか、綺麗なままで居て欲しいというか」

「無理無理。カズちゃんはかなりフェチ入ってるって。アタシのパンツ見ても無感動だもん」

「極めて正常な反応だろうがそれは」

「私の時は結構反応してますよ、一刀は」

「学生の財力じゃスポーツブラが限界なんだよ!女のスペックならアタシの圧勝だろうがオラァ!!」

「桃香ちゃんはスタイル抜群の巨乳さんだけど、性格が最低の底にへばりついてますからねぇ」

「おっしゃ、お買い上げだその喧嘩」

「あ、あの!!」

 

珍しい事もあるもんだ。あの思春が注目を集めた。

集まった視線に涙目になり、霞の影に隠れながらも、思春は何とか声を出せた。

 

「れ、恋さん!いない!んです、けど・・・」

「・・・アイツまさか!?」

 

霞の視線は部屋の窓に向けられた。キッチリ閉められていた筈の窓が全開になっていた。

 

「なんでこういう時に限ってちゃんと開けていくねん・・・」

「いや此処二階ですよね・・・?」

「恋だしなぁ・・・」

 

秋蘭の疑問に凪が答えた直後、階下から稟が転んだ時と同様の音が響いてきた。大方痺れを切らしてソファーをぶっ壊して中身を取り出しているのだろう。

「先生!ソファーちゃん息してないの!」

「しっとったらそっちのが異常事態じゃ!」

「カズちゃん・・・カズちゃんがいないから、部屋がガラーンとしちゃった・・・でも、すぐに慣れると思う」

「いや慣れちゃダメだろ其処は。というか桃香マジ働け」

 

リビングから家具が無くなっていた。テーブルから椅子からカーペットから、全部である。

最初こそ(`・ω・´)シャキーンとソファーを持ち上げ、座る部分を引き千切るだけで済ませていたのだが、見つからなくなってイラついてきたのだろう。

目に映る全てが怪しく思えてきた恋は次から次に物をひっくり返し、現在は凪の部屋を荒らしている。

 

「おら!出せ!」

「「「やめたげてよぉwwwやめたげてよぉwww」」」

「馬鹿恋やめなさい!!それは一刀が私にアッーーー!」

 

と、稟の部屋のベッドとその他諸々を投げ飛ばし、桃香の部屋のベッドを破壊し、霞の部屋に再度入ろうとした所で霞の拳骨を顔面に貰った。

 

「つかさ、物隠すなら一番荒れてる恋ちゃんの部屋でしょJK」

「それは春蘭と秋蘭に任せよか。まぁ何も出てけーへんやろけど」

「霞ねーさんの部屋とか怪しくない?」

「アホ。真っ先に探したっちゅーねん」

 

現在霞・凪・桃香と思春の四名は恋に投げ出され、スッキリしたリビングを大掃除している最中である。こういう機会って中々ないしね。

戦力にならない稟は庭で使える家具と使えない家具を(半べそかいて)選定中。時折二階から物が降ってくるが、上手く避けてくれる事を願う。

 

「ししゅーん、終わったかー?」

「も、もうすこし」

「つーかさーこうなんならジャージ着てたっつーのー。一張羅じゃなくて良かったわ」

「桃香、くっちゃべって無いで手を動かせ」

「凪ちゃん慣れてんだから雑巾掛けぐらい一人でやんなよー。アタシスカートだからパンツみえちゃうー」

「お前普段から気にしないだろうが」

 

と、やいのやいの言いながらもちゃんと働く凪と桃香組。なんだかんだ、いいコンビ。

 

「さて、思春よ」

「は、はい」

「一応、ホンマに一応確認すんねんけどな?」

「・・・・・・」

「まさか一刀、お前の部屋にエロ本置いてたりは、せんわな?」

「な、ないです」

「嘘ついてたら、お前の部屋ああなんで?」

 

霞の指の先には、こんもりと積まれた荷物の山。

 

「・・・ない、です」

「ほーか。ほな次の質問や  お前、一刀が何処にエロ本隠してるか、知ってんな?」

「そ、それは・・・」

「全部やのうてええ。一箇所だけで構へんねん。 何処や?」

 

思春の脳裏によぎる、一刀の零したえっちぃ本の隠し場所。その情熱を他の所に向けられないものかと思ったものだが、今はそんな事まで思い出してる場合じゃない。

 

「あ、あの・・・一刀に怒られるの、嫌です・・・」

「まぁ落ち着き、何も処分したろとかおもてへんがな。それにな、恋の嗅覚舐めん方がええで」

「でも・・・」

「気にならんのか?一刀の好みのオンナ」

「・・・・・・お風呂場の、洗濯機の裏」

「「「「「その言葉が聞きたかった」」」」」

 

いつの間にか姉妹全員キッチリ揃って洗面所に特攻(ブッコミ)をかける。

取り残された思春はどうしたものかと思ったものの、恋の部屋で悪戦苦闘している夏侯姉妹も集めた方が良かろうと階段を駆け上がった。

日ごろの行いが良かったのか、恋が放り投げた家具諸々は殆どそのまま使えたのでダイナミック模様替えの終わったリビングのテーブルにこんもりと置かれた本の小山。

一番上の表紙を飾るおねーちゃんからして中々のエロス漂いまくる一品だったが、それは思春が吐いた場所にあった本ではなかった。

 

「成る程。となればこの辺りも怪しいですね」「・・・ここにもある、気がする」「と、なると・・・失礼しますよ」

 

一刀マイスターの恋と全壊ストーカー・秋蘭、そして座っていれば出来る女、稟の考察は見事に当たり、盲点だった天井や本棚の板の間。そして旅行用のスポーツバッグetcから出るわ出るわ一刀のコレクション。

 

「これで全部か?」

「確証があるわけじゃありませんが、後怪しいのは親父殿達の部屋ぐらいですし」

「お父さんの趣味とか知りたくもないしねー」

「父も娘達に生ゴミ見る目で見られたくはないでしょうし」

「ほな、ちょっくら拝見といこか」

 

霞が目配せすると、全員が(`・ω・´)な顔付で頷きあっていた。

まず真っ先に恋が一冊確保しページを開く。

続いて秋蘭と凪、桃香と続き、霞はとりあえず近くにあったのを。思春は興味をそそられる本(いわゆる二次元)がないものの、とりあえず一冊。

春蘭は二冊手にとったはいいが、さてどちらから見るべきかと首を傾げていた。

 

先ずは姉'sの情景。

 

「うーわー・・・えっろ」

「・・・・・・うそだかずとはこんなのみないもん」

「・・・恋の方がおっぱい大きいもん」

「しかし、これだけの内容の物が小遣いの範囲内だというんですから、凄いですねこの手の商品って」

「おっしゃ勝った・・・おっけぃ私のが腰細い・・・んーだよベリショとか空気読めっつーの、カズちゃんロング派だかんな。おめーのでばんねーから!」

 

上から順に実はあんまり読んだ事がない霞、予想以上にドギツいヤツを掴んじまった凪、自分の方がおっぱい大きいのにと不貞腐れる恋、何の感慨も無くページを捲る稟、一々文句つけないと暴れだしそうなぐらいムカついてる桃香様の順でお送りしました。

 

続いて夏侯姉妹+思春の情景。

 

「あらあら、この人ちょっとお姉ちゃんに似てますねぇ♪  あら、こっちは似てないですね、残念」

「今の所トータルで巨乳が多目だな。舶来はなんかもう人種自体をどうにかする」

(実写ばっかでつまんねー)

 

とりあえず自分に似ているか似ていないかを重要視する春蘭、一刀ノートにカリカリと情報を更新していく秋蘭、とりあえず手遅れな思春。全員一度深呼吸してみるのがいいかもしれない。

 

「ほらー、見てみ凪ちゃん。やっぱカズちゃんの業は深いんだって」

「ち、違う!!一刀は普通だ!!ほら!!」

「ねぇ霞ちゃん、このブラ可愛いですねぇ。何処で買えるのか知ってます?」

「もし万が一ウチがそれ知ってるとして、お前どないするつもりやねん」

「思春、貴女なんか普通ですね。もっとアタフタするもんだとばかり思ってましたが」

「・・・まぁ、一応知識ぐらいは」

「そうだな。九割ぐらい間違ってるとも思うが、知識量ならお前がNo.1だ」

「(´・ω・`)」

「恋はどないしたねん・・・」

「恋、髪の毛長くない・・・」

「恋ちゃんm9(^Д^)プギャー」

「アンタは日ごろの罰が当たってるんですよ」

「ザマァ以外の言葉が私の頭から出てこない」

「恋さん、ここはショートカット同士、同盟組みましょう」

「秋蘭良い子・・・」

 

と、八者八様の面持ちで、時折情報交換なんぞしながら過ごす事数十分―――視線で申し合わせて、最後に残った恐らくは一刀のお気に入りであろうこの一冊。

 

「明らかに、読み込まれてますね」

「誰が見ても一目瞭然ってヤツですねー」

「と、いう事は―――コレの中身で、カズちゃんの好みが分かる、と」

 

全員が全員本気と書いてマジと読む目付きになった。

 

「一つ提案があるのですが。先に他の本を片付けて、これ一冊に集中すべきかと」

「・・・抜け駆け禁止」

「秋蘭、確か貴女ポラロイドで状態保存していましたね?」

 

一刀にとって不幸な事に、全方位から隠されていた場所を写真で保存されていたので「あれ?何か動いてる?」なんて疑問すら持つ事無く、今日の出来事は闇に葬りさられる事が決定した。

誰だって想い人に嫌われるのは御免なのは当然だろう。加えて一人がボロを出せば、その一人が全員係わっていたという事を白状するのは火を見るより明らかなこのメンバー。

八人全員でキッチリと後片付けを行い、『この本の中身がどうであれ決して一刀に確認を取らない』という念書に血判を押した所で、代表者であり発足人の霞が代表して、最後の本を開いた。

「・・・ねぇ、アタシにはどう見ても霞ねーさんにしか見えないんだけど」

「同感だ・・・髪型一つで此処まで変わるか・・・」

「解せぬ」

「・・・・・・あっるぇ?」

「霞ちゃん、当然お説教ですよね?常日頃から厳しく躾けてるんですから、当然お説教ですよね?」

「ロングだ。大丈夫、二年ぐらいかければこの髪形になれる」

(ありえねぇあのシスコン・・・・・・あれ、髪の毛セットの本どこだっけ)

「な、なんや恥ずかしいなぁ・・・」

 

誰が見ても一目瞭然。折り癖すらついているその場所から数ページに渡って写っている女性。

女性自体は、まぁこう言ってしまってはなんだが、人並みな容姿だった。決して此処にいる八人と比べて圧倒している様な顔立ちではない。まぁこの八人がチート積みすぎているのも確かなのだが。

しかし、女性の印象は諸々のファクターで一気に変わり、それがどう作用するかは人其々だろう。

ここで重要なのは、一刀はこのページの何に惹かれたのか、この女性の何処に惹かれたのか。

悔しいが、此処にいる女性の中で一刀が一番長く過ごし、且つ一番大切に思っているであろう姉と同じ髪型。少し集中を切って何気なく見てみればその人に見えないことも無い。

そういう事である。

 

「巻き髪って言うんでしたっけ・・・?霞ちゃんの髪型」

「これメンドクサイんだよねーやるの・・・いややるけどさ、するけど・・・何か負けた気分」

「恋できない・・・」(´;ω;`)

「い、いや別に・・・こんなん偶々ちゃーうんか?」

「すっごい上から目線ですね、霞姉様」

「どうしてでしょう、私無性に霞姉さんの部屋を闊歩したくなりました」

「お前それ自分でゆーとって悲しいないんか?」

「もうね、なんか心の傷とかどんと来いって感じなんですよ今。やさぐれてるんですよ今」

(お団子はダメだったのかなぁ・・・フリフリするの可愛いって言ってたのに・・・)

「霞ずるい・・・」(´;ω;`)

「お前はベーベー泣くなもう・・・はいはい、ごめんなー」

「霞さん。後でどんな報復でも復讐でも受けますので、一発だけ本気で殴らせて貰えませんか」

「秋蘭はちっと深呼吸しよな、さっきから吸う音聞こえてないで」

 

何時もなら霞が悪戦苦闘しながら全員を宥めていくのだが、現在その霞の言葉がただただ憎たらしい。

一人勝ちしている女に褒められたって心がズタズタになるだけだ。

 

「恋もそれにする」(´;ω;`)

「無茶言いなや・・・」

「霞姉様、私とおそろいの三つ編にしてみるってのはどうでしょうか」

「ウチは髪降ろすんあんま好かんからなぁ・・・偶にやったらええけど」

「私は常々思っていたんですよ、霞姉さんには眼鏡が似合うと」

「いや2.0オーバーやから・・・」

「・・・お団子とか、良いと思います」

「いやウチの年でそれはキツいんちゃうかなぁ・・・」

「おでこ出すのとかいいじゃないですか」

「いやここは前髪を残してバッサリ切ってしまいましょう、そうしましょう」

「とりあえずお前らは意見揃えてから口開こか?」

「あーもーやる気無くなった。アタシのやる気全部無くなった。全部霞ねーさんの所為だから」

「お前がやる気に満ち溢れてる時がどんだけあるねん」

 

四方八方から言いたい放題に攻め立てられ、しかしまぁ仕方ないと霞は内心で嘆息し、それと同時に確かな充実感を得てから妹達+αの八つ当たりに付き合うのだった まる

おまけ 一方その頃一刀は―――

 

「星!クレ入れろって早く!」

「この世が戦場なら金は弾丸!」

「「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!」」

「白熱してんなぁ二人して・・・」

 

何か珍しく用事があるらしい思春を残して星と干吉の三人で、霞から与えられた諭吉さんを武器にゲーセンで遊んでいた。

星は昨日何を読んだのか。まぁ十中八九福本作品である事に違いない。

 

「見てな・・・凍りつかせてやる・・・(キリッ」

 

と発言してネット麻雀始めて一局目で倍満振り込んでたし。

干吉はガンシューティングをやっている二人を背後から見守っていたが、どうにもその顔は芳しくない。

原因は秋蘭のオブラートに包まない「一刀のエロ本どーこだ?」という内容のメールを見たからだった。

 

「「いえーい!!」」

「金の暴力だなぁおい」

 

遂にラスボスを撃ち倒したのか、星はやったやった!と一刀に抱き付いてはしゃいでいる。

一刀は一刀で片手でガッツポーズを取りつつも、空いた片手で星をしっかりと抱きしめるジゴロっぷり。

 

(星のヤツも素で告りゃ上手く行く気がするんだけどなぁ・・・)

 

自分の素を出さずに、漫画やらゲームやらから引用して度々一刀に告白しているのを目撃している干吉だったが、一刀本人はネタを振られた。という認識しかしていないのがもう何と言うか哀れだった。

干吉的には過去の負い目も手伝って何とか思春が頭一つ抜けないものかと思っているのだが、まぁそれは蛇足である。

 

「うきっちゃん飯どーする? 皆で食う?」

「ボクお寿司がいいなー♪」

「カズはいいんかよ?」

「俺は霞姉さんに食って来いって言われてる。あ、やべぇいくら残ってるっけ」

「かーずーにー!」

 

秘蔵のコレクションが蹂躙されている事など露知らず、身体を預けて甘えだした(様にしか周囲には見えない)星をあしらいながら一刀は財布の中身を数える。

 

「おっけ、マクドに変更な」

「チキンナゲットで手をうったげよー」

「たかるんじゃねえよ」

 

傍目から見れば―――うん、兄と妹だ。たとえ星の胸が此処最近急激に成長して思春涙目な状況だとしても、その乳を一刀に惜しげもなく「あててんのよ」していたとしても、一刀の中では妹でしかないだろう、きっと。

 

「カズも業が深いねぇ・・・」

「うきっちゃーん!」「うきーつ!!」

「へいへい」

 

年頃の男の子に有りがちな『おいオメー好きなタイプどんなのよー?』みたいな会話を振られ、ノータイムで出した一刀の結論がそれを物語っている。

 

「俺より背が高い黒髪ロングの暴乳オネエ系でMな年上の人」

 

可愛いよりは美人なタイプ。と表情を全く変えずに素面で言い切ったのを思い出し、暴乳とは爆乳よりもデカいと言う意味で言ったのかを今一度考える干吉だった。  知らぬが仏。

反省。

 

はっちゃけ回でした。桃香様便利、華琳様についで桃香様便利。

華琳と桃香の絡みがどうなるのか、今から楽しみで仕方ない。

星をハブってしまったので、オマケで優遇してしまいました。この後甘えるフリしてホッペにチュッとかしまくりです。

 

内容が恋ねーちゃんいじめみたいになってしまってますが、恋ねーちゃんは意図的に落とさないと全部蹴落として独占するので仕方ないね。

後で読み直すと会話箇所が誰が言ったのか解りにくい箇所が多々ありますね、書いてる本人しか解らないのもどうかと思いますので、御指摘頂ければ補足付け足そうかと思ってます。

 

次回は多分華琳と冥琳のウキウキ一刀家訪問ツアー。それか一刀と姉’sの温泉旅行出発編になると思います。

好きだったお笑いのDVD発見したので、桂花メインで書くかもしれません。

 

最近過去の作品読んでて、書くと言ったのに書いてないSS多かったので、それを纏めるのが大変です。ボスケテ。

 

今回も同時投稿してます。そっちは熟女のドロドロ話。ネタ的にもヤバいので制限かけております。

 

では、次ページからはお礼返信です。

AAA様   音速超えて動いて!!

 

月蛍様   思春は、思春だけは許してあげて。だってそうすりゃ喪服姿で(ry

 

七夜様   七夜さん? あぁ、良い奴だったよ・・・

 

不知火弐型様  もうありがとうございますとしか言えません。待たせてばかりですんません。

 

Nao.様    自分で書いておいてなんですけど、あのシーンの雛里タソむっちゃ腹立ちますねww

 

黒部様    貴方の一言で紫苑登場させちゃったじゃないか、どうしてくれる。

 

信号様    華琳様は無敵です。最弱かもしれませんががが。

 

ノワール様  史上最強の生物集団による包囲網とかなんという胸熱。

 

Kito様    華琳は人の話を聞かないからなぁ・・・

 

黄昏時の文鳥様  ごめんね、華琳ちゃん今息してないの・・・

 

ハセヲ様   お待たせしました。楽しんで頂けたら嬉しいです。

 

toki様    この世界の姉は弟を存分に可愛がり、近づく獅子を谷ぞこに蹴落とすらしいです。

 

ちゃあ様   ありそうでなかった。良いところに真っ先に食いつけました。  あ、ごめんほめ殺しやめて。今何でも言うこと聞きそう。

 

大性堂ティマイ鳥様  おっぱいカバーとおしりカバーのエロいのがちゃんと見つけられる所に置いてありますよきっと。

 

zero様   今すぐ通帳からお金全額降ろして!!一刀の家に引き篭って!!

 

misura様  ほんと、自分でもそう思います。

 

無双様   なんという的確で完結なツッコミ。

 

ちきゅさん様   え?         え?

 

akieco様   次回、新星一刀兄弟(華琳・姉 一刀 風・妹 流琉・妹)の活躍にご期待くださいっ!!

 

2828様   逆に考えるんだ、腕は一本でもいいやって考えるんだ。

 

ポセン様  華琳様無自覚に報告という名の自慢しちゃうから・・・

 

よーぜふ様  でもこれって、僕の愛なの。  よし、正当化された。

 

ヴィヴィオ様  華琳様のキャッチコピーは『次なんて、いらない』です。

 

mkm様   コメントありがとうございます、頑張れます。

 

リッチー様  脳内コンピュータに検索かけましたが、検索結果が0件でした。

 

付和雷同様  きっと二人は子沢山になりますね。

 

絢風 悠様  電○あたりから『逃走覇王・華琳』連載開始ですね、わかります。

 

tyoromoko様  思春が良い奥さんすぎてあれ以上書くのが辛い。

 

悠なるかな様  いつもお世話になってます。あ、ボスケテ。

 

happy envrem様  ネタだけオマケにつっこんでおきました。happy envremさんの反応よければ頑張ります。

 

コレキ様    なんか何処に逃げても華琳様なら大丈夫っていう信頼があります。

 

quarter様   抜群の安定感を誇る私の華琳様。生まれてくれて、ありがとう。

 

samidare様  桂花難しいんだもんなぁ・・・

 

shirou様   秋蘭さん曰く、可愛いオイタだそうです。

 

風籟様    いえいえ、読んで下さってありがとうございます。

 

達様     次回作でるまでは、なんだかんだ続けそうです。今のテンション的に。

 

Ocean様   アレはダウンタウ○の『ストーカー』ってコントのパクゲフンゲフン!! オマージュ!!!のつもりでした。

 

readman様   凄くありがとう。嬉しいです。

 

azu様     いえいえそんなそんな!!私なんてとてもそんな!!

 

nameneko様  人生ギブアンドテイクです。

 

ロンギヌス様  もうチートでもなんでも使って逃げて!!

 

t-chan様    走攻守、三つ揃ったスーパースターです。

 

比良坂様    桃香様と愛紗とは、意外なコールいただけました。 まぁ愛紗が嫁入りした時の話とか妄想した事はありますが。

 

ルーデル様   コメント見て「やった、楽にキャラが立った」と思ったのは内緒。

 

ミドリガメ様  ここの思春さんはある意味一番のメインヒロインですから。翠と華琳は後付ありきの最強馬という脳内保管。

やっちゃいけないオマケのオマケのもひとつオマケ。

 

ISネタ。なんやかんやで一夏がちんまい。千冬さんはかなりおかしい。

 

 

「一夏、気分は「ちー姉ちゃん!!ちー姉ちゃん!!」どうした?!」

「ドリルは?!」

「・・・え?」

 

やめて、そんなキラキラした瞳で私を見ないで。

 

「だからドリル!!どうやって出すの?!ねぇ!!」

 

未だかつて、コレほどまでに動揺した事が彼女の人生であっただろうか。

紛れも無く、地上最強の女の称号を与えられるに相応しい織斑千冬が、気圧されている。

 

「山田先生」

「うぇ?!ア、アタシが言うんですか?」

「真耶ちゃんせんせー!」

「山田先生、一夏が待っています」

「いやいやいやいや、千冬先輩が言えばいいじゃないですか!!なんでアタシに振るんですか」

「山田先生」「真耶ちゃんせんせー!」

「・・・あー、その・・・落ち着いて聞いてね?一夏くん」

「ハリーハリーハリー!!」

「あの・・・その機体には、ドリル・・・ついてないの」

 

 

 

「え?」

「その機体――白式には、雪片っていう刀の装備しか・・・ないの」

「え? だって、俺男の子だよ?」

「え、えぇ、知ってます、ちゃんと、十分。意外と胸板厚かったりして先生ドキッとしちゃったし」

「なんでドリルついてないの?」

「それは千冬先輩「一夏、ISは全て束のアホが作ったんだ。だから、詳しい事は束に聞けばいい。とにかく、“山田先生が!!”言った通り、ソレにドリルはついてない」

「・・・・・・ドリル」

「うん、残念だよな。けどな、一夏。その雪片は私が使っていた型と同じなんだぞ?凄いだろ、色々“頼み込んだ”からな」

「ドリル・・・」

 

「山田先生どういう事だ、一夏喜んでないぞ。私と、お姉ちゃんと御揃いなのに」

「ロマンはペアルックを凌駕するんじゃないんですか・・・」


 
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